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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "なぜ自前主義の半導体会社が外部依存を選んだのか（筆者所感）",
      "text": "ルネサスは2002年11月に発足したNECエレクトロニクスを源流に持つ。日本電気が汎用DRAMを除く半導体事業を会社分割で川崎市に切り出した形である。背景は国策ではなく、世界的な半導体市況悪化のなかで電機大手が半導体部門を自社のバランスシートに抱えきれなくなった整理であった。海外勢が設計と製造を分離するファブライトへ移行していた時期、自前で製造拠点を持つ重い体質を抱えたまま独立を強いられ、構造転換の遅れは出発時点で鮮明であった。\n\nこうして発足した会社は、2010年4月に日立・三菱系のルネサステクノロジと合併し、車載マイコン世界シェアトップの地位を得た。同時に国内20を超える製造子会社と開発拠点を抱え込み、整理を進めきれないまま走り出した。統合直後の2011年3月に東日本大震災で那珂工場が被災し、ノキアから譲受したモデム事業不振も重なって3期累計3,400億円超の純損失となった。2013年9月に産業革新機構を中心にトヨタ・日産・デンソーが割当先となる第三者割当増資で実質国有化され、後工程3工場のジェイデバイス譲渡で稼ぐ領域だけ残す縮小均衡に追い込まれた。\n\nところが2018年6月就任の45歳の柴田英利CEOは、「縮みっぱなしから抜け出す」（柴田英利 日経ビジネス 2020/04/24）と路線を反転した。2017年の米Intersilを皮切りに、2019年の米IDT、2021年の英Dialogでアナログ領域を厚くし、2024年8月には豪Altiumを約9,000億円で買収してハードウェア専業からEDA上流まで取り込んだ。コロナ禍の半導体不足と円安が重なったFY22に売上1兆5,008億円・営業利益4,242億円の統合以来最高益を記録し、産業革新機構下の再建期とは別の企業のような収益モデルへ移行した。\n\nなぜ自前主義の半導体会社が外部依存を選んだのか――2025年にSiC調達先の米Wolfspeedが経営危機に陥り、FY25のGAAP決算で2,376億円の特別損失を計上、GAAP当期利益は▲518億円となった。自社SiC事業も中断し、「私たち自身が開発してつくっていくということは引き続き想定していない」（柴田英利 決算説明会 FY25通期）と自前開発を断念した。電機3社の遺伝子を持つ会社が戦略領域を外注で賄う転換が、Non-GAAP営業利益3,869億円と会計上の巨額損失が同居する異例の決算に表れた。",
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