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医薬品・医療機器

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日本の製薬産業は、戦後の抗生物質国産化を起点に発展し、武田薬品・アステラス・第一三共・エーザイ・中外製薬などが国際的な存在感を持つまでに成長した。1990年代までは国内市場の薬価制度に守られた内需型産業であったが、新薬開発の巨額化(1品目あたり数千億円)とグローバル競争の激化により、2000年代以降は大型クロスボーダーM&Aが相次いだ。武田薬品は2019年にアイルランドのシャイアーを約6.2兆円で買収し、売上高で世界トップ10入りを果たした。中外製薬はロシュとの戦略的提携により、独自の抗体技術を世界に展開する独自モデルを確立。医療機器分野ではオリンパスが消化器内視鏡で世界シェア7割を握り、テルモは心臓血管デバイスでグローバル展開を進める。バイオ医薬品・再生医療・デジタル治療への転換が業界全体の課題である。

1936年 創業
協和キリン
売上収益
4,422億円
2023/12
当期利益
811億円
2023/12
1936年設立。協和化学研究所として発酵技術を基盤に出発し、ストレプトマイシンやグルタミン酸ソーダの製造で成長した。医薬品・酒類・化学品・食品の4事業部体制で多角化を進めたが、2000年代以降は酒類をアサヒビールに、化学品を外部に相次いで売却し医薬品に集中。2008年にキリンHDの傘下に入り、協和キリンとして抗体医薬を軸にグローバルスペシャリティファーマへの転換を推進する。英国でのバイオ企業買収も積極化している。
1925年 創業
中外製薬
売上収益
11,136億円
2023/12
当期利益
3,254億円
2023/12
1925年創業。中外新薬商会として出発し、解毒剤グロンサンの販売で経営基盤を築いた。1984年に米Genetics Instituteへの資本参加でEPO製造販売権を取得し、バイオ医薬品への転換に着手。2002年にスイスのロシュと戦略提携を締結して研究開発力を飛躍的に強化し、国産初の抗体医薬品アクテムラや血友病治療薬ヘムライブラを生み出した。一般用医薬品事業の譲渡や研究所統合を経て、日本を代表するバイオ製薬企業に成長。
1919年 創業
オリンパス
売上高
9,362億円
2024/03
当期純利益
2,425億円
2024/03
1919年に高千穂製作所として創業し、顕微鏡製造から出発。1950年に世界初の胃カメラを開発して医療機器に参入し、1960年代にはカメラのペンシリーズが爆発的にヒット。内視鏡事業を本格化させ、医療機器メーカーとしての地位を確立した。2011年に長年の不正会計が発覚し経営危機に陥るも、アクティビスト投資家の関与を経て医療分野への集中投資を決定。2020年にカメラ事業を売却し、医療機器専業へと転換を遂げた。
1899年 創業
ロート製薬
売上高
2,386億円
2023/03
当期純利益
263億円
2023/03
1899年創業。信天堂山田安民薬房として胃腸薬の販売で出発し、1909年に点眼薬ロート目薬を発売して眼科領域に参入した。1975年に軟膏メンソレータムの商標使用権を取得し、1988年には米国メンソレータム社を買収してグローバルブランドを獲得。化粧品・スキンケアに本格投資し、東南アジアへの生産拠点展開も積極化した。副業容認制度の導入など独自の人事施策でも注目を集め、大衆薬メーカーから総合ヘルスケア企業へと進化を遂げた。
1781年 創業
武田薬品工業
売上収益
45,815億円
2025/03
(親)当期利益
1,081億円
2025/03
1781年創業。薬種商として近江屋で開業し、武田製薬所の設立を経て近代製薬企業に転換した。大衆薬アリナミンの大ヒットで知名度を高め、リュープリン・タケプロン・プログラフなど大型新薬を次々と輩出。2000年代以降は非注力事業の売却を進め、ミレニアム・ナイコメッド・ARIADの買収で海外パイプラインを獲得した。2019年のShire買収で世界トップ10入りを果たし、希少疾患・血漿分画製剤を中核とするグローバル製薬企業に変貌。
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