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      "title": "台湾・力晶半導体との折半出資によるDRAM生産合弁レックスチップの設立",
      "subtitle": "最先端の量産をなぜ広島ではなく台中に置いたか——税と用地の差が決めた生産立地",
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      "issue": "生産立地と規模の確保",
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          "label": "概要",
          "text": "2007年1月、エルピーダメモリが台湾のパワーチップ・セミコンダクター（力晶半導体）と、台中の中部サイエンスパークにDRAM生産の合弁会社レックスチップ（瑞晶半導体）を設立することで正式合意した経営判断。両社が3年間でそれぞれ年800億円を投じ、フル稼働時には300ミリウェハ換算で月産24万枚を見込んだ。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "DRAMは微細化投資と生産量で原価が決まる装置産業で、当時のエルピーダの世界シェアは5位、力晶は7位にとどまっていた。単独では首位のサムスン電子に量で届かず、営業利益の差は10倍近くあった。加えて日本の法人実効税率40%に対し台湾は25%で、用地費も桁が違っていた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "台中・中部サイエンスパーク内の総面積20ヘクタールの敷地に、両社が対等出資して生産会社を設立する。新工場で作ったDRAMは出資2社へ均等に供給され、既存工場を合わせた生産能力は月産39万枚と世界トップ級になる計画であった。用地は国からの賃貸で1ヘクタール月90万円だった。"
        },
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          "label": "含意",
          "text": "元親会社である日本電気・日立製作所に事前の相談をせずに決めた点で、資本の面でも意思決定の面でも自立が完了したことを示す判断であった。一方で、最先端の量産拠点を国外に置いたことは、日本にDRAM産業を残すという後年の公的支援の論理と緊張関係を残した。"
        }
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            "note": "日本で唯一のDRAM専業メーカー。2004年に東証一部へ上場し、親会社2社の出資比率は合計20%を下回っていた"
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        {
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      "dates": {
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          "title": "東京証券取引所市場第一部に株式を上場し、親会社に依存しない資金調達に移る"
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          "title": "広島工場のE300エリア2が量産稼働を開始"
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          "title": "台北で力晶との合弁計画を発表。時価総額が上場来高値を更新し8488億円に達する"
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        {
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          "title": "力晶半導体と台中・中部サイエンスパークにDRAM生産合弁レックスチップを設立することで正式合意",
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        {
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          "title": "レックスチップを連結子会社化"
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          "title": "破綻後の支援企業入札で、東芝が広島工場ではなくレックスチップに関心を示す"
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        "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2007年3月期・連結）",
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              "sub_title": "単独では届かない生産能力",
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                  "text": "DRAMは、微細化を一世代進めるたびにウェハ1枚あたりの取り数が増え、製造原価が下がる。先に投資した会社が量産効果で値を下げ、遅れた会社が採算割れに沈む。2006年末時点のエルピーダの世界シェアは5位、力晶は7位で、2社を合わせてようやく3位級であった。首位のサムスン電子との差は量だけでなく体力にもあり、2005年度の営業利益はエルピーダ・力晶の単純合算56億円に対し、サムスンは9311億円だった。",
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                    {
                      "fact": "2006年10〜12月期推定でエルピーダはDRAM世界シェア5位、力晶は7位、2社合計で3位級。2005年度の連結営業利益はエルピーダ・力晶の単純合算56億円に対しサムスンは9311億円",
                      "原文": "エルピーダはＤＲＡＭで世界シェア５位、力晶は同７位だが、２社合計では３位級だ。／２００５年度を例に取るとエルピーダ・力晶連合は単純合算で５６億円の営業黒字、対するサムスンは９３１１億円の黒字。",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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                {
                  "text": "資金の取り方は2004年の上場で変わっていた。公募増資とオーバーアロットメントによる第三者割当で3185万株を発行し、資本金は406億円、資本準備金は652億円増えている。しかし調達できる額と、作れる枚数は別の問題であった。広島工場ではE300エリア2が2005年10月に量産へ入り、エリア3の増設も進んでいたが、月産20万枚規模のサムスンに単独で並ぶ見通しは立っていなかった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2004年11月の上場に伴う公募増資および同年12月の第三者割当で31,850,000株を発行し、資本金40,609百万円・資本準備金65,292百万円が増加した",
                      "原文": "平成16年11月の東京証券取引所への普通株式上場に伴う公募増資及び平成16年12月のオーバーアロットメントによる売出しについての第三者割当により31,850,000株の新株式を発行し、資本金が40,609百万円、資本準備金が65,292百万円増加する",
                      "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2006年3月期）【主要な経営指標等の推移】注記",
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                  "text": "立地の条件は、当時すでに開いていた。台湾の法人実効税率は25%で日本は40%、加えて一部の法人税が5年間免除され、投資額の5〜20%が所得控除の対象となる。研究開発費にも助成があった。用地は国からの賃貸で1ヘクタール月90万円、これに対し広島工場周辺は分譲で1ヘクタール約2億円である。日本の地方自治体が用意する工場誘致の優遇策とは規模が異なっていた。",
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                    {
                      "fact": "台湾の法人実効税率は25%、日本は40%。台湾では一部法人税が5年間免除され投資額の5〜20%を所得控除、研究開発費にも助成金がある。用地は国からの賃貸で1ヘクタール月90万円、広島工場周辺は分譲で1ヘクタール約2億円",
                      "原文": "台湾の法人実効税率は２５％、日本は４０％。台湾では一部法人税を５年間免除されるほか、投資額の５〜２０％を所得控除されるという厚遇ぶりだ。／用地は国からの賃貸で１ヘクタール月９０万円。ちなみに広島工場周辺は分譲で１ヘクタール約２億円。",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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                {
                  "text": "同じ時期、電子情報技術産業協会の秋草直之会長は、エルピーダの台湾合弁について問われて「国が企業を選ぶのではなく、企業が国を選ぶ時代になった。諸外国の産業政策と比べると日本の取り組みはまだ足りない」と述べている。業界団体の長が国内の産業政策の不足を認める発言であり、国外に量産を置く判断が当時の業界でどう受け止められたかを示している。",
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                    {
                      "fact": "電子情報技術産業協会の秋草直之会長（富士通会長）は2006年12月の会見でエルピーダの台湾合弁について「国が企業を選ぶのではなく、企業が国を選ぶ時代になった。諸外国の産業政策と比べると（日本の取り組みは）まだ足りない」と語った",
                      "原文": "「国が企業を選ぶのではなく、企業が国を選ぶ時代になった。諸外国の産業政策と比べると（日本の取り組みは）まだ足りない。関係部門はもっと企業の流れを察してほしい」",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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          "label": "決断",
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              "sub_title": "折半出資という組み方",
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                {
                  "text": "2007年1月、両社は台中・中部サイエンスパーク内にDRAM生産の合弁会社を設立することで正式に合意した。総面積20ヘクタール、フル稼働する5年後には300ミリウェハ換算で月産24万枚、両社の既存工場を含めれば合計39万枚となる計画である。投資は3年間で各社年800億円、2社合計4800億円を見込んだ。新工場で作ったDRAMは、出資する2社へ均等に供給される取り決めであった。",
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                    {
                      "fact": "台中・后里の建設予定地は総面積20ヘクタール、フル稼働する5年後は300ミリウェハ換算で月産24万枚、両社既存工場を含め合計39万枚。両社が向こう3年間でそれぞれ年800億円、2社合計4800億円を投資し、生産品は出資2社に均等供給される",
                      "原文": "総面積は２０ヘクタール。フル稼働する５年後は３００ミリメートルウエハ換算で月産２４万枚。両社の既存工場を含めると合計３９万枚と世界トップ級に膨らむ。新工場で作ったＤＲＡＭは、エルピーダと力晶の出資２社に均等供給される見通しだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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                {
                  "text": "相手の選定にも理由があった。力晶の黄崇仁董事長は、アップルのパソコンをライセンス生産していた事業を打ち切られたあと、三菱電機から技術供与を受けて力晶を設立した経緯を持つ。「日本の技術はすばらしい。しかも日本企業は一度パートナーになれば決して裏切らない」と黄董事長は語っている。三菱電機のDRAM事業はすでにエルピーダへ移っており、両社は技術の系譜の上でつながっていた。",
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                      "fact": "力晶の黄崇仁董事長はアップルのパソコンのライセンス生産停止後、三菱電機からDRAMの技術供与を受けて力晶を設立し、「日本の技術はすばらしい。しかも日本企業は一度パートナーになれば決して裏切らない」と語った",
                      "原文": "窮地の黄会長に手を差しのべたのが日系の電機大手、三菱電機である。同社からＤＲＡＭの技術供与を受けて力晶を設立、九死に一生を得た。／「日本の技術はすばらしい。しかも日本企業は一度パートナーになれば決して裏切らない」（黄会長）",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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              "sub_title": "元親会社に相談しないという意思表示",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "坂本幸雄社長は台北での会見で、この合弁を元親会社に事前に相談していないと明かした。「エルピーダと力晶はこれまで親戚だったが、これからは家族」。当時の出資比率は日立製作所が11%、日本電気が8%強まで下がっており、事業の重要な決定を2社の了解なしに進められる状態になっていた。2002年の社長就任時に掲げた自立という方針が、資本と意思決定の両面で形になった場面であった。",
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                    {
                      "fact": "坂本社長は2006年12月7日の台湾での会見で「今回の力晶との合弁設立も元親会社に事前に相談していない。エルピーダと力晶はこれまで親戚だったが、これからは家族」と述べ、当時の出資比率は日立が11%、NECは8%強であった",
                      "原文": "「今回の力晶との合弁設立も元親会社に事前に相談していない。エルピーダと力晶はこれまで親戚だったが、これからは家族」／現在の出資比率は日立が１１％、ＮＥＣはわずか８％強。",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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                {
                  "text": "相手の側も、この合弁を日本の産業政策への異議として受け止めていた。黄崇仁董事長は「日本の経済産業省は、今回の合弁に不快感を抱いているだろう。だが経産省がエルピーダに影響を及ぼすことはもう不可能だ」と語り、税負担と生産コストを考えれば日本企業が国内工場を断念するのは自然だと述べている。国外での合弁が唯一の生存手段だという見方を、両社は共有していた。",
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                    {
                      "fact": "黄崇仁董事長は「日本の経済産業省は、今回の合弁に不快感を抱いているだろう。だが経産省がエルピーダに影響を及ぼすことはもう不可能だ」「経産省も国外での合弁工場設立が唯一の生存手段だと理解するべきだ」と語った",
                      "原文": "日本の経済産業省は、今回の合弁に不快感を抱いているだろう。だが経産省がエルピーダに影響を及ぼすことはもう不可能だ。税負担や生産コストの重さからして、日本企業が国内工場を断念するのは自然。／経産省も国外での合弁工場設立が唯一の生存手段だと理解するべきだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
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          "label": "結果",
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              "sub_title": "立ち上がりと価格暴落の重なり",
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                  "text": "合意した年度の業績は、設立以来の最高となった。2007年3月期の売上高は4900億円、営業利益684億円、当期純利益529億円。自己資本比率は49.7%まで上がっている。ところが2007年後半からDRAM価格が崩れ、1ギガビット製品は6ドルから2008年12月に60セント割れまで落ちた。台中の工場が立ち上がる時期と、市況の底が重なった。",
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                      "fact": "2007年3月期は連結売上高490,039百万円、営業利益68,420百万円、当期純利益52,943百万円、自己資本比率49.7%",
                      "原文": "2007年3月期の売上高は490,039百万円、営業利益68,420百万円、当期純利益52,943百万円、自己資本比率は49.7%であった。",
                      "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）【主要な経営指標等の推移】",
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                      "fact": "6ドルだった1ギガビット製品の価格は2008年12月に60セント割れまで落ち込み、最大手のサムスン電子さえ採算割れとなった",
                      "原文": "６ドルだった１ギガビット製品は、０８年１２月に６０セント割れまで落ち込んだ。最大手の韓国サムスン電子さえ採算割れとなり",
                      "source": "週刊東洋経済 2009年7月11日号「公的資金の出資第1号 エルピーダ救済の成否」",
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                {
                  "text": "2009年3月、エルピーダはレックスチップを連結子会社にした。生産能力は計画どおり積み上がった一方で、総資産は7544億円から9653億円へ膨らみ、自己資本比率は46.1%から17.3%へ落ちている。規模を取りにいった投資が、価格の下がり切った時期に貸借対照表へ重く乗った。同じ期の当期純損失は1789億円で、この年の資金繰りが翌年の公的支援につながった。",
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                      "原文": "平成21年３月Rexchip Electronics Corporationを連結子会社化同上㈱テラプローブを連結子会社化",
                      "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）【沿革】",
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                      "原文": "2009年3月期の総資産額965,289百万円、自己資本比率17.3%、当期純損失178,870百万円（前期は総資産額754,379百万円、自己資本比率46.1%）。",
                      "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）【主要な経営指標等の推移】",
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              "sub_title": "会社が消えたあとに残った工場",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2012年2月にエルピーダが会社更生法の適用を申請したあと、支援企業を選ぶ入札で東芝が関心を示したのは、広島工場ではなく台湾のレックスチップだった。「広島にはまったく興味を感じていない」と東芝首脳は語っている。エルピーダ自身も破綻前から、為替の影響を除いても台湾のほうが広島より生産効率は高いと説明していた。台中に置いた工場は、会社が消えたあとも買い手が値を付ける資産として残った。",
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                    {
                      "fact": "破綻後の支援企業入札で東芝が関心を持っていたのは台湾のレックスチップ工場であり、東芝首脳は「広島にはまったく興味を感じていない」と語った。エルピーダは破綻前から「為替影響を除いても、台湾のレックスのほうが広島工場よりも生産効率は高い」と説明していた",
                      "原文": "エルピーダの主力拠点は国内の広島工場だが、「広島にはまったく興味を感じていない」（東芝首脳）。／エルピーダが破綻前から「為替影響を除いても、台湾のレックスのほうが広島工場よりも生産効率は高い」と説明していたように、これこそがエルピーダ自慢の最先端工場だ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年4月21日号「広島工場は救われるのか エルピーダ争奪戦」",
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                },
                {
                  "text": "台湾との結びつきは合弁だけにとどまらなかった。2010年12月には合弁で設立したテラプローブが東京証券取引所マザーズ市場へ上場して持分法適用関連会社に移り、2011年2月にはエルピーダ自身が台湾証券取引所へ台湾預託証券を上場している。破綻の1年前まで、この会社は台湾の資本市場からも資金を取ろうとしていた。国外に置いたのは工場だけではなかった。",
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                    {
                      "fact": "2010年12月にテラプローブが東京証券取引所マザーズ市場へ上場して持分法適用関連会社に異動し、2011年2月にエルピーダメモリは台湾証券取引所にTDR（台湾預託証券）を上場した",
                      "原文": "平成22年12月㈱テラプローブが東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場、当社の持分法適用関連会社に異動／平成23年２月台湾証券取引所にＴＤＲ（台湾預託証券）を上場",
                      "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）【沿革】",
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              "sub_title": "税と用地で決まった立地が残したもの",
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                  "text": "1ヘクタール月90万円の賃貸と、1ヘクタール2億円の分譲。この差は、経営者の気概や技術の優劣で埋められる種類のものではない。坂本幸雄社長が台中を選んだ判断は、当時の条件に照らせば合理的であったとみることができる。単独では月産20万枚のサムスンに届かず、力晶と組めば39万枚に達する。日本に置けば同じ投資で作れる枚数が減る。規模で決まる産業にいる以上、立地は選べるものではなく、条件が決めるものであった。"
                },
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                  "text": "ただ、この合理が公的支援の論理と噛み合わなかったことは、2009年以降に表面化する。国が300億円を出す理由は「日本にDRAM産業を残す」ことにあり、最先端の量産が台中にある事実とは正面から重ならない。破綻後の入札で買い手が値を付けたのが広島ではなく台湾の工場だった点は、その齟齬を最も端的に示している。企業が国を選ぶ時代に、国が企業を選び直そうとした——両者のずれが、後年の支援の中途半端さに影を落としたといえる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2007年1月13日号「なるか打倒サムスン エルピーダ“台湾工場”の全貌」",
        "週刊東洋経済 2009年7月11日号「公的資金の出資第1号 エルピーダ救済の成否」",
        "週刊東洋経済 2012年4月21日号「広島工場は救われるのか エルピーダ争奪戦」",
        "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2006年3月期）",
        "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-25"
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      "slug": "public-fund-injection-2009",
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      "title": "改正産業活力再生特別措置法にもとづく日本政策投資銀行からの優先株300億円の受け入れ",
      "subtitle": "公的資金を入れるか、市場で調達し続けるか——一般企業として第1号となった資本注入",
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          "text": "2009年6月30日、エルピーダメモリが改正産業活力再生特別措置法にもとづく事業再構築計画の認定を、一般企業として最初に受けた経営判断。日本政策投資銀行が300億円の優先株を引き受けて100億円を融資し、政府が出資額の最大8割を保証した。主要取引銀行も1000億円の協調融資に応じている。"
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          "text": "2007年後半からのDRAM価格暴落で、2009年3月期に当期純損失1789億円を計上した。有利子負債は4950億円へ膨らみ、自己資本比率は前期の46.1%から17.3%へ落ちている。エルピーダは取引行と等距離で付き合ってきたため、支援策をまとめる主力行を持たなかった。"
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          "text": "政投銀の400億円と主力行の1000億円、加えて台湾政府が準備するDRAM統括会社からの約200億円を合わせた1600億円を、有利子負債の返済と最先端設備への投資に充てる。事業再構築の期間は2012年3月末までとされ、その間に政投銀が普通株へ転換して売却するか、優先株を買い戻して支援を終える段取りであった。"
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          "text": "国が支援した理由は「DRAM産業は日本にないといけない」という産業政策の判断にあった。一方で300億円という額は、銀行にとって見限っても損失の限られる規模でもあり、坂本幸雄社長は後年これを「中途半端だった」と総括している。"
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                  "text": "損失の大きさは、直前まで積み上げた設備の裏返しでもあった。2008年4月に生産子会社の広島エルピーダメモリを吸収合併し、2009年3月にはレックスチップとテラプローブを連結子会社にしている。総資産は7544億円から9653億円へ膨らみ、有利子負債は4950億円に達した。自己資本比率は46.1%から17.3%へ落ちている。価格が戻る前提で積んだ能力が、そのまま固定費として残った。",
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                  "text": "資金を借りる相手にも事情があった。エルピーダは取引行と等間隔で付き合う方針を取っており、支援策をまとめる主力行を持たない。2009年に公的支援へ進んだ背景には「銀行が積極的に支援したがらなかった」という事情があったと、後に銀行関係者は語っている。DRAMという事業の見通しが銀行から評価されていなかった以上、民間だけで1600億円を組成する道は現実的ではなかった。",
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                      "fact": "エルピーダは取引行と等間隔で付き合うスタンスのため支援策をまとめるメイン行を持たず、2009年の公的支援の背景には「銀行が積極的に支援したがらなかった」という事情があった",
                      "原文": "エルピーダは「取引行と等間隔で付き合うスタンスを取ってきたため、支援策をまとめるメイン行を持たない」（銀行関係者）。／背景には、日本にＤＲＡＭ企業を残すという大義名分に加え、「銀行が積極的に支援したがらなかった」（同）という事情がある。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年1月28日号「崖っぷちのエルピーダ 苦肉の救済シナリオ」",
                      "url": null
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                },
                {
                  "text": "同じ時期、競合の側でも同じことが起きていた。2009年に入ってDRAM大手の一角である独キマンダが経営破綻し、韓国のハイニックス半導体は過去に公的支援を受けて再生している。台湾でも政府がDRAM事業の統括会社を準備していた。各国が自国メーカーを支えるなかで日本だけが手を引けば、生き残った側が得る利益は国外へ渡る。国が動く理屈は、そこにあった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2009年に大手の一角である独キマンダが経営破綻し、経営危機に陥った韓国ハイニックスは公的支援を受けて再生した例があった。各国が資金支援を行えば消耗戦が続く可能性が残ると報じられた",
                      "原文": "０８年後半の経済悪化も追い打ちをかけ、０９年に入り大手の一角である独キマンダが経営破綻。／もっとも日本が直接支援に動いたように、各国が資金支援を行えば消耗戦が続く可能性は残る。",
                      "source": "週刊東洋経済 2009年7月11日号「公的資金の出資第1号 エルピーダ救済の成否」",
                      "url": null
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          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "一般企業第1号という枠組み",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2009年6月30日、二階俊博経済産業大臣がエルピーダを改正産業活力再生特別措置法の第1号として認定した。日本政策投資銀行が300億円の優先株を引き受けて100億円を融資し、政府が出資額の最大8割を保証する。主要取引銀行も1000億円の協調融資に応じた。加えて台湾政府が準備するDRAM統括会社から約200億円の出資を受ける計画も、この枠組みに織り込まれている。合計1600億円を有利子負債の返済と最先端設備への投資に充てる設計であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2009年6月30日、公的資金を一般企業に出資する改正産業活力再生法の第1号にエルピーダが認定され、日本政策投資銀行が300億円の優先株引き受けと100億円の融資、政府が出資に最大8割を保証、主要取引銀行も1000億円の協調融資を実施、台湾のDRAM事業統括会社が約200億円出資する予定であった",
                      "原文": "６月３０日、公的資金を一般企業に出資する改正産業活力再生法の第１号に、エルピーダが認定された。日本政策投資銀行が３００億円の優先株引き受けと１００億円の融資を行い、政府が出資に対しては最大８割を保証する。主要取引銀行も１０００億円の協調融資を実施。さらに２００９年度中をメドに台湾政府が準備を進めるＤＲＡＭ事業統括会社（ＴＭＣ）が、約２００億円出資する予定だ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2009年7月11日号「公的資金の出資第1号 エルピーダ救済の成否」",
                      "url": null
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                },
                {
                  "text": "出口の設計もあらかじめ置かれていた。事業再構築の期間は2012年3月末までとし、その間に政投銀が優先株を普通株へ転換して市場で売却するか、エルピーダが買い戻して支援を終える。国の側の理由は明快であった。「DRAM産業は日本にないといけない。供給元が韓国勢だけになってしまうと産業界の競争力にかかわる」と、経済産業省の幹部は説明している。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "事業再構築の期間は2012年3月末までで、政投銀が普通株に転換して市場で売却するか、エルピーダが優先株を買い入れて支援を卒業する計画であった。経産省幹部は「DRAM産業は日本にないといけない。供給元が韓国勢だけになってしまうと産業界の競争力にかかわる」と述べた",
                      "原文": "事業再構築の期間は１２年３月末まで。政投銀が普通株に転換して市場で売却するか、エルピーダが優先株を買い入れて支援を“卒業”する計画。／結局、エルピーダを救うのは「ＤＲＡＭ産業は日本にないといけない。供給元が韓国勢だけになってしまうと産業界の競争力にかかわる」（経産省幹部）との判断からだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2009年7月11日号「公的資金の出資第1号 エルピーダ救済の成否」",
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            },
            {
              "sub_title": "受け入れる側に躊躇はなかった",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "公的資金を受けることへの批判に、坂本幸雄社長は正面から答えている。「自分たちが生き残って、次への投資ができるということを考えるべきで、プライドのためにそれをやらないという選択肢はない」。そのうえで、エコポイントのように間接的な公的支援を受けている企業は多いと指摘し、エルピーダという固有名詞が付くから批判されやすいだけだと述べた。次世代技術への投資余力を失えば競争から振り落とされるという判断が、受け入れの理由であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "坂本社長は公的資金の受け入れについて「自分たちが生き残って、次への投資ができるということを考えるべきで、プライドのためにそれ（公的資金の受け入れ）をやらないという選択肢はない」「エルピーダという固有名詞がつくと批判されやすいだけです」と述べた",
                      "原文": "何もなかった。自分たちが生き残って、次への投資ができるということを考えるべきで、プライドのためにそれ（公的資金の受け入れ）をやらないという選択肢はない。／エルピーダという固有名詞がつくと批判されやすいだけです。",
                      "source": "週刊東洋経済 2010年1月16日号「DRAMメーカーは将来2社しか生き残れない」",
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                },
                {
                  "text": "国との距離についても、坂本社長は当時これを歓迎していた。「政府、特に経済産業省が信じられないぐらいに協力的でした。日本の半導体、特にDRAMの灯を消さないことを真剣に考えて一緒に行動してくれました」。支援の枠組みには台湾4陣営との提携が織り込まれており、国の後押しを得て日台連合を組み上げるという構想が、この時点では成立するように見えていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "坂本社長は「政府、特に経済産業省が信じられないぐらいに協力的でした。日本の半導体、特にDRAMの灯を消さないことを真剣に考えて一緒に行動してくれました」と述べた",
                      "原文": "政府、特に経済産業省が信じられないぐらいに協力的でした。日本の半導体、特にＤＲＡＭの灯を消さないことを真剣に考えて一緒に行動してくれました。",
                      "source": "週刊東洋経済 2010年1月16日号「DRAMメーカーは将来2社しか生き残れない」",
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          "section": "outcome",
          "label": "結果",
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              "sub_title": "2期の黒字と、消えた台湾連合",
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                {
                  "text": "支援を受けた翌期から、業績はいったん戻った。2010年3月期は当期純利益31億円、2011年3月期は売上高5143億円と設立以来の最高を記録している。ただし2011年3月期の当期純利益は21億円にとどまり、有利子負債は3372億円が残った。市況の回復は損益を黒字に押し戻したものの、支援の前提であった財務の立て直しまでは届いていなかった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2010年3月期の当期純利益は3,085百万円、2011年3月期は売上高514,316百万円・当期純利益2,096百万円で、期末の有利子負債は337,249百万円",
                      "原文": "2010年3月期の当期純利益は3,085百万円、2011年3月期の売上高は514,316百万円、当期純利益は2,096百万円、有利子負債は337,249百万円であった。",
                      "source": "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）【主要な経営指標等の推移】",
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                },
                {
                  "text": "枠組みの一角であった台湾からの出資は、実行されないまま終わった。坂本社長は台湾6社の再編統合を構想し、2008年11月から隔週で台湾へ渡って交渉している。しかし統合案にあるメーカーの経営者が署名せず、代わりに台湾政府が出資するDRAM統括会社が設けられた。約200億円の出資は入らず、政投銀にとっては認定時の前提が崩れた形になった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "坂本社長は台湾6社の再編統合を目指して2008年11月から隔週で台湾へ渡り交渉したが、ある会社のCEOが統合プランに署名せず、台湾政府出資のDRAM統括会社が設けられた",
                      "原文": "それで０８年１１月から一時期は隔週で台湾へ行って交渉しました。／ただ、ある会社のＣＥＯがそこにサインしなかった。そのためにＴＩＭＣ（台湾政府が出資するＤＲＡＭ統括会社）ができた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2010年1月16日号「DRAMメーカーは将来2社しか生き残れない」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2009年の出資時には台湾のDRAMメーカー4陣営と提携して出資を仰ぐ計画が織り込まれていたが、まったく実現できておらず、政投銀はエルピーダに対し慎重にならざるをえない事情を抱えた",
                      "原文": "０９年に出資した時、台湾のＤＲＡＭメーカー４陣営と提携して出資を仰ぐ計画が織り込まれていたが、まったく実現できていなかったのだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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                    }
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            },
            {
              "sub_title": "期限と同時に来た資金需要",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "事業再構築の期限である2012年3月末は、資金需要の山と重なっていた。2012年1月から4月にかけて社債の償還と借入金の返済で1200億円超が必要となる一方、2011年夏からDRAM価格は再び1ドルを割り、同年4〜9月期には567億円の最終赤字を計上している。支援の期限が切れる時点で財務が立ち直っていなければ、借り換えの前提そのものが失われる設計であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2012年1月から4月にかけて社債償還や借り換えで1200億円の調達が必要で、産活法の適用期限は3月末であった。2011年4〜9月期は567億円の最終赤字、DRAMスポット価格は1ドルを割り込んでいた",
                      "原文": "１２年１月から４月にかけて、社債償還や借り換えなどで１２００億円の調達が必要だった／産活法の適用期限は３月末、その直後には１０００億円を超す巨額返済が控え、資金繰りはレッドゾーンに突入していく。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "2012年2月27日、エルピーダは会社更生法の適用を申請した。公的資金は毀損し、政投銀の優先株300億円は回収されないまま終わっている。支援に関与した経済産業省の官僚がエルピーダ株のインサイダー取引で逮捕された事件も重なり、2度目の公的支援へ動く余地は残っていなかった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2012年1月中旬に前回の支援にかかわった経産省のキャリア官僚がインサイダー取引で逮捕され、支援の実施は一段と難しくなった。今回の破綻で経産省は公的資金を毀損させた",
                      "原文": "１月中旬には、前回の支援にかかわっていた経産省のキャリア官僚がインサイダー取引で逮捕され、一段と身動きが取りにくくなった。／おまけに、今回の破綻で経産省は公的資金を毀損させ大ミソをつけた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
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                    }
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                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "300億円という額が決めたもの",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "「一番の失敗は300億円でリーディングバンクを政投銀にしたこと。政投銀がなければメインバンクがどこか出てきたはずだ」。坂本幸雄前社長は破綻の1年半後、支援の規模そのものを敗因に挙げた。シャープやルネサスエレクトロニクスのように1000億円規模の借入があれば、銀行は潰せなかったという見立てである。300億円は、危機を先送りするには足り、銀行を当事者にするには足りない額であった。公的資金が入ったことで、かえって民間の主力行が現れる余地が塞がれたとみることができる。"
                },
                {
                  "text": "ただ、金額を大きくすれば救えたとも言い切れない。2009年の時点でDRAMは、首位のサムスン電子以外は各国の政府や銀行に支えられて生き残る産業になっていた。支援を厚くすれば、その消耗戦に長く留まる。実際、認定時に織り込まれた台湾連合は実現せず、支援の前提は初年度から崩れていた。国が「日本にDRAMを残す」と決めた時点で、残す方法までは決められていなかった——そこに、この判断の限界があったといえる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2009年7月11日号「公的資金の出資第1号 エルピーダ救済の成否」",
        "週刊東洋経済 2010年1月16日号「DRAMメーカーは将来2社しか生き残れない」",
        "週刊東洋経済 2012年1月28日号「崖っぷちのエルピーダ 苦肉の救済シナリオ」",
        "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
        "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
        "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-25"
    },
    {
      "slug": "corporate-reorganization-2012",
      "url": "/tse/6665/decisions/corporate-reorganization-2012/",
      "year": 2012,
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      "title": "会社更生法の適用申請と、米マイクロン・テクノロジーへの譲渡",
      "subtitle": "自力再建か法的整理か——2000億円の増資条件を前に、坂本幸雄社長は何を待っていたか",
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      "status_label": "実施",
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      "issue": "資金繰りと法的整理の選択",
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      "highlights": [
        {
          "label": "概要",
          "text": "2012年2月27日、エルピーダメモリが東京地方裁判所に会社更生手続の開始を申し立てて経営破綻した経営判断。負債総額4480億円は国内製造業で過去最大の倒産規模となった。坂本幸雄社長が更生管財人となり、支援企業の入札を経て2013年7月末に米マイクロン・テクノロジーの傘下へ入った。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "2012年1月から4月にかけて社債の償還と借入金の返済で1200億円超の資金が必要だった一方、産業活力再生特別措置法の適用期限も3月末に迫っていた。DRAMのスポット価格は1ドルを割り、2011年4〜9月期には567億円の最終赤字を計上している。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "日本政策投資銀行は借り換えの条件として、提携先を見つけて資本金2000億円を積み増すよう求めていた。米マイクロンとの経営統合は2012年2月3日にスキームがまとまったが、直後に同社のスティーブ・アップルトンCEOが小型機の墜落事故で死亡し、交渉は宙に浮いた。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "更生手続の下で行われた入札には、マイクロン・韓国SKハイニックス・東芝・中国のホニー・キャピタルが名乗りを上げた。設備投資に800億円を追加する条件を出したのはマイクロンだけで、日本で唯一のDRAMメーカーは米国企業の傘下へ移り、エルピーダの名は消えた。"
        }
      ],
      "parties": [
        {
          "stock_code": "6665",
          "name": "エルピーダメモリ",
          "role": "当事者",
          "at_deal": {
            "note": "日本で唯一のDRAM専業メーカー。世界シェア3位ながら価格下落と円高で巨額赤字に陥っていた"
          }
        },
        {
          "name": "マイクロン・テクノロジー",
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          "at_deal": {
            "note": "米国のメモリ半導体大手。2004年からエルピーダに経営統合を持ちかけ続け、2013年7月に傘下へ収めた"
          }
        }
      ],
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                  "text": "2012年1月から4月にかけて、社債の償還と借入金の返済で1200億円超の資金が必要だった。産業活力再生特別措置法の適用期限も3月末に来る。2011年9月末に1000億円あった手元資金は、その後の赤字で目減りしていた。DRAMのスポット価格は1ドルを割って原価割れの出荷が続き、2011年4〜9月期の最終赤字は567億円に達している。返済の山と市況の底が、同じ四半期に重なった。",
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                      "fact": "2012年1月から4月にかけて社債償還や借り換えなどで1200億円の調達が必要で、産活法の適用期限は3月末であった",
                      "原文": "１２年１月から４月にかけて、社債償還や借り換えなどで１２００億円の調達が必要だったにもかかわらず、経営計画が遅々として提出されなかった。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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                      "原文": "１０月下旬に発表した２０１１年４〜９月期決算は、５６７億円もの最終赤字に沈んだ。／スポット価格は１個当たり１ドルを割り込む水準にまで低下している。採算レベルは１ドル台半ばとされ、完全な原価割れだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2011年11月12日号「赤字転落のエルピーダ 迫る巨額返済の重圧」",
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                  "text": "交渉の相手も限られていた。エルピーダは取引行と等間隔で付き合ってきたため、支援策をまとめる主力行を持たない。2011年12月上旬には、公的支援に伴う協調融資に応じた4行が連名で書面を出している。同じ12月中旬、日本政策投資銀行は借り換えの条件として、提携先を見つけて資本金2000億円を積み増すよう求めた。2000億円を自力で集められるなら、そもそも借り換えは要らない。",
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                    {
                      "fact": "エルピーダは取引行と等間隔で付き合うためメイン行を持たず、2011年12月上旬には協調融資を行った取引先4行（メガ3行と住友信託）が連名でエルピーダに書面を付していた",
                      "原文": "１２月上旬には、公的支援に伴い協調融資を行った取引先４行（メガ３行と住友信託）が連名でエルピーダに書面を付している。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
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                      "fact": "2011年12月中旬に政投銀が提携先を見つけて資本金2000億円をプラスするよう条件を上げ、財務担当は冗談と考えて社長へ伝えず、1月中旬に確認したところ「やってもらわないと困ります」と言われた",
                      "原文": "でも１２月中旬になって、提携先を見つけて資本金２０００億円をプラスしてくれと、政投銀がハードルを上げてきた。／政投銀へ確認に行くと「やってもらわないと困ります」と言われた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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                {
                  "text": "提携交渉そのものは動いていた。2011年9月ごろから米マイクロン・テクノロジーと経営統合の話を進め、2012年2月3日にはスキームがまとまっている。マイクロンのスティーブ・アップルトンCEOは2004年から統合を持ちかけ、2008年にも再び申し入れた相手であった。断り続けてきた話が、双方の経営が厳しくなったところで初めて成立した。",
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                    {
                      "fact": "マイクロンとは2012年2月3日に経営統合の話がつき、アップルトンCEOは2004年から統合を持ちかけ2008年にも持ちかけていたが、互いに経営状況が厳しくなり統合を決めてスキームをまとめ上げた",
                      "原文": "マイクロンとは１２年２月３日に経営統合の話がついていた。０４年からマイクロンのアップルトンＣＥＯは経営統合しようと言ってきて、０８年にも持ちかけてきた。ずっと断り続けてきたが、互いに経営状況が厳しくなったので経営統合を決めてスキームをまとめ上げた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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                {
                  "text": "合意の直後、アップルトンCEOは自ら操縦する小型機の墜落事故で死亡した。統合交渉は宙に浮き、2月末までに2000億円を調達するという条件だけが残る。坂本幸雄社長は毎週のように海外へ飛んで提携相手を探したが、借入は集まっても出資は集まらなかった。2月後半には経済産業省からも増資について言及があり、政投銀との間で話が通じているのだろうと受け止めている。",
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                      "fact": "アップルトンCEOは統合合意の直後にプロペラ機の墜落事故で死亡し経営統合ができなくなった。2月末までに2000億円を調達する条件があり、坂本社長は毎週のように海外へ飛んだが「デット（借金）なら集まるけどエクイティは厳しい」状況だった",
                      "原文": "その日はプロペラ機で１００メートルくらい上昇したら、ひっくり返って墜落して即死。経営統合できなくなった。／２月末までに２０００億円を調達することが条件だったから、当時の僕は毎週のように海外へ飛んで提携相手を探したけれど、デット（借金）なら集まるけどエクイティは厳しい。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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              "sub_title": "2月27日午前10時に待っていた電話",
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                {
                  "text": "最後に残った望みは、広島工場の半分を買うと伝えてきた企業だった。返事の期限は2012年2月27日の午前10時である。10時になっても電話は来ず、坂本社長が10時半に自ら連絡すると、金額で折り合わなかった。同日午後、エルピーダは東京地方裁判所に会社更生手続の開始を申し立てた。数カ月にわたって続いた資金繰りの作業が、この一本の電話で終わった。",
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                    {
                      "fact": "2月27日10時までにある企業が広島工場を半分買うと言うことになっていたが電話が来ず、坂本社長が10時半に電話すると金額で折り合わなかったため、その日の午後に更生法を申請した",
                      "原文": "最後の最後までトライして２７日１０時までに、ある企業が広島工場を半分買うと言ってくれることになっていた。でも１０時になっても電話はなくて、僕が１０時半に電話すると金額で折り合わなかった。仕方なくその日の午後、更生法を申請した。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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                {
                  "text": "負債総額4480億円は、国内の製造業で過去最大の倒産規模となった。同日夜の記者会見で、坂本社長は「最終的なオファーが出てくるのを今日まで待っていたが、具体的な提携案ではなかった」と経緯を語っている。2日後の債権者説明会に集まった取引先の一人は「いつ潰れてもおかしくないと思っていた」と話し、前年末に支払いを1カ月延期する通知を受けて取引を絞っていたと明かした。",
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                      "fact": "2012年2月27日に会社更生法の適用を申請し、負債総額4480億円は国内製造業で過去最大の倒産規模であった。坂本社長は同日夜の会見で「最終的なオファーが出てくるのを今日まで待っていたが、具体的な（提携）案ではなかった」と語った",
                      "原文": "「最終的なオファーが出てくるのを今日まで待っていたが、具体的な（提携）案ではなかった」。２月２７日、会社更生法の適用を申請し経営破綻した半導体大手エルピーダメモリ。／負債総額４４８０億円。国内製造業では過去最大の倒産規模である。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
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                    {
                      "fact": "債権者説明会に出席した取引先業者は「いつ潰れてもおかしくないと思っていた」「昨年暮れにファクスが送られてきて、支払いの1カ月延期を告げられた。これは危ないと思って、取引を絞っていた」と語った",
                      "原文": "債権者説明会に出席した取引先業者は「いつ潰れてもおかしくないと思っていた」と語った。「昨年暮れにファクスが送られてきて、支払いの１カ月延期を告げられた。これは危ないと思って、取引を絞っていたんだ」。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
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              "sub_title": "二度目の公的支援という道が消えていた",
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                  "text": "法的整理を選んだ理由は、他の道がすべて閉じていたことにある。銀行は借り換えについて、政投銀を通じた従来の支援スキームが実質的に維持されることなど複数の前提条件を示していた。再建案の軸となる提携交渉が進まない以上、その前提は満たされない。赤字を出し続け再建の見通しが立たない会社に、銀行が借り換えへ応じる理由はなかった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "銀行側は借り換えについて、公的支援に伴う従来の支援スキームが実質的に維持されることなど複数の前提条件を提示しており、再建案の軸となる提携交渉は進展しなかった",
                      "原文": "銀行側も借り換えについて、日本政策投資銀行を通じた従来の支援スキームが実質的に維持されることなど複数の前提条件を提示。／しかし、再建案の軸となる提携交渉は進展せず、時間だけが過ぎていく。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
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                {
                  "text": "国の側も動けなくなっていた。2009年に民間の協調融資がまとまったのは経済産業省の旗振りがあったからだが、前回の支援に関与した官僚がエルピーダ株のインサイダー取引で逮捕され、省は身動きが取りにくくなる。主力行の首脳も「先導しておきながら民間にツケを回すのか」と不快感を示していた。二度目の公的支援は、制度としても心情としても選択肢から外れていた。",
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                    {
                      "fact": "2009年に民間融資がまとまったのは経産省の旗振りがあったからだが、前回支援に関与した幹部のインサイダー事件や業況の厳しさで国は萎縮し、年明けには「先導しておきながら民間にツケを回すのか」と主力行首脳が不快感をあらわにした",
                      "原文": "時計を巻き戻せば、０９年に民間融資がまとまったのも経産省の旗振りがあったからこそ。だが、前回支援に関与した幹部のインサイダー事件や、業況のあまりの厳しさに頼みの国も完全に萎縮した。年明けには「先導しておきながら民間にツケを回すのか」と主力行首脳も不快感をあらわにした。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
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              "sub_title": "4陣営の入札とマイクロンの条件",
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                  "text": "更生手続の下で行われた支援企業の入札には、マイクロン、韓国SKハイニックス、東芝、中国のホニー・キャピタルが名乗りを上げた。第1次入札は2012年3月末、第2次は4月末である。工場運営の経験がないホニー・キャピタルは2次入札の途中で降りた。ハイニックスは親会社のSKテレコムが負債を整理したうえで1〜2年内に再上場し現経営陣を残す案を示したものの、締切の30分後に辞退を伝えてきた。",
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                      "fact": "入札には東芝、韓国ハイニクス、中国ホニー・キャピタル、マイクロンが名乗りを上げ、ホニーは工場運営経験がないため2次入札途中で降り、ハイニクスは親会社SKテレコムが負債整理と1〜2年内の再上場・現経営陣存続を提案したが締切の12時半に辞退した",
                      "原文": "ホニー・キャピタルは、工場運営経験がないので２次入札の途中で降りた。ハイニクスは親会社のＳＫテレコムが非常に魅力的な提案をしてきた。エルピーダの負債をクリアにしたうえで１〜２年以内に再上場して、今の経営陣が残るプランだった。／最終日の１２時半がデッドラインで午前中にハイニクスが１２時までに金額について返事すると言ってきたが、１２時半に電話が来て「今回は降りた」となりました。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
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                {
                  "text": "東芝が関心を寄せていたのは、広島工場ではなく台湾のレックスチップだった。「広島にはまったく興味を感じていない」と東芝首脳は語り、NAND型フラッシュメモリへ転用できる台湾の工場を評価している。結局、条件で上回ったのはマイクロンであった。2000億円を用意すると伝えてきた企業は他にもあったが、設備投資に800億円を追加する条件を出したのはマイクロンだけだった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "東芝が関心を持っていたのは台湾のレックスチップ工場で、東芝首脳は「広島にはまったく興味を感じていない」と語った",
                      "原文": "エルピーダの主力拠点は国内の広島工場だが、「広島にはまったく興味を感じていない」（東芝首脳）。東芝が関心を持っているのは、台湾にある子会社レックスチップの工場。",
                      "source": "週刊東洋経済 2012年4月21日号「広島工場は救われるのか エルピーダ争奪戦」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "別の会社も2000億円を準備すると言ってきたが、設備投資に800億円を追加投資する条件を出したのはマイクロンだけであった",
                      "原文": "結局はマイクロンがいちばんいい条件だった。別の会社も２０００億円を準備すると言ってきたが、設備投資に８００億円を追加投資する条件はマイクロンだけだった。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "消えた社名と、残された人員",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2012年3月、東京証券取引所は株式の上場を廃止した。2004年11月の上場から7年4カ月であった。2013年7月末、エルピーダはマイクロン・テクノロジーの傘下に入り、社名はのちにマイクロンメモリ ジャパンへ変わる。1999年の設立から14年で、日本のDRAMメーカーとしての歴史は終わった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "会社更生法申請から1年半後の2013年7月末、エルピーダメモリは米マイクロン・テクノロジーの傘下に入り、エルピーダブランドは消滅した",
                      "原文": "会社更生法申請から１年半──。ＤＲＡＭ専業のエルピーダメモリは７月末、米マイクロン・テクノロジー傘下に入った。／今年７月にマイクロンが買収してエルピーダブランドは消滅した。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "譲渡にあたって坂本前社長が契約に入れたのは、人員と工場の扱いであった。「エルピーダの優秀な人材はマイクロン本社で使って工場もいじるな」と条件を明記したと後に語っている。会社勤めを始めて44年間、一度も人員削減をしていないという自負が、その条項の背景にあった。社長就任直後に減らしたのは親会社からの出向者であり、技術者と現場の作業者は残していた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "坂本前社長は「エルピーダの優秀な人材はマイクロン本社で使って工場もいじるなと、ちゃんと契約書に入っている」「僕は会社勤めしてから44年になるが、一度もリストラしていない」と述べ、社長就任直後に減らしたのは親会社に戻した出向者であったと説明した",
                      "原文": "エルピーダの優秀な人材はマイクロン本社で使って工場もいじるなと、ちゃんと契約書に入っている。／僕は会社勤めしてから４４年になるが、一度もリストラしていない。／親会社に戻ってもらった。副社長とかは必要なかったけれど、エンジニアやオペレーターには残ってもらった。",
                      "source": "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "「あと1年」を誰が用意するのか",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "「破綻させたと言うけれども、あと1年待ったらすごい利益を出す会社になっていた。銀行が待てたか待てなかったかの問題だ」。坂本幸雄前社長はそう総括した。数字だけを見れば主張には根拠がある。マイクロン傘下に入った直後の2013年4〜6月期、単体の売上高は1300億円、純利益は390億円に達した。想定した携帯電話市場の立ち上がりが1年遅れただけで、事業そのものは死んでいなかったとみることができる。"
                },
                {
                  "text": "ただ、その1年を用意するのは銀行ではなく経営の仕事でもあった。2011年3月期に設立来最高の5143億円を売り上げながら、手元に残った当期純利益は21億円で、有利子負債は3372億円が残っている。市況が戻った2期のあいだに積めなかったものが、価格が落ちた期の待てる時間を決めた。8年間断り続けたマイクロンとの統合が、最も苦しい時期にCEOの死という偶然を挟んで流れた点も含めて、この判断は選べる幅の狭さのなかで下されたといえる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2011年11月12日号「赤字転落のエルピーダ 迫る巨額返済の重圧」",
        "週刊東洋経済 2012年3月10日号「エルピーダついに倒産 支援先探しは難航必至」",
        "週刊東洋経済 2012年4月21日号「広島工場は救われるのか エルピーダ争奪戦」",
        "週刊東洋経済 2013年10月19日号「エルピーダ倒産の全貌 今だからすべて語ろう」",
        "エルピーダメモリ 有価証券報告書（2011年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-25"
    }
  ]
}
