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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "電力専業から脱皮して資本市場の期待に応えられるか（筆者所感）",
      "text": "中部電力の70年を貫いたのは、中京工業地帯の電力需要を地域独占で支えるという、9電力体制の中堅としての位置取りだった。1951年の発足以来、東京電力と関西電力に次ぐ規模を保ちつつ、トヨタを筆頭とする自動車・機械・セラミックの集積地に対して垂直統合の電力供給を行い、好況期には需要成長で稼ぎ、不況期には需要減少を受け止めるという、製造業景気と連動する収益構造を引き受けてきた。電気事業が連結売上の9割超を占める電力専業の構成は2000年代まで揺るがず、配当60円の据え置きで個人投資家のディフェンシブ銘柄として位置付けられた長い時代があった。\n\nこの電力専業の構造を最も激しく揺らしたのが、浜岡原発の特殊な立地条件とその顕在化だった。1976年に運開した浜岡は東海地震想定震源域の真上に立地し、地震学者からは建設すべきでなかったとの指摘を長年受けてきた原発である。2011年3月の福島事故から2か月後、菅直人首相の法的強制力なき要請で浜岡全号機停止を受け入れた判断は、年約2,500億円の燃料費増と3期連続赤字を呼び込み、自己資本比率を27.3%から20.1%まで低下させた。東京電力のような実質国有化は回避したが、原発停止が長期化すれば電力専業では耐えられないという事実を、中部電力は東電より早く認めざるを得ない立場に立たされた。\n\nこの認識のもと、中部電力が選んだのは電力会社の枠そのものを組み替える道だった。2015年の東京電力との合弁JERA設立と2019年までの国内火力全面移管で自社発電所を持たない電力会社へ移り、2020年の持株会社化と林社長の「電力は数ある事業の一つでしかない」発言で不動産・再エネを成長の柱に据える方針を示した。2021年の日本エスコン子会社化と2024年のジェネックス取得は、その方針の具体化である。ただしFY21の燃料価格高騰でミライズが834億円の損失を計上したとおり、自社発電を持たない電力会社が抱える調達リスクは未解決のまま残る。JERAとの電力購入契約条件の見直しが2026年度に控え、ROE6%と資本市場の期待水準8%との差を埋める道筋を、電力専業からの脱皮で描けるかが問われている。",
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