{
  "title": "名村造船所の歴史概略",
  "sections": [
    {
      "start_year": 1911,
      "end_year": 1990,
      "main_title": "大阪での個人創業から伊万里工場を主拠点とする中堅造船会社へ",
      "subsections": [
        {
          "title": "名村源之助の個人創業と戦後の上場・増資基盤",
          "text": "1911年2月、名村源之助は大阪市大正区で個人事業として名村造船鉄工所を立ち上げた。明治末期の大阪は紡績・繊維機械の生産拠点として工業集積が進んだ地域で、舶用機械の修繕需要と小型船舶の建造需要が同時に発生していた。1931年4月、旧村尾造船所の施設を買収して株式会社名村造船所として法人形態で新発足し、本拠を大阪市住之江区に置いた。創業から20年で個人事業から株式会社へ移行し、戦前期の大阪湾を拠点とする中堅造船所として規模を整えた。1949年6月には大阪証券取引所に株式上場（資本金8百万円）を果たし、戦後復興期の重工業として資本市場に参入した。\n\n1949年から1972年にかけては段階的な増資が継続し、資本金は8百万円から1,550百万円へ約190倍に拡大した。1949年9月20百万円、1951年11月60百万円、1956年3月180百万円、1960年10月360百万円、1963年10月720百万円、1966年10月1,008百万円、1972年4月1,550百万円と、ほぼ4年に1回のペースで増資が実施され、戦後高度成長期の造船需要拡大と歩調を合わせる資本拡張が続いた。1961年9月には鉄構工場を新設し陸上部門に進出、造船以外への事業多角化を開始した。1972年12月には名和産業（現連結子会社）を設立して周辺事業の育成を始めた。",
          "references": [
            {
              "title": "名村造船所有価証券報告書",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            }
          ]
        },
        {
          "title": "伊万里工場稼働と多角化、バブル後の収益基盤拡張",
          "text": "1972年10月、九州・佐賀県伊万里湾で伊万里工場の建設を起工し、1974年11月に竣工した。大阪での創業から60年以上経過して、主力造船拠点を九州西岸へ移す大規模設備投資である。1979年10月には大阪工場の設備を売却して生産集約を進め、1982年7月には本社を大阪市住之江区から西区に移転した。1983年1月には伊万里事業所に海洋陸機工場を新設し（旧伊万里工場改称）、海洋構造物事業へ踏み込んだ。1983年7月の玄海テック設立・名村情報システム設立、1986年9月の名村エンジニアリング設立と、伊万里を中心とするグループ会社の整備が1980年代を通じて続いた。\n\n1988年1月には米国のモーニングダイダラスナビゲーション社を買収（現連結子会社）し、海外船舶運航事業を取り込んだ。1990年4月には名古屋営業所を開設、同年10月に事業部制を実施してグループ管理の組織化を進めた。1992年1月のメックマシナリー株式会社買収で工作機械事業に参入し、1997年8月には株式会社オリイの株式を公開買付で31.6%取得、2000年12月にはオリイとメックマシナリーが合併してオリイメックが発足した。本業の造船から派生して機械・工作機械・海運・情報システムへ広がる多角化が、1990年代を通じて続いた。一方、本業の収益貢献度では伊万里工場の造船事業が依然として中心で、多角化事業は補完的位置づけにとどまった。",
          "references": [
            {
              "title": "名村造船所有価証券報告書",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            }
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 1991,
      "end_year": 2017,
      "main_title": "造船3拠点体制とリーマン後の構造不況",
      "subsections": [
        {
          "title": "函館どつく資本参加と佐世保重工買収による3拠点化",
          "text": "2001年3月、函館どつく株式会社に資本参加し、北海道函館を含む造船グループの拡大に踏み出した。函館どつくは北海道唯一の中型造船所で、新造船・修繕船・艦艇の三事業を持つ独立系造船会社だった。2008年3月には函館どつくの第三者割当増資を全額引受け、議決権比率を88.7%へ引き上げて経営権を獲得した。同時期、2006年2月の伊万里事業所船舶建造設備の増強（第一次大型設備投資）、2007年7月の第二次大型設備投資が続き、伊万里の生産能力を世界市場の大型タンカー・バルク船受注へ対応できる水準まで拡張した。\n\n2014年10月、佐世保重工業を株式交換により完全子会社化した。佐世保重工は長崎県佐世保市の艦艇修繕・新造船・機械事業を持つ造船会社で、買収により名村造船所は伊万里・函館・佐世保の3拠点体制を構築した。中堅造船所としては国内最大級の生産網であり、商船・艦艇修繕・特殊船舶を含む幅広い受注ポートフォリオを擁する事業構造が整った。2013年7月の東証・大証統合により東証一部に上場し、資本市場での位置づけも整った。連結売上はFY13（2014年3月期）1,245億円からFY15（2016年3月期）1,472億円へ伸び、FY13・FY14の経常利益はそれぞれ236億円・221億円という高水準を記録した。",
          "references": [
            {
              "title": "名村造船所有価証券報告書",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            },
            {
              "title": "名村造船所決算短信",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            }
          ]
        },
        {
          "title": "リーマン後の商船市況悪化と4期連続赤字",
          "text": "しかし2010年代半ば以降、中国・韓国造船所との競争激化と円高、商船発注の世界的低迷が同時に進行した。FY15（2016年3月期）に連結経常利益55億円・純利益73億円まで縮小したのち、FY16（2017年3月期）は連結営業損失93億円・純損失113億円、FY17（2018年3月期）は連結営業損失194億円・純損失205億円、FY19（2020年3月期）は連結営業損失160億円・純損失180億円、FY20（2021年3月期）は連結営業損失104億円・純損失188億円と、4期連続で巨額赤字を計上した。3拠点体制での固定費負担と商船受注価格の低迷が同時に効いた結果で、創業以来最大規模の経営危機が顕在化した。\n\n2018年10月、オリイメックをアマダホールディングスに全株譲渡して工作機械事業から撤退した。1992年のメックマシナリー買収以来26年間続いた工作機械事業の撤収は、本業の造船赤字を抑える原資確保のための事業整理だった。2017年11月にはエヌウェーブベトナム社を設立（現連結子会社）して東南アジア生産拠点を確保し、商船建造のコスト構造を組み替える試みも進めた。連結純資産はFY14（2015年3月期）869億円からFY21（2022年3月期）437億円へ約半減し、自己資本比率の低下が継続した。経営は伊万里・函館・佐世保の3拠点体制を維持できるかどうかという構造論点に直面した。",
          "references": [
            {
              "title": "名村造船所有価証券報告書",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            },
            {
              "title": "名村造船所決算短信",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            }
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2018,
      "end_year": 2025,
      "main_title": "佐世保重工新造船休止とV字回復",
      "subsections": [
        {
          "title": "2022年佐世保重工新造船休止と東証スタンダード移行",
          "text": "2022年1月、佐世保重工業の新造船事業を休止し、艦艇修繕と機械事業の両事業構造改革を実施した。2014年の佐世保重工買収から8年で新造船を止め、艦艇修繕（防衛省向け）と機械事業（産業機械・舶用機関整備）に絞り込む決定である。3拠点体制の中で佐世保重工の新造船赤字が継続していたため、本体の財務悪化を抑える事業整理が必要だった。同年3月には佐世保重工に対する債権の株式化（DES）を実施、7月には函館どつくに対する債権のDESによる第三者割当増資全額引受けで優先株式6万株を取得し、子会社の財務基盤を本体の引受けで支える資本構造の整理が並行して進んだ。\n\n2022年4月、東京証券取引所スタンダード市場へ移行した。2013年7月以来の東証一部上場から落ちる市場区分再編対応で、流通株式比率・時価総額の基準充足が困難と判断された結果である。同年3月には伊万里鉄鋼センターを完全子会社化し、グループ内の鋼材調達機能を内製化した。市場区分の格下げと事業構造改革を同じ時期に進めた経緯は、創業以来の中堅造船専業企業としての位置づけそのものを再検討する局面に立ち会ったことを意味する。連結売上はFY20（2021年3月期）984億円・FY21（2022年3月期）834億円と縮小し、4期連続赤字の累積純損失は650億円を超えた。",
          "references": [
            {
              "title": "名村造船所有価証券報告書",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            },
            {
              "title": "名村造船所決算短信",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            }
          ]
        },
        {
          "title": "中国・韓国との価格競争緩和と造船市況回復によるV字反転",
          "text": "しかしFY22（2023年3月期）以降、商船建造市況は急速に回復した。連結売上はFY21の834億円からFY22の1,241億円、FY23の1,350億円、FY24の1,592億円へ3期で約2倍に拡大し、連結営業利益はFY22 96億円・FY23 165億円・FY24 295億円、親会社株主帰属純利益はFY22 112億円・FY23 200億円・FY24 262億円と、3期連続で大幅増益を続けた。FY24（2025年3月期）の連結営業利益率は18.5%に達し、創業以来最高水準の収益体質となった。中国・韓国造船所の建造能力が一時的に飽和したことで、伊万里工場の中型バルク船・タンカー・コンテナ船の受注価格が大幅に改善したことが、急回復の主因である。\n\n世界の造船受注はLNG運搬船・大型コンテナ船を中心に韓国造船所への集中度が高まる一方、中型バルク・タンカー領域では中国・韓国の生産能力が飽和したことで、日本の中堅造船所が受注機会を取り戻した。名村造船所はFY22以降の受注残を伊万里工場のキャパシティで吸収しつつ、佐世保重工と函館どつくは新造船を止めて修繕・艦艇・特殊船舶に絞り込む方針で、伊万里集中型の事業構造へ転換を進めた。1911年の名村源之助の個人創業から114年で、伊万里工場を主拠点とする中型船舶建造企業として、創業以来最大規模の収益を計上する局面に到達した。一方、現在の高収益は中韓造船所の能力飽和という外部要因による側面が大きく、構造的な競争優位を確立できているかどうかは次の市況サイクルで試される局面となる。創業家・名村建介社長は、伊万里集中の高収益と佐世保・函館の縮小事業の組み合わせをどう次世代に渡すかという、同族造船企業に固有の継承課題に直面している。",
          "references": [
            {
              "title": "名村造船所有価証券報告書",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            },
            {
              "title": "名村造船所決算短信",
              "year": null,
              "month": null,
              "date": null,
              "url": null,
              "quotes": []
            }
          ]
        }
      ]
    }
  ],
  "summary": {
    "title": "サマリー",
    "text": ""
  }
}
