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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "市場の番人が自らのガバナンスを問われる立場で何を示すか（筆者所感）",
      "text": "日本取引所グループの150年弱を貫いたのは、東京と大阪が別個に走った120年と、それを一本化したのちも両者の機能を併存させる運営である。1878年5月に東京株式取引所、6月に大阪株式取引所が同じ年に設立免許を取得したのち、戦時統制を経て1949年に会員組織で再設立された両取引所は、1956年の債券市場、1961年の市場第二部制度、1969年のTOPIX算出、1985年の国債先物、1988〜89年の株価指数先物・オプションと取扱商品を並行で広げた。デリバティブ市場は機関投資家のリスクヘッジ需要に応じた整備で、海外勢を東京・大阪の市場へ呼び込む下地となり、とりわけ大阪は日経225オプションの先行で派生商品の存在感を高めた。\n\n統合は組織形態の変更を10年以上重ねた末に成立した。2001年に両取引所が会員組織から株式会社へ組織変更、2007年8月に東京証券取引所グループを設立、2012年8月の公開買付けで大証株式の66.7%を取得、2013年1月の合併で日本取引所グループへ商号変更し同日東証一部に上場した。法的な存続会社は大阪証券取引所であり、1878年以来別々に存在した東京・大阪の取引所が135年目にしてはじめて同じ持株会社のもとに束ねられた。初代CEO斉藤惇は2013年7月に大証の現物市場・清算機能・自主規制機能を東証側へ統合、2014年3月に東証のデリバティブ市場を大阪へ集約し、現物は東証・デリバティブは大阪取引所という機能分担を据えた。2019年10月の東京商品取引所子会社化と2020年7月の貴金属先物などの大阪取引所への移管で、総合取引所化が実質的なかたちへ近づいた。\n\n2015年就任の清田瞭2代目CEOは「企業統治、株主が鍛える」（日経ビジネス 2021/05/28）と語り、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードを上場維持要件と組み合わせる枠組みを敷いた。2022年4月に1961年以来およそ60年続いた1部・2部制度を廃止してプライム・スタンダード・グロースの3区分へ再編し、2,000社以上が集まっていた旧東証1部のあり方を上場維持要件の側から問い直した。2023年就任の山道裕己3代目CEOのもとで発表された中期経営計画2027はROE18%以上を唯一の財務目標とし、売上・利益の数値目標を設定しなかった。だが2024年10月の東証社員によるインサイダー取引疑惑は、取引所自身のガバナンスを問い直す対応を迫った。市場の番人が市場で問われる立場と、上場会社を選別する立場との折り合いが、現在の主題である。",
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          "title": "中期経営計画2027説明会",
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          "title": "東洋経済オンライン",
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