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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "原発依存の振幅を抑えるエネルギー事業者へ転じられるか（筆者所感）",
      "text": "関西電力の70年を貫いたのは、若狭湾の原発に発電を集中させ、その低コスト電源で関西製造業の需要を支えるという、9電力体制で最も原子力に依存した経営の型だった。1950年代の黒部川第四発電所に象徴される水力開発から、1962年の美浜立地選定、1970年の国内電力会社初の商用原発稼働、1974年の高浜、1979年の大飯と、若狭湾沿岸への集中立地で発電電力量に占める原子力比率を約5割まで引き上げた判断は、関西電力を国内で最も原発依存度の高い電力会社にした。地域独占と総括原価方式の枠内で、ベースロード電源としての原発が燃料費の変動から関西電力の収益を切り離し、2000年代前半まで2兆5,000億円台の安定収益を生んだ。\n\nこの原発集中という経営の型を最も激しく揺らしたのが、2011年3月11日の福島第一原発事故である。発電電力量の約5割を原子力に依存していた関西電力への打撃は9電力で最大で、火力フル稼働で年間数千億円規模の燃料調達コストを上乗せされ、4期連続の経常損失累計8,431億円を計上した。自己資本は1兆8,108億円から1兆360億円へ約8,000億円毀損し、有利子負債は3兆4,096億円から4兆3,145億円へ膨張した。1976年の運転開始以来28年間検査対象から外れていた配管が原因で2004年に作業員5名が死亡した美浜3号機事故と、2019年に発覚した旧経営幹部75名による高浜町元助役からの総額約3億6,000万円の金品受領は、原発依存が現場の点検と立地地域との関係の双方に積み上げた歪みを露わにした。\n\nこの歪みを引き受けたのが、2020年6月の指名委員会等設置会社への移行と、2022年6月就任の森望社長のもとでの全7基再稼働だった。2023年末の高浜4号機再稼働で保有する全7基658万kWがフル稼働体制に入り、原発7基の稼働と燃料費の低下が重なった2024年3月期に経常利益7,660億円・純利益4,419億円という創業以来の過去最高益を達成した。ただし、その前年に燃料高騰で経常損失67億円へ転落していた事実は、関西電力の業績のボラティリティが依然として原発稼働と燃料市況の掛け合わせで決まる構造を示している。森社長が表明したデータセンターへの10年1兆円超投資と、オプテージや生活ビジネスソリューションの収益拡大は、原発依存の振幅を抑える方向の手だが、低コスト電源を基盤にエネルギー・ソリューション事業者へ自社の位置づけを再定義できるかが、関西電力の次の10年の焦点である。",
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        {
          "title": "時事通信",
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