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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "トヨタ単一依存を肯定したまま商権を周辺へ広げた90年（筆者所感）",
      "text": "豊田通商の90年を貫いたのは、トヨタという単一顧客への依存を肯定したまま、商権を周辺へ広げて埋め合わせる経営である。1936年10月にトヨタ自動車工業の販売金融を目的に資本金100万円で設立されたトヨタ金融が直接の源流で、1942年4月に豐田産業へ改称、1948年7月の解散を経て、商事部門を継承した日新通商が資本金900万円で名古屋に再出発した。1956年7月に豐田通商へ商号を改めた経緯は、製造起点ではなく販売金融起点という他の総合商社と異質な出自を示す。1960年10月のToyota Tsusho America設立、1961年10月の名証上場、1977年1月の東証上場でトヨタの生産・輸出拡大と歩調を合わせ、自動車商社・グループ内調達機能としての性格を固めた。他の総合商社が繊維・鉄鋼・化学品で多角化したのと対照的に、豊田通商は自動車という単一産業に張り付いて成長軌道を描いた。\n\n総合商社化は1985年10月の二本社制と1987年7月の英文社名変更による自己像の書き換えに始まり、2000年4月の加商合併、2006年4月の経営再建中トーメンとの合併で実体化した。鉄鋼・化学品・食料・生活産業の事業基盤を一括取り込み、トヨタ系物流商社から総合商社への転換を完了した。2012年は転換点が重なった年で、1月にユーラスエナジー追加取得で風力発電に本格参入、3月にエレマテック取得で電子部品商社を傘下化、12月に仏パリ上場のCFAOを約23億ユーロで買収した。CFAO買収はアフリカ全土の自動車・医薬品流通・消費財卸ネットワークを獲得する内容で、2016年12月の完全子会社化を経て、他の総合商社が資源・インフラ中心にアフリカへ関与するのに対し、消費財・医薬品・自動車の現地流通まで抱える異質なポジションを取った。再エネ・電子材料・アフリカ流通の三投資が一年に集中した。\n\n2016年3月期は資源価格急落で特別損失927億円・純損失437億円を計上、同年6月に加留部淳から貸谷伊知郎へ社長交代となった。2017年3月期はIFRS適用初年度で当期利益1079億円へV字回復、4月にトーメンエレクトロニクスと豊通エレクトロニクスを統合してネクスティエレクトロニクスを発足させた。2018〜2021年3月期は利益1300億円台で横ばい、2022年3月期以降は資源高・自動車生産回復・CFAO経由のアフリカ販売・ネクスティの電子部品が同時に寄与し、2025年3月期は売上10兆3095億円・当期利益3625億円の最高益となった。2025年4月就任の今井斗志光社長は新中計で2028年3月期の利益4,500億円・ROE15%以上・総還元性向40%以上を掲げ、トヨタグループ内相互保有の解消も能動的に持ちかける構えを示した。販売金融から始まった自己定義の組み替えが、残された主題である。",
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