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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "単一IPを複数媒体で運用する手筋を回し続けられるか（筆者所感）",
      "text": "コナミグループの55年を貫いたのは、ある事業で蓄えた技術と知的財産を、規制と顧客の異なる別の市場へ転用し続けるという経営の型だった。1969年に上月景正が始めたジュークボックスの修理業で培った電子機器の技術が、1973年のコナミ工業設立を通じてアミューズメント機器の製造へ転用され、1981年に「スクランブル」「フロッガー」で北米アーケード市場のヒットメーカーとなった。アーケードで蓄えた開発力は1985年の「グラディウス」以降の任天堂プラットフォーム上の家庭用ゲームへ転用され、1998年に小島秀夫監督の「メタルギアソリッド」が世界累計販売700万本超を記録した時点で、コナミは国際IPメーカーへ転じていた。1997年のラスベガスでのKonami Gaming設立は、アーケード筐体の技術をカジノ向けゲーミング機器へ転用する手筋であり、規制市場の参入障壁を逆手に取って安定収益源を作る発想だった。\n\nこの技術転用の系譜が最も劇的に利益構造を組み替えたのが、2010年代前半のモバイルシフトだった。2012年6月に創業者の子息・上月拓也が代表取締役社長に就任し、家庭用ゲームで知名度を固めた「実況パワフルプロ野球」や「遊戯王」をモバイルF2Pへ投入する判断を主導した。パッケージ販売の一括収益と違い、F2Pは継続課金を生むため、ヒットタイトルの利益率は家庭用を上回った。連結売上高はFY07の2,974億円からFY13に2,175億円まで縮んだが、デジタルエンタテインメント事業のセグメント利益はFY14の169億円からFY18に438億円へ2.6倍に伸び、売上が縮んでも利益が伸びる構造が生まれた。同じ時期に2001年に取り込んだピープルを母体とするスポーツ事業は施設運営の固定費に苦しみ、FY08に82億円の赤字を計上するなど、施設型事業とデジタル事業の収益特性の差が広がった。\n\nこの収益特性の差を表面化させたのが2020年のコロナ禍であり、コナミグループはここから一段の構造組み替えに踏み込んだ。スポーツ事業はフィットネスクラブの休業で58億円の赤字、ゲーミングもカジノ営業制限で20億円の赤字を出した一方、デジタルエンタテインメント事業は巣ごもり需要で売上2,035億円・事業利益734億円を稼いだ。FY24に連結売上高4,216億円・当期純利益746億円と過去最高益を更新した時点で、デジタルエンタテインメント事業の事業利益882億円はFY13の117億円の7.5倍に達し、新作の開発コストを既存タイトルの運用収益で賄う仕組みが定着した。2022年のGINZA SIXのコナミ東京スタジオ、2023年の大阪スタジオ、2025年のコナミアーケードゲームス設立で3拠点同時開発体制と自己資本比率7割超の財務基盤を整え、単一IPを複数媒体で運用する手筋を回せるかが問われている。",
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          "title": "日本経済新聞 2020年",
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