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      "title": "顧客保護を理由に見送ってきた信用取引への参入と貸株サービスの開始",
      "subtitle": "初心者の顧客を守るか、単独で黒字化を急ぐか——DLJディレクトとの合併交渉が途切れた後の方針転換",
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      "issue": "収益構造と顧客保護",
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      "highlights": [
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          "label": "概要",
          "text": "2002年6月、マネックス証券が、個人投資家に不利な売買形態になりうるとして扱ってこなかった信用取引への参入を発表した経営判断。DLJディレクトSFG証券との合併交渉が事実上途切れ、単独での黒字化を迫られたなかでの方針転換であった。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "株式委託手数料に依存する低コストの設計で顧客数と預かり資産はオンライン証券首位に立っていたが、信用取引を持たないぶん約定件数で他社に劣り、2002年3月期に12億4,000万円の営業赤字を計上していた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "2002年6月19日、株主総会の3日前に信用取引の開始を発表。同年10月に貸株サービスを始めて売り注文の株券調達に充て、年内に信用取引を開始した。初心者向けの勉強会と画面上のリスク表示を併せて用意した。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "顧客保護を理由に掲げた原則を、採算のために自ら降ろした判断であった。2003年3月末の信用口座は約4,000にとどまり、約定件数に占める比率も50〜60%に抑える方針で、規模の確保は翌年の日興ビーンズ証券との統合に持ち越された。"
        }
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      "parties": [
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          "name": "マネックス証券",
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            "note": "顧客数約20万件・預かり資産約5,000億円でオンライン証券首位。信用取引を扱わず2002年3月期は営業赤字"
          }
        }
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      "dates": {
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        "summary": "合併交渉の頓挫で単独での黒字化が避けられなくなり、顧客保護を理由に見送ってきた信用取引を収益策として開始した"
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          "title": "松本大氏とソニーの共同出資でマネックス証券を設立"
        },
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          "title": "東京証券取引所マザーズ市場へ上場"
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          "title": "セゾン証券を合併"
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          "title": "DLJディレクトSFG証券との合併交渉が報じられる"
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          "title": "株主総会の3日前に信用取引の開始を発表",
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        {
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          "month": 3,
          "title": "信用口座は約4,000、信用の買建残は約92億円"
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          "title": "日興ビーンズ証券との共同持株会社設立で基本合意"
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      "snapshot": {
        "fiscal_year": "2002年3月期",
        "source": "週刊東洋経済 2002年7月6日号（マネックス証券の2002年3月期業績）",
        "companies": [
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            "name": "マネックス証券",
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            "president": "松本大",
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          "label": "背景",
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              "sub_title": "株式委託に絞った低コストの設計",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "マネックス証券は1999年4月、松本大氏とソニーの共同出資で設立され、同年10月にインターネット取引を始めた。2000年8月には東京証券取引所マザーズ市場へ上場している。松本社長が講演で示した事業の前提は二つであった。個人金融資産に占める直接金融商品の比率が高まること、インターネットの利用者数が1999年の2,706万人から2005年に7,760万人へ増えることである。株式と投信の人口が急に増えれば、初心者も急増する。その層へ低コストで届く設計を選んだ。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "松本社長は事業計画の前提として直接金融比率の上昇とインターネット人口の膨張の二つを挙げた",
                      "原文": "当社がビジネスプランを策定する際には2つの大前提がある。換言すれば当社成長の前提である。1つは直接金融比率の上昇である。（中略）2つ目はインターネット人口の膨張である。わが国のインターネットの利用者数は99年の2,706万人から2005年には7,760万人になると予測されている。",
                      "source": "証券アナリストジャーナル 2000年9月号 別冊付録「企業」マネックス証券・松本大社長講演（2000年8月22日）",
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                },
                {
                  "text": "収益のほとんどは株式委託手数料から出ていた。2001年3月期第1四半期の受入手数料は、株式委託が92.1%、投資信託が6.5%、株式引受とその他が1.4%を占めている。1約定当たりの売買代金は80万円前後で、200万円程度とみられる他社より小さい。低位株で試す初心者の顧客が多いためと松本社長は説明した。2001年3月期上期の広告宣伝費は6,500万円、1口座当たりの獲得費は約1,600円で、他社平均の1万5,000円から2万円の10分の1程度にとどまった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2001年3月期第1四半期の受入手数料は株式委託92.1%・投資信託6.5%・引受その他1.4%、1約定当たり売買代金は80万円前後",
                      "原文": "当四半期の受入手数料の内訳は①株式委託92.1%、②投資信託6.5%、③株式引受およびその他など1.4%だった。（中略）1約定当たり売買代金は80万円前後で推移している。これは200万円程度と目される他社に比べて小さく、当社の特徴である。当社の顧客には初心者が多く、低位株で試してみるというケースも多いため平均金額としては小さくなるものと考えられる。",
                      "source": "証券アナリストジャーナル 2000年9月号 別冊付録「企業」マネックス証券・松本大社長講演（2000年8月22日）",
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                    {
                      "fact": "2001年3月期上期の広告宣伝費は65百万円、1口座当たり獲得費は約1,600円で他社平均1万5,000円から2万円を下回った",
                      "原文": "上期における広告宣伝費は、65百万円で、上期に増えた口座数は約4万口座である。1口座当たりの獲得費は約1,600円で、他社の平均15,000～20,000円と比べ極めて低い数字である。",
                      "source": "証券アナリストジャーナル 2000年12月号 別冊付録「企業」マネックス証券・松本大社長講演（2000年11月17日）",
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              "sub_title": "信用取引を持たない会社の採算",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2001年10月の中間決算説明会で、松本社長は新規口座の獲得が週700〜800口座へ落ちたことを認めながら、手元流動性は約92億円あり、中間期並みの赤字が続いても12年は持つと述べた。相場が底を打つまでマーケティングは待つという判断であった。ただし、待つあいだも固定費は減らない。同じ時期、オンライン証券の競争は信用取引の有無で分かれ始めていた。",
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                    {
                      "fact": "2001年10月時点で新規口座は週700〜800、手元流動性は約92億円あり中間期並みの赤字が12年続いても耐えられると説明した",
                      "原文": "新規口座獲得については、週に700から800口座のレベルで、以前よりは落ちているのは事実であるが、現在も一口座あたり1,500円程度の獲得費用ですんでいる。（中略）手元流動性が現在約92億円ある。極端な話をすれば収益がゼロになっても、2.6年、また当中間期レベルの赤字が続いても12年は持つだけのキャッシュポジションがある。",
                      "source": "マネックス証券 2002年3月期 中間決算説明会 質疑応答（2001年10月17日）",
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                },
                {
                  "text": "個人の信用取引売買代金は6割超がオンライン経由となり、各社の約定件数を押し上げていた。松井証券は2002年3月期に前期比45%増の43.7億円の営業黒字を計上し、オンライン経由の個人信用取引の4割近くを握ったことが効いた。DLJディレクトSFG証券も2000年6月に始めた信用取引でオンライン2位のシェア2割を取り、同じ期に黒字へ転じている。マネックス証券は顧客数約20万件、預かり資産約5,000億円で首位にありながら約定件数で劣り、2002年3月期に12億4,000万円の営業赤字を計上した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "松井証券は2002年3月期に43.7億円の営業黒字、DLJは2000年6月開始の信用取引でシェア2割を取り黒字転換、マネックスは顧客約20万件・預かり資産約5,000億円で首位ながら12億4,000万円の営業赤字",
                      "原文": "すでに個人信用取引売買代金で見ると、その六割超がオンライン取引経由であり、松井証券が2002年3月期に前期比四五％増の四三・七億円の営業黒字に躍進したのも、オンライン経由の個人信用取引のうちの四割近くを握ったことが大きい。02年3月期でDLJが黒字転換できた原動力も、2000年6月に開始した信用取引でオンライン証券第二位のシェア二割をとったことにある。一方、マネックスは顧客数（約二〇万件）や預かり資産（約五〇〇〇億円）はオンライン証券業界トップだが、売買を実際に行う約定件数では信用取引がない分だけ他社に見劣りし、それが赤字構造（02年3月期一二・四億円の営業赤字）につながる大きな要因となっていた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2002年7月6日号「ネット証券 マネックスが信用取引開始 合併頓挫で独自路線へ本腰」",
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "合併交渉と、その破談",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2002年3月29日、DLJディレクトSFG証券との合併交渉が報じられ、松本社長は即日「検討は行っている」（週刊東洋経済 2002/4/13）と交渉の事実を認めた。動きの発端は相手方の親会社にあった。DLJディレクトの筆頭株主CSFBは、2001年7月にジョン・マック氏を最高経営責任者に迎えて2,000人の人員削減を進め、2002年に入ると米国・英国・韓国のネット証券をカナダや中国の金融機関へ売却していた。傘下に残るネット証券は日本とアラブ首長国連邦だけであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2002年3月29日に合併交渉が報じられ松本社長が即日認めた。CSFBはマック氏就任後にリテールを整理し、残るネット証券は日本とUAEだけとなっていた",
                      "原文": "3月29日、ともにネット専業大手のマネックス証券とDLJディレクトSFG証券との合併交渉が報じられた。マネックスの松本大（まつもとおおき）社長が、即日、「検討は行っている」と交渉の事実を認めた。（中略）CSFBは、昨年7月、米大手証券のモルガン・スタンレーの元社長で「マック・ザ・ナイフ」（＝コスト削減で大ナタを振るう）の異名をとるジョン・マック氏が最高経営責任者（CEO）に就任。以来、人員の二〇〇〇人削減など合理化策を大胆に推進してきた。特にリテール業務からの撤退はすさまじく、今年に入ってから、全世界で五社あったネット証券のうち、米国、英国、韓国の現地法人をカナダや中国の金融機関に売却。CSFB傘下のネット証券は残すところ、日本とアラブ首長国連邦だけとなっていた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2002年4月13日号「ネット専業証券 仕掛け人はマック・ザ・ナイフ マネックスとDLJディレクト『合併交渉』の前途多難」",
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                },
                {
                  "text": "交渉は、マネックスの筆頭株主であるソニーがDLJディレクト株を買い取ることを前提としていた。旧住友銀行の常務時代にDLJディレクトの設立交渉を担った近藤章ソニー執行役員専務が買い取り交渉の前面に立ったが、価格の算定は容易ではなかった。DLJディレクトの純資産は2001年末で33億円にすぎず、一方でCSFBは2002年初めに米国現地法人をカナダのバンク・オブ・モントリオールへ5億2,000万ドル（約676億円）で売っている。未上場会社の将来価値をどこまで織り込むかで、算定額は何倍にも開きうる。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "ソニーによるDLJディレクト株の買い取りが合併の前提で、近藤章ソニー執行役員専務が交渉に立った。DLJの純資産は33億円、米現法の売却額は5億2,000万ドル",
                      "原文": "つまり、今回の合併交渉はCSFBのグループ再編が動機で、マネックスの筆頭株主、ソニーによるDLJディレクト株の買い取りが大前提だ。今後の交渉のカギを握るのは、旧住友銀行の常務時代にDLJディレクトの設立交渉に当たった近藤章ソニー執行役員専務だろう。（中略）たとえば、今年初めにカナダのバンク・オブ・モントリオールに売却した米国現法の売却金額は五億二〇〇〇万ドル（約六七六億円）。DLJディレクトの純資産額は三三億円（昨年末）にすぎないが、マネックスは02年3月期の経常赤字が必至なのに対して、DLJディレクトは経常黒字化が見込まれている。つまり、未上場企業であるDLJディレクトの将来価値をどのくらい織り込むかで、同社株の価格は大きく変わりかねない。",
                      "source": "週刊東洋経済 2002年4月13日号「ネット専業証券 仕掛け人はマック・ザ・ナイフ マネックスとDLJディレクト『合併交渉』の前途多難」",
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            },
            {
              "sub_title": "株主総会の3日前に出した発表",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "破談の理由は、双方の大株主の利害が食い違ったことにあった。マネックス株の48%を松本氏とソニーが持ち、DLJ株の21%強を三井住友銀行が持つ。松本社長は交渉の中断という言い方を続けたが、DLJ株の5割を握るCSFBは、ソニーに代わる売却先として日米の候補企業の選定に入っていた。合併が遠のけば、単独で生き残るほかない。松本社長は2002年6月19日、株主総会の3日前に信用取引の開始を発表した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "破談の原因は松本氏とソニー（マネックス株48%）と三井住友銀行（DLJ株21%強）の利害相反で、CSFBは別の売却先の選定に入っていた",
                      "原文": "DLJとの合併交渉が頓挫した原因は、松本氏とソニー（両者でマネックス株の四八％所有）、三井住友銀行（DLJ株の二一％強を所有）など双方の大株主の利害が相反したことにある。松本社長は「合併交渉は中断」との言い方を終始一貫して続けているが、すでにDLJ株の五割を持つ筆頭株主のクレディスイス・ファースト・ボストン（CSFB）はソニーに代わる売却先として日米の候補企業の選定に入っている。両社の合併が事実上遠のいたというのは否めない事実だ。当然マネックスは単独での業界生き残りに賭けざるをえない状況に追い込まれており、松本社長もその認識を持っていることは想像にかたくない。",
                      "source": "週刊東洋経済 2002年7月6日号「ネット証券 マネックスが信用取引開始 合併頓挫で独自路線へ本腰」",
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                },
                {
                  "text": "発表の理由として、松本社長は、単元株の導入と情報インフラの充実で個人投資家と機関投資家の情報格差が縮まったことを挙げ、初心者の多い顧客層にも信用取引を求める声が強いと説明した。加えて「競合他社に出遅れた黒字化の時期も早める必要性を感じた」（週刊東洋経済 2002/7/6）とも述べている。開始は4月19日の決算説明会で表明する予定だったが、その1か月前に合併交渉がNHKに報じられ、作業を中断したという。株主総会対策との見方は業界に残った。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "松本社長は情報格差の縮小と顧客の要望を挙げ、黒字化の前倒しの必要にも触れた。開始表明は4月19日の決算説明会を予定していたが合併報道で中断したと説明した",
                      "原文": "松本大社長は「単元株導入や情報インフラ充実で個人投資家と機関投資家の情報格差は縮小している。比較的初心者が集まるマネックスの顧客層の中でも信用取引をしたいというユーザーニーズが高いことがわかった」と世間に流布する突然の宗旨替えとの見方をやんわりと否定。「株主利益を考慮すると競合他社に出遅れた黒字化の時期も早める必要性を感じた」と経営判断のタイミングからも妥当という認識を示した。（中略）松本社長は「信用取引開始は4月19日の決算説明会の席上で表明するつもりだったが、その一カ月前にDLJディレクトSFG証券との合併話がNHKにスクープされて作業を中断せざるをえなかった」と反論する。",
                      "source": "週刊東洋経済 2002年7月6日号「ネット証券 マネックスが信用取引開始 合併頓挫で独自路線へ本腰」",
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              "paragraphs": [
                {
                  "text": "マネックス証券は2002年10月に貸株サービスを始め、顧客から借りた株券を、信用取引の売り注文の受け渡しと貸株市場での運用に充てる仕組みを組んだ。同月の説明会では、信用取引の初心者に向けてNPO法人証券学習協会の勉強会を毎回50〜100名の規模で開き、取引画面でリスクの状況がひと目で分かるようにし、経験者を採用して体制を整えると説明している。取引そのものより、初心者を抱えたまま扱うことへの備えに説明の多くが割かれた。",
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                      "fact": "信用取引の初心者向けに証券学習協会の勉強会を毎回50〜100名規模で開き、画面上でリスク状況が分かる仕組みと経験者の採用で体制を整えると説明した",
                      "原文": "現在NPOである証券学習協会の勉強会を定期的に開催している。毎回50〜100名ほどの参加者があり、ここで信用取引の説明、リスクの説明を行っている。（中略）また、マネックスでの信用取引画面では、リスク状況がリアルタイムひと目で分かる仕組みになっているなどの工夫がされている。業務の過程で追証の発生等はあるとは思うが、経験者を採用するなどの体制も整えており、充実したサービスに努める。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 中間決算説明会 質疑応答（2002年10月17日）",
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                      "原文": "運用益はD（マネックス証券が顧客から借りた株券を、信用取引顧客が信用取引で売却した際の受渡しに使う部分）とF（マネックス証券が顧客から借りた株券をING経由貸株市場で運用される部分）で十分出るし、それでE分も補える。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 中間決算説明会 質疑応答（2002年10月17日）",
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                {
                  "text": "取引は年内に始まった。2003年1月の説明会で松本社長は、黒字化に要する水準に対する信用口座の到達度を20%と述べ、一か月間の出来としては良いとしながら、今後どこまで伸ばせるかは楽観していないと語った。当初の想定では信用取引の経験者と未経験者の比率が1対5であったのに対し、実際は2〜3割対7〜8割で、経験者がやや多かった。2003年3月末の買建残は約92億円、売建残は約18億円、信用口座は約4,000にとどまり、目標に掲げた1〜2万口座には遠かった。",
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                      "fact": "2003年1月時点で信用口座の到達度は20%、経験者と未経験者の比率は当初想定1対5に対し実際は2〜3割対7〜8割だった",
                      "原文": "まだ到達度としては20％、今後どこまでできるかについては楽観はしていない。しかし、一ヶ月間での到達度としては良い出来だと認識している。（中略）当初の想定は信用取引経験がある顧客と経験がないかもしくは少ない顧客の割合は1対5ぐらいであった。現状は大体前者が2、3割、後者が7、8割という状況で当初の想定より経験者が多いが大きくはずれていないと認識している。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答（2003年1月22日）",
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                      "fact": "2003年3月末の信用の買建残は約92億円、売建残は約18億円、信用口座は約4,000で、目標は1〜2万口座であった",
                      "原文": "信用取引の買建残は3月末の約定ベースで約92億円。売建残は約18億円。当社の信用取引の顧客は信用初心者が多いと理解している。株式委託約定件数全体に占める信用取引の割合は50〜60％程度に抑えたい。信用取引口座数は、1〜2万口座を目標としたい。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 決算説明会 質疑応答（2003年4月21日）",
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              "sub_title": "出遅れの自認と、単独路線の限界",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2003年4月の決算説明会で、松本社長は、信用取引で他社に比べて出遅れた事実を認めたうえで「顧客保護の観点から考えると信用取引は時期尚早という判断もあった」（決算説明会質疑応答 2003/4/21）と述べた。参入を遅らせた理由そのものを、後から取り下げてはいない。同じ席では、株式委託の約定件数に占める信用取引の割合を50〜60%程度に抑えたいとも語り、信用を収益の中心に据える意図がないことを示した。",
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                    {
                      "fact": "松本社長は信用取引で出遅れた事実を認めつつ、顧客保護の観点では時期尚早という判断もあったと述べた",
                      "原文": "当社は信用取引については他社に比べて出遅れたという事実はあるが、顧客保護の観点から考えると信用取引は時期尚早という判断もあった。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 決算説明会 質疑応答（2003年4月21日）",
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                },
                {
                  "text": "単独での採算改善は、そこで頭打ちになった。2003年1月、松本社長はネット証券を装置産業と呼び、固定費が重く、口座の統合はシステム上で行えるため、株主から見れば統合は当然ありうると述べている。直接金融へのシフトが起きた場合の戦略をE1、起きなかった場合の戦略をE2と呼び分け、信用取引はE2の側に置かれていた。2004年3月、マネックス証券は日興ビーンズ証券との共同持株会社の設立で基本合意した。",
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                      "fact": "松本社長は2003年1月にネット証券を装置産業と呼び、固定費が重く口座統合も容易なため株主から見れば再編は当然ありうると述べた",
                      "原文": "業界としては装置産業であり固定費も大きく、また口座の統合等はシステム上で行う事ができ比較的で容易であるので、オンライン証券の株主からすれば統合は必要と考えるので、当然ありうる。しかし今日の状況では逆に各社の企業価値が下がっているので難しいかもしれない。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答（2003年1月22日）",
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                      "原文": "Q1. E2戦略（直接金融シフトが起こらなかった場合の収益を増大させる戦略）について Q1-1 信用取引顧客の属性はどのようなものか。",
                      "source": "マネックス証券 2003年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答（2003年1月22日）",
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              "sub_title": "原則を降ろし、歯止めを残した",
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                {
                  "text": "信用取引を扱わないことは、マネックス証券にとって思想であると同時に採算の問題であった。個人投資家に不利な売買形態になりうるという理由で外してきた結果、顧客数と預かり資産では首位に立ちながら、約定件数では信用取引を持つ各社に届かず、2002年3月期に12億4,000万円の営業赤字が残った。DLJディレクトとの合併が消えたことで、原則と採算の両方を保つ道はなくなった。松本社長が降ろしたのは、扱わないという原則のほうであった。"
                },
                {
                  "text": "ただ、参入は業績をすぐには変えなかった。2003年3月末の信用口座は約4,000で、掲げた1〜2万口座には届かず、顧客の7〜8割は信用取引の未経験者であった。松本社長は約定件数に占める信用取引の比率を50〜60%に抑えたいと述べており、他社のように信用で稼ぐ収益構造へ寄せる考えはなかったとみられる。信用取引を収益の中心に据えないと決めた以上、採算は規模でしか改善できない。翌年の日興ビーンズ証券との統合は、その規模を外から買う判断であった。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2002年4月13日号「ネット専業証券 仕掛け人はマック・ザ・ナイフ マネックスとDLJディレクト『合併交渉』の前途多難」",
        "週刊東洋経済 2002年7月6日号「ネット証券 マネックスが信用取引開始 合併頓挫で独自路線へ本腰」",
        "証券アナリストジャーナル 2000年9月号 別冊付録「企業」マネックス証券・松本大社長講演（2000年8月22日）",
        "証券アナリストジャーナル 2000年12月号 別冊付録「企業」マネックス証券・松本大社長講演（2000年11月17日）",
        "マネックス証券 2002年3月期 中間決算説明会 質疑応答（2001年10月17日）",
        "マネックス証券 2003年3月期 中間決算説明会 質疑応答（2002年10月17日）",
        "マネックス証券 2003年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答（2003年1月22日）",
        "マネックス証券 2003年3月期 決算説明会 質疑応答（2003年4月21日）"
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      "authored": "2026-08",
      "last_updated": "2026-08-03"
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    {
      "slug": "coincheck-acquisition-2018",
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      "title": "NEM流出事件を起こしたコインチェックの36億円での完全子会社化",
      "subtitle": "みなし業者を買うか、自前の登録を待つか——「第2の創業」を掲げた半年後の選択",
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      "scheme": "全株式（1,775,267株）の取得による完全子会社化。取得価額36億円に加え、2019年3月期からの3事業年度の当期純利益合計額の2分の1を上限とする条件付対価（アーンアウト条項）を旧株主との間に設定",
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      "issue": "暗号資産交換業への参入と買収後の再建",
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          "text": "2018年4月、マネックスグループが、仮想通貨NEM約580億円分の不正流出を起こしたコインチェックの全株式を36億円で取得し、完全子会社化した経営判断。松本大社長が2017年10月に掲げた「第2の創業」の中核に、暗号資産交換業を据えた。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "SBIホールディングスやGMOフィナンシャルホールディングスの子会社が交換業の登録を済ませるなか、マネックスの交換業は準備段階にとどまっていた。本業でも2017年3月期の経常利益はネット証券大手6社で最下位に沈み、筆頭株主の静岡銀行はマネックス株の減損で121億円の損失を計上していた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "取得価額36億円は2018年3月期末の純資産額の見込みを勘案して算定し、上乗せ分は3事業年度の純利益に連動する条件付対価に移した。和田晃一良社長と大塚雄介COOは取締役を退いて執行役員となり、代表取締役にはマネックス証券の社長を務めた勝屋敏彦氏が就いた。"
        },
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          "label": "含意",
          "text": "買収初年度のクリプトアセット事業は営業損失17億3,200万円だったが、暗号資産相場の急騰した2021年3月期には営業収益208億1,900万円へ伸び、グループ連結の営業利益を212億9,600万円へ押し上げた。相場が反転した2023年3月期には同事業の営業収益が75億8,200万円まで落ちている。"
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            "note": "ネット証券の先発組。2017年10月に「第2の創業」を掲げ、ブロックチェーンと暗号資産を次の柱に据えたが、交換業への参入は準備段階にとどまっていた"
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          "title": "松本大氏がマネックス証券の会長から社長に復帰し「第2の創業」を掲げる"
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          "title": "コインチェックの持株会社のDe-SPACによるナスダック上場計画を公表"
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                  "text": "2017年10月、松本大氏はマネックス証券の会長から社長に復帰し、「第2の創業」を掲げた。ブロックチェーンを使った投資商品や資金調達の構想を打ち出し、2018年1月にはマネックス仮想通貨研究所を設立している。ただ、肝心の交換業そのものは準備中にとどまっていた。競合するSBIホールディングスとGMOフィナンシャルホールディングスは、すでに子会社が仮想通貨交換業者の登録を済ませて事業を始めており、出遅れははっきりしていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "松本大氏は2017年10月にマネックス証券の会長から社長に復帰して「第2の創業」を掲げ、2018年1月に仮想通貨研究所を設立したが、交換業は準備中でSBI・GMOの子会社に出遅れていた",
                      "原文": "「第２の創業」を掲げ、創業者の松本氏がマネックス証券の会長から社長に復帰したのが昨年１０月。ブロックチェーンを使った新たな投資商品や資金調達の構想を打ち出していた。今年１月、マネックス仮想通貨研究所を立ち上げたものの、交換業はまだ準備中。ネット証券で競合するＳＢＩホールディングスやＧＭＯフィナンシャルホールディングスは、子会社が仮想通貨交換業者の登録を済ませて事業展開しており、マネックスが立ち遅れているのは明らかだった。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "マネックスグループは2017年10月から「第2の創業」を掲げ、仮想通貨交換業への参入準備と仮想通貨研究所の設立を進めていた",
                      "原文": "昨年 10 月からは、これらの技術を中心に当社グループを飛躍的に成長させるべく、「第二の創業」を掲げて、仮想通貨交換業への参入準備や仮想通貨研究所の設立など、この分野における取組みを進めてまいりました。",
                      "source": "マネックスグループ「株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ」（2018年4月6日）",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "出遅れは、本業の不振と重なっていた。マネックスはネット証券の先発組でありながら、顧客数でSBI証券などに後れを取り、米国事業のつまずきもあって、2017年3月期の経常利益はネット証券大手6社で最下位に沈んでいた。連結の売上高も2014年3月期の547億円から458億円へ減り、親会社株主に帰属する当期純利益は3億円まで落ちていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "マネックスはネット証券の先発組でありながら顧客数でSBI証券に後れを取り、2017年3月期の経常利益はネット証券大手6社で最下位だった",
                      "原文": "ネット証券では先発組の一角を占めながら、顧客数でＳＢＩ証券などに後れを取り、米国事業でのつまずきもあって経常利益ではネット証券大手６社で最下位（２０１７年３月期）に甘んじている。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "連結売上高は2014年3月期の547億円から2017年3月期に458億円へ減り、親会社株主に帰属する当期純利益は3億円まで落ちた",
                      "原文": "2014年3月期の連結売上高547億円・当期純利益104億円に対し、2017年3月期は売上高458億円・当期純利益3億円であった。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2017年3月期・連結・IFRS）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "筆頭株主・静岡銀行の失望",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "もう一つの圧力は、筆頭株主から来ていた。2014年4月、静岡銀行はオリックスからマネックスグループ株の20%弱を約244億円で取得して筆頭株主となり、2016年以降の買い増しで出資比率を25.4%まで高めた。しかしこの間、静岡銀行はマネックスの収益低迷と株価下落で痛手を負い、2017年3月期にはマネックス株の減損で121億円の損失を計上して、大幅減益の一因となった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "静岡銀行は2014年4月にオリックスからマネックスグループ株20%弱を約244億円で取得し筆頭株主となり、出資比率は25.4%に達したが、2017年3月期にマネックス株の減損で121億円の損失を計上した",
                      "原文": "１４年４月、静岡銀行はオリックスからマネックスグループ株２０％弱を約２４４億円で取得し、筆頭株主に躍り出た。１６年以降の買い増しで現在の出資比率は２５．４％になっている。しかし静岡銀行はこの間、マネックスの収益低迷と株価下落で痛手を負ってきた。１７年３月期にはマネックス株の減損で１２１億円の損失を計上し、大幅減益の一因となった。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
                      "url": null
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                },
                {
                  "text": "協業の中身も細かった。静岡銀行のある幹部は投資信託販売やブロックチェーン技術の実証実験を挙げたうえで、本格的に収益へ貢献するものはまだないと語り、同行の元首脳は「マネックスとの提携で果実がないなら、責任問題になりかねない」（週刊東洋経済 2018/4/21）と述べている。一方でマネックスは2018年3月期に米国事業が黒字化する見込みとなり、攻めに転じる余裕が出てきた時期にもあたっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "静岡銀行幹部は協業に本格的な収益貢献がないと語り、元首脳は提携に果実がなければ責任問題になりかねないと述べた。マネックスは2018年3月期に米国事業が黒字化する見込みで攻めに転じる余裕ができていた",
                      "原文": "静岡銀行のある幹部は「投資信託販売やブロックチェーン技術活用の実証実験などで少し協業はあるが、本格的に収益貢献するものはまだない」と語る。さらに同行の元首脳は「マネックスとの提携で果実がないなら、責任問題になりかねない」と気をもむ。マネックスは１８年３月期に米国事業が黒字化する見込みで、攻めに転じる余裕ができてきた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
                      "url": null
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            }
          ]
        },
        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "事故直後の会社を丸ごと引き受ける",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2018年4月6日、マネックスグループはコインチェックの全株式1,775,267株を36億円で取得すると決め、4月16日に取得を完了した。コインチェックは1月26日の不正送金で関東財務局から業務改善命令を受け、金融庁の登録を得ないまま特例で営業を認められた「みなし交換業者」の位置にとどまっていた。自前で登録を待つ道を選ばず、事故直後の相手を丸ごと引き受けることで、マネックスは参入までの時間を縮めた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2018年4月6日に株式譲渡契約を締結し、4月16日にコインチェック株1,775,267株（議決権100%）を36億円で取得した。コインチェックはNEMの不正送金で関東財務局から業務改善命令を受け改善の途上にあった",
                      "原文": "コインチェックは、2018 年 1 月 26 日の不正アクセスによる仮想通貨 NEM の不正送金に関し、関東財務局から業務改善命令を受け、経営管理態勢及び内部管理態勢の改善を図っている途上にあります。／取得株式数 1,775,267 株／取得価額 3,600 百万円／2018 年 4 月 6 日 株式譲渡契約締結／2018 年 4 月 16 日 株式取得（予定）",
                      "source": "マネックスグループ「株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ」（2018年4月6日）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "マネックスは特例で営業が認められた「みなし交換業者」であるコインチェックを買収し、参入までの時間を短縮した",
                      "原文": "今回、特例で営業が認められている「みなし交換業者」であるコインチェックを買収し、時間を買った格好だ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
                      "url": null
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                  ]
                },
                {
                  "text": "引き受けは、経営管理の入れ替えを伴った。和田晃一良社長と大塚雄介COOは取締役を退いて執行役員に移り、代表取締役にはマネックス証券の社長を務めた勝屋敏彦氏が就いた。取締役には弁護士の久保利英明氏と元東京三菱銀行常務取締役の玉木武至氏が加わっている。松本大社長は「コインチェックとともに新しい時代の総合金融機関を目指したい」（週刊東洋経済 2018/4/21）と述べ、オンライン証券業で培った管理の知見を投じるとした。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "和田晃一良社長と大塚雄介COOは取締役を退任して執行役員となり、代表取締役にマネックス証券元社長の勝屋敏彦氏、取締役に久保利英明氏・玉木武至氏が就いた",
                      "原文": "同社の和田晃一良代表取締役社長及び大塚雄介取締役 COO は取締役を退任し、同社の執行役員に就任する予定です。新たな代表取締役にはマネックスグループ株式会社取締役兼常務執行役の勝屋敏彦が就任する予定です。／取締役 久保利 英明 弁護士、日比谷パーク法律事務所代表／取締役 玉木 武至 元株式会社東京三菱銀行（現株式会社三菱 UFJ 銀行）常務取締役",
                      "source": "マネックスグループ「株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ」（2018年4月6日）",
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                    },
                    {
                      "fact": "松本大社長は買収に際し、コインチェックとともに新しい時代の総合金融機関を目指したいと述べた",
                      "原文": "「コインチェックとともに新しい時代の総合金融機関を目指したい」（マネックスグループの松本大社長）",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
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                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "36億円という値付けと、条件付対価",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "値付けは、コインチェックの2018年3月期末の純資産額の見込みを総合的に勘案して決められた。同社の2017年3月期は、仮想通貨の売却収入から売却原価を控除した純額ベースで売上高9億8,000万円・営業利益7億1,900万円にすぎない。しかし相場の急騰した2018年3月期には1,000億円超の営業利益を稼いだといわれ、会員数は2017年末で100万人を超えていた。36億円は、その事業規模に対して異例に低い水準であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "取得価額36億円はコインチェックの2018年3月期末の純資産額の見込みを勘案して算定された。2017年3月期の純額ベースの経営成績は売上高9億8,000万円・営業利益7億1,900万円であった",
                      "原文": "取得価額については、コインチェックにおける 2018 年 3 月期末の純資産額（見込み）を総合的に勘案し算定いたしました。／売却収入から売却原価を控除した純額を売上高とした場合の 2017 年 3 月期における経営成績（概算額）は以下のとおりです。売上高 980 百万円 営業利益 719 百万円",
                      "source": "マネックスグループ「株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ」（2018年4月6日）",
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                    },
                    {
                      "fact": "買収額36億円は、2018年3月期に1,000億円超の営業利益を稼いだといわれるコインチェックに対して異例に低い水準だった",
                      "原文": "今回の買収額３６億円は、１８年３月期に１０００億円超の営業利益を稼いだといわれるコインチェックに対しては異例の低さ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
                      "url": null
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                    {
                      "fact": "コインチェックは13種類の仮想通貨を扱い、会員数は2017年末で100万人を超えていた",
                      "原文": "ビットコインを含め１３種類もの仮想通貨を扱い、会員数は昨年末で１００万人を超えていた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年2月10日号「ニュース深掘り　仮想通貨市場に激震　収益偏重主義が招いたコインチェックの転落」",
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                },
                {
                  "text": "低い値付けを成り立たせたのが、条件付対価の合意であった。マネックスは旧株主との間で、2019年3月期から2021年3月期までの3事業年度の当期純利益の合計額の2分の1を上限とし、一定の事業上のリスクを控除して算出した金額を追加で支払うと定めた。相場が続けば旧株主に報い、崩れれば追加の支払いは生じない。複数の訴訟を抱える会社を買う側のリスクを、価格そのものではなく支払いの条件へ移す設計であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "マネックスは旧株主との間で、2019年3月期から2021年3月期までの3事業年度の当期純利益合計額の2分の1を上限とする条件付対価（アーンアウト条項）を設定した",
                      "原文": "当社は、コインチェックを子会社化した際、2019年3月期から2021年3月期までの3事業年度の当期純利益の合計額の二分の一を上限とし、一定の事業上のリスクを控除して算出された金額を条件付対価として旧株主へ支払う旨のアーンアウト条項を設定しました。",
                      "source": "マネックスグループ「コインチェック子会社化に伴う条件付対価の公正価値の変動による評価損の計上に関するお知らせ」（2021年4月27日）",
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                    {
                      "fact": "既存株主に今後3年間の利益の半分を還元する条項を設けることで買収額を抑えた。コインチェックは流出事件で複数の訴訟を抱えていた",
                      "原文": "既存株主に今後３年間、利益の半分を還元する異例のルールを設け買収額を抑えた。／流出事件で複数の訴訟を抱えるコインチェック。それをあえてのみ込むマネックスの狙いは何か。",
                      "source": "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
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              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
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              "sub_title": "登録取得までの赤字と、3年目の反転",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "買収の初年度は赤字だった。2019年3月期のクリプトアセット事業は、営業収益21億1,600万円に対しセグメント損失17億3,200万円。金融庁の要請を受けた内部管理体制とサイバーセキュリティの強化に費用がかさみ、暗号資産相場も静かだった。コインチェックが暗号資産交換業者の登録を受けたのは2019年1月で、その後の新規通貨の追加と口座数の伸びにより、同事業は2020年3月期第1四半期に初めて黒字を計上した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2019年3月期のクリプトアセット事業は営業収益21億1,600万円・セグメント損失17億3,200万円だった",
                      "原文": "2019年3月期（FY18）のクリプトアセット事業セグメントは、営業収益2,116百万円、セグメント損失1,732百万円であった。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2019年3月期・連結・IFRS）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "買収後は内部管理体制とセキュリティ強化で費用が増え市場も低迷して赤字だったが、2019年1月の業登録後にコストを抑え新規通貨を追加して黒字化した",
                      "原文": "その後、内部管理体制の強化、セキュリティーの強化等でコストがかさみ、一方でマーケットがとても静かになったので赤字だったわけですけれども、このコストのコントロールや新規通貨の追加、あとはマーケットが戻ってきたこと等で、こちらも黒字化を達成いたしました。／今年の 1 月に業登録が行われ、その後しっかりとコストをコントロールし、一連の規制強化後では初めてとなる新規通貨の追加というものを、わが国で初めて行いまして。",
                      "source": "マネックスグループ 2020年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "3年目に数字が反転した。2021年3月期のクリプトアセット事業は、暗号資産市場の活況で営業収益が前期比170億円増の208億1,900万円、セグメント利益98億6,800万円となり、グループ連結でも売上高779億500万円・営業利益212億9,600万円へ伸びた。松本大社長は日本・米国・クリプトのEBITDAが102億円・60億円・141億円になったことを挙げ、三つのエンジンが揃ったと説明している。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2021年3月期のクリプトアセット事業は営業収益208億1,900万円・セグメント利益98億6,800万円、グループ連結は売上高779億500万円・営業利益212億9,600万円だった",
                      "原文": "2021年3月期（FY20）のクリプトアセット事業セグメントは営業収益20,819百万円・セグメント利益9,868百万円、連結は売上高77,905百万円・税引前利益21,296百万円であった。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2021年3月期・連結・IFRS）",
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                    {
                      "fact": "松本大社長は2021年3月期の日本・米国・クリプトのEBITDAが102億円・60億円・141億円になったと説明した",
                      "原文": "左にありますように日本、米国、クリプトで 102 億円、60 億円、141 億円という EBITDA になっておりまして、かなりバランスのいい、三つのエンジンが全部フル点火という状況になっています。／暗号資産市場が非常に活況だったため、営業収益は前期比 170 億円増の 208 億円となっております。",
                      "source": "マネックスグループ 2021年3月期 決算説明会 質疑応答",
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            {
              "sub_title": "アーンアウトの決着と、最高益の翌期の反落",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "アーンアウト条項の対象期間は2021年3月期で終わった。3事業年度のコインチェックの純利益合計は78億円に達し、マネックスは条件付対価の公正価値の変動による評価損38億円を同期の連結決算に計上した。抑えた買収額の残りを、実績に応じて後から払った計算になる。翌2022年3月期のクリプトアセット事業は、テレビCMなどの投下もあって営業収益286.56億円と過去最高を更新した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2019年3月期から2021年3月期までのコインチェックの純利益合計は78億円で、条件付対価の公正価値の変動による評価損38億円を2021年3月期に計上した",
                      "原文": "コインチェックの当該期間純利益合計（2019年3月期-2021年3月期） ： 78億円／条件付対価の公正価値の変動による評価損計上額（その他金融費用）： 2021 年 3 月期 合計 38 億円",
                      "source": "マネックスグループ「コインチェック子会社化に伴う条件付対価の公正価値の変動による評価損の計上に関するお知らせ」（2021年4月27日）",
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                    {
                      "fact": "2022年3月期のクリプトアセット事業の営業収益は286.56億円で過去最高となり、テレビCM等で広告宣伝費が約37億円増えた",
                      "原文": "これに伴い営業収益は前年同期比 37.5%増の 286 億 2,100 万円となっており、これが過去最高の数字となっております。／認知度向上や新規口座獲得を目的としたテレビ CM や、ウェブ広告と積極的なマーケティングを実施していることで、広告宣伝費が約 37 億円増加しております。",
                      "source": "マネックスグループ 2022年3月期 決算説明会 質疑応答",
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                {
                  "text": "最高益の翌期は反落した。2023年3月期のクリプトアセット事業は営業収益75億8,200万円・セグメント損失8億7,600万円まで落ち込み、グループ連結の売上高は558億4,100万円、営業利益は9億6,600万円にとどまった。マネックスは2022年3月に、コインチェックの持株会社をSPACと合併させてナスダックに上場させる計画を公表しており、日本の規制と税制の制約を超えて資金を集める道を探っていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2023年3月期のクリプトアセット事業は営業収益75億8,200万円・セグメント損失8億7,600万円、グループ連結は売上高558億4,100万円・営業利益9億6,600万円だった",
                      "原文": "2023年3月期（FY22）のクリプトアセット事業セグメントは営業収益7,582百万円・セグメント損失876百万円、連結は売上高55,841百万円・税引前利益966百万円であった。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2023年3月期・連結・IFRS）",
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                    },
                    {
                      "fact": "マネックスはコインチェックの持株会社をSPACと合併させナスダックに上場させる計画を進め、日本の規制と税制の限界を踏まえて海外での資金調達を志向した",
                      "原文": "これは、トレードステーション、コインチェックそれぞれ、NYSE、NASDAQ に上場する SPAC と合併させて、コインチェックの場合にはコインチェックグループという持ち株会社を作った上／やはり、このクリプト、デジタル資産、ペイメント等いろいろありますけども、やはり日本の規制と税制では限界がある中で、コインチェック自体は日本でしっかりやっていきますけれども、海外／による資本調達でマーケティングのアクセルを吹かして大きくする。",
                      "source": "マネックスグループ 2022年3月期 決算説明会 質疑応答",
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              "sub_title": "値が下がる一点でしか成立しなかった取引",
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                {
                  "text": "36億円という値は、直前の期に1,000億円超の営業利益を稼いだといわれた会社に、平時なら付くものではなかった。値をそこまで下げたのは、NEM約580億円分の流出と業務改善命令、そして単独では事業を続けられないという相手の事情である。松本大社長は「第2の創業」を掲げた半年後に、その事情が消えないうちに交渉をまとめた。松本大社長が決めたのは参入の可否ではなく、買う時点であった。"
                },
                {
                  "text": "ただ、安く買えたことと、うまく使えたことは別である。買収初年度のクリプトアセット事業はセグメント損失17億3,200万円で、登録を得るまでの管理体制とセキュリティの費用が先に出た。2021年3月期の営業収益208億1,900万円も相場の急騰に支えられたもので、翌々期には75億8,200万円まで落ちている。マネックスグループが手に入れたのは安定した収益源ではなく、相場とともに収益が上下する事業であった。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2018年4月21日号「ニュース深掘り　仮想通貨業界で再編　マネックス、買収の裏に「焦り」」",
        "週刊東洋経済 2018年2月10日号「ニュース深掘り　仮想通貨市場に激震　収益偏重主義が招いたコインチェックの転落」",
        "マネックスグループ「株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ」（2018年4月6日）",
        "マネックスグループ「コインチェック子会社化に伴う条件付対価の公正価値の変動による評価損の計上に関するお知らせ」（2021年4月27日）",
        "マネックスグループ 2020年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答",
        "マネックスグループ 2021年3月期 決算説明会 質疑応答",
        "マネックスグループ 2022年3月期 決算説明会 質疑応答",
        "マネックスグループ 有価証券報告書（2017年3月期〜2023年3月期・連結・IFRS）"
      ],
      "authored": "2026-08",
      "last_updated": "2026-08-03"
    },
    {
      "slug": "docomo-alliance-2023",
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      "year": 2023,
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      "title": "NTTドコモとの共同持株会社の設立と、マネックス証券の持分法適用会社化",
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      "issue": "独立系ネット証券の存続と資本提携",
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          "text": "2023年10月、マネックスグループがNTTドコモと資本業務提携を結び、中間持株会社を通じて中核子会社マネックス証券を持分法適用会社へ移した判断。1999年の創業から25年目に、独立系ネット証券としての立場を手放した。"
        },
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          "label": "背景",
          "text": "手数料無料化の競争でSBI証券と楽天証券が国内株の売買手数料を無料にし、マネックス証券は追随できなかった。共通ポイントによる経済圏を持たない分、顧客一人あたりの獲得費用も重かった。"
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          "label": "内容",
          "text": "単独株式移転で中間持株会社を設立し、株式の約51%をマネックスグループ、約49%をドコモが保有する。取締役の過半をドコモが選任するため実質支配力基準でドコモの連結子会社となり、株式価値は970億円、連結での売却益は182億円とされた。"
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          "label": "含意",
          "text": "口座数と預かり資産の目標を500万口座・15兆円へ引き上げ、マネックスグループは資産運用と暗号資産へ資金を振り向けた。2026年3月期には送客の効果が口座開設に表れた一方、連結の損益は残った事業の振れを受けやすくなった。"
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          "title": "コインチェックグループがKDDIへ14.9%の新株を発行し約100億円を調達"
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                  "text": "ネット証券の手数料無料化は、最大手のSBI証券が仕掛けた。ただし2020年2月の時点では、現物取引の委託手数料を実際に無料にした会社はまだ一社もない。各社が打ち出した無料化のほとんどは投資信託の販売手数料で、信託報酬が後から入るため赤字にはならない。代替の収入がない現物では、取引が増えるほど損が出る。マネックスグループの松本大社長は「追随していく。ただ先には行かないし、様子見でもない」（週刊東洋経済 2020/2/15）と述べた。",
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                      "fact": "2020年2月の時点で現物取引の委託手数料無料化に踏み切ったネット証券はなく、各社の「無料化」の多くは投信の販売手数料だった",
                      "原文": "実は「無料化」の発表は相次いだものの、証券会社の収益柱ともいえる現物取引の委託手数料無料化に踏み切ったネット証券はまだない。左ページ表のとおり、各社が発表した「無料化」とはほとんどが投信の販売手数料のことだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月15日号「背水の陣で臨む手数料ゼロ ネット証券5社の曲がり角」",
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                    },
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                      "原文": "同社の松本大社長は、手数料無料化の動きについて「追随していく。ただ先には行かないし、様子見でもない」と冷静だ。",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "マネックスグループの答えは、注文を取り次いで手数料を得るブローカー業からの離脱であった。松本社長は2019年10月末の中間決算会見で資産運用業への移行を宣言し、2020年1月16日には日本株を運用するカタリスト投資顧問の設立を発表した。運用部門に専念するため、子会社マネックス証券の代表権も手放している。証券会社ごと手放すのではないかと取り沙汰されたが、松本社長は「それは絶対にありえない」（週刊東洋経済 2020/2/15）と否定した。",
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                      "fact": "松本社長は2019年10月末の中間決算会見で資産運用型への移行を宣言し、2020年1月16日にカタリスト投資顧問の設立を発表、マネックス証券の代表権を手放した",
                      "原文": "そこで松本氏は「アセットマネジメントサービスモデルへ移行する」と昨年10月末の中間決算会見で宣言。さらに今年1月16日に運用会社の設立を発表した。（中略）今後は運用部門に専念するため、子会社・マネックス証券の代表権を手放した。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月15日号「背水の陣で臨む手数料ゼロ ネット証券5社の曲がり角」",
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                    {
                      "fact": "松本社長はマネックス証券を手放すのではないかという観測を否定した",
                      "原文": "他社からは「松本さんはマネックス証券を手放すつもりなのではないか」とまで噂されるほどだが、「それは絶対にありえない」と一笑に付す。",
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            },
            {
              "sub_title": "経済圏を持たない証券会社の集客費用",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "値下げそのものより重かったのは、顧客を集める費用の差であった。楽天証券は広告費から逆算すると一人あたり6,840円で新規の顧客を得ていたのに対し、1万円を超えるネット証券も並んでいた。共通ポイントで顧客を囲い込む「経済圏」に加われば、獲得費用を経済圏の全体で分け合える。auカブコム証券はKDDIとの提携が本格化した2019年12月からの1カ月で、新規口座の約3割をauの利用者から得ている。マネックス証券には、その経済圏がなかった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "楽天証券の顧客獲得コストは1人6,840円で、1万円以上かかるネット証券もあった。経済圏に加わると獲得コストを分担できる",
                      "原文": "典型例が楽天証券だ。広告費から計算すると、顧客1人を獲得するためにわずか6840円しかかけていない。一方で、軒並み1万円以上の費用がかかっているネット証券もある。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月15日号「背水の陣で臨む手数料ゼロ ネット証券5社の曲がり角」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "auカブコム証券は2019年12月のKDDIとの提携本格化から1カ月で新規口座の約3割をauユーザーから得た",
                      "原文": "最も顧客獲得コストが高かったauカブコム証券は昨年12月に提携が本格化。1カ月で新規に開設された口座のうち、「約3割がauユーザーからの流入」（齋藤氏）と、早くも経済圏の恩恵を受けている。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月15日号「背水の陣で臨む手数料ゼロ ネット証券5社の曲がり角」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "業績にも差が出た。マネックスグループの連結税引前利益は2022年3月期の208億円から2023年3月期には9億6,600万円へ落ち込み、マネックス証券単体の2023年3月期の純利益は26億円、純資産は486億円にとどまった。そこへ2023年秋、SBI証券と楽天証券が国内株の売買手数料を無料にした。マネックス証券と松井証券は追随できなかった。値下げで競い合う余力はすでに乏しく、残る道は経済圏を持つ相手と組むことであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "連結税引前利益は2022年3月期208億円から2023年3月期9億6,600万円へ落ち込んだ",
                      "原文": "2022年3月期の税引前利益20,801百万円に対し、2023年3月期の税引前利益は966百万円であった。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2023年3月期・連結・IFRS）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2023年秋にSBI証券と楽天証券が国内株手数料を無料化し、マネックス証券と松井証券は追随できなかった。マネックス証券の純資産額は2023年3月末で486億円",
                      "原文": "手数料無料化の荒波にもさらされている。ネット証券最大手のSBI証券が仕掛けた無料化に、楽天証券は収益面でのダメージを覚悟のうえで追随。マネックス証券と松井証券は、追随すらできなかった。マネックス証券の純資産額は23年3月末で486億円。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "51%を残したまま子会社でなくなる仕組み",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2023年10月4日、マネックスグループはNTTドコモとの資本業務提携を発表した。単独株式移転で中間持株会社を設け、その新会社がマネックス証券の全株式を持つ。新会社の株式は約51%をマネックスグループ、約49%をドコモが保有する。持分では過半を残しながら、新会社の取締役の過半をドコモが選任するため、実質支配力基準によってマネックス証券はドコモの連結子会社となり、マネックスグループにとっては持分法適用会社に変わった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "中間持株会社を設立してマネックス証券の全株式を移し、約51%をマネックスG、約49%をドコモが保有。取締役の過半をドコモが選任するため実質支配力基準でドコモの連結子会社・マネックスGの持分法適用会社となる",
                      "原文": "まず中間持ち株会社を設立し、その新会社がマネックス証券の全株式を取得。新会社の株式は約51%をマネックスG、約49%をドコモがそれぞれ所有する。新会社の取締役の過半はドコモが選任することで、実質支配力基準により、新会社と現在マネックスGの100%子会社であるマネックス証券はドコモの連結子会社、マネックスGにとって持ち分法適用会社となる。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "51%の持分を維持しながらマネックス証券がドコモの連結子会社となる理由を、取締役の過半数指名権にもとづく実質支配力基準と説明した",
                      "原文": "Q．マネックスグループが51%の持分を維持するにもかかわらず、マネックス証券がNTTドコモの連結子会社となる理由は。A．NTTドコモが中間持株会社の取締役の過半数を指名する権利を持つこと等から、実質支配力基準により、マネックス証券はNTTドコモの連結子会社となる。",
                      "source": "マネックスグループ NTTドコモとの資本業務提携に関する説明会 質疑応答（2023年10月4日）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "利益の取り分は持分に従う。マネックス証券と中間持株会社の配当性向を100%とし、マネックスグループは経済的な取り分として51%分を受け取る。取引の完了後は、マネックス証券の利益の51%が持分法投資損益として計上される。あわせて口座数と預かり資産の目標も引き上げた。マネックス証券は2023年9月時点で223万口座・預かり資産7兆円を抱え、2026年度に300万口座・10兆円としていた目標を、500万口座・15兆円へ改めた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "マネックス証券と中間持株会社の配当性向は100%とし、経済メリットとして51%分を取る方針。クロージング後は利益の51%が持分法投資損益となる",
                      "原文": "Q．中間持株会社からマネックスグループへの配当方針はどのような方針になるのか。A．マネックス証券および中間持株会社の配当性向は100%なので、経済メリットとして51%分をとる方針。（中略）本件取引のクロージング後は、マネックス証券が当社にとって持分法適用会社となるため、利益の51％が持分法投資損益として計上されることとなる。",
                      "source": "マネックスグループ NTTドコモとの資本業務提携に関する説明会 質疑応答（2023年10月4日）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "マネックス証券は2023年9月時点で223万口座・預かり資産7兆円、目標を300万口座・10兆円から500万口座・15兆円へ引き上げた",
                      "原文": "マネックス証券は23年9月時点で、223万口座、預かり資産残高7兆円を抱える。これまでは26年度に300万口座、預かり資産残高10兆円を目標としてきた。この目標をそれぞれ500万口座、15兆円に引き上げる。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "手放して得たもの",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "松本大会長は提携の理由を「ネット証券が生き残っていくうえで、プラットフォームとの提携は避けられない」（週刊東洋経済 2023/10/21）と説明した。ドコモは9,600万人の会員を持つ「dポイント」に加え、決済の「d払い」や電子マネー「iD」を抱える。金融の知識が比較的高い個人が中心だった顧客層を、そこから広げる。ドコモの江藤俊弘スマートライフカンパニー統括長は、時期は未定としながら1,000万口座を目指したいと語った。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "松本大会長はネット証券の生き残りにプラットフォームとの提携は避けられないと説明し、ドコモの9,600万人のdポイント会員などと連携して顧客層を広げるとした",
                      "原文": "松本氏は提携に至った理由を、「ネット証券が生き残っていくうえで、プラットフォームとの提携は避けられない」と説明する。（中略）マネックスGはドコモと協業することで顧客基盤を強化する。9600万人の会員を持つ「dポイント」や決済サービス「d払い」、電子マネー「iD」などドコモのサービスと連携、比較的金融リテラシーの高い個人が中心だった顧客層を広げていく。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "ドコモの江藤俊弘スマートライフカンパニー統括長は時期未定としつつ1,000万口座を目指したいと語った",
                      "原文": "ドコモの江藤俊弘スマートライフカンパニー統括長は会見後の囲み取材で、「ドコモがせっかくやるのであれば、マネックス証券は数百万口座では物足りない。時期は未定だが、1000万口座を目指したい」と鼻息荒く語った。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "金額の面では、マネックスグループに有利な取引であった。中間持株会社の株式価値は970億円とされ、マネックス証券の純資産486億円のほぼ2倍にあたる。ある証券会社の幹部はこの金額を「高めだ」（週刊東洋経済 2023/10/21）と指摘した。売却益は2024年1月4日付で単体211億円、連結182億円を計上する見込みとされた。清明祐子社長は、得た資金を資産運用業へ向け、自前の成長よりM&Aが大きくなるだろうと述べた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "中間持株会社の株式価値は970億円とされ、証券会社幹部は高めだと指摘した。売却益182億円はマネックス証券の23年3月期純利益26億円に比べ大きい",
                      "原文": "マネックス証券の純資産額は23年3月末で486億円。それに対して今回、中間持ち株会社の株式価値は970億円とされた。ある証券会社幹部はこの金額が「高めだ」と指摘。（中略）ドコモへの株式売却によって、マネックスGには売却益182億円が発生する。マネックス証券の23年3月期の純利益は26億円なだけに利益インパクトは大きい。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2024年1月4日付で単体211億円・連結182億円の売却益を計上する予定とし、成長投資はアセットマネジメント中心でM&Aの比重が大きくなるとした",
                      "原文": "2024年1月4日付で、本株式譲渡の売却益として当社の単体損益計算書（日本基準）で211億円（税金及び税効果考慮前、以下同じ。）、連結損益計算書（IFRS）では182億円を計上する予定（中略）投資分野はアセットマネジメントを中心に考えており、オーガニックもインオーガニックなM&Aも同様に検討していく。（中略）どちらかというとM＆Aの方が資金使途としては大きくなるだろう。",
                      "source": "マネックスグループ NTTドコモとの資本業務提携に関する説明会 質疑応答（2023年10月4日）",
                      "url": null
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                  ]
                }
              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "売却益の翌年に出た赤字",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "提携の発表翌日、マネックスグループの株価はストップ高の659円をつけ、年初来高値を更新した。配当の下限を従来の2倍の30円へ引き上げると同時に発表したことも効いている。株式譲渡は2024年1月4日に完了し、2024年3月期の連結業績は継続事業ベースの売上高657億円、税引前利益253億円、当期純利益313億円となった。前期の当期純利益33億円に対し、売却益が一度に乗った期であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "提携発表翌日にマネックスGの株価はストップ高の659円をつけ年初来高値を更新した。配当下限を2倍の30円に引き上げる発表も重なった",
                      "原文": "ドコモとの提携発表翌日、マネックスGの株価はストップ高となる659円をつけ、年初来高値を更新した。配当の下限をこれまでの2倍となる30円に引き上げると発表したことも影響しているが、今後の成長期待の表れでもある。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2024年3月期の連結業績は売上高838億5,500万円、営業利益253億2,400万円、当期純利益312億9,300万円（前期は33億9,200万円）",
                      "原文": "2024年3月期の連結売上高（継続事業ベース）は65,726百万円、税引前利益は25,324百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は31,293百万円であった（前期の当期純利益は3,392百万円）。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2024年3月期・連結・IFRS）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "翌2025年3月期は一転して営業損失46億円、当期純損失50億円を計上した。暗号資産のコインチェックグループを米ナスダック市場へ上場させた際の一過性の費用が約182億円あり、これが赤字の主因であった。証券を持分法へ移した後のマネックスグループでは、残った暗号資産と資産運用の振れが、そのまま連結の損益に出る。中核子会社を外した分、業績の支えも薄くなっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2025年3月期は営業損失46億2,600万円、当期純損失50億6,700万円を計上した",
                      "原文": "2025年3月期の連結税引前損失は△4,626百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は△5,067百万円であった。",
                      "source": "マネックスグループ 有価証券報告書（2025年3月期・連結・IFRS）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2025年3月期にはコインチェックグループのナスダック上場に伴う一過性費用が約182億円発生していた",
                      "原文": "実力ベースというのは昨年度、コインチェックグループがNASDAQに上場しました関係で、一過性の費用が約182億円あったのです。これを除いた実力値で見ますと、税前利益が136億円だった。",
                      "source": "マネックスグループ 2026年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "送客が数字に表れるまで",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "送客の効果が数字に表れるまでには2年を要した。マネックス証券の新規口座開設は2026年1月に月間で過去最大となり、続く2月・3月も月3万口座前後で推移した。預かり資産は2026年4月に11兆円を超えている。清明祐子社長は、口座開設の「半分ぐらいはNTTドコモさんの貢献」（マネックスグループ決算説明会 2026/5/12）と述べた。NTTグループの職場つみたてNISAと株式報酬制度でも、指定証券会社に選ばれた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "マネックス証券の新規口座開設は2026年1月に月間で過去最大となり、預かり資産は2026年4月に11兆円を超えた",
                      "原文": "マネックス証券では、NTTドコモさんとの取り組みが数字をもって結実する形で、新規口座開設が2026年1月に過去最大、月間口座数過去最大で記録しており、預かり資産も足元4月ではもう11兆円を超えてきております。",
                      "source": "マネックスグループ 2026年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "清明社長は新規口座開設の半分程度がNTTドコモ経由であると述べ、2月・3月も月3万口座前後だった",
                      "原文": "これは、半々です。NTTドコモさんとのシナジーで、大体今、口座開設のすごくざっくりで申し訳ないのですが、口座開設数の半分ぐらいは、最近もうちょっと増えているかもしれないですね、NTTドコモさんの貢献なのです。（中略）その後の2月、3月大体3万口座ぐらいになっているのですが、それも全部そんな感じになっております。",
                      "source": "マネックスグループ 2026年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "残った事業の側でも数字が伸びた。2026年3月期は米国のトレードステーションが営業収益でドル建て・円建てとも過去最高を記録し、資産運用事業は当期利益50億円、運用資産2兆円超まで伸びた。マネックス証券からの持分法利益は19億8,000万円である。同年5月には暗号資産のコインチェックグループがKDDIへ14.9%の新株を発行して約100億円を調達し、証券はドコモと、暗号資産はKDDIと組む姿になった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2026年3月期はトレードステーションの営業収益がドルベース・円ベースとも過去最高、資産運用事業の当期利益は50億円、マネックス証券の持分法利益は19億8,000万円",
                      "原文": "証券事業につきましては、過去最高の営業収益、トレードステーションの営業収益、ドルベースでも円ベースでも過去最高でございました。（中略）結果においてマネックス証券の持分法利益19億8,000万円を計上して、トータルでは93億5,200万円になります。（中略）アセマネにつきましては、非常に大きく成長しておりまして、50億円の当期利益という形です。",
                      "source": "マネックスグループ 2026年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2026年5月にコインチェックグループがKDDIへ14.9%の新株を発行し約100億円を調達、マネックスGの持分は83.6%から71.1%となった",
                      "原文": "この結果、マネックスグループ、現在コインチェックグループの株式を83.6%保有しておりますが、これがKDDIさんに新株発行することによりまして、ダイリューションしまして71.1%の保有になります。（中略）この14.9%で約100億円を調達し、今後のコインチェックグループ、それからその傘下の企業の成長（中略）のための資金として活用していく。",
                      "source": "マネックスグループ 2026年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "独立の値段を、買い手の側から決められた",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "970億円という値づけが、この判断の性格を映している。マネックス証券の純資産は486億円、純利益は26億円で、手数料の無料化にも追随できなかった。それでも純資産のほぼ2倍の値がついたのは、証券会社としての実績にではなく、9,600万人のdポイント会員へ口座を差し出せる立場に値が付いたためだとみられる。松本大会長が「プラットフォームとの提携は避けられない」（週刊東洋経済 2023/10/21）と述べたとおり、単独で口座を集める時代の終わりを、マネックスグループは値段の側から認めた。"
                },
                {
                  "text": "売却益182億円を計上した翌年、ほぼ同額の一過性費用が反対側に立った。2025年3月期はコインチェックグループの米国上場に伴う費用が約182億円のしかかり、営業損失46億円に沈んでいる。ドコモが払った970億円に対し、初年度に持分法利益として戻ったのは19億8,000万円である。送客が月間の口座開設で過去最大となったのは2026年1月で、発表から2年余りを要した。送客がこの比率をどこまで動かすかは、まだ数字に出ていない。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2020年2月15日号「背水の陣で臨む手数料ゼロ ネット証券5社の曲がり角」",
        "週刊東洋経済 2023年10月21日号「独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用」",
        "マネックスグループ NTTドコモとの資本業務提携に関する説明会 質疑応答（2023年10月4日）",
        "マネックスグループ 2026年3月期 決算説明会 質疑応答",
        "マネックスグループ 有価証券報告書（2023年3月期・2024年3月期・2025年3月期／連結・IFRS）"
      ],
      "authored": "2026-08",
      "last_updated": "2026-08-03"
    }
  ]
}
