{
  "title": "直近の動向と展望",
  "subsections": [
    {
      "title": "異なる金融系譜を統合で束ね直した370年の経路（筆者所感）",
      "text": "三菱UFJ FGの370年を貫いたのは、出自の異なる金融系譜を統合で束ね直す経営である。1656年の鴻池両替店、1870年の岩崎弥太郎の海運業、1919年の三菱銀行分離独立という3系譜は、それぞれ江戸の商業資本、明治の財閥本流、戦間期の銀行業として独立したDNAを持っていた。1933年12月の鴻池・山口・三十四の3行合併で三和銀行が預金10億円超で国内普通銀行首位に立ち、1996年4月の三菱銀行と東京銀行の合併で東京三菱銀行が資金量世界一となった事実は、合併そのものが成長手段である構造を示している。1969年1月の三菱銀行・第一銀行の合併交渉が破談した後も、27年越しに東京銀行との合併で実現させた経路には、合併と規模追求を前提とする経営の連続性がある。\n\n合併集積を国内首位に押し上げたのが、2005年10月のUFJ統合である。2001年4月発足の旧UFJの経営難を受け、三菱東京FGが救済合併する形で三菱UFJ FGが誕生し、4メガ首位の地位を占めた。鴻池両替店・岩崎弥太郎の海運業・第百銀行・山口銀行・三十四銀行・日本信託銀行・東京銀行・東海銀行・UFJ信託など、江戸初期から昭和にかけて生まれた多数の金融機関が、ひとつの持株会社の下に集結した。同時並行で進んだのが米州事業の構築であり、1984年6月の米バンク・オブ・カリフォルニア買収、2008年3月のモルガン・スタンレーへの約90億ドル出資、同年8月の米ユニオンバンク完全子会社化で、邦銀としては異例の海外2軸が敷かれた。リーマン期にFY2008親会社株主純利益▲2570億円の赤字を出しながら、海外比率を上げ続けた経営判断が後年のROE改善の土台となる。\n\n2022年12月のMUB個人事業のUSバンコープへの約80億ドル売却は、14年保有した米個人向け事業から手を引き、ホールセール集中へ回帰する決定だった。亀澤宏規CEOのもと2025年3月期は親会社株主純利益1兆8629億円の過去最高益を記録し、中長期ROE12%目標とAMを「第4の柱」に据える方針が示されている。論点は、3系譜の統合で築いた預金・貸出の量的優位を、海外収益5割の構成下でROEに転換できるかにある。1933年の三和銀行合併から1996年の東京三菱銀行発足、2005年のUFJ統合まで、合併で量を積み上げて国内首位に立った経営は、量から収益の質へ転換する別の問いに直面している。MUB個人事業売却で米個人金融から退いた以上、残るホールセールとAMで邦銀異例の海外収益5割をROEへ翻訳できるかが、現在のMUFGに問われている。",
      "references": [
        {
          "title": "決算説明会 FY2024",
          "year": null,
          "month": null,
          "date": null,
          "url": null,
          "quotes": []
        },
        {
          "title": "決算説明会 FY2024-2Q",
          "year": null,
          "month": null,
          "date": null,
          "url": null,
          "quotes": []
        },
        {
          "title": "決算説明会 FY2024 Investors Day",
          "year": null,
          "month": null,
          "date": null,
          "url": null,
          "quotes": []
        },
        {
          "title": "有価証券報告書",
          "year": null,
          "month": null,
          "date": null,
          "url": null,
          "quotes": []
        }
      ]
    }
  ]
}
