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      "title": "創業者の急逝を受けた32歳での社長承継と本部の東京移転、投資信託部門の分離と証券業免許の取得",
      "subtitle": "三重の地場業者にとどまるか、全国業者となるか——証券不況をはさんだ7年の選択",
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      "issue": "経営承継と全国展開",
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      "highlights": [
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          "label": "概要",
          "text": "1961年、本部を東京へ移した直後に創業者の加藤清治社長が死去し、長男の加藤精一氏が32歳で社長に就いた。精一氏は投資信託部門の分離と東京・兜町の本社ビル建設を近代化の柱に掲げ、1968年4月の証券業免許の取得までに、三重の地場業者を全国業者へ組み替えた。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "1923年に津市の八畳間で開業した岡三商店は、戦後に本店を大阪北浜へ移し、営業権の買い集めで関西から中国・四国へ広がった。一方で株価は1961年7月から下げ続け、全国の証券会社は1964年9月期に272億円の赤字を計上していた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "1961年4月に資本金を15億円として本部を東京に置き、同年6月に加藤精一氏が承継。1964年10月に日本投信委託株式会社を設立して投資信託部門を分離し、1965年10月に兜町の本社ビルを完成、1968年4月に改正証券取引法の免許を取得した。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "登録制から免許制への切り替えを残る側で通過し、1973年6月に東京・大阪両取引所の市場第二部へ上場した。ただし上場時点の収益は71.1%を受入手数料が占め、売買高の増減がそのまま収益に響く構造は残った。"
        }
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      "parties": [
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          "name": "岡三証券",
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            "note": "三重県津市に生まれ、営業権の買い集めで関西・中国・四国へ店を広げた中堅証券会社"
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        "summary": "創業者の急逝で32歳の二代目が承継し、本部の東京移転・投資信託部門の分離・兜町の本社ビル建設・証券業免許の取得によって地場業者から全国業者へ移行した"
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          "title": "三重県津市京口町の若林亭八畳間で岡三商店を開業"
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          "title": "企業整備で橋本商店と合併し、資本金18万円の岡三証券を設立"
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          "title": "本店を大阪市東区北浜へ移し、鈴木証券（大阪）を吸収合併"
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          "title": "資本金を15億円とし、機構改革で本部を東京に置く"
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          "title": "加藤清治社長の死去により、長男の加藤精一氏が32歳で社長に就任",
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          "title": "日本投信委託株式会社を設立し、投資信託部門を分離"
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          "title": "東京・大阪両証券取引所の市場第二部に株式を上場"
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      "snapshot": {
        "fiscal_year": "1972年9月期（単体）",
        "source": "証券 1973年6月号「新規上場会社紹介 岡三証券株式会社」（1972年9月期・単体）",
        "companies": [
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            "stock_code": "8609",
            "name": "岡三証券",
            "fiscal_year": "1972年9月期（単体）",
            "president": "加藤精一",
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              "note": "誌面表記は「税引包括利益」。税引前の当期純利益は34.2億円"
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              "sub_title": "津の八畳間から関西・中国・四国へ",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "岡三証券の前身である岡三商店は、1923年4月、三重県津市京口町の、もと宿屋だった若林亭の八畳間で開業した。頭の岡は創業を後援した岡副氏への恩を忘れないという意味であり、下の三は加藤家の三兄弟が協力して営むという願いを表していた。支店は開業から三年目の山田市を皮切りに松阪、四日市と増え、1941年には全国的にも知られた名阪商店を追い越して、県内の売買高で首位となった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1923年4月に津市京口町の若林亭八畳間で岡三商店を開業、社名は後援者の岡副氏と加藤三兄弟に由来する",
                      "原文": "創業にあたって後援者となってくれた岡副（おかぞえ）氏という人の恩をいつまでも忘れないために、頭に岡をつけ、加藤三兄弟が協力して経営していくよう、三をつけ岡三とした。大正一二年四月三重県津市京口町の、もと宿屋だった若林亭の八畳間で、岡三商店を開業した。",
                      "source": "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
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                    {
                      "fact": "1926年から山田市・松阪・四日市へ支店を増やし、1941年に四日市の名阪商店を抜いて売買高で県内首位となった",
                      "原文": "同一五年、呱々の声をあげてから三年目山田市に支店をだし、なお順調に松阪、四日市と支店をふやしていった。昭和一六年には、全国的にも有名だった四日市の名阪商店を抜いて、売買高で第一位となった。",
                      "source": "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
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                {
                  "text": "1944年、戦局の悪化に伴う企業整備が証券業へ及び、三重県下の営業所は48カ所から6業者7店舗まで絞り込まれた。岡三商店は宇治山田市の橋本商店との合併によって、資本金18万円の岡三証券という法人へ姿を変えている。戦後は1948年7月に証券業者の登録を受け、翌1949年10月には本店を大阪市東区北浜へ移して、同年12月に鈴木証券を吸収合併した。以後は吉村証券、中屋証券、興隆証券、三宝証券と営業権を買い集め、東京・京都・広島・神戸へ店を置いた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1944年の企業整備で県下48カ所が6業者7店舗に統合され、岡三商店は橋本商店と合併して資本金18万円の岡三証券となった",
                      "原文": "一九年には、戦局の急迫とともに、企業整備の嵐が吹き、県下の証券営業所は四八カ所から六業者、七店舗に整備統合された。このとき岡三商店と宇治山田市の橋本商店が合併し、法人組織にして資本金一八万円の、岡三証券とした。",
                      "source": "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
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                    {
                      "fact": "1948年7月に証券業者として登録、1949年10月に本店を大阪北浜へ移転し同年12月に鈴木証券を吸収合併、以後1956-1961年に吉村・中屋・興隆・三宝の各証券から営業権を譲り受けた",
                      "原文": "1948年7月 証券取引法に基づく証券業者として登録／1949年10月 本店を大阪市東区北浜に移転／1949年12月 鈴木証券株式会社(大阪)を吸収合併／1956年10月 吉村証券株式会社(東京)の営業権譲受け／1958年2月 中屋証券株式会社(京都)の営業権譲受け／1959年6月 興隆証券株式会社(広島)の営業権譲受け／1961年1月 三宝証券株式会社(神戸)の営業権譲受け",
                      "source": "株式会社岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
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              "sub_title": "増資の急増と戦後最大の証券不況",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "拡大の途中で、業界の外形が崩れた。1961年の増資額は額面金額ベースで6,738億円に達し、前年の3,472億円から急増した。東京証券取引所市場第一部の上場株式数も同年に前年比43%近く増え、日銀が同年半ばに引き締めへ転じたことと重なって、株式の需給が崩れた。東証修正平均は1961年7月18日の1,829.74円を頂点にほぼ一貫して下げ、1965年7月12日には1,020.49円と、頂点を44%下回る水準まで落ちた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1961年の増資額は6,738億円（前年3,472億円）、東証一部の上場株式数は同年に前年比43%近く増加し、株価は1961年7月18日の1,829.74円から1965年7月12日の1,020.49円まで44%下落した",
                      "原文": "例えば昭和三十六年の増資額は額面金額ベースで六七三八億円（三十五年は三四七二億円）に達し、株価が下降に転じた三十七年も六〇〇二億円と高水準を持続した。東京証券取引所市場第一部の上場株式数は、三十六年には前年に比べ一四〇億株、増加率にして実に四三%近くも増えた。株価（東証修正平均）は三十六年七月十八日の一八二九・七四円をピークにほぼ一貫して下げ続けた。四十年七月十二日の一〇二〇・四九円まで下げた。ピークを四四%下回る水準である。",
                      "source": "日本産業史 第3巻 金融・商業（日本経済新聞社、1994年）「証券－証券恐慌乗り越え土台固め」",
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                },
                {
                  "text": "証券会社の損益も同じ方向へ振れた。全国証券会社の最終損益は1964年9月期が272億円の赤字、1965年9月期も117億円の赤字であった。「法人の山一」と呼ばれた山一証券には1965年6月7日から日銀特融が入り、合計282億円に達した。大蔵省は証券業を厳格な監督下に置く必要があると判断し、アメリカ流の登録制に代えて免許制の導入を進めた。地場から出てきたばかりの中堅業者にとって、この制度改正は残れるかどうかを分ける条件であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "全国証券会社の最終損益は1964年9月期272億円の赤字・1965年9月期117億円の赤字、山一証券への日銀特融は1965年6月7日から合計282億円に達し、登録制は免許制へ改められた",
                      "原文": "昭和三十九年九月期の全国証券会社の最終損益は、二七二億円の赤字で、翌四十年九月期も一一七億円の赤字だった。「法人の山一」ともいわれた証券業界の雄、山一証券への日銀特融はこうした状況の中で実施された。こうして山一への日銀特融は六月七日を皮切りに合計二八二億円に達した。証券業者についてはそれまでのアメリカ流の登録制に代わって免許制が導入され、弱い業者はふるいにかけられ消えていった。",
                      "source": "日本産業史 第3巻 金融・商業（日本経済新聞社、1994年）「証券－証券恐慌乗り越え土台固め」",
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
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              "sub_title": "本部を東京へ移した二カ月後の急逝",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "1961年4月、岡三証券は資本金を15億円とし、機構を改めて本部を東京に置いた。1944年の設立時の資本金18万円から17年での増資であり、三重を基盤とする業者が全国業者として振る舞うための資本と司令塔を同時に整えた措置であった。同年5月、業界に対する多年の功績により加藤清治社長が藍綬褒章を受章した。ところが翌6月、清治社長は死去する。本部を東京へ移した二カ月後に、その移転を決めた当人が退場した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1961年4月に資本金15億円へ増資し機構改革で本部を東京に置いた、同年5月に加藤清治社長が藍綬褒章を受章し翌6月に死去した",
                      "原文": "ついに東京に進出し、三六年四月には資本金一五億円と、設立時からわずか一七年間に、驚異的飛躍をとげた。機構も改革されて本部を東京においた。この年の五月、業界に対する多年の功績により、清治氏は藍綬褒章を受章されたが、翌六月に死去。故人の長男、精一氏が事業をうけ継いだ。",
                      "source": "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
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                },
                {
                  "text": "後を継いだのは長男の加藤精一氏であった。1929年1月生まれ、1954年4月に入社して同年11月に取締役、1956年11月に常務、1958年11月に専務と進み、1961年6月に32歳で社長に就いた。役員としての経験は7年あったものの、相場が下げに入った時期に、資本金15億円の会社と移したばかりの東京本部をそのまま引き受けた。精一氏は新本社ビルの建設と合理化の促進を掲げ、証券経営の近代化に取り組んだ。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "加藤精一氏は1929年1月9日生まれ、1954年4月入社・同年11月取締役・1956年11月常務・1958年11月専務を経て1961年6月に取締役社長へ就任した",
                      "原文": "加藤 精一　昭和４年１月９日生／昭和29年４月 当社入社／昭和29年11月 取締役就任／昭和31年11月 常務取締役就任／昭和33年11月 専務取締役就任／昭和36年６月 取締役社長就任",
                      "source": "株式会社岡三証券グループ 有価証券報告書【役員の状況】",
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                    {
                      "fact": "32歳で承継した加藤精一氏は、新本社ビルの建設と合理化の促進を掲げ証券経営の近代化に取り組んだ",
                      "原文": "若冠三二才の精一氏は新本社ビルの建設と合理化の促進を軸とし、証券経営での近代化に全力を傾注してきた。",
                      "source": "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
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              "sub_title": "投資信託部門の分離と兜町の本社ビル",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "近代化として掲げたものは二つに分かれる。一つは商品と組織の切り分けで、岡三証券は投資信託部門を本体から分離し、1964年10月に日本投信委託株式会社を設立した。株式の売買が細る時期にあっても、この分野の伸びは続いた。1962年には東証の出来高で4社に次ぐ第5位に入り、オープン型の投資信託を50億円追加設定している。委託手数料に頼るだけではない収益源を、別会社として抱えたことになる。",
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                      "原文": "この間、高度成長経済の反動から証券界は久しく沈滞したが、投資信託部門を分離し、三七年には東証出来高で四社についで第五位にランクされ、オープン五〇億円を追加設定するなど大いに伸びた。",
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                      "原文": "1964年10月 日本投信委託株式会社を設立",
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                      "source": "株式会社岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
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                  "text": "1968年4月1日、証券業は登録制から免許制へ変わった。改正証券取引法は委託売買、自己売買、引受などに免許を4種類へ分けて個別に付与する仕組みを採り、経営基盤の弱い業者は市場から退いた。岡三証券は同日付で免許を取得している。取得の3日後にあたる4月4日が創業45周年で、三重の商店として始まった会社が、制度の入れ替えを越えて全国業者としての資格を得た。",
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                    {
                      "fact": "1968年4月1日から証券業は免許制へ移行し、免許は委託売買・自己売買・引受など4種類に分けて個別に付与された",
                      "原文": "改正証券取引法の骨子は①証券業の登録制から免許制への移行②委託売買（投資家の注文の仲介）、自己売買（自社の勘定による売買）、引き受け（企業の証券市場からの資金調達に伴う業務）など免許は四種類とし、それぞれ個別に付与③自己売買を制限（委託売買業務の補完）。証券業は昭和四十三年四月一日を期してそれまでの登録制から免許制に変わったのである。",
                      "source": "日本産業史 第3巻 金融・商業（日本経済新聞社、1994年）「証券－証券恐慌乗り越え土台固め」",
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                      "原文": "四三年四月一日より実施された証券免許制の免許を取得。折りしも四月四日は創業四五周年を迎えた。",
                      "source": "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
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                  "text": "1973年6月1日、岡三証券は東京・大阪両証券取引所の市場第二部に株式を上場した。店舗は本支店を合わせて40店あり、東京都に9店、三重県に8店、大阪府に6店、ほかの12府県に17店を置いていた。従業員は1,571名。収益の内訳は受入手数料が71.1%を占め、金融収益が17.4%、有価証券売買益が11.5%と続く。津の八畳間から数えて50年目に、売買の仲介で稼ぐ全国業者としての姿が数字に表れた。",
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                      "fact": "1973年6月1日に上場、本支店40店舗（東京9・三重8・大阪6・ほか12府県17）、従業員1,571名、収益構成は受入手数料71.1%・金融収益17.4%・有価証券売買益11.5%",
                      "原文": "上場年月日 昭和48年6月1日／銘柄コード8609／おもな事業所 本支店合計40店舗（東京都9店、三重県8店、大阪府6店ほか12府県に17店）／収益の構成は次のとおりである。受入手数料（71.1%）、金融収益（17.4%）、有価証券売買益（11.5%）／従業員数1,571名",
                      "source": "証券 1973年6月号「新規上場会社紹介 岡三証券株式会社」",
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                      "原文": "1973年6月 当社株式を東京・大阪両証券取引所市場第二部に上場",
                      "source": "株式会社岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
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                  "text": "加藤精一氏が1961年6月に引き受けたのは、東京へ移したばかりの本部と、その前月に頂点を越えた相場であった。資本金は設立時の18万円から15億円になっていたが、増資と本部移転で全国業者の体裁が整っただけで、営業の中身は父である清治社長の代のまま残っていた。32歳の二代目が近代化として掲げたものが、投資信託部門の分離と本社ビルの建設という外から見える二つに絞られていたのは、そこからしか手が付けられなかったからだとみられる。"
                },
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                  "text": "この7年で身につけたものが、そのまま強さになったとは言いにくい。1973年の上場時点でも収益の71.1%は受入手数料であり、株式の売買高が落ちれば収益がそのまま細る構造は、証券不況を通り抜けたあとも変わっていなかった。1968年の免許取得にしても、経営基盤の弱い業者が退くなかで残ったという意味では守りの結果である。それでも、三重の商店が制度の入れ替えで消える側ではなく残る側に回れたこと自体が、この7年の成果であったといえる。"
                }
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            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "企業の歴史：明治百年（1968年）「岡三証券」",
        "証券 1973年6月号「新規上場会社紹介 岡三証券株式会社」",
        "日本産業史 第3巻 金融・商業（日本経済新聞社、1994年）「証券－証券恐慌乗り越え土台固め」",
        "株式会社岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】【役員の状況】"
      ],
      "authored": "2026-08",
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      "title": "新入社員研修の2週間から1年間への延長と、支店への「新入営業課」の設置",
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          "text": "1993年、岡三証券が新入社員研修を従来の2週間から1年間へ延ばした経営判断。金融・証券業界で最長にあたり、同年4月入社の総合職71人を対象に、前半の半年を知識研修、後半の半年を支店での営業研修に充てた。人事研修部門を担当する加藤哲夫専務が経営会議の反対を押し切って実施した。"
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          "text": "バブル崩壊後の株価低迷のもとで、損失補填や強引な勧誘といった証券営業のルール違反が相次いで表面化した。岡三証券でも1993年3月に当時の専務が参議院予算委員会へ参考人招致され、同年3月期は営業収益361億円・経常損益184億円の赤字で、減収減益が3期続いていた。"
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          "text": "前半の知識研修は午前8時15分から午後6時まで、分析能力と商品知識、証券税制・法令の3本柱で組んだ。席順は模擬テストの成績順とし、二種外務員試験では71人全員が合格した。後半は支店に既存の営業課とは別の「新入営業課」を設け、ノルマを課さずトレーナーを一人ずつ張り付けた。"
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                  "text": "バブルの崩壊と株価の低迷が続くなかで、証券営業のルール違反が次々に表沙汰になった。岡三証券の損失補填は約5億円で、数百億円に上った大手証券の額に比べれば小さかったものの、問題はそれで収まらなかった。1993年3月には、金丸信・前自民党副総裁の巨額脱税事件に当時の専務が関与したとして、参議院予算委員会に参考人として招致された。同年5月には元本店営業課長が客から預かった資金の運用に失敗し、行方をくらます事件も起きた。",
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                  "text": "業績も傷んでいた。営業収益は1993年3月期に361億円まで落ち、前期を32.3%下回っている。経常損益は184億円の赤字で、減収減益はこれで3期目に入った。同じ決算期には野村証券と日興証券を除くほとんどの証券会社が赤字に沈み、相場の低迷と不祥事による信用の失墜が業界を覆っていた。手数料収入が1年で3分の2に減れば、経営がまず検討するのは人員の整理である。岡三証券にも余裕はなかった。",
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                      "原文": "1993年3月決算では野村証券と日興証券を除けば、ほとんどの会社が赤字だ。岡三証券も営業収益361億円（前年比32.3%減）で、経常損益に至っては184億円の赤字になっている。3期連続で減収減益の決算となっており、余裕はない。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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                  "text": "岡三証券の収益は個人客からの委託手数料に多くを頼り、1973年の上場時には受入手数料が営業収益の71.1%を占めていた。相場全体が上がっているあいだは、どの株を勧めても客に損をさせることは少ない。銘柄を数多く並べておけば一銘柄で損をさせても全体としてはプラスにできる、と大手証券の幹部は日経ビジネスの取材にふり返っている。上昇相場が期待しにくくなると、この大ざっぱな営業は成り立たなくなった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1980年代の上昇相場では、多くの銘柄を勧めておけば一銘柄で損をさせても全体でプラスにできる大ざっぱな営業が成立していた",
                      "原文": "相場全体が上昇していた時は、どの株を勧めようが、損をさせることは少なかった。「多くの銘柄を勧めておけば、一銘柄くらい損をさせても、全体としてはプラスにできた」（大手証券幹部）という大ざっぱな営業でよかった。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "1973年の上場時、岡三証券の収益構成は受入手数料が71.1%を占めていた",
                      "原文": "収益構成は受入手数料71.1%、金融収益17.4%、売買益11.5%。",
                      "source": "証券 1973年6月号「新規上場会社紹介 岡三証券株式会社」",
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                },
                {
                  "text": "営業社員に求められる知識も変わった。客に金融商品を勧めるには経済や金融の動きを見極め、ときには先物やオプションの仕組みを説明できなければならず、本社が選んだ銘柄を押し売りする形は通らなくなっていた。岡三証券の都内支店に勤める若手営業社員は、いったん営業に出て顧客ができると惰性で活動に没頭してしまい、勉強する気は起こらないと打ち明けた。東京・新宿支店の支店長も、これまでの新入社員は知識が身についていないと述べた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "岡三証券の都内支店の若手営業社員は、営業に出て顧客ができると惰性で活動に没頭し勉強する気が起こらないと述べ、新宿支店長は従来の新入社員に知識が身についていないと語った",
                      "原文": "岡三証券の都内の支店に勤務する若手営業マンは、「一度、営業に出て、顧客ができてしまうと、後は惰性に任せて営業活動に没頭してしまう。勉強するという気はなかなか起こらない」と打ち明ける。東京・新宿支店の支店長も、「支店は基礎知識をつける場所ではなく、知識を基に応用力を身につける場所だ。だが、今までの新入社員は知識が身についていない」と新入社員の知識習得の必要性を強調する。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
                      "url": null
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            }
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        },
        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "2週間の研修を1年間に延ばす",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "1993年、岡三証券は新入社員研修を従来の2週間から1年間へ延ばした。金融・証券業界で最長にあたる。対象は同年4月に入社した総合職71人で、前半の半年を東京・江東区の木場ビルでの知識研修に、後半の半年を支店での営業研修に充てた。同じ年の大手4社の研修は、野村証券が155人に2カ月、大和証券が244人に約4カ月、日興証券が151人に1カ月、山一証券が103人に2カ月であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "岡三証券は1993年から新入社員研修を2週間から1年間へ延長。大手4社は野村155人2カ月、大和244人約4カ月、日興151人1カ月、山一103人2カ月で、岡三は71人1年（うち営業実地研修6カ月）",
                      "原文": "証券業界準大手の岡三証券は、今年から新入社員研修を従来の2週間から一気に金融・証券業界最長の1年間に延ばした。／大手4社と岡三証券の新入社員研修の比較 野村証券155人・2カ月、大和証券244人・約4カ月、日興証券151人・1カ月、山一証券103人・2カ月、岡三証券71人・1年（研修中の営業実地研修6カ月）。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
                      "url": null
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                },
                {
                  "text": "提案したのは人事研修部門を担当する加藤哲夫専務で、経営会議では反対意見が続出した。それでも加藤専務は「営業マンの質の向上」（日経ビジネス 1993/8/9）を掲げて主張を通した。狙いはもう一つあり、そちらは採用の実情に関わる。「好き好んで岡三証券に入ってきた人ばかりではない」（同）以上、証券営業への不安は強いはずで、学生と営業社員の間をつなぐ手立てが要るとみていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "加藤哲夫専務が1年間研修を経営会議に提案した際は反対意見が続出したが、営業社員の質の向上と、志望度の低い入社者を営業につなぐ必要という二つの狙いから強く主張した",
                      "原文": "事実、加藤専務が1年間研修を経営会議に提案した時は、反対意見が続出したという。しかし、加藤専務はこの研修を強く主張した。営業マンの質の向上とともに、もう一つの問題意識があった。「好き好んで岡三証券に入ってきた人ばかりではない。証券営業への不安は強いはずだ。学生と営業マンの間をうまくつなげる必要がある」と言う。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "難航した役員間の調整に決着をつけたのは、相場の低迷そのものであった。日経平均株価が1万円台半ばという低い水準にとどまり、支店が人員の補充を必要としなかったため、71人を1年間現場から外しても支店の営業は回る。赤字が人員削減を促す一方で、同じ赤字が新人を戦力から外す余地をつくり、研修にゴーサインが出た。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "役員間の意見調整は、日経平均株価が1万円台半ばの低水準で支店が人員補充を必要としなかったことで決着し、1年間研修にゴーサインが出た",
                      "原文": "「1年間研修」を巡って難航した役員間の意見調整も、結局、日経平均株価が1万円台半ばという低水準で、支店が人員補充を必要としなかったことが追い風となって、ゴーサインが出た。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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            },
            {
              "sub_title": "知識研修と、ノルマのない「新入営業課」",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "知識研修は午前8時15分から午後6時まで続き、分析能力と商品知識、証券税制・法令の3本柱で組まれた。講義の席順は模擬テストの成績順とし、当初の1カ月半に10回のテストを実施して、その都度座席を入れ替えた。上位者が肘掛け付きの椅子に座る一方、下位20人は折り畳み椅子に移された。5月末の二種外務員試験では71人全員が合格し、300点満点で合格ラインが210点のところ、平均点は288点であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "知識研修は午前8時15分から午後6時まで、分析能力と商品知識、証券税制・法令の3本柱。席順は模擬テストの成績順で、1カ月半に10回のテストを実施し下位20人は椅子を変えた。5月末の二種外務員試験は全員合格、300点満点・合格ライン210点に対し平均288点",
                      "原文": "研修は午前8時15分から午後6時まで。講義内容は分析能力と商品知識、証券税制・法令の3本柱だ。／知識研修の講義を受ける際の席順は、模擬テストの成績順。当初、1カ月半の間に10回にわたってテストを実施し、その都度座席を変更。下から20人は机とイスを変えた。「上位の人はひじ掛け付きのイスに座れるが、下位の人は折り畳みイスにした」と新人指導役のトレーナーである人事部の小泉一紀課長は話す。／こうした特訓の結果、5月末の証券営業の資格である二種外務員試験では全員が合格した。試験は300点満点で合格ラインは210点だが、岡三証券の新入社員の平均点は288点と高レベルだった。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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                },
                {
                  "text": "9月に知識研修を終えた新入社員は全国35支店へ散り、1支店に2人ずつ配属されて1カ月間は支店の経理業務を経験した。10月からは3グループに分かれ、東京・渋谷・横浜・千葉の各支店で半年間の営業に入る。既存の営業課とは別に「新入営業課」を設け、ノルマは負わせない。各支店にはトレーナーが新入営業課長として一人ずつ張り付き、MMFなど実質元本保証の商品から新規の客を開拓させたうえで、株式営業へ進ませた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "9月に新入社員は全国35支店へ2人ずつ配属され1カ月間は経理業務を経験、10月から3グループに分かれ東京・渋谷・横浜・千葉の支店で半年間営業。既存の営業課と別に「新入営業課」を設けてノルマを課さず、トレーナーが一人ずつ張り付いた",
                      "原文": "知識研修がひと通り終わる9月には、新入社員は全国35支店に散らばっていく。原則として1支店に新入社員二人を割り当て、そこで1カ月間、支店の経理業務を経験させる。／10月には新入社員を3グループに分けて、東京、渋谷、横浜、千葉の各支店で実際に半年間営業する。支店の既存の営業課とは別に、ノルマを負わない営業課を設けて、日々の営業活動を経験させる。それぞれの支店に新入営業課長としてトレーナーが一人ずつ張り付いて、日々の営業活動を指導する。最初はMMFなどの、実質元本保証のリスクの低い商品を売り込みながら新規の客を開拓していくが、最終的には株式営業も実践する。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "社内に出た手応えと、業界他社の冷ややかな視線",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "効果は入社の年のうちから現れた。人事部の小泉一紀課長は、現場に出た新入社員が2、3年目の社員より知識や分析能力で上回っていると話す。コンピューターによる株取引のシミュレーションでも、同じ相場を与えると新入社員のほうがリスクの低い取引を選び、支店の営業社員はいちかばちかの勝負に出た。都内支店の3年目の営業社員は「正直言って、すぐに抜かれたくない」（日経ビジネス 1993/8/9）と対抗心をのぞかせた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "新入社員は現場に出てすぐ2、3年目の社員より知識や分析能力で上回り、株取引シミュレーションでも支店営業社員よりリスクの低い取引を選んだ。3年目の営業社員は対抗心を示した",
                      "原文": "「現場に出て、すぐに新入社員は2、3年目の社員より知識や分析能力が上」（小泉課長）なのが、新人に接するトレーナーや講師の共通した意見だ。／「新入社員と支店営業マンの結果を比較してみると、同じ相場を設定して自由に取引させても、新入社員の方がリスクの低い取引をする。支店営業マンはいちかばちかの一発勝負に出るなど、危険な取引も目立つ」と人事部の山口秀明次長は話す。／都内支店勤務の3年目の営業マンは「正直言って、すぐに抜かれたくない。面白くないじゃないですか」と、対抗意識を燃やす。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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                },
                {
                  "text": "業界他社の見方は冷ややかであった。大和証券人材開発部の岩室充次長は、営業社員に求められる知識が高度化して自社でも研修期間を延ばす議論はあると認めつつ、入社したばかりの新人に膨大な知識の習得を求めるのはどうかと疑問を投げかけた。野村証券人事部の古賀信行部長も、営業現場を知らない人に知識だけを身につけさせるのは難しいと述べた。加藤専務はそれでも「5年は続ける」（日経ビジネス 1993/8/9）と語り、狙いを「量で質を変える」（同）と言い表した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "大和証券の岩室充人材開発部次長と野村証券の古賀信行人事部長は1年間研修に疑問を示したが、加藤哲夫専務は5年続けて理論武装した営業社員の比率を高める考えを述べた",
                      "原文": "大和証券人材開発部の岩室充次長は「営業マンに要求される知識レベルは高度化してきており、当社でも研修期間を延ばそうか、という議論はある」と認めつつも、「入社してきたばかりの新人にいきなり膨大な知識の習得を要求するのはどうか」と疑問を投げかける。野村証券人事部の古賀信行部長も「営業現場を知らない人に知識だけを身につけさせようとしても難しい」。／「1年研修は今年だけやっても効果は薄い。5年は続ける。そうすれば、理論武装した営業マンの比率が増え、営業体質は大きく変わるはずだ。量で質を変える」と加藤専務は言い切る。",
                      "source": "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
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                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "6年後に語られた立て直しと、崩れた前提",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "加藤精一氏は1997年6月に会長へ退き、社長の座は加藤哲夫氏へ移った。加藤精一会長は1998年から日本証券業協会の会長を務め、その立場で受けた取材で自社の立て直しに触れている。すごい赤字が出ていた状態からは抜け、「トントンのところまで来て大きな損を出す状況ではなくなりました」（週刊東洋経済 1999/3/20）という言い方であった。得意な市場で強くなる方向として挙げたのは、投信への商品の入れ替えと、三重県で保つ約40%のシェアである。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "加藤精一会長は1999年の取材で、大きな赤字が出る状況からトントンの水準まで戻ったこと、株式から投信への切り替えが進んだこと、三重県で約40%のシェアを持つことを述べた",
                      "原文": "例えばわが社で言えば、すごい赤字が出る状況だったのが、トントンのところまで来て大きな損を出す状況ではなくなりました。株から投信への切り替えも相当できています。例えば三重県では四〇％くらいのシェアがありますから、得意なマーケットの中で強くなるという方向性です。",
                      "source": "週刊東洋経済 1999年3月20日号「編集長インタビュー 加藤精一 日本証券業協会会長」",
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                    },
                    {
                      "fact": "1997年6月に加藤精一氏が会長、加藤哲夫氏が社長に就任した",
                      "原文": "五四年岡三入社。同年取締役、六一年社長、九七年会長に就任。九八年から日証協会長。",
                      "source": "週刊東洋経済 1999年3月20日号「編集長インタビュー 加藤精一 日本証券業協会会長」",
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                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "営業の作法を整える間に、収益の前提のほうが崩れた。1998年12月には改正証券取引法に基づく総合証券会社として登録したが、1999年10月の委託手数料の完全自由化とオンライン専業証券の参入が続く。2000年11月の週刊東洋経済は、準大手以下の上場18社で経常赤字の会社が第1四半期の1社から第2四半期には5社になったと報じ、岡三証券を9月単月で赤字に陥らなかった側に置いた。対面の営業社員を抱えたまま大手証券とネット専業の双方に顧客を削られる位置は、それでも変わっていない。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2000年の中間決算では準大手以下の上場18社のうち経常赤字が第1四半期の1社から第2四半期に5社へ増え、岡三証券は9月単月の赤字を免れた側だった。準大手以下は大手証券とオンライン専業に挟撃されていた",
                      "原文": "第１四半期に一社だった経常赤字会社は、第２四半期には五社に拡大した。／みずほインや岡三証券を除く準大手以下の多くは９月単月で赤字に陥った模様で、松井と明暗をくっきり分けた。準大手以下は大手証券とオンライン専業に挟撃されているうえ、オンライン専業と比べて固定費が圧倒的に重い。",
                      "source": "週刊東洋経済 2000年11月11日号「準大手証券以下は冬の時代」",
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                    },
                    {
                      "fact": "1998年12月、改正証券取引法に基づく総合証券会社として登録した",
                      "原文": "1998年12月 改正証券取引法に基づく総合証券会社として登録",
                      "source": "岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
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                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "赤字が可能にした教育投資",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "184億円の経常赤字と3期続いた減収減益は、人を減らす理由としては十分に揃っていた。岡三証券が延ばしたのは、逆に新入社員71人を現場から外す時間であった。押し切れた条件も相場の低迷にある。日経平均が1万円台半ばに沈み、支店が人員の補充を求めなかったからこそ、難航した役員間の調整はまとまった。加藤哲夫専務の「量で質を変える」（日経ビジネス 1993/8/9）という言い方は、個々の営業社員を叱るのではなく、入り口の教育量で分布を動かす発想だったとみられる。"
                },
                {
                  "text": "教育の効果を業績の反転として示す数字は、残っていない。6年後に加藤精一会長が語れたのは「トントンのところまで来て」（週刊東洋経済 1999/3/20）という水準にとどまる。1999年10月の手数料完全自由化とオンライン専業の参入は、営業社員の質とは別の次元で収益の前提を崩し、2000年には準大手以下が挟撃される構図に置かれた。教育で作り替えられるのは営業の作法までであり、委託手数料に頼る収益の形そのものではなかったとみることができる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
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      "references": [
        "日経ビジネス 1993年8月9・16日号「岡三証券 1年間研修で新人鍛錬 営業体質を下から改善」",
        "週刊東洋経済 1999年3月20日号「編集長インタビュー 加藤精一 日本証券業協会会長」",
        "週刊東洋経済 2000年11月11日号「準大手証券以下は冬の時代」",
        "証券 1973年6月号「新規上場会社紹介 岡三証券株式会社」",
        "岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】"
      ],
      "authored": "2026-08",
      "last_updated": "2026-08-03"
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      "title": "ネット専業・岡三オンライン証券の設立と、16年後の岡三証券への吸収合併",
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        "note": "・加藤哲夫氏（2006年の設立時社長）"
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          "text": "2006年1月にネット専業の岡三オンライン証券を別法人として設立し、2022年1月1日に岡三証券が同社を吸収合併して社内の「岡三オンライン証券カンパニー」とした経営判断。1999年10月の委託手数料完全自由化で対面とオンラインの収益構造が分かれたことに対する、準大手証券としての二段構えの答えであった。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "手数料自由化の後、準大手以下の証券会社は大手証券とオンライン専業の双方に顧客を削られた。オンライン専業の松井証券は従業員約160人で、約1,200人を抱える準大手と同水準の経常利益を上げていた。岡三証券は2003年10月に持株会社へ移り、事業会社を並べて持つ形を先に整えていた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "岡三証券を存続会社とする吸収合併で、合併期日は2022年1月1日。取引ルール・手数料水準・部店番号・口座番号・IDはいずれも据え置き、岡三オンライン証券は独立事業部門として続いた。間接部門とデータを共有し、外国株式や内外債券が品揃えに加わった。"
        },
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          "label": "含意",
          "text": "束ねた顧客基盤は、証券機能をグループ外へ供給する証券プラットフォーム事業につながり、2026年3月末の預り資産は10.1兆円に達した。一方で2026年3月26日、岡三証券は日本株と投資信託の約46万口座をSBI証券へ譲渡すると決め、自ら立てた専業の主要部分を手放した。"
        }
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          "title": "岡三証券と岡三オンライン証券の経営統合方針を公表"
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          "title": "岡三アセットマネジメントを連結子会社から持分法適用関連会社へ異動"
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          "title": "岡三オンライン証券事業の一部をSBI証券へ譲渡する吸収分割契約を締結"
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                {
                  "text": "1999年10月に株式の委託手数料が完全自由化されると、対面の営業社員を抱える中堅・準大手の証券会社は、大手証券とオンライン専業の双方から顧客を削られた。2000年11月の週刊東洋経済は、オンライン専業の松井証券と準大手のみずほインベスターズ証券の経常利益が第1四半期・第2四半期ともほぼ同水準になったと伝えている。従業員は松井証券が約160人、みずほインベスターズ証券が約1,200人であった。",
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                    {
                      "fact": "2000年度上期、オンライン専業の松井証券（従業員約160人）と準大手のみずほインベスターズ証券（約1,200人）の経常利益がほぼ同水準になった",
                      "原文": "特に象徴的なのは、みずほインベスターズ証券と非上場の松井証券との比較だ。オンライン専業の松井と準大手の一角・みずほインの経常利益が、第１四半期、第２四半期ともに、ほぼ同水準となっている。ちなみに松井の従業員は約一六〇人、みずほインは約一二〇〇人である。",
                      "source": "週刊東洋経済 2000年11月11日号「準大手証券以下は冬の時代 相場低迷とオンライン専業に脅かされ収益急降下」",
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                  "text": "同じ記事は、準大手以下がオンライン専業に比べて固定費を圧倒的に重く抱えている点も指摘している。ただ、9月単月で赤字に陥ったとされた準大手以下のなかに、岡三証券は含まれていない。危機の渦中にはいなかったが、委託手数料に頼る収益の前提は崩れかけていた。岡三証券は2003年10月、証券業その他の営業を会社分割で子会社へ承継させ、岡三ホールディングスと商号を変えて持株会社へ移っている。",
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                      "原文": "みずほインや岡三証券を除く準大手以下の多くは９月単月で赤字に陥った模様で、松井と明暗をくっきり分けた。準大手以下は大手証券とオンライン専業に挟撃されているうえ、オンライン専業と比べて固定費が圧倒的に重い。",
                      "source": "週刊東洋経済 2000年11月11日号「準大手証券以下は冬の時代 相場低迷とオンライン専業に脅かされ収益急降下」",
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                      "fact": "2003年10月、証券業その他の営業を会社分割で子会社へ承継させ、岡三ホールディングスへ商号変更して持株会社に移行した",
                      "原文": "当社の証券業その他の営業を会社分割により岡三証券分割準備株式会社(現・岡三証券株式会社、連結子会社)に承継させ、持株会社に移行するとともに、岡三ホールディングス株式会社に商号変更",
                      "source": "岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
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              "sub_title": "自前でオンライン専業を立てる",
              "paragraphs": [
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                  "text": "持株会社の下に事業会社を並べる形が整った2年余り後の2006年1月、岡三証券グループは岡三オンライン証券を設立した。対面営業を担う岡三証券とは別の法人とし、格安の手数料と高機能のトレーディングツールで自ら専業の側に回る選択であった。当時の社長は加藤哲夫氏で、2006年3月期の連結営業収益は889億円、親会社株主に帰属する当期純利益は179億円と、本業が好調な時期の新設にあたる。",
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                    {
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                      "原文": "営業収益889億円、営業利益347億円、経常利益354億円、親会社株主に帰属する当期純利益179億円（2006年3月期・連結）。",
                      "source": "岡三証券グループ 有価証券報告書（2006年3月期・連結）",
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                {
                  "text": "別会社の採算は、手数料競争のなかで早くから揺れた。2009年10月1日、岡三オンライン証券は信用取引の定額プランを引き上げ、1日に1億円を約定した場合の手数料を3,000円台から2万〜3万円台へ改めている。池田嘉宏社長は「新料金はコストパフォーマンスを考えると応分」（週刊東洋経済 2009/10/3）と述べた。他社の値上げで流入した顧客により売買代金は3〜4倍に増えたが、赤字幅はかえって広がった。",
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                    {
                      "fact": "2009年10月1日、岡三オンライン証券は信用取引の定額プランを大幅に値上げし、1日1億円の約定で3,000円台だった手数料が2万〜3万円台になった。売買代金は3〜4倍に増えたが赤字幅は拡大した",
                      "原文": "左ページ表のとおり岡三オンライン、クリックとも、従来はかなり安い料金体系だったが、大幅な値上げに踏み切る。たとえば顧客が１日に合計１億円分の株式を約定した場合、それぞれ３０００円台だった手数料が２万〜３万円台にハネ上がる。／「新料金はコストパフォーマンスを考えると応分」（岡三オンラインの池田嘉宏社長）／顧客増を受けて岡三オンラインの売買代金は以前の３〜４倍に増えたが、逆に赤字幅は拡大したようだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2009年10月3日号「スペシャルリポート02 手数料値下げに限界 曲がり角のネット証券」",
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        {
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                {
                  "text": "2021年3月17日、岡三証券グループは対面の岡三証券とネット専業の岡三オンライン証券を統合すると発表した。日本経済新聞は同日「岡三証券G、対面・ネット子会社を10月にも統合へ」（日本経済新聞 2021/3/17）と伝え、5月の決算説明会資料にも2021年10月のカンパニー設置が予定として載っている。合併期日は同年7月に2022年1月1日と定まり、岡三証券を存続会社とする吸収合併となった。",
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                    {
                      "fact": "2021年3月17日、対面の岡三証券とネット専業の岡三オンライン証券を統合する方針が公表された",
                      "原文": "岡三証券G、対面・ネット子会社を10月にも統合へ",
                      "source": "日本経済新聞（2021年3月17日）「岡三証券G、対面・ネット子会社を10月にも統合へ」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD172Y80X10C21A3000000/"
                    },
                    {
                      "fact": "合併期日は2022年1月1日、岡三証券を存続会社とする吸収合併とされた",
                      "原文": "2022年1月1日を合併期日（予定）として、岡三証券（株）と経営統合を行う",
                      "source": "岡三オンライン証券「岡三証券株式会社との経営統合に関するQ&A」2021年3月17日",
                      "url": "https://www.okasan-online.co.jp/information/2021/0317a/"
                    },
                    {
                      "fact": "2021年5月時点の中期経営計画資料では、岡三オンライン証券カンパニーの設置は2021年10月の予定とされていた",
                      "原文": "カンパニー制導入／2020年 4月 岡三とうきょう証券カンパニー設置／2021年 4月 岡三みえ証券カンパニー設置／10月 岡三オンライン証券カンパニー（予定）",
                      "source": "岡三証券グループ FY21 決算・経営戦略説明会資料（2021年5月14日）",
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                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "統合は、顧客の手元をできるだけ動かさない形で組まれた。合併後も岡三オンライン証券は岡三証券内の独立事業部門「岡三オンライン証券カンパニー」として運営され、取引ルールや手数料・金利の水準は据え置かれた。部店番号も口座番号もIDとパスワードも変えず、変わるのは銀行振込口座の名義人だけとされている。法人としては消しながら、利用者から見た看板とサービスは残す組み立てであった。",
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                    {
                      "fact": "合併後、岡三オンライン証券は岡三証券内の独立事業部門「岡三オンライン証券カンパニー」として運営され、取引ルールや手数料・金利水準は変更されなかった",
                      "原文": "2022年1月1日を合併期日として、岡三証券株式会社内における独立事業部門「岡三オンライン証券カンパニー」として、現在の取引ルールや手数料・金利水準等に変更はなく、各種サービスを引き続きご利用いただくことができます",
                      "source": "岡三オンライン証券「岡三証券株式会社との経営統合に関するお知らせ」2021年12月20日",
                      "url": "https://www.okasan-online.co.jp/information/2021/0713b/"
                    },
                    {
                      "fact": "部店番号・口座番号・ID・パスワードは変更されず、変わるのは銀行振込口座の名義人だけとされた",
                      "原文": "部店番号と口座番号は変更予定はございません。ID・パスワードも変更予定はございません。銀行振込口座の名義人が「岡三証券」に変更となります（2022年1月1日以降）",
                      "source": "岡三オンライン証券「岡三証券株式会社との経営統合に関するQ&A」2021年3月17日",
                      "url": "https://www.okasan-online.co.jp/information/2021/0317a/"
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "一つの会社に束ねたもの",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "子会社を社内カンパニーへ落とす手つきは、岡三証券にとって初めてではない。2020年4月に岡三とうきょう証券カンパニー、2021年4月に岡三みえ証券カンパニーを設けており、オンライン専業もその列に並んだ。統合で見込んだのは、「オンライン取引を求めるシニア層」「相談ニーズのある若年層」（岡三証券グループ FY21決算説明会資料 2021/5/14）という顧客層の拡大と、外国株式や内外債券という品揃えの拡充であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "統合により「オンライン取引を求めるシニア層」「相談ニーズのある若年層」など新たな顧客層の拡大を見込み、国内株式・投資信託・外国株式・内外債券・FX・CFD等へ商品ラインアップを広げるとした",
                      "原文": "「オンライン取引を求めるシニア層」「相談ニーズのある若年層」など 新たなお客さま層が拡大／商品ラインアップ拡充 国内株式 投資信託 外国株式 内外債券 FX CFD 信用取引 先物オプション",
                      "source": "岡三証券グループ FY21 決算・経営戦略説明会資料（2021年5月14日）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "統合により、これまで取り扱いのなかった外国株式や内外債券など新たな商品ラインアップの提供が予定された",
                      "原文": "グループ統合により、これまで取り扱いのなかった外国株式や内外債券など、新たな商品ラインアップの提供を予定しております",
                      "source": "岡三オンライン証券「岡三証券株式会社との経営統合に関するお知らせ」2021年12月20日",
                      "url": "https://www.okasan-online.co.jp/information/2021/0713b/"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "もう一方のねらいは費用にあった。統合により間接部門やデータを共有し、二重に抱えていた管理機能を1社へ寄せる。世帯単位で顧客データを突き合わせる分析も、別々の法人のままでは進めにくかった。あわせて証券基幹システムを自社運用から業界標準的なシステムのサービス利用へ切り替える計画を、2022年度下期に置いた。オンライン専業を別法人で持つ限り避けられなかった重複が、合併によって整理の対象になった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "統合により独自性は維持しつつ間接部門やデータを共有し、世帯別データ共有による顧客分析の高度化と、証券基幹システムの業界標準システムへの移行（2022年度下期）を計画した",
                      "原文": "「岡三オンライン」証券カンパニー・独自性はそのままに、間接部門、データ等共有・サービス領域拡大、サービスの質も向上／お客さま分析高度化 世帯別データ共有／証券基幹システムの移行・業界標準的なシステムをサービス利用する形態に変更（2022年度下期予定）",
                      "source": "岡三証券グループ FY21 決算・経営戦略説明会資料（2021年5月14日）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "統合後の口座数と、証券プラットフォーム事業",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "統合の効果は口座数に表れた。2023年3月期末の口座数は対面が63.1万口座、オンラインが40.9万口座で、証券ジャパンの子会社化や同業他社からの事業譲受と合わせ、3年間で顧客数は約3割増えた。2022年11月には岡三アセットマネジメントが連結子会社から持分法適用関連会社へ移り、SBIグループとの合弁会社となった。運用子会社を手放す一方で、販売の側は厚くする組み替えであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2023年3月期末の口座数は対面63.1万口座・オンライン40.9万口座で、証券ジャパンの子会社化や事業譲受と合わせ3年間で顧客数が約3割増加した",
                      "原文": "証券ジャパンのグループ会社化や同業他社からの事業譲受などにより、営業基盤が拡充。3年間でお客さま数は約3割増加／口座数（23/3期末） 対面 63.1万口座 オンライン 40.9万口座",
                      "source": "岡三証券グループ FY23 決算・経営戦略説明会資料（2023年5月12日）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2022年11月、岡三アセットマネジメントを連結子会社から持分法適用関連会社へ異動した",
                      "原文": "岡三アセットマネジメント株式会社(現・SBI岡三アセットマネジメント株式会社)を連結子会社から持分法適用関連会社へ異動",
                      "source": "岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "束ねた顧客基盤は、証券機能をグループ外へ供給する事業につながった。岡三証券グループは対面とオンラインを併せ持つ本体の業務を、グループ証券・友好証券・IFA・地域金融機関へ提供する証券プラットフォーム事業を進めており、預り資産は2026年3月末で10.1兆円、口座は110万、証券ビジネスの拠点は117を数える。2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益214億円は過去最高であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2026年3月末時点の預り資産は10.1兆円、口座数110万口座、証券ビジネス拠点数117拠点。証券プラットフォームは岡三証券（対面・オンライン）、グループ証券、友好証券、IFA、全国の地域金融機関へ広がった",
                      "原文": "預り資産 口座数 証券ビジネス拠点数 10.1兆円 110万口座 117拠点 (2026年3月末時点)／岡三証券（対面、オンライン） グループ証券 友好証券 IFA 全国の地域金融機関",
                      "source": "岡三証券グループ FY26 決算・経営戦略説明会資料（2026年5月15日）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は214億円で過去最高となった",
                      "原文": "親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を記録／営業収益956億円、営業利益187億円、経常利益229億円、親会社株主に帰属する当期純利益214億円（2026年3月期・連結）。",
                      "source": "岡三証券グループ 有価証券報告書（2026年3月期・連結）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "オンライン事業の主要部分をSBI証券へ",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "一つの会社に束ねてから4年後、岡三証券はオンライン事業の中核を外へ出した。2026年3月26日、岡三証券とSBI証券は「岡三オンライン証券」事業に係る吸収分割契約を締結し、日本株の現物取引・信用取引と投資信託を2026年10月13日付でSBI証券へ承継させると決めている。証券総合口座やNISA口座など約46万口座が移る。取引所FXと取引所CFDは岡三証券に残る。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2026年3月26日に吸収分割契約を締結し、日本株（現物・信用取引）と投資信託を2026年10月13日付でSBI証券へ承継。取引所FX・取引所CFD・中国株は対象外",
                      "原文": "岡三オンライン証券事業のうち、日本株（現物・信用取引）および投資信託事業につきまして、2026年10月13日をもってSBI証券へ承継いたします。取引所FX（くりっく365）、取引所CFD（くりっく株365）、中国株は移管対象外です。",
                      "source": "岡三オンライン証券「岡三オンライン証券事業の一部譲渡のお知らせ」2026年3月26日",
                      "url": "https://www.okasan-online.co.jp/information/2026/0326a/"
                    },
                    {
                      "fact": "移管対象は証券総合口座やNISA口座など約46万口座で、効力発生日は2026年10月13日",
                      "原文": "証券総合口座や少額投資非課税制度（NISA）口座など約46万口座を移管する",
                      "source": "日本経済新聞（2026年3月26日）「岡三証券が株ネット取引から撤退 安全対策費が重荷、SBIに譲渡」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB266DX0W6A320C2000000/"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "日本経済新聞は、2025年に急増した口座乗っ取りを受けたセキュリティー対策の強化が重荷となり、事業の採算が合わなくなったと伝えている（日本経済新聞 2026/3/26）。岡三証券グループはこの譲渡を「対面コンサルティングを軸としたデジタル推進体制への『選択と集中』」（岡三証券グループ FY26決算説明会資料 2026/5/15）と説明した。かつて手数料を競った相手に、自ら立てた専業の主要部分を渡す結果となった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "譲渡の理由は、2025年に急増した口座乗っ取りへのセキュリティー対策強化が重荷となり採算が合わなくなったことにある",
                      "原文": "2025年に急増した口座乗っ取り事件を受けたセキュリティー対策の強化が重荷となり、事業の採算が合わなくなった",
                      "source": "日本経済新聞（2026年3月26日）「岡三証券が株ネット取引から撤退 安全対策費が重荷、SBIに譲渡」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB266DX0W6A320C2000000/"
                    },
                    {
                      "fact": "会社はこの譲渡を「対面コンサルティングを軸としたデジタル推進体制への『選択と集中』」と位置づけた",
                      "原文": "2026年 岡三証券における岡三オンライン証券事業の一部をSBI証券へ譲渡／対面コンサルティングを軸としたデジタル推進体制への『選択と集中』",
                      "source": "岡三証券グループ FY26 決算・経営戦略説明会資料（2026年5月15日）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "二重に持つことの重さ",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "松井証券の従業員約160人と、準大手の約1,200人。2000年の誌面に並んだこの二つの数字が、岡三証券のその後の20年を縛っていた。対面の人員を抱えたまま手数料の安さで競えないなら、専業は別の法人で持つほかない——2006年の岡三オンライン証券設立は、その割り切りであったとみられる。16年後に本体へ吸収したのは、割り切りの前提が消えたからである。手数料の安さでは勝てず、システムと管理を二重に持つ費用だけが残った。"
                },
                {
                  "text": "ただ、1社に束ねたことが答えになったとは言い切れない。統合から4年で岡三証券は日本株と投資信託の約46万口座をSBI証券へ渡し、自前で始めたオンラインの主要部分を手放した。口座乗っ取りへの対策費という、2006年には勘定に入っていなかった費用が採算を割らせている。残ったのは対面のコンサルティングと、証券機能を他社へ供給する事業であった。オンラインを自ら持つという選択は、20年をかけて畳まれたとみることができる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2000年11月11日号「準大手証券以下は冬の時代 相場低迷とオンライン専業に脅かされ収益急降下」",
        "週刊東洋経済 2009年10月3日号「スペシャルリポート02 手数料値下げに限界 曲がり角のネット証券」",
        "岡三証券グループ 有価証券報告書【沿革】",
        "岡三証券グループ 有価証券報告書（2006年3月期・連結）",
        "岡三証券グループ 有価証券報告書（2022年3月期・連結）",
        "岡三証券グループ 有価証券報告書（2026年3月期・連結）",
        "岡三証券グループ FY21 決算・経営戦略説明会資料（2021年5月14日）",
        "岡三証券グループ FY23 決算・経営戦略説明会資料（2023年5月12日）",
        "岡三証券グループ FY26 決算・経営戦略説明会資料（2026年5月15日）",
        "岡三オンライン証券「岡三証券株式会社との経営統合に関するQ&A」2021年3月17日",
        "岡三オンライン証券「岡三証券株式会社との経営統合に関するお知らせ」2021年12月20日",
        "岡三証券「岡三オンライン証券との経営統合（合併）完了のお知らせ」2022年1月4日",
        "岡三オンライン証券「岡三オンライン証券事業の一部譲渡のお知らせ」2026年3月26日",
        "日本経済新聞（2021年3月17日）「岡三証券G、対面・ネット子会社を10月にも統合へ」",
        "日本経済新聞（2026年3月26日）「岡三証券が株ネット取引から撤退 安全対策費が重荷、SBIに譲渡」"
      ],
      "authored": "2026-08",
      "last_updated": "2026-08-03"
    }
  ]
}
