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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "海外買収戦略を1兆円還元の約束に変換できるか（筆者所感）",
      "text": "大阪ガスの125年を貫いたのは、関西という単一商圏で都市ガスの原料・製造・需要家機器の三位一体を作り替え続ける経営の型だった。1897年に大阪で設立されてから1905年の石炭ガス供給開始、1945年の戦時統合で京都・神戸・奈良・和歌山を含む近畿2府4県を一社で抱え込んだ判断は、関西経済圏の生活インフラを大阪ガス1社に集約する選択でもあった。1972年のブルネイLNG受入と1975年から1990年までの15年がかりの天然ガス転換は、近畿全域の顧客のガス機器を一台ずつ天然ガス対応へ交換する事業であり、東京ガスの16年と並ぶ難度のインフラ転換を、無事故で完遂した。原料転換のたびに製造設備の改修と需要家機器の対応を同時に進める仕組みが、組織の経営判断の基礎にある。\n\nこの単一商圏完結型の構造を最も激しく揺さぶったのが、2010年代に入ってからの自由化と国内利益の頭打ちだった。2006年3月期に経常利益1,033億円で初めて1,000億円を超えた直後の2007年3月期に896億円へ後退、2009年3月期は669億円まで縮小し、原料費が上がれば売上は増えるが利益率は圧縮される構造的な課題が数字に現れた。2016年の電力小売自由化と2017年のガス小売自由化で関西電力と家庭・業務用の双方で正面衝突する構図に置かれ、東京ガスのような首都圏での攻守両正面とは性質の異なる、関西という単一商圏で同業他社と直接ぶつかる経営条件が大阪ガス固有の課題として残った。藤原正隆社長は「販売量全体の4分の3が業務用・工業用であり、関西電力と非常に激しく競争してきた」と述べている。\n\nこの国内成熟と直接競争を受けて大阪ガスが選んだのが、海外上流への踏み込みと国内事業の守りの両立である。2010年代前半の海外エネルギー事業で未開発鉱区の探鉱に300億円超の損失を出し、生産実績のない鉱区に新しく掘る判断をやめ、既に開発が進んでいる企業・鉱区を買収する方針へ切り替えた。2019年7月の米サビン・オイル・アンド・ガス取得、同年12月のフリーポートLNG液化商業運転開始、PJM市場でのIPPを組み合わせた米国3本柱は、2024年3月期に海外エネルギー営業利益515億円、2025年3月期540億円と国内エネルギー利益と拮抗する規模に育った。300億円の授業料を払って掴んだ買収戦略を、ROE8%達成と1兆円還元という資本市場との約束に変換できるかが、大阪ガスに問われている。",
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