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食品・タバコ
6日本の食品産業は内需型の安定産業と見られがちだが、その裏では大胆なM&Aと海外展開が繰り広げられてきた。味の素は「うま味」の工業化で世界130カ国以上に事業を展開し、調味料の世界トップ企業に成長した。日清食品はインスタントラーメンという食品カテゴリそのものを創出し、グローバル年間需要1,200億食超の市場を築いた。JT(日本たばこ産業)は1999年のRJRインターナショナル買収、2007年のギャラハー買収と2度の大型クロスボーダーM&Aで世界3位のたばこ会社に躍進し、国内たばこの衰退を海外収益で補う構造を確立した。一方、少子高齢化と人口減少に伴う国内市場の縮小は全社共通の課題であり、健康志向への対応、植物性たんぱく質や代替食品への参入、東南アジア・アフリカなど新興国市場の開拓が成長戦略の軸となっている。
1911年
創業
ニッスイ
売上高
8,861億円
2025/03
当期純利益
253億円
2025/03
1911年創業。田村汽船漁業部として遠洋トロール漁業に参入し、日産財閥傘下を経て日本水産に改称。南氷洋捕鯨や北洋のサケマス・カニ漁業で戦後日本の食料供給を支えたが、1970年代の200海里規制を契機に遠洋漁業から段階的に撤退した。水産加工・冷凍食品へと事業の軸を移し、医薬品にも多角化。2000年代以降は海外買収によるグローバル展開と食品加工への集中投資で、遠洋漁業会社から総合食品企業へと変貌を遂げた。
1917年
創業
キッコーマン
売上収益
6,188億円
2023/03
当期利益
437億円
2023/03
1917年設立。野田の醤油醸造家8家が合同して野田醤油を設立し、1928年の野田争議を経て近代的な経営体制を確立した。醤油国内シェア首位の地位を固め、1957年に米国法人を設立して海外進出に着手。1972年にウィスコンシン州で北米現地生産を開始し、醤油の国際ブランド化に成功した。デルモンテ商標の取得やコカ・コーラボトリング事業への参入で食品・飲料にも多角化し、グローバル調味料メーカーへと発展を遂げた。
1888年
創業
味の素
売上高
15,305億円
2025/03
当期利益
702億円
2025/03
1909年創業。池田菊苗博士のうま味発見を事業化し、調味料「味の素」の販売で食品化学の基盤を築いた。戦後は特約店網の全国整備とアミノ酸の発酵法開発で事業を拡大し、1960年代から東南アジアを皮切りに海外進出を本格化した。冷凍食品・医薬品・化成品にも多角化し、欧州のオニケム社やオルサン社の買収でグローバル体制を構築。飼料用アミノ酸の増産と価格改定で収益基盤を強化し、世界有数のアミノ酸企業に成長した。
1942年
創業
ニチレイ
売上高
6,622億円
2023/03
当期純利益
215億円
2023/03
1942年設立。帝国水産統制株式会社として戦時統制のもと発足し、戦後は日本冷蔵に改称して冷蔵倉庫と水産加工を展開した。1980年代に水産部門の赤字を契機に家庭用冷凍食品のマーケティングを本格化し、唐揚げ原料の輸入調達切り替えや冷食ブランド開発で事業転換を推進。本格炒め炒飯・特からなどヒット商品を生み出し、低温物流事業との両輪でコールドチェーン総合企業に成長した。海外買収によるグローバル化も推進中。
1949年
創業
JT
売上収益
31,497億円
2024/12
(親)当期利益
1,825億円
2024/12
1985年設立。日本専売公社の民営化により発足し、国内たばこ市場の縮小に対して海外M&Aで成長の活路を開いた。1999年にRJRナビスコの海外たばこ事業を買収して一気にグローバル化し、2007年のGallaher買収で欧州の製造・販売基盤も確立した。国内では希望退職の募集と不採算工場の大量閉鎖で徹底的な構造改革を断行。加ト吉買収で食品事業にも進出したが飲料からは撤退し、たばこ本社機能をジュネーブに統合した。
1898年
創業
RJRナビスコ
Sales
8,268$100M
1999/12
NetIncome
357$100M
1999/12
1898年にNational Biscuit Companyとして発足し、オレオやリッツなど定番ビスケットを生み出した。1941年にナビスコに改称し海外展開と多角化を推進。1985年にたばこ大手RJレイノルズとの合併でRJRナビスコが誕生したが、1989年にKKRによる史上最大規模のLBOで買収された。ガースナーCEOが経営再建を主導し事業売却と人員削減を断行。1999年にたばこ事業をJTに売却後、2000年にフィリップモリスに買収され消滅した。