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総合電機

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日本の総合電機産業は、明治期の重電国産化に始まり、日立製作所・東芝・三菱電機・パナソニック・ソニーグループが「電機5社」として戦後の高度成長を牽引した。家電・重電・半導体・通信機器のあらゆる分野を手がける「総合」モデルは長らく強みとされたが、2000年代以降は韓国・中国勢との競争と事業の複雑化により収益性が低下。東芝は2015年の不正会計発覚と原子力事業の巨額損失で経営危機に陥り、2023年に非上場化された。日立製作所は上場子会社22社の再編と「Lumada」を軸としたDX事業への転換で復活を遂げ、時価総額でソニーに次ぐ規模に成長。パナソニックは車載電池に注力しテスラへの供給で存在感を示す。ソニーはエレクトロニクスの赤字体質からゲーム・音楽・映画・半導体イメージセンサーの複合企業に変貌し、営業利益1兆円超を達成した。

1960年 創業
レーザーテック
売上高
2,514億円
2025/06
当期純利益
846億円
2025/06
1960年創業。X線テレビカメラの開発から出発し、下請けから脱却して1976年に世界初のフォトマスク欠陥検査装置を開発。半導体業界に不可欠な検査装置メーカーとしての地位を確立した。創業者の内山康が61歳で急逝する試練を経ながらも、位相シフト量測定装置やマスクブランクス検査装置で次々と世界初の製品を生み出した。2017年にはEUV光源を用いた検査装置を世界で初めて実用化し、最先端半導体の製造に不可欠な唯一のサプライヤーとなった。
1946年 創業
ソニー
売上高
130,207億円
2024/03
当期純利益
9,705億円
2024/03
1946年設立。井深大と盛田昭夫が東京通信工業として創業し、トランジスタラジオで世界市場に挑んだ。ウォークマンで携帯音楽文化を創造し、CBS Records・コロンビア映画の買収でエンタメ企業に変貌。PlayStationでゲーム市場にも参入し、CCDイメージセンサーの開発で半導体事業を本格化した。2003年のソニーショックや2012年の巨額赤字を乗り越え、イメージセンサー・ゲーム・エンタメ・金融を柱とする多角的経営で復活を遂げた。
1910年 創業
日立製作所
売上収益
97,287億円
2024/03
当期利益
5,898億円
2024/03
1910年創業。日立鉱山の修理工場から出発し、モーター・タービン・鉄道車両を手がける総合電機メーカーに成長した。GEとの技術提携で外国技術を導入し、半導体・HDD・家電にも展開したが、2002年に最終赤字と2万人削減を経験。2009年の川村隆社長就任を機に社会インフラ・ITへの集中を断行し、非注力事業の売却を加速した。ABBパワーグリッド買収やGlobalLogic買収でデジタル・エネルギー企業に変貌し、構造改革の成功モデルとなった。
1918年 創業
パナソニック
売上高
84,964億円
2024/03
当期純利益
4,439億円
2024/03
1918年創業。松下幸之助が電気器具製作所として個人創業し、自転車用ランプとナショナルブランドで事業を拡大した。水道哲学を掲げて事業部制を採用し、戦後は家電量産で日本の家電王国を築いた。フィリップスとの技術提携やMCA買収で国際化を進めたが、プラズマテレビの失敗で2012年に巨額赤字に転落。三洋電機・パナソニック電工の統合を経て、テスラ向け電池や車載事業に注力する持株会社制に移行し、構造改革を推進している。
1912年 創業
シャープ
売上高
23,219億円
2024/03
当期純利益
-1,499億円
2024/03
1912年創業。早川徳次が金属加工の個人事業で起業し、関東大震災で工場を失い大阪に移転。電卓CS-10Aの開発で電子機器メーカーに転身し、液晶技術の蓄積で独自の地位を築いた。2004年の亀山工場新設で液晶パネルの大型投資に踏み切り、液晶テレビAQUOSで一世を風靡。しかし堺工場への追加投資が裏目に出て巨額赤字に転落し、2016年に鴻海精密工業の出資を受け入れて台湾企業傘下で再建を図ることとなった。
1947年 創業
三洋電機
売上高
14,894億円
2011/03
当期純利益
-351億円
2011/03
1947年創業。井植歳男が松下電器から独立し、プラスチックラジオや噴流式洗濯機で成長した。1960年代にはカラーテレビの量産投資と海外展開を推進し、北米でのテレビ現地生産にも着手。1990年以降は二次電池への傾斜投資で技術力を蓄積し、リチウムイオン電池で世界的な競争力を獲得した。しかし井植家による同族経営の弊害が表面化し、有機ELへの巨額投資失敗と財務悪化が重なって2011年にパナソニックに完全子会社化される結末を迎えた。
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