The社史
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化学・プラント・製紙
7日本の化学産業は、戦前の軍需化学と肥料工業を母体に発展し、三井化学・住友化学・三菱ケミカル・信越化学工業・旭化成など財閥系・新興系が混在する厚い産業層を形成してきた。石油化学コンビナートは1950年代後半に国策として整備され、エチレンを起点とする誘導品の大量生産体制が確立したが、オイルショック以降は慢性的な設備過剰に悩まされた。2000年代以降は業界再編が加速し、三菱化学・三菱レイヨン・三菱樹脂が統合して三菱ケミカルが誕生。信越化学は塩ビ樹脂と半導体シリコンウェハーで世界首位に立ち、高収益企業の代名詞となった。製紙分野では王子製紙と日本製紙の2強体制が続くが、ペーパーレス化の進行で国内需要は縮小基調にあり、パッケージ・特殊紙・海外植林事業への転換を図る。プラントエンジニアリングでは日揮・千代田化工がLNGプラントで世界的な実績を持つ。
1926年
創業
信越化学工業
売上高
20,744億円
2022/03
当期純利益
5,001億円
2022/03
1926年設立。長野県の余剰電力を活用して石灰窒素の製造から出発し、肥料メーカーから脱却してシリコーン・塩化ビニル・半導体シリコンへ事業を転換した。1973年に米テキサスに設立した塩ビ子会社シンテックを、金川千尋の指揮のもと世界最大の塩ビメーカーに育成。フル生産・全量販売の方針を貫き、営業利益率30%超の高収益体制を確立した。半導体シリコンやマスクブランクスでも世界有数のシェアを持つ化学メーカー。
1907年
創業
北越コーポレーション
売上高
2,970億円
2024/03
当期純利益
83億円
2024/03
1907年設立。新潟県の製紙会社として創業し、幾多の経営危機や新潟地震・中越地震の被災を乗り越えて成長した。田村文吉ら経営者のもと品質向上と設備投資を推進し、洋紙で国内5位の地位を確保。2006年には王子製紙からの敵対的買収提案を日本製紙・三菱商事との連携で退け、独立を維持した。紀州製紙との経営統合で事業基盤を拡大し、段ボール原紙への製品転換と海外買収で総合製紙メーカーとしての地位を確立している。
1909年
創業
レンゴー
売上高
9,007億円
2024/03
当期純利益
330億円
2024/03
1909年創業。井上貞治郎が国産初の段ボールを製造し、5社合併で聯合紙器を設立して日本の段ボール産業の礎を築いた。淀川工場の建設と地方工場の展開で段ボール・紙器の一貫生産体制を構築し、大坪清社長のもと業界再編を主導した。セッツの合併や朋和産業の子会社化で軟包装にも進出し、2016年のトライウォール買収では重包装分野でのグローバル展開を実現。独禁法違反を経験しつつも、100年以上にわたり段ボール業界を牽引する。
1887年
創業
日産化学
売上高
2,267億円
2024/03
当期純利益
380億円
2024/03
1887年設立。東京人造肥料として日本初の化学肥料メーカーで創業し、日産財閥傘下を経て独立した。石油化学に進出するも1980年代に2期連続赤字を経験し、塩ビ・ポリエチレンから完全撤退して高機能材への集中投資に舵を切った。日本モンサントやDowAgroScienceからの農薬事業買収で農業化学を強化し、半導体材料・機能性材料にも展開。石油化学からの撤退と高付加価値品への転換で高収益体質を確立した化学メーカー。
1881年
創業
日本ペイント
売上収益
14,425億円
2023/12
当期利益
1,184億円
2023/12
1881年創業。日本初の塗料メーカーとして光明社を設立し、経営危機を乗り越えて建築・自動車向け塗料に事業を拡大した。1962年にアジア合弁事業NIPSEAを開始し、シンガポールのウットラム家との協業で東南アジア・中国市場を開拓。2014年にウットラムHDからの第三者割当増資を受け入れてアジア合弁事業の連結化を進め、豪Dulux社やCromology HDの大型買収でグローバル展開を加速した。世界有数の総合塗料メーカーへと飛躍している。
1934年
創業
富士フイルム
売上高
31,958億円
2025/03
当期純利益
2,609億円
2025/03
1934年設立。写真フィルムの国産化を目指して創業し、戦前の量産失敗を乗り越えてフジカラーで国内シェア70%を獲得した。しかし2000年代のデジタル化で写真フィルム市場が消失し、古森重隆社長のもと医薬・化粧品・高機能材料への大胆な事業転換を断行。富山化学買収で医薬に参入し、バイオ医薬品製造受託やSonoSite買収でヘルスケアを強化した。富士ゼロックス完全子会社化でドキュメント事業も統合し、複合型企業に変貌。
1941年
創業
日本触媒
売上高
4,093億円
2025/03
当期純利益
173億円
2025/03
1941年設立。ヲサメ合成化学工業として創業し、空襲で本社を焼失する苦難を経て日本触媒化学工業に改称。無水マレイン酸の製造から出発し、酸化エチレン・アクリル酸へと主力製品を転換した。1985年に高吸水性樹脂SAPの製造を開始し、紙おむつ市場の拡大に乗って世界的シェアを獲得。米国・欧州・インドネシアに製造拠点を展開し、住友化学との事業交換でアクリル酸事業を強化。姫路での爆発事故も経験した触媒技術基盤の化学メーカー。