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  "title": "直近の動向と展望",
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      "title": "なぜノータッチ経営が最重量級のバランスシートを抱える側へ移ったのか（筆者所感）",
      "text": "楽天グループの起点は1997年2月、日本興業銀行出身の三木谷浩史が東京都港区愛宕で資本金1,000万円のエム・ディー・エムを立ち上げた地点にある。同年5月、百貨店系モールが月額100万円単位の出店料を取っていた市場へ月額5万円の固定料金で13店の楽天市場を開業した。インターネット知識が乏しい商店主でも扱える編集ツールRMSを整え、出店の敷居を一桁下げた設計で、自社は在庫も物流も持たない側に立った。在庫を抱えず場所と仕組みを貸す形式が、創業時の選択として定着した。\n\nこうしてノータッチの設計から始めた事業は、料金体系の組み替えと領域追加で経済圏へ広がった。2002年に固定料金制を廃し売上連動の従量課金へ転換し、2003年9月にマイトリップ・ネット、11月にDLJディレクトSFG証券を取得してショッピング・旅行・金融の三領域を整えた。同年開始の楽天スーパーポイントを共通通貨に、会員データを金融の与信や審査へ流し込むクロスユースが回り始めた。2009年のイーバンク銀行、2018年の朝日火災海上でカード・銀行・証券・生保・損保が揃い、2017年12月期には売上収益9,444億円・営業利益1,493億円まで到達した。物販で集めたIDを金融で回収する設計が、創業の発想を成長軸として延長した。\n\nだが2017年12月の第4のMNO参入申請で、この設計の前提が崩れていく。2019年10月から始めた自前基地局・完全仮想化網は、専用機を避けて汎用サーバーで通信原価を握る賭けだったが、プラチナバンド未割当のまま開業し屋内・地下の通信品質に弱点を抱えた。2019〜2023年の純損失は累計8,400億円超、有利子負債は2018年12月期の1兆2,341億円から2021年12月期の3兆4,029億円へ膨張し、総資産は2018年の7兆3,450億円から2022年の20兆4,022億円へ拡張した。在庫を持たない経営を掲げてきた会社が、基地局という最も重い固定資産を抱え込む側へ移った。\n\n自前網への固執は2023年6月のRakuten最強プランでKDDI回線との相互接続へ緩み、契約は2023年6月末の481万回線から2025年に1,000万回線へ到達してモバイルEBITDAが黒字化した。並行して2022年10月の楽天証券・みずほ証券の資本業務提携、2024年11月の楽天カード・みずほFG提携で、独立独歩から金融連合の形成へ舵を切っている。ノータッチで始めた経済圏が、自前の基地局網と金融連合の両方を抱える事業体に組み替わった地点に、楽天グループは立っている。",
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