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不動産・住宅
2日本の不動産産業は、バブル経済とその崩壊によって劇的な盛衰を経験した業界である。1980年代後半、東京の地価は天文学的水準に高騰し、皇居の土地価格がカリフォルニア州全体を上回るとまで言われた。1991年のバブル崩壊で地価は暴落し、不良債権問題が金融システム全体を揺るがした。三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産・野村不動産が「大手デベロッパー」として業界を牽引し、都心再開発と大規模複合施設の開発で業績を回復させた。三菱地所は丸の内エリアの再開発で「丸の内の大家」としての地位を確立し、三井不動産は「ららぽーと」「三井アウトレットパーク」で商業施設運営の雄となった。住宅分野では大和ハウス工業が売上高5兆円に迫る国内最大の住宅メーカーに成長。人口減少と空き家増加という構造的課題に直面する一方、インバウンド需要と都心回帰の流れが商業・オフィス需要を下支えしている。
1890年
創業
三菱地所
営業収益
15,046億円
2024/03
当期純利益
1,684億円
2024/03
1890年に三菱財閥が丸ノ内を一括買収し、1894年の三菱1号館竣工で赤レンガ街の開発を開始。1937年に三菱地所を設立し、戦後は丸ノ内ビルヂングや大手町ビルの建設でオフィス街を形成した。1959年に丸ノ内総合改造計画を策定し、以後60年以上にわたり同地区の再開発を主導。1990年のロックフェラーグループ出資で国際展開にも着手し、丸ビル・新丸ビルの建て替えや虎ノ門ヒルズなど大型再開発を推進している。
1955年
創業
森ビル
営業収益
2,855億円
2023/03
当期純利益
437億円
2023/03
1955年に森不動産を設立し、東京都港区でナンバービルの建設を開始。1974年に六本木赤坂地区の再開発構想を公表し、1985年にアークヒルズを竣工させて大規模複合開発の先駆けとなった。創業者の森泰吉郎が1993年に逝去した後も開発路線を継続し、2003年に六本木ヒルズ、2014年に虎ノ門ヒルズを相次ぎ竣工。2023年には総事業費5800億円の麻布台ヒルズを完成させ、港区を中心とした都市再開発を一貫して主導している。