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      "title": "子会社の品質データ改ざんの発覚と公表——「改ざんドミノ」の一角",
      "subtitle": "神戸製鋼に続く素材不正の連鎖のなか、竹内章社長は傍流子会社の改ざんをどう扱ったか",
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      "issue": "グループ子会社の品質保証と内部統制",
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      "highlights": [
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          "label": "概要",
          "text": "2017年11月から12月にかけて、三菱マテリアルは子会社の三菱電線工業・三菱伸銅・三菱アルミニウムなどで、顧客と取り決めた規格値に合致するよう製品の検査データを改ざんし出荷していた事実を相次いで公表した。神戸製鋼所を発端に日本の製造業へ広がった「改ざんドミノ」の一角をなす不祥事であり、東レ子会社の改ざんもほぼ同時期に発覚した。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "三菱金属と三菱鉱業セメントの合併以来、三菱マテリアルは精錬・セメント・加工を軸に事業を広げ、連結子会社は国内外に約120社を数えるまでに膨らんでいた。傍流の子会社まで本社の目が届きにくい構造のうえに、規格を満たさない製品を顧客の了解なく出荷する「特採」まがいの慣行が積み重なっていた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "三菱電線では2015年4月からの約2年半で、顧客229社向けにシール材約2.7億個（約68億円分）の改ざんがあり、しかも把握後も約8カ月にわたり不正の疑いのある製品を出荷し続けていた。竹内章社長は当初「詳細は報告書が出た後」と繰り返す受け身の対応に終始した。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "2018年の最終報告書で不正は本体や複数子会社に及ぶことが判明し、竹内社長は同年6月に引責辞任した。その後の指名委員会等設置会社への移行と事業ポートフォリオの絞り込みは、この品質不正を直接の契機としている。傍流に膨らんだグループを管理しきれなかった構造の帰結であった。"
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          "name": "三菱マテリアル",
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            "note": "精錬・セメント・加工を軸とする総合素材メーカー。連結子会社は国内外に約120社を数え、複数の子会社で品質データ改ざんが発覚した"
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      "dates": {
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        "summary": "神戸製鋼所を発端に素材業界へ広がった品質データ改ざんの連鎖と、顧客・社会からの信頼の問い直しを受け、傍流子会社の不正の公表と経営責任の明確化・ガバナンス改革へと追い込まれた不祥事対応"
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          "title": "三菱金属と三菱鉱業セメントが合併し三菱マテリアルが発足"
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          "title": "三菱電線工業を完全子会社化"
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          "title": "神戸製鋼所が品質データ改ざんを公表、素材業界に「改ざんドミノ」が広がる"
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          "title": "三菱電線・三菱伸銅などの品質データ改ざんを公表、竹内章社長が会見",
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          "title": "品質問題の経営責任を明確にするため竹内社長が引責辞任、小野直樹副社長が後任に"
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          "title": "中期経営戦略で事業ポートフォリオの絞り込みへ"
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        "source": "三菱マテリアル 有価証券報告書 第92期（2018年3月期・連結）",
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          "label": "背景",
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              "sub_title": "約120社に膨らんだグループと傍流の死角",
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                {
                  "text": "三菱マテリアルは1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合併して発足し、精錬・セメント・加工を三本柱とする総合素材メーカーとして事業を広げてきた。合併前の両社が持ち寄った事業群のうえに新規投資を積み重ねた結果、連結子会社は国内外に約120社を数え、連結売上高は1.5兆円に迫っていた。規模は市況変動への耐性を高める一方で、傍流の子会社まで本社の目が行き届きにくい構造をつくり出していた。",
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                      "fact": "三菱マテリアルの連結子会社は国内外に約120社あり、連結売上高は1.5兆円に迫っていた",
                      "原文": "三菱マテリアルの連結子会社は国内外に約１２０社もある。三菱電線は１０年に子会社となり、その売上高は約３００億円と、連結売上高が１．５兆円に迫るグループの中では小粒だ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
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                {
                  "text": "改ざんの舞台となった子会社は、いずれもグループの中では小さな存在であった。三菱電線工業は2010年に完全子会社となった航空機・自動車・電力機器向けシール材のメーカーで、売上高は約300億円にとどまる。経営学者からは、規模を追って足し算で膨らんだ日本企業では、傍流の子会社に目が届かず、負け組の事業を温存してきた判断に問題があったのではないか、との指摘も出ていた。事業分散のひずみが品質管理の現場に沈殿していた。",
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                      "fact": "三品和広・神戸大学大学院教授は、規模を追って大きくなった日本企業では傍流の子会社に目が届かず、負け組事業の温存に問題があったと指摘した",
                      "原文": "企業経営に詳しい三品和広・神戸大学大学院教授は「負け組の事業を温存してきた判断に間違いがあったのではないか」と話す。（中略）「日本企業は規模を追うために足し算によって大きくなった。しかし張りぼての大企業では、傍流の子会社には目が届いていないのが現状だろう」",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
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            {
              "sub_title": "神戸製鋼に始まる「改ざんドミノ」",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2017年秋、素材業界では品質データ改ざんの発覚が連鎖していた。10月にアルミ・銅製品の性能データを改ざんしていた神戸製鋼所の問題が明るみに出ると、その波は非鉄・化学へと広がり、三菱マテリアルと、経団連会長の出身企業である東レでも改ざんが判明した。規格に満たなくとも安全上は問題ないとして出荷する「特採」の慣行と、激しさを増す受注競争が、素材各社の品質データに対する感度を鈍らせていたとみられる。",
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                    {
                      "fact": "神戸製鋼所に続いて三菱マテリアルと東レでも品質データ改ざんが発覚し、素材業界に「改ざんドミノ」が広がった",
                      "原文": "日本の製造業で「改ざんドミノ」が止まらない。神戸製鋼所に続き、三菱マテリアル、経団連会長の出身企業である東レでも品質データの改ざんが行われていたことが発覚した。",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
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              "sub_title": "相次ぐ子会社不正の公表",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2017年11月から12月にかけて、三菱マテリアルは複数の子会社で品質データの改ざんがあった事実を相次いで公表した。三菱電線工業は航空機・自動車・電力機器向けのシール材で、三菱伸銅は車載部品や電子機器向けの銅製品で、三菱アルミニウムでも改ざんが行われていた。とりわけ三菱電線では、2015年4月からの約2年半に顧客229社へ出荷したシール材約2.7億個（約68億円分）に不適合の可能性があり、取引先の多さと数量の大きさが際立っていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "三菱電線・三菱伸銅・三菱アルミニウムで改ざんがあり、三菱電線は2015年4月からの約2年半で顧客229社・シール材約2.7億個（約68億円）に不適合の可能性",
                      "原文": "三菱電線工業は航空機、自動車、電力機器向けシール材で、三菱伸銅は車載部品や電子機器向け銅製品で改ざんが行われた。三菱アルミニウムでも改ざんがあった。特に目立つのは、三菱電線の取引先と数量の多さだ。１５年４月から２年半の間に出荷されたもので、顧客数２２９社、不適合の可能性があるシール材は約２．７億個（約６８億円）に及ぶ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
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                {
                  "text": "深刻さを増したのは、改ざんを把握したのちも約8カ月にわたって不正の疑いのある製品を出荷し続けていた点である。神戸製鋼に端を発した業界的な精査のなかで、三菱マテリアルは公表へと踏み切らざるをえなかったが、把握から公表までの遅れは、法令順守を後回しにした対応の鈍さとして受け止められた。傍流の一子会社の問題にとどまらず、グループの内部統制そのものへの疑念を呼び込む結果となった。",
                  "evidences": [
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                      "fact": "三菱電線は改ざんを把握した後も約8カ月にわたり不正の疑いのある製品を出荷し続けていた",
                      "原文": "しかも、改ざんを把握した後も約８カ月間にわたって不正の疑いがある製品を出荷し続けていた。対応の遅さ、法令順守の欠如があったことは否めない。",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
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              "sub_title": "「詳細は報告書が出た後」——受け身の会見",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2017年11月24日の会見で、竹内章社長は「現在、弁護士を入れて調査中。詳細はその報告を待ってお話ししたい」と繰り返した。渦中の全容を自ら語るよりも、調査結果を待つことに終始した会見であった。同時期に発覚した東レも、当初は外部に公表するつもりはなかったところ、週刊誌報道を前に自主公表へ切り替えたとされ、素材各社の対応にはいずれも受け身の色が濃かった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "竹内章社長は2017年11月24日の会見で「詳細は報告書が出た後」と繰り返す受け身の姿勢に終始した",
                      "原文": "「現在、弁護士を入れて調査中。詳細はその報告を待ってお話ししたい」。１１月２４日に開いた会見で、三菱マテリアルの竹内章社長は繰り返し語った。",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
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                {
                  "text": "背景には、規格値との差がわずかで安全上の異常ではない、という現場の勝手な解釈があった。本来「特採」は顧客の承認を得るのが大前提でありながら、その手続きの繁雑さから逃れるためにデータそのものが書き換えられていた。消耗品であれば不具合が生じても交換すれば済む、という業界の緩みも、改ざんを長く見過ごす土壌となっていたとみられる。品質という信頼の根幹が、受注競争と現場の裁量のあいだで痩せ細っていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "規格値との差がわずかなら異常ではないという現場の勝手な解釈のもと、顧客の承認を得るべき「特採」の手続きを避けてデータが書き換えられていた",
                      "原文": "「規格値との差異がわずかで品質上の異常レベルではない、という勝手な解釈が行われていた。特採はお客さんから承認を得る必要があるため、そうした作業の繁雑さから逃れたいとの思いもあったようだ」。",
                      "source": "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
                      "url": null
                    }
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        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
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              "sub_title": "本体への波及と社長引責辞任",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "弁護士による調査が進むにつれ、不正は当初公表された子会社の枠を越えて広がった。2018年の最終報告書では、改ざんは三菱電線工業・三菱伸銅・三菱アルミニウム・立花金属工業といった子会社に加え、三菱マテリアル本体でも確認された。傍流の子会社に限った問題ではなく、グループ全体に品質軽視の悪弊が根を張っていたことが明らかになり、企業統治の欠陥として厳しく問われることとなった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2018年の調査で品質不正は三菱電線工業・三菱伸銅・三菱アルミニウム・立花金属などの子会社に加え三菱マテリアル本体でも確認され、グループ全体の問題と位置づけられた",
                      "原文": "三菱マテリアル、本体で不正が発覚し追い込まれる形で竹内社長が引責辞任、小野氏が後任となった。品質不正が判明したのは三菱電線工業、三菱伸銅、三菱アルミニウム、立花金属の各社に及んだ。",
                      "source": "日本経済新聞（2018年6月12日）「三菱マテ、統治不全あらわ 竹内社長が引責辞任、小野氏後任 本体で不正、追い込まれ」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGKKZO31635020R10C18A6TJ1000/"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "2018年6月、竹内章社長は一連の品質問題の経営責任をより明確にするためとして引責辞任し、代表権を持たない取締役会長に退いた。後任には小野直樹副社長が昇格した。素材業界の「改ざんドミノ」のなかで、トップ交代によって経営責任を示さざるをえないところまで、三菱マテリアルは追い込まれていた。公表から半年余りで、問題は一子会社の不祥事から経営体制の刷新へと発展した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2018年6月、竹内章社長は品質問題の経営責任を明確にするため引責辞任し代表権のない取締役会長へ退き、小野直樹副社長が後任社長に昇格した",
                      "原文": "一連の品質問題の経営責任をより明確にするため、竹内章社長が引責辞任し、代表権を持たない取締役会長となる。後任社長には小野直樹副社長が昇格する。",
                      "source": "三菱マテリアル、品質データ改ざん問題で竹内社長が引責辞任（Response、2018年6月12日）",
                      "url": "https://response.jp/article/2018/06/12/310739.html"
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              "sub_title": "ガバナンス改革と事業絞り込みへの転換",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "品質不正は、経営の立て直しを一連の制度改革へと押し進めた。2019年6月、三菱マテリアルは指名委員会等設置会社へ移行し、社外取締役を中心に経営の監督機能を強化する体制へ転換した。約120社から後年には約200社規模まで膨らんだグループを経営陣が管理統制しきれなかった、という反省が、内部統制の立て直しに多大な経営資源を割く出発点となった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2019年6月に指名委員会等設置会社へ移行し、2017年の品質不正を踏まえ社外取締役中心の監督機能を強化する体制へ転換した",
                      "原文": "ガバナンス改革の一環として指名委員会等設置会社へ移行した。2017年の品質不正公表を踏まえ、社外取締役を中心に経営の監督機能を強化する体制へ転換した。",
                      "source": "三菱マテリアル 有価証券報告書 第94期（2020年3月期）【沿革】",
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                    }
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                },
                {
                  "text": "不正はさらに、事業構成そのものの見直しを不可避の経営課題へ押し上げた。約200社に膨張したグループを俯瞰しきれなかったという認識のもとで、総合素材メーカーという自己定義を維持したままの改革では根本解決に至らないという声が社内で強まった。2020年3月期に策定された中期経営戦略は、焼結部品・銅管・セメント・アルミといった事業を縮小対象とし、超硬工具への集中を打ち出す事業ポートフォリオの入れ替えへとつながった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2017年の品質不正を契機に、グループ約200社を管理統制できなかった反省から事業の選択と集中へ転換し、2020年3月期の中期経営戦略で不採算事業の縮小と注力事業への集中投資が打ち出された",
                      "原文": "三菱マテリアルの事業ポートフォリオ見直しは、2017年の品質不正が契機となった。グループ約200社に膨張した事業を経営陣が管理統制できなかったという反省から、不採算事業の売却と注力事業への集中投資が打ち出された。",
                      "source": "三菱マテリアル 有価証券報告書 第92期（2018年3月期）【沿革】",
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                    }
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              "sub_title": "傍流に沈んだ改ざんが問うたもの",
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                  "text": "この不祥事の中心にあるのは、規模を追って足し算で広げたグループの、末端に沈んだ品質の緩みであった。連結売上高1.5兆円に迫る本体からみれば、売上高300億円の子会社は小さな存在にすぎない。しかし、顧客が対価を払っていたのは日本企業の信頼性そのものであり、その根が傍流で腐っていたことが露呈したとき、規模の大きさはむしろ管理の届かなさの裏返しとして立ち現れた。改ざんを把握してなお8カ月出荷を続けた鈍さは、傍流を傍流として扱ってきた経営の距離感を映していたとみることができる。"
                },
                {
                  "text": "もっとも、危機がその後の絞り込みを促した点には、皮肉な構図もうかがえる。品質不正がなければ、肥大化したポートフォリオの見直しはこれほど早くは動かなかったかもしれない。トップ交代とガバナンス改革を経て、三菱マテリアルは総合素材という自己定義そのものを問い直す方向へ動いた。不祥事が改革の引き金になるという逆説は、傍流をどこまで自らの一部として引き受けるかという、多角化した企業に共通の問いを残しているといえる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2017年12月9日号「ニュース深掘り 製造業は大丈夫か 三菱マテや東レも発覚 「改ざんドミノ」の危機」",
        "日本経済新聞（2018年6月12日）「三菱マテ、統治不全あらわ 竹内社長が引責辞任、小野氏後任 本体で不正、追い込まれ」",
        "三菱マテリアル、品質データ改ざん問題で竹内社長が引責辞任（Response、2018年6月12日）",
        "三菱マテリアル 有価証券報告書 第92期（2018年3月期）【沿革】",
        "三菱マテリアル 有価証券報告書 第94期（2020年3月期）【沿革】"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-16"
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      "slug": "portfolio-optimization-2020",
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      "title": "中期経営戦略の策定と事業ポートフォリオの入れ替え",
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          "role": "三菱マテリアル 執行役社長",
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          "label": "概要",
          "text": "2020年3月、三菱マテリアルが小野直樹執行役社長のもとで2020〜2022年度の中期経営戦略を策定し、「事業ポートフォリオの最適化」を全社方針の柱に据えて、注力事業への集中と不採算事業の売却・撤退による事業構成の入れ替えに踏み切った経営判断。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "2017年に子会社の品質データ改ざんが相次いで発覚し、合併や多角化で膨らんだグループを本社が統制しきれていない実態が露呈した。総合素材メーカーとして広げた事業の収益性のばらつきも資本効率を押し下げ、2020年3月期は最終赤字に転落していた。"
        },
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          "label": "内容",
          "text": "銅加工・超硬（加工）を注力事業、焼結部品とアルミを縮小・撤退事業と位置づけ、セメントは宇部興産との統合を進めた。超硬では三菱日立ツールを完全子会社化してMOLDINOへ、焼結部品では子会社ダイヤメットを投資ファンドへ譲渡し、2022年度にROIC6％を掲げた。"
        },
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          "label": "含意",
          "text": "「規模の拡大」を旗印に広げてきた事業構成を、収益性と資本効率、そして管理可能性の物差しで選別し直す転換であった。品質不正という危機が、肥大化した事業群の絞り込みを促した点に特徴がある。"
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          "title": "小野直樹氏が執行役社長に就任"
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                  "text": "三菱マテリアルは、1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントの合併で発足して以降、非鉄金属・セメント・加工を三本柱に、買収と多角化を重ねて総合素材メーカーへと事業を広げてきた。その拡大の帰結として、2017年11月に連結子会社の三菱電線工業と三菱伸銅で製品検査データの改ざんが発覚し、翌年以降もアルミやダイヤメットなど複数の子会社へ不正が広がった。三菱電線工業だけでも不適合品を出荷した可能性のある納入先は229社に及び、拡大の過程で膨らんだグループを本社が末端まで管理しきれていない実態が露わになった。",
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                      "fact": "2017年11月に三菱電線工業・三菱伸銅で検査データ改ざんが発覚。三菱電線工業では不適合品を出荷した可能性のある納入先が航空・宇宙や自動車など229社に及んだ",
                      "原文": "三菱電線工業だけでも不適合品を出荷した可能性のある納入先は229社に及び、拡大の過程で膨らんだグループを本社が末端まで管理しきれていない実態が露わになった。",
                      "source": "レスポンス（Response.jp）2017年11月24日「三菱マテリアル、子会社で品質データの改ざんが発覚…自動車向けも」",
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                  "text": "品質不正は一度の発表では収まらず、社内調査のたびに新たな改ざんが見つかり、企業統治のあり方そのものが問われる事態へと発展した。三菱マテリアルは合併や事業拡大を通じて多数の連結子会社を抱えるに至り、肥大化した事業ポートフォリオのなかで、経営の目が行き届かない領域に不正が潜んでいたことになる。ここから、事業を絞り込み、管理できる範囲へと構成を組み替えることが、収益性と並ぶ経営上の重い課題として意識されていった。",
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                      "原文": "三菱マテリアルは合併や事業拡大を通じて多数の連結子会社を抱えるに至り、肥大化した事業ポートフォリオのなかで、経営の目が行き届かない領域に不正が潜んでいたことになる。",
                      "source": "日本経済新聞 2018年5月10日「三菱マテ、改ざんまた発覚 統治問われる」",
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                }
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              "sub_title": "総合素材メーカーの収益性と資本効率",
              "paragraphs": [
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                  "text": "事業構成の見直しを迫ったのは、統治の問題だけではなかった。総合素材メーカーとして広げた事業は、資源市況に業績が左右される製錬事業から、加工・電子材料のような成長分野まで性格が大きく異なり、事業ごとの収益性のばらつきが資本効率を押し下げていた。2020年3月期には、アルミ子会社の減損損失や自動車部品子会社の事業撤退をにらんだ損失引当金の計上に加え、期末にかけての資源安と新型コロナウイルスの影響が重なり、親会社株主に帰属する当期純損益は前期の12億円の黒字から728億円の赤字へ転落した。",
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                      "source": "日本経済新聞 2020年5月27日「三菱マテリアル、最終赤字829億円 1～3月過去最大、減損響く」",
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          ]
        },
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          "section": "origin",
          "label": "決断",
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              "sub_title": "中期経営戦略と「事業ポートフォリオの最適化」",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2020年3月25日、三菱マテリアルは2020〜2022年度の三カ年を対象とする中期経営戦略を策定・公表し、二日後の3月27日に小野直樹執行役社長みずからが説明会で概要を説明した。新戦略は「事業ポートフォリオの最適化」「事業競争力の徹底追求」「新製品・新事業の創出」を全社方針の三本柱に掲げ、最終年度である2022年度に投下資本利益率（ROIC）6％を達成する目標を置いた。資源市況への依存から脱し、資本効率で測って選別された事業構成へ移すことに、戦略の主眼が置かれた。",
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                    {
                      "fact": "2020年3月に中期経営戦略（20-22年度）を策定。三本柱は事業ポートフォリオの最適化・事業競争力の徹底追求・新製品新事業の創出で、2022年度にROIC6％を目標とした",
                      "原文": "新戦略は「事業ポートフォリオの最適化」「事業競争力の徹底追求」「新製品・新事業の創出」を全社方針の三本柱に掲げ、最終年度である2022年度に投下資本利益率（ROIC）6％を達成する目標を置いた。",
                      "source": "三菱マテリアル 中期経営戦略（2020-2022年度）説明会資料 2020年3月27日",
                      "url": "https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/ir/pdf/setsumei2020-05.pdf"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "要となる事業ポートフォリオの最適化では、全事業を収益性と成長性で格付けし、注力・安定・改善・撤退へと振り分けた。銅加工事業と超硬（加工）事業を成長へ投資する注力事業と位置づける一方、焼結部品事業とアルミ事業を縮小・撤退の対象とし、セメント事業は宇部興産との統合を軸に安定事業として効率化を図る方針を示した。総合素材メーカーとして横並びに抱えてきた事業を、明確な優先順位のもとで入れ替えていく構図であった。",
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                      "fact": "事業を格付けし、注力＝銅加工・超硬、縮小撤退＝焼結部品・アルミ、安定＝セメント（宇部興産と統合）と振り分けた",
                      "原文": "銅加工事業と超硬（加工）事業を成長へ投資する注力事業と位置づける一方、焼結部品事業とアルミ事業を縮小・撤退の対象とし、セメント事業は宇部興産との統合を軸に安定事業として効率化を図る方針を示した。",
                      "source": "三菱マテリアル 中期経営戦略（2020-2022年度）説明会資料 2020年3月27日",
                      "url": "https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/ir/pdf/setsumei2020-05.pdf"
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "入れ替えの具体像——超硬の強化と焼結部品の撤退",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "方針は、戦略の公表と前後して具体的な資本移動として動き出した。注力事業の一つである超硬工具では、2020年4月1日に、出資比率51％で連結子会社としていた三菱日立ツールの残る49％株式を日立金属から取得して完全子会社化し、同社の主力製品ブランドにちなんで社名を「MOLDINO」へ改めた。取得価額は開示されていないが、金型加工向け切削工具で高いブランド力を持つ同社を完全に取り込むことで、加工事業の中核を固める狙いであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2020年4月1日、三菱日立ツールの残り49％株式を日立金属から取得して完全子会社化（取得価額は非開示）、社名をMOLDINOへ変更した",
                      "原文": "注力事業の一つである超硬工具では、2020年4月1日に、出資比率51％で連結子会社としていた三菱日立ツールの残る49％株式を日立金属から取得して完全子会社化し、同社の主力製品ブランドにちなんで社名を「MOLDINO」へ改めた。",
                      "source": "三菱マテリアル ニュースリリース 2020年2月26日「三菱日立ツール株式会社の株式追加取得（完全子会社化）に関するお知らせ」",
                      "url": "https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2020/pdf/20-0226.pdf"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "反対に、撤退対象とされた焼結部品事業では売却へ動いた。2020年9月29日、三菱マテリアルは焼結機械部品や含油軸受を手がける完全子会社ダイヤメットの全株式を投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドへ譲渡することで基本合意し、あわせて事業再編に伴う特別損失の計上を公表した。ダイヤメットは業績の悪化に対して資金支援を続けてきたものの収益改善の見通しが立たず、注力事業ではない同事業からは第三者への譲渡という形で退く判断が下された。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2020年9月29日、焼結部品子会社ダイヤメットの全株式を投資ファンド・エンデバー・ユナイテッドへ譲渡することで基本合意し、事業再編に伴う特別損失の計上を公表した",
                      "原文": "2020年9月29日、三菱マテリアルは焼結機械部品や含油軸受を手がける完全子会社ダイヤメットの全株式を投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドへ譲渡することで基本合意し、あわせて事業再編に伴う特別損失の計上を公表した。",
                      "source": "三菱マテリアル ニュースリリース 2020年9月29日「株式会社ダイヤメットの株式の譲渡に関する基本合意書の締結及び特別損失の計上について」",
                      "url": "https://ir.mmc.co.jp/ja/ir/news/news20200929102831.html"
                    }
                  ]
                }
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            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "ポートフォリオ入れ替えの帰結",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "ポートフォリオの入れ替えは、公表後およそ二年で目に見える形をとった。ダイヤメットの全株式は2020年12月4日に予定どおりエンデバー・ユナイテッドへ譲渡された。ところが譲渡完了の直後、ダイヤメットは12月21日に東京地方裁判所へ民事再生手続きを申し立て、負債総額は約578億円にのぼった。品質不正の当事者の一社でもあった焼結部品子会社は、売却と再生手続きをへて三菱マテリアルグループから切り離される結末をたどった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "ダイヤメットは2020年12月4日に譲渡完了、直後の12月21日に民事再生手続きを申し立て、負債総額は約578億円（令和最大とされた）",
                      "原文": "ところが譲渡完了の直後、ダイヤメットは12月21日に東京地方裁判所へ民事再生手続きを申し立て、負債総額は約578億円にのぼった。",
                      "source": "日本経済新聞 2020年12月22日「新潟のダイヤメット、民事再生法申請 負債額578億円」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "撤退はセメントとアルミにも及んだ。セメント事業は、2020年9月に宇部興産との全面統合が決まり、2022年4月に両社折半出資の「UBE三菱セメント」として分離された。アルミ事業では、2021年11月に飲料用アルミ缶のユニバーサル製缶と三菱アルミニウムの圧延・押出事業を、米投資ファンド・アポロ・グローバル・マネジメント傘下の昭和アルミニウム缶へ負債を含め約600億円で譲渡することを決め、2022年3月末に約半世紀にわたったアルミ事業から撤退した。中期経営戦略が描いた事業構成の入れ替えは、注力事業への集中と非注力事業の外部化という形で一巡した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "アルミ事業（ユニバーサル製缶・三菱アルミニウム）を米アポロ傘下の昭和アルミニウム缶へ負債含め約600億円で譲渡することを2021年11月に決定、2022年3月末に撤退した",
                      "原文": "アルミ事業では、2021年11月に飲料用アルミ缶のユニバーサル製缶と三菱アルミニウムの圧延・押出事業を、米投資ファンド・アポロ・グローバル・マネジメント傘下の昭和アルミニウム缶へ負債を含め約600億円で譲渡することを決め、2022年3月末に約半世紀にわたったアルミ事業から撤退した。",
                      "source": "日本経済新聞 2021年11月25日「三菱マテリアル、米ファンドにアルミ事業売却 600億円」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "セメント事業は2020年9月に宇部興産との全面統合を決定し、2022年4月に折半出資のUBE三菱セメントを発足した",
                      "原文": "セメント事業は、2020年9月に宇部興産との全面統合が決まり、2022年4月に両社折半出資の「UBE三菱セメント」として分離された。",
                      "source": "三菱マテリアル 統合報告書2021",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "規模より、どの事業構成で強みを生かすか",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "この経営判断の核心は、個別の売却や買収の巧拙ではなく、事業を評価する物差しそのものを組み替えた点にある。1990年の合併以来、三菱マテリアルは「規模の拡大」を旗印に総合素材メーカーへと事業を広げてきたが、その拡大は、資源市況に揺れる収益と、末端まで及ばない統制という二つのひずみを同時に育てていた。品質不正はそのひずみを外部へ突きつけた危機であり、中期経営戦略はこれを機に、規模ではなく資本効率と管理可能性で事業を選び直す方針へと転換したものとみることができる。危機が改革の触媒となった点で、不祥事対応と成長戦略が分かちがたく結びついた判断であった。"
                },
                {
                  "text": "もっとも、事業の入れ替えは痛みを伴った。撤退した焼結部品子会社ダイヤメットは、売却の直後に民事再生へ至り、譲渡先が投資ファンドであったことも含め、切り離しの後始末の重さをうかがわせた。アルミやセメントも、半世紀近く続けた事業や合併で得た事業を外部へ移す判断であり、取引先や従業員への影響は小さくない。それでも、注力事業を絞り込んで資本効率を問う姿勢は、その後の「中期経営戦略2030」やカンパニー制への移行、金属・銅加工・電子材料を軸とする専業型企業への収れんへと引き継がれていく。規模を追うより、どの事業構成でこそ自社の強みが生きるか——この決断は、危機を起点にその問いへ踏み込んだ点で意味を持つとみられる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "三菱マテリアル 中期経営戦略（2020-2022年度）説明会資料 2020年3月27日",
        "三菱マテリアル ニュースリリース 2020年2月26日「三菱日立ツール株式会社の株式追加取得（完全子会社化）に関するお知らせ」",
        "三菱マテリアル ニュース 2020年4月1日「三菱日立ツール株式会社の株式完全取得について」",
        "三菱マテリアル ニュースリリース 2020年9月29日「株式会社ダイヤメットの株式の譲渡に関する基本合意書の締結及び特別損失の計上について」",
        "三菱マテリアル 統合報告書2021",
        "三菱マテリアル 有価証券報告書（第95期／2020年3月期）",
        "日本経済新聞 2018年5月10日「三菱マテ、改ざんまた発覚 統治問われる」",
        "日本経済新聞 2020年5月27日「三菱マテリアル、最終赤字829億円 1～3月過去最大、減損響く」",
        "日本経済新聞 2020年12月22日「新潟のダイヤメット、民事再生法申請 負債額578億円」",
        "日本経済新聞 2021年11月25日「三菱マテリアル、米ファンドにアルミ事業売却 600億円」",
        "レスポンス（Response.jp）2017年11月24日「三菱マテリアル、子会社で品質データの改ざんが発覚…自動車向けも」"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-04"
    }
  ]
}
