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  "title": "618億円を全額自己資金で投じたマレーシア新工場の建設",
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      "text": "2008年、竹中裕紀社長のもとでイビデンがパッケージ基板・プリント配線板・自動車向けDPFの増産に累計618億円を投じ、その全額を自己資金でまかなった経営判断。最大の投資先はマレーシアの新しい生産拠点だった。"
    },
    {
      "label": "背景",
      "text": "1996年のインテル取引開始後、ICパッケージ基板を主力に売上・利益が伸び、2008年3月期は連結売上4135億円・純利益460億円の過去最高益を記録した。三つの事業がそろって需要の拡大に向かっていた。"
    },
    {
      "label": "内容",
      "text": "618億円の主な内訳はパッケージ基板282億円、プリント配線板129億円、DPF35億円。2008年5月にマレーシアへ製造子会社を設け、2011年の稼働をめざして海外量産拠点を建てはじめた。資金は借入・増資に頼らず利益でまかなった。"
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      "text": "直後のリーマンショックで2009年3月期は純損失87億円に転じたが、借入依存が低く財務の危機には至らなかった。好況の利益を自己資金投資に回し、不況期に返済を負わない体が、のちの投資の機動性を支えた。"
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      "title": "リーマンショックで連結純損益が87億円の赤字に転落"
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              "text": "イビデンの主力は、1996年にインテルとの取引を始めたICパッケージ基板である。CPUを載せるこの基板で世界有数の供給者となり、連結売上高は2005年3月期の2475億円から2008年3月期には4135億円へ、当期純利益は121億円から460億円へ伸びた。2008年3月期は売上・利益ともに過去最高で、パッケージ基板、プリント配線板、ディーゼル車の排ガスを浄化する自動車向けDPFの三つの事業がそろって需要の拡大に向かっていた。"
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            {
              "text": "半導体パッケージ基板の需要は、パソコンやサーバー向けCPUの世代交代に合わせて増える。海外の顧客へ安定して供給するには、国内の工場だけでなく、人件費や立地で見合う海外の量産拠点がいる。イビデンは2000年にフィリピンへ製造子会社を設け、パッケージ基板の海外生産に踏み込んでいた。次の増産をどこに、どれだけの規模で置くかが、好況のさなかにある2008年の経営課題だった。"
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              "text": "2008年、竹中裕紀社長のもとでイビデンは、三つの主力事業の増産に累計618億円の設備投資を決めた。主な内訳は、パッケージ基板に282億円、プリント配線板に129億円、自動車向けDPFに35億円である。半導体部材の需要が世代ごとに跳ねる以上、供給能力を先回りで積み増す前方投資だった。特徴は資金の出どころにある。618億円のほぼ全額を、銀行からの借入や増資に頼らず、それまでに稼いだ利益でまかなった。"
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            {
              "text": "好況の利益をそのまま次の設備へ振り向けるやり方は、財務の堅さを示すと同時に、投資の規模や時期を自社の稼ぎに縛る面もある。それでも竹中社長は借入に頼らない道を選んだ。半導体部材は需要の振れが激しく、好況期に借りて増設すれば、不況が来たときに返済が重くのしかかる。稼いだ範囲で投じておけば、需要が落ちても資金繰りには響かない。この判断は、着手の直後に試された。"
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              "text": "しかし、マレーシアへの投資はもう一度、需要の読み違いにぶつかる。スマートフォンの普及を見込んで積み増したパッケージ基板の生産は、市場の伸び悩みと競争の激化で稼働が上がらず、2017年3月期にイビデンは減損を中心に約600億円を特別損失として計上した。当期の最終損益は628億円の赤字で、その多くはマレーシアを中心とするパッケージ基板の製造設備の減損だった。2008年に築いた海外量産の網が、2度にわたって巨額の損失の場になった。"
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        }
      ]
    }
  ],
  "references": [
    "イビデン 有価証券報告書（2008年3月期・2009年3月期・2017年3月期）",
    "日本経済新聞（2011年2月）「イビデン、マレーシアでスマートフォン向け部品増産」",
    "LIMO（2026年6月20日）「好決算・5000億円投資でも『手放しで喜べない』イビデン株。元機関投資家が警戒する過去2度の巨額損失」",
    "イビデン 有価証券報告書（2008年3月期）",
    "イビデン 有価証券報告書【沿革】",
    "イビデン 有価証券報告書（2009年3月期）【設備の状況】",
    "イビデン 有価証券報告書（2009年3月期）",
    "イビデン 有価証券報告書（2017年3月期）"
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  "authored": "2026-07",
  "last_updated": "2026-07-05"
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