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自動車(Tier1)

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日本の自動車産業は、戦後の通産省による国産車育成政策を起点に急成長し、1980年代には生産台数で世界首位に立った。トヨタ自動車は「トヨタ生産方式(TPS)」によって品質とコストの両立を実現し、2023年にはグループ世界販売台数1,123万台で4年連続首位を記録。日産自動車は1999年にルノーとの提携でカルロス・ゴーンを招聘し、「日産リバイバルプラン」でV字回復を遂げたが、2018年のゴーン逮捕で提携関係は動揺した。ホンダは二輪車世界首位の基盤の上に四輪事業を築き、2024年には日産との経営統合を検討するに至った。SUBARU・マツダ・スズキはそれぞれAWD・ロータリーエンジン・軽自動車という独自領域で存在感を示す。業界最大の構造変化はEVシフトであり、テスラ・BYDの急成長に対し、日本勢はハイブリッドの優位性を維持しつつ電動化への投資を加速させている。

1946年 創業
ホンダ
売上収益
204,288億円
2024/03
当期利益
11,071億円
2024/03
1946年創業。本田宗一郎が自転車用補助エンジンの製造で個人創業し、藤沢武夫との二人三脚で経営基盤を築いた。スーパーカブで二輪車世界首位を確立し、四輪車にも参入してシビック・アコードで北米市場を開拓。低公害エンジンCVCCの開発でマスキー法に世界初で適合し、技術革新の象徴となった。F1参戦やASIMO開発で先端技術を追求する一方、近年は国内工場再編と欧州撤退で体制をスリム化。ホンダ・日産の経営統合協議で注目を集めている。
1917年 創業
SUBARU
売上収益
47,029億円
2024/03
当期利益
3,850億円
2024/03
1953年設立。中島飛行機の後身である富士産業の分割会社を統合して富士重工業を設立し、航空機技術を自動車に転用してスバル360で大衆車市場に参入した。水平対向エンジンと四輪駆動を組み合わせた独自の走行性能でニッチ市場を開拓し、レガシィ以降は北米での支持を拡大。GM・日産との提携解消を経てトヨタ自動車と資本提携し、運転支援システム・アイサイトで安全技術でも差別化を実現。2017年にSUBARUへ商号変更。
1933年 創業
日産自動車
売上高
126,857億円
2024/03
当期純利益
4,266億円
2024/03
1933年設立。自動車製造株式会社として鮎川義介が日産財閥傘下に設立し、横浜工場での生産から出発した。戦後は英オースチンとの技術提携でブルーバードを生み出し、北米市場で急成長を遂げた。しかし1990年代の販売不振で赤字に転落し、1999年にルノーとの提携でカルロス・ゴーンが社長に就任。日産リバイバルプランで劇的な再建を果たしたが、2018年のゴーン逮捕で再び経営が混迷。ホンダとの経営統合協議など再建の模索が続いている。
1937年 創業
いすゞ自動車
売上高
33,866億円
2024/03
当期純利益
1,764億円
2024/03
1937年設立。石川島造船所の自動車部門を母体に東京自動車工業として発足し、ディーゼルエンジン技術で商用車メーカーの地位を築いた。日野自動車を分離し、小型トラック・エルフの投入で市場シェアを拡大。1971年にGMとの全面提携で乗用車ジェミニも手がけたが、1992年に乗用車から撤退して商用車に特化した。タイ現地法人の子会社化や東南アジアでのピックアップトラック展開でグローバル化を推進し、ボルボとの協業でUDトラックスも傘下に収めた。
1933年 創業
トヨタ自動車
営業収益
450,953億円
2024/03
(親)当期利益
49,449億円
2024/03
1937年設立。豊田自動織機の自動車部を母体に豊田喜一郎が創業し、戦後の経営危機では人員削減と工販分離で再建を果たした。かんばん方式で生産革新の世界標準を生み出し、クラウン・カローラで国内市場を制覇。1984年のGMとのNUMMI合弁を皮切りに北米現地生産を本格化し、レクサスで高級車市場にも参入した。1997年のプリウス発売でハイブリッド技術を先導し、中国・欧州にも展開。世界最大級の自動車メーカーとして成長を続けている。
1942年 創業
日野自動車
売上高
15,162億円
2024/03
当期純利益
170億円
2024/03
1942年設立。いすゞ自動車の完全子会社として日野重工業を設立し、ディーゼルエンジンとトラックの製造で出発した。1961年に小型乗用車コンテッサを投入したが、1966年にトヨタ自動車との業務提携で大型トラックに特化する方針に転換。大型トラックで国内トップシェアを確保し、フィリピン・インドネシア・北米で海外展開を拡大した。2001年にトヨタの子会社となったが、2022年に検査不正が発覚して赤字転落。三菱ふそうとの経営統合を模索する。
1970年 創業
三菱自動車
売上高
27,895億円
2024/03
当期純利益
1,547億円
2024/03
1970年設立。三菱重工業の自動車部門を分離して発足し、クライスラーとの資本提携で海外展開の足がかりを得た。パジェロやランサーで海外市場を開拓し、東南アジアではタイ現地法人の子会社化で生産基盤を構築した。しかし2001年と2004年に二度のリコール隠しが発覚して経営危機に陥り、ダイムラークライスラーとの提携も解消。三菱グループの支援で存続し、2016年に日産自動車と戦略提携を締結してルノー・日産アライアンスに参画した。
1920年 創業
マツダ
売上高
48,276億円
2024/03
当期純利益
2,076億円
2024/03
1920年創業。東洋コルク工業としてコルク製造から出発し、三輪トラックで自動車産業に参入した。1967年にロータリーエンジン搭載車を発売して世界に名を馳せたが、1975年の排ガス規制で赤字に転落し、米フォードとの資本提携で再建を図った。防府工場の新設と北米現地生産で事業を拡大したが、5チャンネル体制の失敗で再び業績が悪化。フォードの資本撤退後はトヨタと提携し、SKYACTIVテクノロジーで内燃機関の効率化を先導する独自路線を歩む。
1909年 創業
スズキ
売上高
53,742億円
2024/03
当期純利益
2,677億円
2024/03
1909年創業。鈴木道雄が織機製造所として創業し、1952年に二輪車、1955年に軽自動車スズライトで四輪車に参入した。1978年に鈴木修が社長に就任すると、軽自動車アルトのヒットで国内市場を開拓。1982年にはインド国営企業マルチへの出資で新興国戦略の基盤を築き、マルチ・スズキをインド最大の自動車メーカーに育てた。GMやフォルクスワーゲンとの提携を経てトヨタ自動車と資本提携。軽自動車とインド市場を武器に独自の地位を確立する。
1955年 創業
ヤマハ発動機
売上高
25,761億円
2024/12
当期純利益
1,192億円
2024/12
1955年設立。ヤマハ発動機として楽器メーカー・ヤマハから二輪車製造部門を分離独立し、二輪車で世界第2位のシェアを確立した。1960年にマリン事業に参入して船外機でも世界トップクラスの地位を築き、1984年には産業用ロボットにも進出。HY戦争でホンダとの激しい二輪車競争を経験し、赤字転落からの再建も果たした。東南アジアやベトナムでの現地生産を拡大し、二輪車・マリン・ロボティクスの三本柱で感動創造企業を目指すモビリティメーカー。
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