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重工・造船
3日本の重工業は、明治政府の殖産興業政策と軍需産業を母体に発展した。三菱重工業・川崎重工業・IHI(石川島播磨重工業)の3社が中核を成し、造船・航空機・発電プラント・防衛装備など国家インフラの製造を担ってきた。三菱重工は戦前の零戦製造から、戦後は火力発電タービン・ロケットまで手がける日本最大の重工メーカーであるが、国産旅客機「三菱スペースジェット(MRJ)」は開発難航の末2023年に撤退を表明し、約1兆円の開発費が事実上の損失となった。造船業は1950年代に世界首位に立ったが、韓国・中国との価格競争で次第にシェアを喪失。今治造船が国内首位として健闘するものの、かつての勢いはない。一方、防衛費増額やエネルギー転換の潮流は追い風であり、ガスタービン・原子力・水素関連技術が成長の柱として期待されている。
1917年
創業
三菱重工業
売上収益
46,571億円
2024/03
当期利益
2,220億円
2024/03
1917年設立。三菱造船として長崎に創業し、海軍艦艇・航空機・タービンに多角化して日本有数の重工メーカーに成長した。戦後の財閥解体で3社に分割されるも1964年に再合併を果たし、戦闘機・原子力発電・宇宙ロケットで寡占的地位を築いた。一方でMU-300ビジネスジェットの商業的失敗や客船の納期遅れによる巨額損失、SpaceJetの開発断念など民間市場では撤退が相次いだ。防衛・エネルギー・宇宙を柱に2024年に過去最高益を達成。
1878年
創業
川崎重工業
売上収益
18,492億円
2024/03
当期利益
253億円
2024/03
1878年創業。川崎築地造船所として出発し、川崎汽船の設立や航空機・鉄道車両への多角化で総合重工メーカーに発展した。軍縮による和議申請や財閥解体による3社分割を経験したが、1969年に川崎重工・川崎航空機・川崎車輛の3社合併で再統合。二輪車Kawasakiブランドの世界展開に成功し、産業用ロボットにも早期参入した。NY市向け地下鉄車両や防衛省向け哨戒機の製造で実績を積み、防衛・航空・二輪・ロボットを柱とする重工メーカーに。
1889年
創業
IHI
売上収益
13,225億円
2024/03
当期利益
-682億円
2024/03
1889年設立。石川島造船所として東京に創業し、航空機部門と自動車部門をそれぞれ立川飛行機・いすゞ自動車として分離した。1960年に播磨造船所を合併して石川島播磨重工業に改称し、造船・ジェットエンジン・プラントに事業を拡大。豊洲の造船所跡地再開発で不動産収益も確保した。2000年代に船舶海洋事業を分社化して造船から実質撤退し、IHIに商号変更。航空エンジン・ターボチャージャー・防衛を柱とする総合重工メーカーとして再出発した。