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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "駅空間の収益化は鉄道母屋を相対化できるか（筆者所感）",
      "text": "JR東日本の40年を貫いたのは、国鉄が手をつけられなかった「駅という空間資産」の収益化である。1987年発足直後に住田正二社長が「国鉄清算事業団との関係もあって、自社所有の土地であっても簡単にいじれない。唯一、自由にできるのは主要駅の上空や、高架下などだろう」（日経新聞 1987/07/26）と語った狭い裁量から、駅は順に商業施設へ組み替えられた。1989年に住田が「駅は、多角化の芽を広げる重要な拠点」「『地域の核』として発展させていきたい」（日経流通新聞 1989/08/31）と踏み込み、1990年の東京圏駅ビル開発（現アトレ）設立で器が用意された。2005年のエキュート大宮、2020年の高輪ゲートウェイ駅へと、住田の構想は約30年で都心最大級の街区開発に到達した。\n\n新幹線網の拡張と、改札ICから街ナカ決済への展開は、2000年代から2010年代にかけて並走した。1991年の東京駅乗り入れに始まり、ミニ新幹線方式の山形（1992年）・秋田（1997年）、北陸新幹線高崎〜長野部分開業（1997年）と、新規建設費を抑えつつ営業エリアを広げた。2001年11月に首都圏424駅で投入したSuicaは、2004年の電子マネー化、2006年のモバイル化を経て改札の外まで決済領域を広げ、2007年のIT・Suica事業本部設置で鉄道部門から切り離された。2019年3月期に連結営業収益は3兆20億円・純利益2,952億円と最高益を更新したが、運輸事業がセグメント利益の約73%を占め、関連事業はなお鉄道母屋の補完にとどまっていた。\n\n2021年3月期の純損失5,779億円は、首都圏通勤需要の右肩上がりという発足以来の前提を崩した。深澤祐二社長（当時）は「利用客数はコロナ前には戻らない」（東洋経済オンライン 2021/12/17）と明言し、ダイヤ・運賃体系の見直しと本社機能の組み替えに踏み込んだ。2024年就任の喜勢陽一社長は「2軸の経営」を掲げ、2025年3月のビジョン「勇翔2034」でSuicaアプリの2028年度リリースと2033年度までのSuica経済圏創出を目標に据えた。2025年3月期には不動産・ホテル事業のセグメント利益が1,203億円と過去最高に達し、運輸事業1,760億円との差が縮まった。発足以来の駅空間収益化の蓄積を鉄道母屋を相対化する構造改革に組み直せるかが、次の15年の論点として残されている。",
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