{
  "title": "KOKUSAIエレクトリックの歴史概略",
  "sections": [
    {
      "start_year": 1949,
      "end_year": 1999,
      "main_title": "通信機器メーカー国際電気に育った半導体製造装置の系譜",
      "subsections": [
        {
          "title": "二つの系譜を抱えて生まれた国際電気",
          "text": "1949年、電気通信機器および高周波応用機器の製造販売を目的として国際電気株式会社が設立された。無線通信機器を主力とする一方、1956年にはゲルマニウムやシリコンの単結晶引上装置を受注し、半導体製造装置の分野へ早くから参入した。1961年には東京証券取引所へ上場し、同年に市場第一部の指定を受けている。半導体産業が生まれて間もない時期に、材料と製造プロセスを支える装置メーカーとしての足場を得た会社であり、この二つの事業のうち半導体製造装置はやがて世界市場で確かな地歩を占める製品へと育っていく。\n\n国際電気は無線通信という祖業と、半導体製造装置という新しい事業を並べ持って歩んだ。前者は放送や防災の無線機器へ、後者は半導体メーカーの生産ラインへと、異なる顧客と市場を相手にする事業であった。半導体の量産が本格化するにつれ、製造装置は一台あたりの単価が高く利益率も大きい事業へと育ち、会社のなかで存在感を強めていった。性格の異なる二つの柱を一社で抱える形は、それぞれに適した投資の速度や経営判断を求めるものであり、長い目で見れば、いずれ別々の会社として歩む可能性をはらむ構造でもあった。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "1949年に電気通信機器・高周波応用機器の製造販売を目的として国際電気株式会社を設立",
                "source": "KOKUSAI ELECTRIC 会社沿革",
                "url": "https://www.kokusai-electric.com/company/history",
                "genbun": "1949年、電気通信機器および高周波応用機器の製造販売を目的として国際電気株式会社が設立された。"
              },
              {
                "fact": "1956年にゲルマニウム・シリコンの単結晶引上装置を受注し半導体製造装置事業に参入",
                "source": "KOKUSAI ELECTRIC 会社沿革",
                "url": "https://www.kokusai-electric.com/company/history",
                "genbun": "無線通信機器を主力とする一方、1956年にはゲルマニウムやシリコンの単結晶引上装置を受注し、半導体製造装置の分野へ早くから参入した。"
              },
              {
                "fact": "1961年に東京証券取引所へ上場し同年に市場第一部の指定を受けた",
                "source": "KOKUSAI ELECTRIC 会社沿革",
                "url": "https://www.kokusai-electric.com/company/history",
                "genbun": "1961年には東京証券取引所へ上場し、同年に市場第一部の指定を受けている。"
              }
            ],
            []
          ]
        },
        {
          "title": "世界シェアを生むバッチ式成膜装置の技術",
          "text": "国際電気が育てた半導体製造装置の中核が、縦型の炉に数十枚のウェハーをまとめて入れて薄膜をつくるバッチ式の熱処理成膜装置であった。回路の素材となる層をシリコンウェハー上に均一に積む成膜は、半導体づくりに欠かせない工程である。この領域で同社は原子層堆積法と呼ばれる方式の技術を長く磨き、数十枚を一度に扱うバッチ方式で生産効率と膜質を両立させる独自の技を積み上げた。半導体の微細化が進むほど成膜の精度が求められるなかで、この方式は薄膜を一層ずつ精密に重ねられる強みを持っていた。半導体の集積度が上がるほど、この精密さは装置選びで重んじられるようになった。\n\nバッチ式の原子層堆積法について、金井史幸社長は「ノウハウの塊のような非常に難しい技術」と述べている。装置のなかで原子の層を一枚ずつ積み上げる制御は、わずかな条件の違いで膜の質が変わる繊細なもので、国際電気は半導体メーカーと組みながら長い時間をかけて改良を重ねた。競合の東京エレクトロンとはほとんどの顧客で競合しながらも、バッチ方式の原子層堆積法では先行して技術を磨き、容易には追随されない蓄積を築いた。この地道な積み上げが、のちに世界シェア約7割という高い位置へとつながっていく。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "中核製品は縦型炉で数十枚のウェハーをまとめて処理するバッチ式の熱処理成膜装置",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "国際電気が育てた半導体製造装置の中核が、縦型の炉に数十枚のウェハーをまとめて入れて薄膜をつくるバッチ式の熱処理成膜装置であった。"
              },
              {
                "fact": "成膜はウェハー上に回路の素材となる層をつくる半導体製造の必須工程で、ALD方式の技術を持つ",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "この領域で同社は原子層堆積法と呼ばれる方式の技術を長く磨き、数十枚を一度に扱うバッチ方式で生産効率と膜質を両立させる独自の技を積み上げた。"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "金井史幸社長はバッチALDを「ノウハウの塊のような非常に難しい技術」と述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "バッチ式の原子層堆積法について、金井史幸社長は「ノウハウの塊のような非常に難しい技術」と述べている。"
              },
              {
                "fact": "バッチ方式のALDで東京エレクトロンと競合しつつ先行して技術を磨いた",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "競合の東京エレクトロンとはほとんどの顧客で競合しながらも、バッチ方式の原子層堆積法では先行して技術を磨き、容易には追随されない蓄積を築いた。"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2000,
      "end_year": 2017,
      "main_title": "日立国際電気の一員として業績を支え揺れた装置事業",
      "subsections": [
        {
          "title": "三社合併で生まれた日立の有力上場子会社",
          "text": "2000年、国際電気は日立電子および八木アンテナと合併し、商号を株式会社日立国際電気に変更した。無線・映像通信、アンテナ、半導体製造装置を一つに束ねた新会社は、日立製作所グループの有力な上場子会社となった。証券コードは6756で、通信・情報、放送・映像、半導体製造の三つの事業を抱える体制であった。この三事業のなかで半導体製造装置は収益力の高い部門として伸び、成膜技術に長けた技術者と富山県の生産拠点を主力に、日立グループのなかでも独自の存在感を持つ事業へ育っていった。富山県の工場は、この会社の成膜装置づくりを支える中核の拠点であった。\n\n半導体製造装置は好況の時期にはグループの業績を支える柱となった一方、需要が数年ごとに大きく振れるシリコンサイクルの影響を強く受けた。半導体の設備投資が世界的に膨らむ年には装置の受注が伸び、落ち込む年には赤字に沈む振れ幅の大きさが、この事業につきまとった。2009年1月時点の会社四季報は、通信・情報、放送・映像、半導体製造の3部門がそろって営業赤字に陥ると伝えている。装置事業の高い収益力と変動の大きさは、親会社の日立にとって将来を読みにくい資産でもあった。好不況の波が数年で入れ替わる事業は、安定を求める親会社の経営と必ずしも相性が良いわけではなかった。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2000年に国際電気・日立電子・八木アンテナが合併し株式会社日立国際電気へ商号変更",
                "source": "KOKUSAI ELECTRIC 会社沿革",
                "url": "https://www.kokusai-electric.com/company/history",
                "genbun": "2000年、国際電気は日立電子および八木アンテナと合併し、商号を株式会社日立国際電気に変更した。"
              },
              {
                "fact": "日立国際電気（証券コード6756）は通信・情報、放送・映像、半導体製造の三部門を抱えた",
                "source": "会社四季報（週刊東洋経済 2009年1月17日号）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2009011700/DCL0101000200901170020090117TKW011/20090117TKW011/backContentsTop",
                "genbun": "証券コードは6756で、通信・情報、放送・映像、半導体製造の三つの事業を抱える体制であった。"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2009年1月時点の会社四季報は日立国際電気の3部門がそろって営業赤字と報じた",
                "source": "会社四季報（週刊東洋経済 2009年1月17日号）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2009011700/DCL0101000200901170020090117TKW011/20090117TKW011/backContentsTop",
                "genbun": "2009年1月時点の会社四季報は、通信・情報、放送・映像、半導体製造の3部門がそろって営業赤字に陥ると伝えている。"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "日立の選択と集中が装置事業を外へ動かす",
          "text": "日立製作所は2000年代後半以降、かつて約20社を数えた上場子会社を絞り込む選択と集中を進めた。2017年4月、日立は日立国際電気を米投資ファンドのKKRと日本産業パートナーズへ売却すると発表する。のちに映像・通信専業として残る側の社長となる佐久間嘉一郎氏は、日立とはほとんど事業上の相乗効果がなく、株式売却を迫られたわけではなく将来を見据えた選択だったと語っている。好調とはいえ変動の大きい半導体製造装置を抱え続けることは、日立にとってグループ全体の収益の見通しを立てにくくする要因でもあった。\n\n2018年、日立国際電気は上場を廃止し、KKRの傘下で非公開化された。KKRの出資比率は6割で、日立も引き続き株式を保有した。同年、会社は半導体製造装置事業と映像・通信事業に分割され、佐久間氏は「社名は変わっていないが、中身は半分になった」と述べている。半導体を業績の柱としてきた会社が、映像・通信の専業として歩む側と、装置事業として独立する側とに分かれ、それぞれが別の資本のもとで別の速度で成長を目指す道へ進んだ。映像・通信の会社は社名に日立を残し、半導体製造装置の会社はKKRのもとで新たな名を得て、それぞれの道を歩み始めた。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "日立はかつて約20社あった上場子会社を絞り込む選択と集中を進めた",
                "source": "週刊東洋経済 2019年9月14日号（日立国際電気 佐久間嘉一郎社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019091400/DCL0101000201909140020190914TKW010/20190914TKW010/backContentsTop",
                "genbun": "日立製作所は2000年代後半以降、かつて約20社を数えた上場子会社を絞り込む選択と集中を進めた。"
              },
              {
                "fact": "2017年4月に日立が日立国際電気をKKRと日本産業パートナーズへ売却すると発表",
                "source": "KKR・日本産業パートナーズ共同プレスリリース（2017年4月26日）",
                "url": "https://jipinc.com/wp-content/uploads/PressRelease170426.pdf",
                "genbun": "2017年4月、日立は日立国際電気を米投資ファンドのKKRと日本産業パートナーズへ売却すると発表する。"
              },
              {
                "fact": "佐久間嘉一郎氏は日立との相乗効果は乏しく将来を見据えた選択だったと述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2019年9月14日号（日立国際電気 佐久間嘉一郎社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019091400/DCL0101000201909140020190914TKW010/20190914TKW010/backContentsTop",
                "genbun": "のちに映像・通信専業として残る側の社長となる佐久間嘉一郎氏は、日立とはほとんど事業上の相乗効果がなく、株式売却を迫られたわけではなく将来を見据えた選択だったと語っている。"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2018年にKKR傘下で非公開化され、KKRの出資比率は6割であった",
                "source": "週刊東洋経済 2019年9月14日号（日立国際電気 佐久間嘉一郎社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019091400/DCL0101000201909140020190914TKW010/20190914TKW010/backContentsTop",
                "genbun": "KKRの出資比率は6割で、日立も引き続き株式を保有した。"
              },
              {
                "fact": "佐久間社長は分割を「社名は変わっていないが、中身は半分になった」と表現した",
                "source": "週刊東洋経済 2019年9月14日号（日立国際電気 佐久間嘉一郎社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019091400/DCL0101000201909140020190914TKW010/20190914TKW010/backContentsTop",
                "genbun": "同年、会社は半導体製造装置事業と映像・通信事業に分割され、佐久間氏は「社名は変わっていないが、中身は半分になった」と述べている。"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2018,
      "end_year": 2026,
      "main_title": "成膜装置の専業メーカーとして独立し上場するまで",
      "subsections": [
        {
          "title": "独立とアプライドマテリアルズによる買収の破談",
          "text": "2018年6月、分割された半導体製造装置事業はKKR傘下の会社が承継し、商号を株式会社KOKUSAIエレクトリックに改めた。バッチ式の熱処理成膜装置に事業を絞った専業メーカーが、ここに実質的に誕生した。原子層堆積法によるバッチ式成膜装置での世界シェアは約7割に達し、この一点に強みを持つ会社であった。社長には、日立製作所やルネサス、日立国際電気を経た金井史幸氏が2018年6月に就き、富山県の生産拠点を主力にKKRのもとでの立て直しと成長戦略づくりに取り組んだ。日立という後ろ盾を離れ、成膜装置一本で世界の半導体メーカーと向き合う会社が、ここから動き始めた。\n\n2019年7月、半導体製造装置で世界最大手の米アプライドマテリアルズが、KKRからKOKUSAIエレクトリックを約22億ドルで買収すると発表した。金井社長は、ほかの領域の製造装置と関係を築き半導体製造事業の全体を見渡せる環境に身を置く利点を見込んでの合意だったと振り返る。2021年1月には買収額が約35億ドルへ引き上げられたが、同年3月、中国の独占禁止法当局の承認が期限内に得られず、買収は破談となった。アプライドはKKRに1.54億ドルの解約金を支払い、世界最大手への合流という道は白紙に戻った。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2018年6月に半導体製造装置事業を承継し株式会社KOKUSAIエレクトリックへ商号変更",
                "source": "KOKUSAI ELECTRIC 会社沿革",
                "url": "https://www.kokusai-electric.com/company/history",
                "genbun": "2018年6月、分割された半導体製造装置事業はKKR傘下の会社が承継し、商号を株式会社KOKUSAIエレクトリックに改めた。"
              },
              {
                "fact": "原子層堆積法（ALD）方式のバッチ式成膜装置で世界シェア約7割を持つ",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "原子層堆積法によるバッチ式成膜装置での世界シェアは約7割に達し、この一点に強みを持つ会社であった。"
              },
              {
                "fact": "金井史幸氏が2018年6月にKOKUSAIエレクトリック社長へ就任（日立製作所・ルネサス・日立国際電気を経る）",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長略歴）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "社長には、日立製作所やルネサス、日立国際電気を経た金井史幸氏が2018年6月に就き、富山県の生産拠点を主力にKKRのもとでの立て直しと成長戦略づくりに取り組んだ。"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2019年7月にアプライドマテリアルズがKOKUSAIエレクトリックを約22億ドルで買収すると発表",
                "source": "Applied Materials プレスリリース（2019年7月1日）",
                "url": "https://ir.appliedmaterials.com/news-releases/news-release-details/applied-materials-acquire-kokusai-electric/",
                "genbun": "2019年7月、半導体製造装置で世界最大手の米アプライドマテリアルズが、KKRからKOKUSAIエレクトリックを約22億ドルで買収すると発表した。"
              },
              {
                "fact": "2021年1月に買収額を約35億ドルへ引き上げたが同年3月に中国当局の承認が得られず破談",
                "source": "Applied Materials プレスリリース（2021年3月）",
                "url": "https://ir.appliedmaterials.com/news-releases/news-release-details/applied-materials-announces-termination-kokusai-electric/",
                "genbun": "2021年1月には買収額が約35億ドルへ引き上げられたが、同年3月、中国の独占禁止法当局の承認が期限内に得られず、買収は破談となった。"
              },
              {
                "fact": "アプライドマテリアルズはKKRへ1.54億ドルの解約金を支払った",
                "source": "Applied Materials プレスリリース（2021年3月）",
                "url": "https://ir.appliedmaterials.com/news-releases/news-release-details/applied-materials-announces-termination-kokusai-electric/",
                "genbun": "アプライドはKKRに1.54億ドルの解約金を支払い、世界最大手への合流という道は白紙に戻った。"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "専業メーカーとしての上場と一本足という課題",
          "text": "破談を受け、KOKUSAIエレクトリックは単独での上場へ進んだ。コロナ禍やウクライナ侵攻で新規株式公開の環境が悪化し、上場は何度も延期されたが、2023年10月25日、東証プライム市場への上場を果たした。公開価格は1,840円、初値換算の時価総額は約4,800億円で、2023年でも最大級の新規公開となった。株式の売り出しは筆頭株主のKKRなど既存株主によるもので、KKRは上場を通じて保有比率を段階的に引き下げ、親会社に抱えられていた事業が資本市場に直接向き合う会社へと立場を変えた。\n\n上場後のKOKUSAIエレクトリックの売上高は、前2023年3月期で約2,457億円であり、そのうちNANDフラッシュメモリー向けが約4割を占めた。金井社長はバッチ式成膜装置への集中を強みとしつつ、事業がその一本に偏ることを悩みとして認め、化学気相成長法や熱処理といった隣接領域や、DRAM・ロジック向けへの広がりに成長の余地を見込んでいる。中長期では売上高を3,000億〜3,300億円へ引き上げる目標を掲げる。親会社の内で育ち、外で独立した成膜装置の専業メーカーが、単一の技術への依存をどこまで広げられるかが、上場後の成長を左右する。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2023年10月25日に東証プライム市場へ新規上場（公開価格1,840円）",
                "source": "日本経済新聞（2023年10月25日）",
                "url": "https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231024570588/",
                "genbun": "コロナ禍やウクライナ侵攻で新規株式公開の環境が悪化し、上場は何度も延期されたが、2023年10月25日、東証プライム市場への上場を果たした。"
              },
              {
                "fact": "初値換算の時価総額は約4,800億円で2023年でも最大級の新規公開となった",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "公開価格は1,840円、初値換算の時価総額は約4,800億円で、2023年でも最大級の新規公開となった。"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "前2023年3月期の売上高は約2,457億円で、うちNANDメモリー向けが約4割を占めた",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "上場後のKOKUSAIエレクトリックの売上高は、前2023年3月期で約2,457億円であり、そのうちNANDフラッシュメモリー向けが約4割を占めた。"
              },
              {
                "fact": "中長期で売上高を3,000億〜3,300億円へ引き上げる目標を掲げる",
                "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
                "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
                "genbun": "中長期では売上高を3,000億〜3,300億円へ引き上げる目標を掲げる。"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    }
  ],
  "summary": {
    "title": "サマリー",
    "text": "### 創業\n\n1949年、電気通信の時代に国際電気株式会社が生まれ、1956年には半導体製造装置へ参入した。無線通信とともに育てた縦型炉のバッチ式熱処理成膜装置は、原子層堆積法で世界シェア約7割を握る一点特化の強みとなる。この装置事業は通信・映像と同居したまま、2000年に日立電子・八木アンテナと合併して日立国際電気の一部門となり、変動の大きい高収益事業として親会社のなかで育てられた。\n\n### 決断\n\nKOKUSAIエレクトリックを一つの会社たらしめたのは、2018年の分社独立である。日立製作所が選択と集中で日立国際電気を手放すと、半導体製造装置事業だけがKKR傘下で切り出され、成膜装置の専業メーカーとなった。2019年には世界最大手アプライドマテリアルズへの合流を選んだが、中国当局の承認が得られず2021年に破談する。単独での道に戻り、2023年に東証プライムへ上場して初値換算約4,800億円の評価を得た。親会社の内で育った一部門が、外で独立した専業メーカーとして値づけされた。",
    "sections": [
      {
        "label": "創業",
        "body": "1949年、電気通信の時代に国際電気株式会社が生まれ、1956年には半導体製造装置へ参入した。無線通信とともに育てた縦型炉のバッチ式熱処理成膜装置は、原子層堆積法で世界シェア約7割を握る一点特化の強みとなる。この装置事業は通信・映像と同居したまま、2000年に日立電子・八木アンテナと合併して日立国際電気の一部門となり、変動の大きい高収益事業として親会社のなかで育てられた。",
        "tags": {
          "primary": {
            "id": "F4",
            "label": "連合・共同出資",
            "group": "出自・後ろ盾"
          },
          "sub": [
            {
              "id": "F14",
              "label": "独占権・排他的仕入れの確保",
              "group": "起点の事業モデル"
            },
            {
              "id": "F22",
              "label": "外資系日本法人・販売拠点の出自",
              "group": "起点の事業モデル"
            }
          ]
        }
      },
      {
        "label": "決断",
        "body": "KOKUSAIエレクトリックを一つの会社たらしめたのは、2018年の分社独立である。日立製作所が選択と集中で日立国際電気を手放すと、半導体製造装置事業だけがKKR傘下で切り出され、成膜装置の専業メーカーとなった。2019年には世界最大手アプライドマテリアルズへの合流を選んだが、中国当局の承認が得られず2021年に破談する。単独での道に戻り、2023年に東証プライムへ上場して初値換算約4,800億円の評価を得た。親会社の内で育った一部門が、外で独立した専業メーカーとして値づけされた。",
        "tags": {
          "primary": {
            "id": "D5",
            "label": "大型M&A・経営統合",
            "group": "成長の手段"
          },
          "sub": [
            {
              "id": "D18",
              "label": "危機・外圧が引き金",
              "group": "動機・論理"
            },
            {
              "id": "D12",
              "label": "資本構造の組み替え",
              "group": "資本・統治・組織"
            }
          ]
        }
      }
    ],
    "qa": [
      {
        "q": "なぜ2018年に半導体製造装置事業だけが日立国際電気から切り離されたのか",
        "a": "変動の大きい半導体製造装置は、安定を求める親会社の経営とは相性が必ずしも良くなく、専業として切り出したほうが事業の価値を伸ばしやすいという判断があった。日立製作所はかつて約20社を数えた上場子会社を絞り込み、2017年に日立国際電気をKKRへ売却する。半導体が業績を支えつつシリコンサイクルで揺れる構図を、佐久間嘉一郎社長は日立とのシナジーは乏しかったと振り返っている。2018年、装置事業はKKR傘下で分社し、成膜装置の専業メーカーとして独立した。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "日立はかつて約20社あった上場子会社を絞り込み、2017年に日立国際電気をKKRへ売却",
            "source": "週刊東洋経済 2019年9月14日号（日立国際電気 佐久間嘉一郎社長インタビュー）",
            "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019091400/DCL0101000201909140020190914TKW010/20190914TKW010/backContentsTop",
            "genbun": "日立製作所はかつて約20社を数えた上場子会社を絞り込み、2017年に日立国際電気をKKRへ売却する。"
          },
          {
            "fact": "佐久間嘉一郎社長は日立とのシナジーは乏しかったと述べた",
            "source": "週刊東洋経済 2019年9月14日号（日立国際電気 佐久間嘉一郎社長インタビュー）",
            "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019091400/DCL0101000201909140020190914TKW010/20190914TKW010/backContentsTop",
            "genbun": "半導体が業績を支えつつシリコンサイクルで揺れる構図を、佐久間嘉一郎社長は日立とのシナジーは乏しかったと振り返っている。"
          },
          {
            "fact": "2018年に装置事業がKKR傘下で分社し成膜装置の専業メーカーとして独立",
            "source": "KOKUSAI ELECTRIC 会社沿革",
            "url": "https://www.kokusai-electric.com/company/history",
            "genbun": "2018年、装置事業はKKR傘下で分社し、成膜装置の専業メーカーとして独立した。"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜ2019年にアプライドマテリアルズへの合流を選び、2021年に破談したのか",
        "a": "上場には長い時間と大きな労力がかかるため、まず装置の総合力を持つ企業の傘下で半導体製造事業の全体を見渡せる環境に身を置く利点があると、金井史幸社長は判断した。2019年、半導体製造装置で世界最大手のアプライドマテリアルズが約22億ドルでの買収を発表し、2021年には約35億ドルへ増額された。しかし中国の独占禁止法当局の承認が期限内に得られず、買収は2021年3月に破談となり、アプライドは1.54億ドルの解約金を支払っている。世界最大手への合流という道は白紙に戻り、単独での上場へ向かうことになる。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "2019年にアプライドマテリアルズが約22億ドルで買収を発表し、2021年に約35億ドルへ増額",
            "source": "Applied Materials プレスリリース（2019年7月1日）",
            "url": "https://ir.appliedmaterials.com/news-releases/news-release-details/applied-materials-acquire-kokusai-electric/",
            "genbun": "2019年、半導体製造装置で世界最大手のアプライドマテリアルズが約22億ドルでの買収を発表し、2021年には約35億ドルへ増額された。"
          },
          {
            "fact": "中国当局の承認が得られず2021年3月に破談し、AMATはKKRへ1.54億ドルの解約金を支払った",
            "source": "Applied Materials プレスリリース（2021年3月）",
            "url": "https://ir.appliedmaterials.com/news-releases/news-release-details/applied-materials-announces-termination-kokusai-electric/",
            "genbun": "しかし中国の独占禁止法当局の承認が期限内に得られず、買収は2021年3月に破談となり、アプライドは1.54億ドルの解約金を支払っている。"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜ世界シェア約7割のバッチALDを持ちながら一本足が課題なのか",
        "a": "世界シェア約7割という強みは、構造が複雑で細く深い溝に膜を埋め込む必要があるNANDフラッシュメモリー向けに集中して築かれたため、業績がNAND市況の波に左右されやすいという裏返しを抱えている。前2023年3月期の売上高約2,457億円のうち、NANDフラッシュメモリー向けは約4割を占めた。金井史幸社長はバッチ式成膜装置への集中を強みとしつつ、事業がその一本に偏ることを悩みと認め、化学気相成長法や熱処理、DRAM・ロジック向けへの広がりに成長の余地を見込んでいる。中長期では売上高3,000億〜3,300億円を目標に掲げる。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "前2023年3月期の売上高約2,457億円のうちNANDメモリー向けが約4割を占めた",
            "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
            "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
            "genbun": "前2023年3月期の売上高約2,457億円のうち、NANDフラッシュメモリー向けは約4割を占めた。"
          },
          {
            "fact": "金井史幸社長は一本足を悩みと認め、CVD・熱処理やDRAM・ロジック向けへの広がりに成長余地を見込む",
            "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
            "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
            "genbun": "金井史幸社長はバッチ式成膜装置への集中を強みとしつつ、事業がその一本に偏ることを悩みと認め、化学気相成長法や熱処理、DRAM・ロジック向けへの広がりに成長の余地を見込んでいる。"
          },
          {
            "fact": "中長期で売上高3,000億〜3,300億円を目標に掲げる",
            "source": "週刊東洋経済 2024年2月10日号（KOKUSAI ELECTRIC 金井史幸社長インタビュー）",
            "url": "https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2024021000/DCL0101000202402100020240210TKW006/20240210TKW006/backContentsTop",
            "genbun": "中長期では売上高3,000億〜3,300億円を目標に掲げる。"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}
