{
  "title": "ユニオンツールの歴史概略",
  "sections": [
    {
      "start_year": 1960,
      "end_year": 1995,
      "main_title": "東京の町工場でのPCBドリル開発と長岡集約による事業の確立",
      "subsections": [
        {
          "title": "1960年「ユニオン化学研究所」と片山一郎氏による試作研究",
          "text": "1960年12月、東京都大田区において前代表取締役会長の片山一郎氏が「株式会社ユニオン化学研究所」を設立し、ドリル・エンドミル・ロータリーバーなど工業用超硬精密工具の試作研究を開始した。創業者の片山一郎氏は大手工具メーカーからの依頼を受け、東京の小さな町工場で自ら設計・製造に取り組み、プリント配線板用の超硬ドリル（PCBドリル）の開発を進めた。設立直後の同社は研究開発主体の小規模事業者で、量産工場ではなく試作品の精度を追究する町工場として出発した。1990年代に入社した4代目の渡邉裕二社長によれば、片山一郎氏は社長就任後も社長室に設計机を置いて現場感覚を保ち続けたという。創業者が経営者ではなく技術者として現場に身を置く流儀は、長く同社の文化として継承された。\n\n1970年3月、同社は本社工場を新設してPCBドリル（プリント配線板用超硬ドリル）の生産を開始した。1960年の試作研究から10年を経て、量産体制が立ち上がった節目にあたる。1970年代は日本の電子機器産業が量産化を本格化させた時期で、テレビ・ラジオ・電卓・電子計算機などの基板生産が立ち上がり、基板へ穴をあけるためのPCBドリルの需要が拡大していた局面である。1971年4月には工作機械製造部門を設けて「ドリルポインター」（刃先研磨機）の生産を開始し、ドリルの製造装置を内製する体制を整えた。同年5月、商号を「株式会社ユニオン化学研究所」から「ユニオンツール株式会社」へ変更し、PCBドリルの本格生産を始めた。社名変更は研究主体の試作組織から工具メーカーへの転換を制度として確認した節目である。",
          "references": []
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        {
          "title": "1976年長岡進出と1979年本格移転、生産拠点の新潟県集約",
          "text": "1976年12月、ユニオンツールは新潟県長岡市妙見町に工場を設置し、「ローラーガイド」（直線運動軸受の構成部品）の専用工場とした。長岡進出のきっかけは、創業者の片山一郎氏が知人からの誘いで長岡での仕事を始めたことに遡る。長岡市は江戸期から鋳造・板金・工作機械の集積地として知られ、東京と大阪の中間に位置する立地条件、雪国の人材気質、地域内での部品調達網の存在といった条件が、内製主体の精密工具メーカーにとって有利に働く土地柄であった。1979年7月には新潟県長岡市摂田屋町に長岡工場を新設移転し、東京の本社工場機能の一部を新潟へ移した。\n\n長岡集約は単発の工場移転にとどまらず、その後20年にわたる拠点整備を新潟県内で連鎖させた。1985年1月には長岡市長岡南部工業団地内に長岡工場第二工場を新設、1988年12月には熱処理棟、1991年4月には第三工場、1997年11月には第四工場、2001年8月には第五工場と、PCBドリル需要の拡大に応じて新潟県内で生産能力を増強した。創業者の片山一郎氏は長岡工場を訪問するたびに技術者を集めて直接指示を出す姿勢を貫き、現場での直接対話を通じた改良の積み重ねが60年にわたる成長を支える基盤となった。設備の内製と量産技術の蓄積が長岡で進み、PCBドリル製造に必要な精密加工技術と熱処理・コーティング技術が同地に集約された。",
          "references": []
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        {
          "title": "1981年米国合弁から1995年100%子会社化までの海外展開と1989年店頭登録",
          "text": "1981年3月、ユニオンツールは米国カリフォルニア州に合弁会社「MEGATOOL INC.」（現「U.S. UNION TOOL, INC.」）を設立し、PCBドリルの現地生産を開始した。1985年3月には台湾に子会社「台湾佑能工具股份有限公司」を設立、PCBドリルの現地生産を開始した。1989年6月には日本証券業協会の店頭登録銘柄として登録され、資本市場での認知も得た。同年6月、ヨーロッパにおける販売会社の資本関係再編成に伴い、スイス子会社「UNION TOOL EUROPE S.A.」を設立し、欧州拠点も整えた。\n\n1990年代前半、世界のプリント基板産業はパソコン・移動体通信機器の需要拡大で量産規模が急成長した。1994年10月、ユニオンツールはMEGATOOL INC.の株式を取得して子会社化、1995年4月にはMEGATOOL INC.とUNION TOOL EUROPE S.A.の株式を取得して100%子会社化、同年12月には中国に子会社「佑能工具（上海）有限公司」を設立した。1981年の合弁形態で始まった海外展開は10年余で完全子会社による直接展開体制へ移行し、米国・台湾・スイス・中国の4極での生産・販売体制が整った。海外拠点は当初PCBドリルの現地生産を担ったが、1990年代後半以降は国内（長岡）に生産機能を集約し、海外拠点は販売・サービス中心へ移行する流れが定着した。",
          "references": []
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  "summary": {
    "title": "サマリー",
    "text": "### 創業\n\n1960年12月、電子機器の量産が始まろうとする時代に、片山一郎が東京都大田区で「ユニオン化学研究所」を設立した。大手工具メーカーの依頼を受け、自ら設計から製造まで手がけて、プリント配線板に穴をあける超硬ドリル（PCBドリル）を開発したのが原点である。創業者が経営者になっても社長室に設計机を置いて現場に身を置く技術者経営が、ここで同社の流儀として根を張った。\n\n### 決断\n\n決定的だったのは、生産を新潟県長岡に集約し、ドリルを削る研磨機など生産設備そのものを自社で開発・内製する道を選んだことである。1970年代から長岡で工場群を重ね、片山一郎は訪れるたび技術者を集めて改良を指示し、内製率を100%近くまで高めた。工具の形は競合に見えても、それを生む設備と加工技術は外から真似できない。この見えにくい優位がPCBドリルの世界トップシェアを支えた。",
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        "label": "創業",
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            "label": "発明・特許・学術シーズ起点",
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              "label": "ニッチ・大手の手薄を突く",
              "group": "起点の事業モデル"
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      {
        "label": "決断",
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            "label": "垂直統合",
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              "label": "技術・ブランドによる差別化／横展開",
              "group": "成長の手段"
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  "quotes": [
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      "text": "「もともと当社は、歯科材料の分野から出発したのですが、歯科用タングステン・カーバイト・バー、いわゆる歯科医の使うデンタル・バーですね。このドリルの生産を主な仕事にしていました。デンタルバーの生産では、国内のトップメーカーでした。といっても、元来需要の多いものではなくて、作っていたのがうちぐらいだったという方が正しいんですね。 デンタル・バーのアメリカでの需要は月100万本、これに対して日本のそれはたった3万本。アメリカでは1人の患者に1本使って捨てるところを、日本では1本を1〜2ヶ月使うのです。それで需要が少ない。」",
      "speaker": "片山一郎（ユニオンツール・創業者）",
      "source": "近代中小企業 19(4)(245) 1984/03",
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      "url": "https://dl.ndl.go.jp/pid/2653790/1/48"
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    {
      "text": "「当社は長年にわたり、30%近くもの非常に高い売上高経常利益率を保ってきたが、その理由の一つは、製品の加工に、全て自社開発の専用加工機械を使っていることだ。これらの加工機械は、その製品を作るのに最適の機構で、最高の品質の製品を、最高の効率でという思想のもとに設計されている。また、これらの当社独自の技術は製品の品質にも大きく反映させ、例えば、PCBドリルのフルート（溝切り研磨盤）は業界他メーカーに先駆けること10年も前に全自動化され、その安定した品質は全世界で評価が高い。 こうして一生懸命やってきた結果、当社の製品は国内市場で40数%、全世界市場で25%のシェアを占めるに至っている。しかし、当社は他社のシェアを食っていこうという姿勢を一切とっていない。」",
      "speaker": "片山一郎氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "証券アナリストジャーナル 28(3) 1990/03",
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      "url": "https://dl.ndl.go.jp/pid/2730827/1/43"
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    {
      "text": "「今後はこうした資金を設備投資と研究開発投資に充ていく考えであり、当面、長岡に総額13億円を投じて第3工場（床面積8,000m2）を建設する。雪解けを待って着工し、年末に完成の予定で、これによりPCBドリルの生産能力を20%アップする計画だ。株式公開による利点は、このように良質の資金を得られるようになったのと、社会的信用が高まったことで、非常にありがたく思っている。」",
      "speaker": "片山一郎氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "証券アナリストジャーナル 28(3) 1990/03",
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      "url": "https://dl.ndl.go.jp/pid/2730827/1/43"
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    {
      "text": "「父の友人が新潟県にいまして、長岡市の隣の小千谷市で船の舵などを製造する造船関係の会社の社長をしていました。転機になったのは、その会社の経営が悪化し、父が引き取ったことです。そんな縁もあって小千谷市に近い長岡市妙見町に工場をつくり、その後、現在の場所（長岡市南陽）に移りました。（略） ユニオンツールがここまで飛躍的に大きく育ったのは長岡のおかげです。雪国の感性なのか、長岡工場に勤務する人たちは忍耐強く真面目に仕事をしてくれますし、ロボットを導入するなどといった新しいアイデアも積極的に出してくれます。会社の生産体制を支えてくれている人たちを大切にしたいですし、地域の方々にも工場を作った当初から大変お世話になっているので、何か恩返しをしたいといつも思っていました」",
      "speaker": "片山貴雄氏（ユニオンツール・創業家）",
      "source": "な！ナガオカ 2025/02",
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      "url": "https://na-nagaoka.jp/archives/20887"
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    {
      "text": "「創業者の片山一郎は、大手工具メーカーの依頼を受けて、東京の小さな町工場で自ら設計・製造に取り組み、PCBドリルの開発に成功しました。私が入社した1990年代も、片山は社長室に設計机を置き、現場感覚を大切にしていました」",
      "speaker": "渡邉裕二氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "岡三にいがた証券広報誌ON 2025/7/9",
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      "text": "「創業者の片山が知人から声をかけられて、長岡での仕事を始めたのがきっかけだったと聞いています」",
      "speaker": "渡邉裕二氏（ユニオンツール社長）",
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    {
      "text": "「その姿勢こそが60年にわたる改良と成長を支えてきた要因」",
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    {
      "text": "UDCシリーズが超硬合金など高硬度材の切削加工を可能にする技術として業界内で評価",
      "speaker": "同社",
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    {
      "text": "「少しでも女性が活躍できる環境づくりの応援が出来れば良い」",
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      "text": "「エンドミルの世界市場は、PCBドリルよりも圧倒的に大きな市場です。その市場に対してPCBドリルの成長スピードよりも速いスピードで売上を伸ばしていく計画です」",
      "speaker": "渡邉裕二氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "岡三にいがた証券広報誌ON 2025/7/9",
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    {
      "text": "「実は工具の差別化は厳しく、当社の競合メーカーは中国にありますが、工具の形状は見て分かりますから簡単に真似できます。差別化できるとしたら生産設備と生産技術力で、同じように見えても全く違う製品を作らなければなりません」",
      "speaker": "渡邉裕二氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "岡三にいがた証券広報誌ON 2025/7/9",
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    {
      "text": "社長就任後の15年間「優秀な技術者を増やすこと」に注力",
      "speaker": "片山貴雄氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "テレビ東京 E morning 2010/10/29",
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    {
      "text": "片山貴雄氏 経歴（1953年生まれ、1976年東京理科大学工学部卒業、1979年入社）",
      "speaker": "同社",
      "source": "東京フィルハーモニー交響楽団プログラム冊子 2022/9",
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    {
      "text": "大平博氏 経歴（1980年新潟大学工学部卒業、1989年入社）",
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      "source": "日本経済新聞 2014/1/14",
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    {
      "text": "FY22連結事業構成（PCBドリル約7割、エンドミル約2割）",
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      "source": "月刊生産財マーケティング 2025/4",
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    {
      "text": "渡邉裕二氏 経歴（1968年新潟県長岡市生まれ、長岡技術科学大学大学院修士課程修了、1992年入社）",
      "speaker": "同社",
      "source": "月刊生産財マーケティング 2025/4",
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      "text": "「メーカーにとり最も重要なのは生産技術力。設備を含めた生産技術力で競合他社と差別化するために、内製のメリットは大きい」",
      "speaker": "渡邉裕二氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "月刊生産財マーケティング 2025/4",
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      "text": "「わが社は作るのは上手だが、売るのが下手。どこかで『良い物を作れば売れる』との意識が強い。だからこそ企画が大切で、新製品にはアピールできる『売り』がなければならない、コモディティ化が進む工具では特に」",
      "speaker": "渡邉裕二氏（ユニオンツール社長）",
      "source": "月刊生産財マーケティング 2025/4",
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  "reference_sources": [
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      "name": "近代中小企業 19(4)(245)",
      "date": "1984/03",
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    {
      "name": "証券アナリストジャーナル 28(3)",
      "date": "1990/03",
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      "name": "な！ナガオカ",
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    {
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      "name": "日本経済新聞",
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