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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "祖業造船からの撤退と半導体装置への投資集中",
      "text": "1888年に別子銅山の機械工場として発足した住友別子鉱業所工作方を起点に、1934年の住友機械製作所独立、1969年の浦賀重工業合併で重工業メーカーへ転換し、1972年に追浜の50万トンドックで造船受注を取り込んだ。だが1985年プラザ合意後の造船不況で1987年と2002年に各1,000名の希望退職を経験、2008年以降はSHI Demag・Hansenら欧州M&Aを重ねて造船依存を下げ、2024年2月に55年続けた新造船事業撤退を発表、追浜ドックを建機生産拠点に振り向けた。半導体イオン注入装置を主軸へ据え替える方針を示した。\n\n渡部敏朗氏は2026年1月、下村真司前社長の後任として社長CEOへ就任した。CFO時代から新造船撤退を実務で統括した経験を持ち、就任直後の2026年2月10日決算説明会で新日本造機の酉島製作所への149億円事業譲渡と500名規模の希望退職を同時に発表した。希望退職に伴う一時費用25〜30億円は特別損失として計上する設計で、1987年・2002年に続く3度目の人員削減である。骨太事業を3つプラスアルファに絞り込む方針を示し、ギヤ・極低温冷凍機・半導体イオン注入装置を含むメカトロニクスを筆頭に位置付けた。\n\n半導体イオン注入装置への投資集中が、渡部CEO体制の投資判断の軸となる。1983年に米Eatonとの合弁で始めた事業は、2009年に114億円で完全子会社化して単独運営に切り替わり、40年かけて主軸候補へ位置を引き上げた。2026年2月には精密コンポーネント事業をアドバンストテクノロジーズSBUに再編し、イオン注入装置とレーザーアニール装置の連続プロセス装置を統合運用する体制へ組み替えた。EV向けパワー半導体の市場拡大は2028年以降と見込まれ、装置を統合運用しユーザーへの食い込みを深めることを、渡部CEOは次期の課題に置いた。\n\nもっとも、渡部CEO体制の構造リスクは、2027年度営業利益700億円・ROE6%以上という中計26の下方修正水準が市場期待を下回り、アナリストからは物足りないとの指摘が出ている点に表れる。2026年度目標800億円から100億円減額され、次期中計でROIC10%以上を掲げてもなお市場の評価を引き戻すには至っていない。Lafert・DEMAG・SHI FW等の欧州M&A群は2024年12月期に赤字へ転落し、買収から5〜16年経って構造改革費用の計上が続き、株主還元計画も800億円から700億円へ下方修正された。レアアース輸出規制はイオン注入装置・射出成形機・モーター関連で表面化し、骨太3事業への絞り込みと並ぶ外部リスクとして残っている。1888年に別子銅山の内製工場として出発した住友重機械工業が、138年目にして装置メーカーへ重心を移し切れるかが、現在の主題である。",
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          "title": "ダイヤモンド",
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        {
          "title": "日本経済新聞",
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  "summary": [
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      "label": "歴史的背景",
      "body": "1888年に別子銅山の機械工場として住友別子鉱業所工作方として出発、1934年に住友機械製作所として独立、1969年に造船会社を飲み込んで重工業メーカーへ。2024年2月に55年続けた新造船事業からの撤退を発表し、半導体装置メーカーへ収益構造を転換する方針を示した"
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    {
      "label": "経営課題",
      "body": "2025年12月、下村真司前社長が退任し、渡部敏朗CFOが社長CEOへ就任。就任直後の2026年2月10日決算説明会で新日本造機の酉島製作所への149億円事業譲渡と500名規模の希望退職を同時に発表した。2027年度以降の営業利益目標は700億円以上、ROE6%以上で、中計26当初の800億円目標から下方修正された水準"
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      "label": "経営方針",
      "body": "渡部CEOは「足元の収益性をしっかりと回復させる」「構造改革をやり切る」を掲げ、ポートフォリオ改革の具体化を最優先に置いた。骨太事業を3つプラスアルファに絞り込み、メカトロニクスセグメントを筆頭に位置付けた。次期中計ではROIC10%以上を目指す方針も示した"
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      "label": "主な投資",
      "body": "1983年Eaton合弁開始の半導体イオン注入装置を主軸事業へ昇格。2026年2月に精密コンポーネント事業をアドバンストテクノロジーズSBUに再編し、イオン注入装置とレーザーアニール装置の統合運用体制を整備。EVパワー半導体の2028年以降の本格立ち上がりに向けた装置統合を整えた"
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