{
  "spec_version": "3",
  "endpoint": "decision",
  "stock_code": "6770",
  "company_name": "アルプスアルパイン",
  "content_lang": "ja",
  "meta_lang": "en",
  "canonical_url": "https://the-shashi.com/tse/6770/decisions/oasis-merger-ratio-2019/",
  "api_url": "/api/6770/decisions/oasis-merger-ratio-2019.json",
  "updated": "2026-08-09",
  "license": "© 2026 Yutaka Sugiura. All rights reserved.",
  "attribution": "The社史 (the-shashi.com) — https://the-shashi.com/tse/6770/decisions/oasis-merger-ratio-2019/",
  "slug": "oasis-merger-ratio-2019",
  "url": "/tse/6770/decisions/oasis-merger-ratio-2019/",
  "year": 2019,
  "month": null,
  "schema_version": "1.0",
  "decision_id": "6770-oasis-merger-ratio-2019",
  "type": "reorganization",
  "tags": [
    "cp-activist"
  ],
  "title": "アルプス電気とアルパインの株式交換による経営統合と、合併比率をめぐるオアシスとの攻防",
  "subtitle": "1対0.68という比率は公正か——親子上場の統合に物言う株主はどう挑んだか",
  "status": "implemented",
  "status_label": "実施",
  "scheme": "株式交換によりアルプス電気が子会社アルパインを完全子会社化し、両社が共同持株会社アルプスアルパインへ移行する経営統合。交換比率はアルパイン株1株にアルプス電気株0.68株を割り当てる。",
  "ratio": "アルパイン1株 : アルプス電気0.68株",
  "issue": "経営統合と株式交換比率の公正性",
  "decider": [
    {
      "name": "栗山年弘",
      "role": "アルプス電気 社長",
      "path": "fy11-kuriyama-toshihiro"
    }
  ],
  "highlights": [
    {
      "label": "概要",
      "text": "2017年7月に発表されたアルプス電気とアルパインの経営統合をめぐり、アルパイン株の約1割を握る香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが株式交換比率1対0.68はアルパインの少数株主に不利だとして反対した経営判断。2018年12月5日のアルパイン臨時株主総会で統合は承認され、2019年1月1日に共同持株会社アルプスアルパインが発足した。"
    },
    {
      "label": "背景",
      "text": "アルパインはアルプス電気が約4割を出資する上場子会社で、車載機器を手がけていた。CASEと呼ばれる自動車の技術変革を前に、栗山年弘社長は電子部品とソフトウエアを一体化する統合を選んだ。一方で親会社が比率を主導する親子上場の構造は、少数株主との利益相反を招きやすい面を抱えていた。"
    },
    {
      "label": "内容",
      "text": "統合はアルパイン1株にアルプス電気0.68株を割り当てる株式交換で組まれた。オアシスは比率が低すぎると反対し、否決を条件に1株300円の配当を求める株主提案を出した。議決権行使助言のISSも反対を助言した。会社側は第三者機関に比率を再試算させ、統合成立を条件とする1株100円の特別配当を示して株主の同意を求めた。"
    },
    {
      "label": "含意",
      "text": "臨時総会の賛成率は73.3%であったが、親会社の保有分を除いた少数株主では賛否が拮抗していた。オアシスは統合後も株式評価が不当に低いとして提訴し、法廷闘争は約6年に及んだ。親子上場の再編で比率の公正さをどう担保するかという問いを残した事案であった。"
    }
  ],
  "parties": [
    {
      "stock_code": "6770",
      "name": "アルプス電気",
      "role": "当事者",
      "at_deal": {
        "note": "電子部品大手。子会社アルパインへ約4割出資する親会社として、株式交換による完全子会社化と持株会社移行を主導した"
      }
    },
    {
      "name": "アルパイン",
      "role": "当事者",
      "at_deal": {
        "note": "カーナビ・カーオーディオなど車載機器を手がける上場子会社。少数株主に外資系ファンドを抱え、統合比率をめぐり反対に直面した"
      }
    }
  ],
  "dates": {
    "reported": "2017-07",
    "announced": "2018-12",
    "agreed": null,
    "closed": "2019-01",
    "terminated": null
  },
  "breakdown": {
    "reason_type": "shareholder",
    "summary": "親会社が比率を決める親子上場の株式交換に対し、アルパインの少数株主である外資系ファンドが交換比率の不公正を突き、比率の妥当性と情報開示が統合成立の焦点となった"
  },
  "timeline": [
    {
      "year": 1967,
      "month": null,
      "title": "アルプス電気がモトローラとの合弁で車載機器事業を分離、後のアルパインの源流となる"
    },
    {
      "year": 2017,
      "month": 7,
      "title": "アルプス電気とアルパインが2019年1月の経営統合と持株会社移行を発表"
    },
    {
      "year": 2018,
      "month": 9,
      "title": "アルパインが統合可決を条件に1株100円の特別配当を発表"
    },
    {
      "year": 2018,
      "month": 12,
      "title": "アルパイン臨時株主総会が株式交換比率1対0.68の統合を賛成率73.3%で承認",
      "highlight": true
    },
    {
      "year": 2019,
      "month": 1,
      "title": "共同持株会社アルプスアルパインが発足、アルパインを完全子会社化"
    },
    {
      "year": 2024,
      "month": 11,
      "title": "株式交換の評価をめぐる訴訟で最高裁がオアシスの上告を棄却、会社側の勝訴が確定"
    }
  ],
  "snapshot": {
    "fiscal_year": "2019年3月期",
    "source": "アルプスアルパイン 有価証券報告書（2019年3月期・連結）",
    "companies": [
      {
        "stock_code": "6770",
        "name": "アルプスアルパイン",
        "fiscal_year": "2019年3月期（連結・JGAAP）",
        "president": "栗山年弘",
        "hq": "東京都",
        "sales": {
          "num": 8513,
          "unit": "億円"
        },
        "segments": [],
        "operating_profit": {
          "num": 496,
          "unit": "億円"
        },
        "ordinary_profit": {
          "num": 436,
          "unit": "億円"
        },
        "net_profit": {
          "num": 221,
          "unit": "億円",
          "note": "親会社株主に帰属する当期純利益"
        },
        "equity_ratio": null,
        "roe": null,
        "employees": {
          "num": 41840,
          "unit": "人"
        },
        "avg_salary": null
      }
    ]
  },
  "report": [
    {
      "section": "background",
      "label": "背景",
      "subsections": [
        {
          "sub_title": "親子上場から生まれた統合構想",
          "paragraphs": [
            {
              "text": "アルパインは、アルプス電気が1967年にモトローラとの合弁で車載機器事業を切り出した流れをくむ会社で、カーナビゲーションやカーオーディオを手がけて上場していた。ただ株式の約4割はアルプス電気が握り、親会社と子会社がともに上場する親子上場の関係にあった。2017年7月、両社はこの二重の上場を解き、電子部品とソフトウエアを一つの企業体にまとめる経営統合を発表した。栗山年弘社長は、統合の背景に自動車産業のCASEという変革を置いていた。"
            },
            {
              "text": "栗山社長は、アルプス電気が強みとする電子デバイス技術と、アルパインが得意とするソフトウエア技術を組み合わせる狙いを語っていた。両社はすでに技術協力を重ねていたが、互いに上場企業であるため業務提携のたびに契約を結ぶ必要があり、独占禁止法の制約から顧客への提案も別々に行っていた。統合すれば共同仕入れによるコスト削減や自動車メーカーへの共同営業が可能になるとみていた。コネクテッドや自動運転の時代に備える体制づくりが、統合の名目に据えられていた。"
            }
          ]
        },
        {
          "sub_title": "アクティビストが突いた比率の公正さ",
          "paragraphs": [
            {
              "text": "この統合に異議を唱えたのが、アルパイン株の約1割を保有する香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントであった。オアシスは、アルパイン1株にアルプス電気0.68株を割り当てる交換比率が低すぎると主張し、30年にわたり上場企業として積み上げてきたアルパインの企業価値が不当に低く評価されていると訴えた。親会社が比率算定の主導権を握る親子上場の統合では、少数株主の利益が損なわれやすい。オアシスはその構造上の弱点を突いた。"
            },
            {
              "text": "比率をめぐる対立は、親子上場という日本特有の資本構造の是非にも及んだ。親会社は子会社の株式を大量に保有するため、統合の条件を自らに有利に設計できる立場にある。アルパインの取締役会には社外取締役が置かれていたが、少数株主の側に立って比率に異を唱えた形跡は乏しく、統合案をそのまま追認したとの批判を後に受けた。統合の是非そのものよりも、比率の決め方の正統性へと争点は移っていった。"
            }
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "section": "origin",
      "label": "決断",
      "subsections": [
        {
          "sub_title": "1対0.68の株式交換スキーム",
          "paragraphs": [
            {
              "text": "統合は、アルプス電気がアルパインを株式交換で完全子会社化し、両社が共同持株会社アルプスアルパインへ移る形で組まれた。アルパインの株主には、保有するアルパイン株1株につきアルプス電気株0.68株が割り当てられる。発足は2019年1月1日と定められ、電子部品の親会社が車載完成品の子会社を本体に取り込み、部品からソフトウエアまでを一貫して供給する体制を目指した。この0.68という比率が、その後の攻防の中心に据えられた。"
            },
            {
              "text": "統合の発表から総会までは1年半近い時間が空いた。栗山社長は、統合時期を社内で早められないか検討したものの、独占禁止法の審査や米国会計基準への対応が必要で容易ではなかったと説明していた。一方で情報漏洩を避けるため発表を遅らせることもできなかった。この間隙が、比率が固定されたまま推移する期間を生み、物言う株主が動く余地を残したとの指摘もあった。時間の長さそのものが、統合の弱点として意識されていた。"
            }
          ]
        },
        {
          "sub_title": "比率をめぐる攻防",
          "paragraphs": [
            {
              "text": "オアシスは、統合の否決を条件にアルパインが1株300円の配当を支払う株主提案を出し、比率への反対を鮮明にした。議決権行使助言会社のISSも統合に反対を助言し、少数株主の間に反対論が広がる素地がつくられた。両社に出資する米投資会社エリオット・マネジメントの動向も注視され、総会の帰趨は読みにくくなっていた。会社側は、第三者機関に交換比率を再試算させることでプロセスの透明性を担保したと反論した。"
            },
            {
              "text": "会社側は反対論をやわらげる一手として、統合の可決を条件に、アルパインが1株100円の特別配当を支払う方針を2018年9月に打ち出した。栗山社長は、この特別配にも株主の意見を踏まえて同意したと述べ、統合が両社の成長にとって最善であり株主の利益にもつながると訴えた。逆に統合しなければどう成長を描けるのか、という問いを反対派に投げ返した。比率の理論値をめぐる論争に、実利の配当を重ねて賛成をつなぎとめる構図であった。"
            }
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "section": "outcome",
      "label": "結果",
      "subsections": [
        {
          "sub_title": "臨時総会での承認と統合の成立",
          "paragraphs": [
            {
              "text": "2018年12月5日、アルパインの臨時株主総会は株式交換による経営統合を承認した。統合の実行には特別決議として3分の2以上の賛成が必要であったが、これを満たして議案は可決された。翌2019年1月1日、共同持株会社アルプスアルパインが発足し、アルプス電気はアルパインを完全子会社とした。1967年の合弁による事業分離から半世紀を経て、部品メーカーと車載完成品メーカーが一つの企業体にまとまった。"
            },
            {
              "text": "もっとも、賛成の中身は一様ではなかった。臨時報告書によれば、総会全体の賛成率は73.3%であったが、親会社アルプス電気の保有分を除くと、少数株主の賛成は32.38%にとどまり、反対の26.70%との差はわずかであった。形式上は特別決議の要件を満たしたものの、親会社の議決権を差し引いた少数株主のあいだでは賛否が拮抗していた。比率への疑念が最後まで解消されなかったことを、この数字はうかがわせる。"
            }
          ]
        },
        {
          "sub_title": "6年に及んだ司法の決着",
          "paragraphs": [
            {
              "text": "統合が成立した後も、オアシスは矛を収めなかった。株式交換によるアルパインの株式評価が不当に低いとして、会社側を相手取り提訴した。争いは2022年2月に東京地方裁判所がオアシスの請求を退け、同年4月の東京高等裁判所への控訴も棄却された。オアシスは2023年に最高裁判所へ上告し、比率算定の妥当性をめぐる法廷闘争は長期にわたって続いた。統合の是非ではなく、比率を決めた手続きの正統性が、裁判の主題であり続けた。"
            },
            {
              "text": "2024年11月、最高裁判所はオアシスの上告を棄却し、アルプスアルパインの勝訴が確定した。統合の発表から数えて約6年に及んだ争いは、会社側の主張を司法が追認する形で決着した。統合に際して株式交換比率が長期間据え置かれたことなどから、比率算定を担った第三者委員会の実効性が問われ続けたが、裁判所は比率の妥当性を覆さなかった。合併比率アクティビズムの代表例として、この一件は記録に残った。"
            }
          ]
        },
        {
          "sub_title": "比率という一点に凝縮した親子上場の問い",
          "editorial": true,
          "paragraphs": [
            {
              "text": "この一件の核心は、統合すべきか否かではなく、統合の値づけを誰がどう決めるかにあった。電子部品とソフトウエアを束ねる事業の論理は、CASE時代の再編としてそれなりの説得力を持っていた。ただ、親会社が約4割の議決権を握ったまま比率を設計する親子上場の構造では、少数株主にとって0.68という数字が公正だと信じる根拠が薄い。会社側は第三者機関の再試算と特別配当で応じたが、親会社分を除いた賛成が3割強にとどまった事実は、その手当てが完全には信を得られなかったことを示している。"
            },
            {
              "text": "司法は最終的に会社側の比率を追認し、争いは決着した。とはいえ、法廷で不当と認められなかったことと、少数株主が公正だと納得したこととは同じではない。親子上場の解消がなお続く日本の資本市場で、支配株主が関わる統合の比率をどんな手続きで正当化するのか——第三者委員会の独立性や社外取締役の役割をめぐる問いは、この事案が残した課題として今も引き継がれているとみられる。物言う株主の異議は退けられたが、それが投げかけた論点までが退けられたわけではない。"
            }
          ]
        }
      ]
    }
  ],
  "references": [
    "週刊東洋経済 2018年12月8日号「トップに直撃 アルプス電気 社長 栗山年弘 Q.アルパインと経営統合 何を目指すのですか？」",
    "日本経済新聞（2018年9月27日）「アルパイン、特別配100円 アルプスとの統合可決が条件」",
    "日本経済新聞（2018年12月5日）「アルパイン、アルプスとの統合承認 臨時総会で」",
    "ダイヤモンド・オンライン（2022年6月22日）「親子上場企業に巣くう「“追認”社外取」、アクティビストとの泥沼闘争で浮き彫りに」",
    "日本経済新聞（2024年11月6日）「アルプスアルパイン、株式交換巡る裁判で勝訴 オアシスに」",
    "アルパイン 臨時報告書（2018年12月・臨時株主総会における議決権行使結果）",
    "アルプスアルパイン 有価証券報告書（2019年3月期・連結）"
  ],
  "authored": "2026-07",
  "last_updated": "2026-07-16"
}
