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非鉄・鉄鋼

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日本の鉄鋼産業は、官営八幡製鉄所(1901年)を起点に近代化が始まり、戦後の傾斜生産方式によって復興の牽引役を担った。1970年に新日本製鐵が誕生し粗鋼生産量で世界首位となるが、韓国・中国の台頭により2000年代にはシェアが急低下。2012年に新日鐵住金(現日本製鉄)が発足し、さらに2019年に日鉄日新製鋼を完全子会社化するなど国内再編を推進した。日本製鉄は2024年にUSスチール買収を試みるも、米国政府の介入で難航。非鉄金属分野では住友金属鉱山がニッケル精錬と金鉱山で世界的地位を持ち、三菱マテリアルはセメント・銅・超硬工具の複合経営を展開する。JFEスチールは高級鋼板に特化して自動車向けで競争力を維持。脱炭素社会への移行に伴い、水素還元製鉄や電炉シフトが業界共通の長期課題となっている。

1892年 創業
三井金属鉱業
売上高
6,466億円
2024/03
当期純利益
259億円
2024/03
1892年設立。三井鉱山の製錬部門を母体に神岡鉱山の亜鉛・鉛精錬で成長した。ペルー・ワンサラ鉱山など海外権益も取得したが、1972年のイタイイタイ病補償で無配転落し、神岡鉱山の段階的縮小を余儀なくされた。1980年代の大規模な人員削減と再建計画を経て、銅箔・TABテープなど電子材料への事業転換を推進。自動車部品の海外生産にも進出し、排ガス浄化触媒の量産を開始。資源会社から先端電子材料メーカーへと変貌を遂げた。
1918年 創業
三菱マテリアル
売上高
15,406億円
2024/03
当期純利益
297億円
2024/03
1918年設立。三菱鉱業として非鉄金属・石炭から出発し、超硬工具への進出とセメント事業の統合で三菱マテリアルに改称。シリコンウエハー事業では住友金属と統合してSUMCOを生み出した。しかしアルミ機器・製缶事業での苦戦や品質不正の発覚が経営を揺さぶり、セメント事業はUBEとの統合に至った。事業ポートフォリオの入れ替えを続けながら、銅製錬・超硬工具・電子材料を軸に総合素材メーカーとしての再構築を図っている。
1927年 創業
住友金属鉱山
売上高
14,453億円
2024/03
当期利益
586億円
2024/03
1927年設立。住友別子鉱山を母体に、江戸時代から続く別子銅山の操業を近代化して非鉄金属製錬に展開した。1962年以降は国内鉱山の閉山を進め、1973年に別子銅山を閉山。1985年の菱刈金山開山と1986年の米モレンシー銅山権益取得で海外資源開発に軸足を移した。電子金属・機能性材料にも進出し、青海工場での電子材料製造や東予製錬所の新設で製錬技術を高度化。資源開発から先端材料まで一貫する非鉄金属の総合メーカー。
1884年 創業
DOWA
売上高
7,171億円
2024/03
当期純利益
278億円
2024/03
1884年創業。藤田組が小坂鉱山を取得して製錬業に参入し、国内有力鉱山の買収で鉱業基盤を築いた。戦後は同和鉱業として非鉄金属製錬を展開したが、1970年代の鉱山規模縮小を契機に電子材料と環境リサイクルへ事業転換を開始。2002年に吉川廣和社長が就任すると環境リサイクル事業への集中投資を断行し、小坂製錬でのリサイクル炉新設や廃棄物処理事業の買収で業容を拡大した。鉱山会社から環境・リサイクル企業へと変貌を遂げている。
1970年 創業
日本製鉄
売上収益
88,680億円
2024/03
当期利益
5,493億円
2024/03
1970年設立。八幡製鐵と富士製鐵の合併により新日本製鐵として発足し、粗鋼生産で世界最大級の鉄鋼メーカーとなった。大分製鉄所の新設で生産体制を拡充する一方、鉄鋼不況のもと4次にわたる合理化で釜石の高炉停止など国内生産体制を大幅に再編。半導体やエレクトロニクスへの多角化は撤退に至った。2012年に住友金属工業と経営統合して日本製鉄に改称し、日新製鋼買収やUSスチール買収計画などグローバル鉄鋼再編を主導する。
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