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半導体製造装置

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半導体製造装置は、日本が米国と並んで世界をリードする戦略産業である。東京エレクトロン(TEL)はコータ/デベロッパ・エッチング装置で世界トップクラスのシェアを持ち、売上高2兆円超・時価総額20兆円超の巨大企業に成長した。レーザーテックはEUVマスク欠陥検査装置で世界唯一の供給者であり、先端半導体の微細化に不可欠な存在である。SCREENホールディングスは洗浄装置で世界首位級。ディスコはダイシング(ウェハー切断)装置でシェア約8割を誇る。半導体の微細化競争が続く限り装置需要は拡大し、AI半導体の爆発的な需要増が追い風となっている。一方、米国主導の対中輸出規制により、中国市場への販売制限が各社の成長シナリオに影響を及ぼしている。装置産業は「技術独占型」のビジネスモデルゆえに利益率が高く、日本製造業のなかでも突出した収益性を誇る。

1963年 創業
東京エレクトロン
売上高
18,305億円
2024/03
当期純利益
3,639億円
2024/03
1963年にカーラジオ輸出で創業し、1965年にフェアチャイルドとの代理店契約を機に半導体製造装置に参入。自社開発と海外技術の導入を組み合わせて製品群を拡充し、1989年に半導体製造装置メーカーで世界首位に到達した。1994年にグローバル直販体制へ移行し、取締役会改革など経営近代化も推進。2013年に米アプライドとの統合を発表するも撤回し、自主独立路線で研究開発投資を拡大。2023年に過去最高益を達成している。
1941年 創業
HOYA
売上収益
7,626億円
2024/03
当期利益
1,825億円
2024/03
1941年に東洋光学硝子製造所として創業し、光学ガラスの製造から出発。戦後にクリスタルガラスへ参入し、1958年にメガネ事業、1974年に半導体用マスク基板の製造を開始するなど多角化を推進。1994年以降はROE重視の経営に転換し、不採算事業の撤退を進めた。2000年代に生産拠点を東南アジアへ移管し、眼鏡レンズ事業の買収を重ねてライフケア分野を強化。EUVマスクブランクスなど先端素材でも存在感を示す。
1954年 創業
アドバンテスト
売上高
4,865億円
2024/03
当期純利益
781億円
2024/03
1954年設立。タケダ理研工業として電子計測器の開発で創業し、国産初のICテスタで半導体検査装置に転換した。コンピュータ計測事業の失敗で創業者が解任される社内クーデターを経験したが、富士通の救済支援を受けてICテスタに経営資源を集中。100MHzテストシステムの開発で技術的優位を確立し、1996年に半導体検査装置で世界シェア約40%を獲得した。半導体市況の波で赤字と好況を繰り返しながら、検査装置の世界的リーダーに成長。
1917年 創業
ニコン
売上収益
7,172億円
2024/03
当期利益
321億円
2024/03
1917年に三菱合資会社の出資で日本光学工業を設立し、光学ガラスの量産化に成功。軍需生産の拡大を経て戦後はカメラ・レンズの民需転換を推進し、高級カメラで国際的な評価を確立した。1980年に半導体露光装置ステッパーに参入して二本柱体制を構築したが、1999年に顧客転換の失敗で赤字に転落。カメラ生産のタイ・中国への移管が進み、近年は眼底カメラや3Dプリンターへの参入で新たな事業領域の拡大を模索している。
1868年 創業
SCREEN HD
売上高
5,049億円
2024/03
当期純利益
705億円
2024/03
1868年に石田旭山印刷所として創業。1943年に大日本スクリーン製造所を設立し、印刷関連機器の製造を主力とした。1975年に半導体製造装置のエッチング分野に参入し、1985年にウエハ洗浄装置の生産拠点として洛西工場を新設。1994年に電子工業向け機器が印刷関連を上回り事業構成が逆転した。2000年代に印刷事業を分割し半導体洗浄装置に経営資源を集中、2022年にウエハ洗浄装置で世界シェア首位を獲得した。
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