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      "title": "炭素繊維での成形品重視の川下路線と、米プリプレグ・原糸2社の買収",
      "subtitle": "原糸を量で売るか、加工した成形品で稼ぐか——生産能力4分の1の三菱レイヨンが東邦レーヨンを抜いた1991年",
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      "issue": "炭素繊維事業の育て方と競争戦略",
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        {
          "label": "概要",
          "text": "1990年前後、三菱レイヨンが炭素繊維事業で原糸の増産競争を避け、プリプレグを加工した成形品を主力に据えた。あわせて米国のプリプレグ会社と原糸会社を相次いで買収し、米国でも原糸から成形品までを一貫して生産する体制を整えた経営判断。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "同社の生産能力は年間500トンで、東邦レーヨンの2,020トンの4分の1程度にとどまっていた。米国防予算の削減で軍需が1989年比の3分の1に減る一方、世界の設備能力は約1万1,000トンへ膨らみ、市況は1990年から悪化していた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "成形品で炭素繊維部門の売上高の90%近くを稼ぐ構成をつくり、製品ごとに編成を組み替える開発チームでアメリカズカップ艇のマストやゴルフクラブのシャフトを受注した。1990年5月に米ニューポート・コンポジット社を50億円強、1991年6月に米コートルズ・グラフィル社を約20億円で買収した。"
        },
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          "text": "1991年3月期の炭素繊維部門の売上高は138億円となり、東邦レーヨンを抜いて東レに次ぐ2位に入った。ただし買収したコートルズ社は赤字に転じており、市況が回復すれば原糸の能力で勝る2社が有利になる位置は変わらなかった。"
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            "note": "炭素繊維の生産能力は年間500トン。成形品で部門売上高の90%近くを稼ぎ、輸出はほとんど手がけない"
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          "title": "金澤脩三社長が炭素繊維の一貫生産体制と「量で競争しない」方針を表明"
        },
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          "title": "永井彌太郎氏が社長に就任"
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          "title": "米ニューポート・コンポジット社（プリプレグ）を50億円強で買収",
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          "title": "アメリカズカップ日本艇「ニッポン」号のマスト開発に着手（12月に完成）"
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          "title": "1991年3月期の炭素繊維部門売上高が138億円となり業界2位へ"
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          "title": "米コートルズ・グラフィル社（原糸）を約20億円で買収し設備能力900トンへ"
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      "snapshot": {
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              "sub_title": "量では競わないと決めた1982年",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "第1次石油危機後の減量経営をひととおり終えたころ、三菱レイヨンは炭素繊維を新しい事業の柱に数えた。1982年3月、日本証券アナリスト協会の企業分析部会で講演した金澤脩三社長は、繊維・樹脂に続く新事業の三つ目に炭素繊維を挙げ、強度が鉄の7倍、比重はアルミより小さい素材だと説明している。国内では多くのメーカーが名乗りを上げており、競争は激しくなる。そのうえで金澤社長は、量で競争するのではなく高品質・高性能を重視した商品開発を中心に進めると述べた。",
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                    {
                      "fact": "1982年3月の講演で金澤脩三社長は、炭素繊維事業は量で競争せず高品質・高性能を重視した商品開発を中心に進めると述べた",
                      "原文": "炭素繊維事業の展開は量で競争するのではなくて、高品質、高性能を重視した商品開発を中心にやっていく。",
                      "source": "証券アナリストジャーナル 1982年4月号（20巻4号）「三菱レイヨン ハイテクノロジーを基礎に高付加価値事業展開」（金澤脩三社長 講演要旨・1982年3月5日 日本証券アナリスト協会企業分析部会）",
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                {
                  "text": "方針の裏には、加工の経験という持ち札があった。同社は以前から商品の一歩手前まで設計加工を手がけており、大竹で焼成を自社生産することとして、原料から焼成加工までの一貫生産体制を整えた。子会社のダイヤプレミックスではガラス繊維で強化した不飽和ポリエステルの複合材料を手がけ、コンピューターや複写機のハウジングで富士通などから注文を受けていた。この技術の蓄積を移し替えて、航空機や自動車のように強度と軽さを求められる用途の商品開発を進めていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "大竹で焼成を自社生産して原料から焼成加工までの一貫生産体制を整え、子会社ダイヤプレミックスの複合材料の技術蓄積を炭素繊維へ移した",
                      "原文": "今度大竹でカーボン(焼成)を自社で生産することとし、これで原料から焼成加工までの一貫生産体制になり、ますます当社の強味を発揮できると考えている。",
                      "source": "証券アナリストジャーナル 1982年4月号（20巻4号）「三菱レイヨン ハイテクノロジーを基礎に高付加価値事業展開」（金澤脩三社長 講演要旨・1982年3月5日 日本証券アナリスト協会企業分析部会）",
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              "sub_title": "軍需の急減と供給過剰",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "1990年に入ると、炭素繊維の市況は急に崩れた。世界需要は約6,800トンで、対前年比の伸び率は1988年に23%、1989年に15%と好調であったのが、1990年は一転して7%へ落ちた。三菱レイヨンが手がけるPAN系炭素繊維は戦闘機などの軍需産業に欠かせない素材であり、米国防予算の削減で軍需が1989年に比べ3分の1に激減したことが最も大きく響いた。これに対して世界全メーカーの設備能力は1990年末で約1万1,000トンに達し、対前年比で25%も増えていた。",
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                    {
                      "fact": "1990年の世界需要は約6,800トンで伸び率は7%へ低下、米国防予算削減で軍需が1989年比3分の1に激減、90年末の世界設備能力は約1万1,000トンで前年比25%増",
                      "原文": "90年の世界需要は約6800トン。対前年比伸び率で88年に23%、89年に15%と好調だったが、90年は一転して7%に落ちた。米国防予算削減のあおりで、軍需が89年に比べて3分の1に激減したのが最大の原因だ。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                },
                {
                  "text": "余った炭素繊維は、スポーツレジャー用品や工業部品といった一般産業用途へなだれ込んだ。需給の均衡は崩れ、市況は1990年から悪化の一途をたどった。三菱レイヨンの生産能力は年間500トンで、東邦レーヨンの2,020トン、東レの2,250トンには遠く及ばない。設備を増やして原糸の量を売る競争にそのまま加われば、規模の差が損益の差となって表れる位置に、同社はいた。",
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                    {
                      "fact": "供給過剰で余った炭素繊維がスポーツレジャー・一般産業用途へ流れ市況が悪化、三菱レイヨンの生産能力は年間500トンで東邦レーヨン2,020トンの4分の1程度",
                      "原文": "余った炭素繊維が、スポーツレジャー用品、工業部品などの一般産業用途になだれ込んだ。需給バランスが崩れて、90年から炭素繊維の市況は悪化の一途をたどった。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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        {
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          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "原糸ではなく、成形品を売る",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "炭素繊維の製品は三つの段階に分かれる。繊維そのものである原糸、原糸に樹脂を染み込ませたシート状の中間素材であるプリプレグ、そしてプリプレグを加工した成形品である。三菱レイヨンはこのうち成形品で売上高の90%近くを稼ぎ、輸出はほとんど手がけなかった。東レや東邦レーヨンは原糸が売上高の半分以上を占め、輸出比率も高い。売り方は正反対に分かれていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "三菱レイヨンは成形品で売上高の90%近くを稼ぎ輸出をほとんど手がけず、原糸が売上の半分以上で輸出比率の高い東レ・東邦レーヨンと対照的だった",
                      "原文": "このうち、三菱レイヨンは成形品で売り上げの90%近くを稼いだ。輸出はほとんど手がけていない。東レや東邦レーヨンは、原糸が売り上げの半分以上を占め、輸出比率が高いのと対照的だ。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                },
                {
                  "text": "原糸やプリプレグより付加価値の高い成形品を中心に事業を進めてきたため、同社は市況悪化の影響を受けずに済んだ。片岡良専務には、東レや東邦レーヨンの真似をして原糸を売っても、生産能力の劣る自社に勝ち目はないという考えがあった。もっとも本人の説明は控えめで、顧客の要求にこたえて事業を進めているうちに加工品の売上比率が増えただけ、と語っている。米国への進出でも、国内で成功したのと同じ成形品重視の戦略を採った。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "片岡良専務は、生産能力で劣る自社が東レ・東邦レーヨンの真似をして原糸を売っても勝ち目はないと考え、米国進出でも成形品重視の戦略を採った",
                      "原文": "もともと三菱レイヨンには、世界トップの生産能力を持つ「東レや東邦レーヨンの真似をして原糸を売っても、生産能力が劣るわが社に勝ち目はない」（片岡専務）との考えがあった。米国への進出でも、国内で成功したのと同じ成形品重視の戦略を取った。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                {
                  "text": "川下路線を進めたのは、製品別につくった開発チームである。注文を受けると、複合材料事業部門長の権限で製品ごとに必要なメンバーを入れ替える。加工技術を研究する商品開発研究所（名古屋市）、原糸を生産する豊橋事業所（愛知県豊橋市）、本社の炭素繊維複合材料事業部の技術スタッフが集まり、素材の選定から加工、評価までを一手に引き受けた。これで、プリプレグを加工する設備を持たない顧客からの注文を次々に取った。",
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                    {
                      "fact": "複合材料事業部門長の権限で製品ごとにメンバーを入れ替える開発チームを商品開発研究所・豊橋事業所・本社事業部の技術スタッフで編成し、素材選定から加工・評価まで引き受けた",
                      "原文": "その推進役となったのが製品別に作った開発チーム。注文を受けると、複合材料事業部門長の権限で製品ごとに必要なメンバーを自由に入れ替える機動的な部隊である。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                },
                {
                  "text": "そのやり方が最もよく表れたのが、1992年に米サンディエゴ沖で開かれるアメリカズカップの日本艇「ニッポン」号のマストであった。委員会から依頼を受けた同社は20人の技術者を集め、1990年6月に開発へ着手する。設計データをもとに最適な構造を割り出し、3カ月にわたって試作品の性能評価を繰り返した。製品化のめどがつくと豊橋事業所に専用設備までつくり、12月に長さ34メートルの大型マストを完成させた。アルミ合金製より約40%軽く仕上がった。",
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                    {
                      "fact": "1990年6月に20人の技術者でマスト開発に着手し、3カ月の試作評価を経て12月に長さ34メートルの大型マストを完成させた（アルミ合金製より約40%軽い）",
                      "原文": "製品化のメドがつくと豊橋事業所に専用設備まで作り、12月に長さ34メートルの大型マストを完成させた。アルミ合金製マストより約40%軽く、寸法精度の高い製品ができた。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                {
                  "text": "マストは1991年5月のIACC世界選手権のレース中に折れたが、ヨット設計者の予想を上回る力がかかったのが原因で、材料や成形法に問題はなかった。同じ手法は他の製品にも及ぶ。ゴルフクラブでは開発チームがシャフトを造り、住友ゴム工業やブリヂストンスポーツ、ダイワ精工などと取引のあるシャフトメーカーへ売り込んだ。スキー板は仕上げ塗装をすれば完成する形にして、カザマスキー（本社新潟県新井市）へ納めた。",
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                    {
                      "fact": "マストは1991年5月のIACC世界選手権で折れたが原因は設計者の予想を上回る力で材料・成形法に問題はなく、ゴルフシャフトは住友ゴム工業・ブリヂストンスポーツ・ダイワ精工へ、スキー板はカザマスキーへ納めた",
                      "原文": "「IACC世界選手権」のレース中に折れたが、ヨット設計者の予想を上回る力がかかったのが原因で、材料や成形法に問題はなかった。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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          "label": "結果",
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              "sub_title": "生産能力4分の1で2位へ",
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                {
                  "text": "1991年3月期、三菱レイヨンの炭素繊維部門の売上高は前年度比で約23%伸び、138億円となった。首位の東レは10%増の220億円を確保したが、2番手だった東邦レーヨンは130億円で、伸び率は1.6%にとどまった。三菱レイヨンはわずかながら東邦レーヨンを抜き、東レに次ぐ2位に入った。生産能力が4分の1程度の会社に順位を入れ替えられたことに、競合メーカーからは驚きの声が上がった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1991年3月期の炭素繊維部門売上高は前年度比約23%増の138億円、東レは10%増の220億円、東邦レーヨンは130億円（伸び率1.6%）で、三菱レイヨンが東邦レーヨンを抜き2位となった",
                      "原文": "1991年3月期の決算で、同社の炭素繊維部門の売上高は前年度比で約23%伸び、138億円となった。競合メーカーのうち、トップの東レは前年度比10%増、220億円の売り上げを確保したが、2番手だった東邦レーヨンの売上高は130億円、対前年度伸び率は1.6%にとどまった。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                  "text": "1990年度の売上高138億円は、スポーツレジャー70%、一般産業20%、航空宇宙10%に分かれた。軍需が細っても揺らぎにくい構成である。永井彌太郎社長は炭素繊維を合成繊維、樹脂に次ぐ第3の事業に育てると述べ、数年以内に300億円、10年以内には500億円の事業規模にする計画を掲げた。1988年6月の社長就任時から「9勝6敗」を経営哲学に挙げ、全勝を狙えば挑戦できなくなると語ってきた。",
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                      "fact": "1990年度売上高138億円の用途別構成はスポーツレジャー70%・一般産業20%・航空宇宙10%で、永井彌太郎社長は炭素繊維を第3の事業に育て数年以内に300億円、10年以内に500億円にする計画を掲げた",
                      "原文": "「炭素繊維を合成繊維、樹脂に次ぐ第3の事業に育てる」と、永井弥太郎社長も意欲的だ。同事業の売上高を数年以内に300億円まで伸ばし、10年以内には500億円の事業規模にするという強気な計画を立てている。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                      "原文": "そんな永井さんの経営哲学は「9勝6敗」。負け越しては駄目だが全勝を狙うとチャレンジできなくなる。6敗するくらいがちょうど良いという。",
                      "source": "日経ビジネス 1988年10月10日号「新社長登場 永井彌太郎氏（三菱レイヨン）」",
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                  "text": "販売地域が国内市場にとどまっていては、500億円の目標には届かない。三菱レイヨンは最大市場である米国に生産拠点を持つ作戦に出た。1990年5月、プリプレグを製造販売する米ニューポート・コンポジット社を50億円強で買収し、社内公募制度で選んだ若手研究者を1人派遣して、現地の技術者に成形技術を教えさせた。1991年6月には原糸を製造販売する米コートルズ・グラフィル社を買収し、年産400トンを加えて設備能力を900トンに増やした。",
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                      "fact": "1990年5月に米ニューポート・コンポジット社を50億円強で買収して社内公募の若手研究者を1人派遣、1991年6月に米コートルズ・グラフィル社（年産400トン）を買収し設備能力は900トンとなった",
                      "原文": "まず90年5月、プリプレグを製造販売する米ニューポート・コンポジット社を50億円強で買収し第一歩を踏み出した。〜そのうえで今年6月、原糸を製造販売する米コートルズ・グラフィル社を買収した。同社の炭素繊維の年産能力は400トン。これで、三菱レイヨンは設備能力を一気に900トンに増やした計算だ。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                {
                  "text": "コートルズ社の買収額は約20億円であった。単独で米国に進出しても、ほぼ同額の投資が必要になる計算で、それが半分以下で済んだのは、米国の市況が低迷して現地の炭素繊維メーカーの収益が軒並み悪化していたからである。最大手のハーキュレス社ですら身売り先を探していた。安く買えた代わりに、コートルズ社の収益は1990年度に赤字へ転じ、黒字転換の見通しは立っていない。笹脇弘・複合材料事業部門長も、見切り発車と思われてもしかたがない、と打ち明けている。",
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                      "fact": "コートルズ社の買収額は約20億円で単独進出時のほぼ半分以下、米国市況低迷で現地メーカーの収益が悪化しハーキュレス社も身売り先を探していた。コートルズ社は1990年度に赤字転落し、笹脇弘・複合材料事業部門長は「見切り発車と思われてもしかたがない」と述べた",
                      "原文": "市況悪化の影響で、コートルズ社の収益は90年度に赤字転落している。安く買収できたが黒字転換の見通しは立っていない。笹脇弘・複合材料事業部門長も、「見切り発車と思われてもしかたがない」と打ち明ける。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                {
                  "text": "市況が戻ったときの構図も、社内では見えていた。1991年中には軍需の落ち込みを民需が補い、炭素繊維の市況が回復に向かうとの予測があった。回復すれば原糸の生産能力が大きい東レと東邦レーヨンが有利になり、売上高で東邦レーヨンに抜き返される可能性は十分にある。片岡良専務は、原糸を売れば市況に左右される、今以上に設備増強でコストダウンを図らないと勝てない、と語った。川下へ回っても、規模の問題そのものから抜け出せたわけではなかった。",
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                      "原文": "市況が回復すれば、原糸の生産能力が大きい東レ、東邦レーヨンの方が有利だ。売り上げで東邦レーヨンに抜き返されることは十分にあり得る。〜「原糸を売れば市況に左右される。今以上に設備増強でコストダウンを図らないと勝てない」（片岡専務）。",
                      "source": "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
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                  "text": "生産能力は年間500トンで、東邦レーヨンの2,020トンの4分の1程度にすぎなかった。その差を承知のうえで原糸の増産競争に加わらず、成形品で部門売上高の90%近くを稼ぐ形をつくったことが、1991年3月期の順位入れ替えにつながった。量では競わず高品質・高性能の商品開発を中心に置くという考えは、1982年に金澤脩三社長が講演で述べた時点から変わっていない。8年かけて加工の技術を積んだ会社に、軍需の急減で原糸が余った市況が結果として味方した。"
                },
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                }
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            }
          ]
        }
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      "references": [
        "日経ビジネス 1991年7月8日号「三菱レイヨン 炭素繊維2位に躍進 川下作戦で東レを追う」",
        "日経ビジネス 1988年10月10日号「新社長登場 永井彌太郎氏（三菱レイヨン）」",
        "証券アナリストジャーナル 1982年4月号（20巻4号）「三菱レイヨン ハイテクノロジーを基礎に高付加価値事業展開」（金澤脩三社長 講演要旨・1982年3月5日 日本証券アナリスト協会企業分析部会）"
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      "authored": "2026-07",
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          "text": "2006年8月に韓国湖南石油化学と折半出資で大山MMAを設立し、12月には中国・広東省の恵州恵菱化成がMMAモノマーの生産を始めて、川上から川下までの中国での一貫生産が動き出した。タイでもモノマー増設とアクリル樹脂板プラント新設を決めている。2007年4月には「事業部門」等を廃止する組織改正を実施し、繊維事業というセグメント区分そのものを解いた。"
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          "text": "就任1年目の2007年3月期、化成品・樹脂事業は営業利益415億円を稼ぎ、繊維事業は19億円にとどまった。鎌原社長は「繊維に関してはまったくの素人」と断ったうえで繊維の再構築を懸案に挙げ、MMA系事業でのアジア首位から世界首位への成長と、非MMA系分野での新たな基幹事業育成を目標に置いた。"
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                  "text": "三菱レイヨンは1933年8月に新興人絹として創立し、レーヨン・ステープルの国内草分けとして出発した。戦後はアセテート、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステルと合繊各種を事業化したが、1973年の石油危機を境に設備過剰と過剰人員が重くのしかかり、1976年3月期には無配に落ちた。以後4年の減量経営でグループ従業員はピークの1万1,000人から5,500人へ、単体では9,300人から3,600人へ減っている。",
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                },
                {
                  "text": "代わりの柱には、1943年から手がけていたMMA樹脂を据えた。原料のMMAモノマーは、アクリロニトリルの副産物である青酸を使うACH法では調達に限りがある。同社は世界に先がけてイソブチレンを直接酸化する製法を開発し、約100億円を投じて年産4万トンの工場を大竹に建てた。1982年夏の完成である。非繊維の比率は1975年の20%から1980年度に40%へ上がっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "MMAモノマーはACH法では原料確保に限界があるため、イソブチレン直酸法を世界に先がけて開発し、約100億円で年産4万トンの大竹工場を建設した。非繊維化比率は1975年の20%から1980年度に40%へ上がった",
                      "原文": "MMAモノマーについてはANの副産物である青酸からのACH法では原料確保に限界があり、当社は世界に先がけてイソブチレン直酸法を開発し、約100億円かけて年産4万トンの工場を大竹に建設中であり、本年夏完成する。（中略）当社の非繊維化比率は50年の20%から55年度は40%となった。",
                      "source": "証券アナリストジャーナル 1982年20巻4号「三菱レイヨン ハイテクノロジーを基礎に高付加価値事業展開——収益第一主義を徹底」（金澤脩三 三菱レイヨン社長 講演要旨）",
                      "url": null
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                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "皇芳之社長のアクリル集中と、開いた収益差",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "繊維と非繊維の重みが入れ替わる流れを、2000年6月に社長となった皇芳之氏が速めた。皇氏はアクリル樹脂事業部門長から取締役、常務、専務を経て社長に就いた人であり、アクリル事業に経営資源を集中させる一方で、不採算の繊維部門の構造改革を進めた。鎌原正直氏は化成品・樹脂部門の責任者として皇氏を補佐する立場にあり、のちの交代は路線の乗り換えではなく引き継ぎに近い。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "前社長の皇芳之はアクリル事業に経営資源を集中する一方で不採算の繊維部門の構造改革を進め、鎌原正直は化成品・樹脂部門の責任者として皇を補佐してきた",
                      "原文": "前社長の皇芳之は、アクリル事業に経営資源を集中する一方、不採算の繊維部門の構造改革を進めた。新社長の鎌原正直は、化成品・樹脂部門の責任者として皇を補佐してきた。前期は最高益を達成。今・来期も利益更新が見込まれている。",
                      "source": "週刊東洋経済 2006年9月2日号「［トップの履歴書］三菱レイヨン社長 鎌原正直 スピード経営目指す初の非繊維出身社長」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "皇芳之は1962年入社、1993年アクリル樹脂事業部門長、2000年6月取締役社長、2006年6月取締役会長",
                      "原文": "皇 芳之 昭和14年12月12日生 昭和37年４月 当社入社／平成５年４月 アクリル樹脂事業部門長／〃 ５年６月 取締役／〃 ９年６月 常務取締役／〃 11年６月 専務取締役／〃 12年６月 取締役社長／〃 18年６月 取締役会長（現）",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期）【役員の状況】",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "2005年度に始まった第5次中期経営計画「US→2007」は「集中と拡大」を掲げ、基幹事業をアクリル系すなわちMMA系とAN系に定めた。MMA系については、事業規模と収益力で世界で圧倒的なMMAチェーンを築くと有価証券報告書に明記している。数字の差もすでに開いていた。2006年3月期の化成品・樹脂事業は売上高1,710億円・営業利益275億円、繊維事業は売上高848億円・営業利益14億円で、繊維の利益は前期から49.1%減っている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "第5次中期経営計画「US→2007」は基幹事業をアクリル系（MMA系・AN系）と定め、MMA系で世界で圧倒的なMMAチェーンの構築を目指すと記した",
                      "原文": "基幹事業であるアクリル系事業（ＭＭＡ[メタクリル酸メチル]系及びＡＮ[アクリロニトリル]系）に経営資源を集中させ、ＭＭＡ系事業においては、事業規模、収益力において世界で圧倒的なＭＭＡチェーンの構築を目指すとともに、ＡＮ系事業の挙益力強化を進める。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2006年3月期）【対処すべき課題】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2006年3月期の化成品・樹脂事業は売上高1,710億円・営業利益275億円、繊維事業は売上高848億円・営業利益14億円（前期比49.1%減）",
                      "原文": "この結果、化成品・樹脂事業の売上高は171,030百万円(前連結会計年度比10.8％増)、営業利益は27,470百万円(前連結会計年度比24.1％増)となった。／この結果、繊維事業の売上高は84,811百万円(前連結会計年度比5.0％減)、営業利益は1,395百万円(前連結会計年度比49.1％減)となった。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2006年3月期・連結）",
                      "url": null
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            }
          ]
        },
        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "樹脂課に配属された社員が社長になる",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2006年6月、鎌原正直氏が社長に就任し、皇芳之氏は会長へ退いた。鎌原氏は1943年3月に長野県で生まれ、1965年に東京外国語大学インドネシア学科を出て入社している。花形だった繊維事業での海外駐在を思い描いていたが、配属先は樹脂課だった。合繊全盛の当時、樹脂は新規事業にすぎない。以後は化成品部長、化成品事業部長、アクリル樹脂事業部長と樹脂・化成品一筋に歩み、2000年に常務、2002年に専務となった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "鎌原正直は1943年3月生まれ、1965年に東京外国語大学インドネシア学科を卒業して入社。繊維での海外駐在を思い描いたが配属は樹脂課で、以後は樹脂・化成品事業一筋に歩んだ",
                      "原文": "花形だった繊維事業での海外駐在を思い描いて入社した鎌原だが、配属された先は樹脂課。合繊全盛で樹脂は新規事業だった。その後も樹脂・化成品事業一筋。業界の中では「おっとりしている」とも言われる社風だが、ＭＭＡ事業をアジアトップに押し上げた背景の一つには鎌原の指導力がある。",
                      "source": "週刊東洋経済 2006年9月2日号「［トップの履歴書］三菱レイヨン社長 鎌原正直 スピード経営目指す初の非繊維出身社長」",
                      "url": null
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                    {
                      "fact": "鎌原正直は1965年入社、化成品部長・取締役を経て2000年6月常務、2002年6月専務、2006年6月取締役社長に就任した",
                      "原文": "鎌 原 正 直 昭和18年３月26日生 昭和40年４月 当社入社／平成７年６月 化成品部長／〃 ９年６月 取締役／〃 11年７月 蘇州三友利化工有限公司董事長／〃 12年６月 常務取締役／〃 14年６月 専務取締役／〃 18年６月 取締役社長（現）",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2006年3月期）【役員の状況】",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "同社初の非繊維出身社長であった。中国のMMAプロジェクトで担当者が初年度から黒字にする計画を報告すると、鎌原社長は「ダメだ。初月度から黒字を達成しろ」と見直しを求めている。数年かけて準備した設備が、なぜ最初の月に赤字を出すのかと問い返している。掲げたのは「シンプル、スピード、ストロング」の三語で、「経営には実行だけでなく、いかに早く正確に決断するかが求められる」と語っている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "中国のMMAプロジェクトで「初年度から黒字計画」と報告した担当者に、鎌原正直は「ダメだ。初月度から黒字を達成しろ」と計画の見直しを求めた",
                      "原文": "中国でのＭＭＡプロジェクトでは「初年度から黒字計画」という担当者の報告を受け、「ダメだ。初月度から黒字を達成しろ」と計画の見直しを求めたという。数年間もの時間をかけて準備し、ようやく始まる最初の月がなぜ赤字になるのかと厳しく問う。「シンプル、スピード、ストロング」を重視する。「経営には実行だけでなく、いかに早く正確に決断するかが求められる」。",
                      "source": "週刊東洋経済 2006年9月2日号「［トップの履歴書］三菱レイヨン社長 鎌原正直 スピード経営目指す初の非繊維出身社長」",
                      "url": null
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              ]
            },
            {
              "sub_title": "MMAの一貫生産を四か国に並べる",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "就任からの半年で、MMAの生産は国境をまたいで並んだ。2006年8月、韓国湖南石油化学と折半出資でモノマーとポリマーを手がける合弁会社、大山MMAを韓国に設立する。12月には中国・広東省の恵州恵菱化成がMMAモノマーの生産を始め、川上のモノマーから川下の樹脂加工品まで中国での一貫生産が動き出した。タイ・エムエムエー社でもモノマー増設とアクリル樹脂板プラントの新設を決めている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2006年12月に中国でMMAモノマー工場が生産を開始し、韓国では合弁会社の設立を決定、タイでもモノマー増設とアクリル樹脂板プラント新設を決めた",
                      "原文": "ＭＭＡ(メタクリル酸メチル)系事業については、中国で建設を進めてきたＭＭＡモノマー工場は、平成18年12月に生産を開始した。また、ＭＭＡモノマー及びポリマー製造・販売のための合弁会社を韓国で設立することを決定した。さらに、Thai MMA Co.,Ltd.においてＭＭＡモノマープラントの増設とアクリル樹脂板プラントの新設も決定し、事業規模、収益力において世界で圧倒的なＭＭＡチェーンの地位構築に取り組んでいる。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期・連結）【業績等の概要】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2006年8月、韓国湖南石油化学と合弁で大山MMA株式会社（韓国・忠清南道瑞山市、議決権50%）を設立した",
                      "原文": "平成18年８月 韓国湖南石油化学株式会社と合弁で大山ＭＭＡ株式会社(韓国)を設立",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期）【沿革】",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "繊維を切り離す判断ではなかった。原油高と中国メーカーとの競争で苦しむ繊維事業について、鎌原社長は再構築を懸案に挙げ、高付加価値品へ寄せる方針を示した。ただし本人は「繊維に関してはまったくの素人」と断ったうえで、「繊維は携わっている人が多いだけに、やりがいのある雰囲気づくりが大事だ」と述べている。MMA系事業でのアジア首位から世界首位への成長と、非MMA系分野での新たな基幹事業の育成を目指した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "鎌原正直は原油高や中国メーカーとの競争で苦戦する繊維事業の再構築を懸案に挙げ、MMA系でのアジア首位から世界首位への成長と非MMA系での新たな基幹事業育成を目指すとした",
                      "原文": "懸案は原油高や中国メーカーとの競争で苦戦する繊維事業の再構築。高付加価値品へのシフトを進める方針だが、「繊維に関してはまったくの素人。繊維は携わっている人が多いだけに、やりがいのある雰囲気づくりが大事だ。（中略）」と語る。（中略）目指すは、ＭＭＡ系事業でのアジア首位から世界首位への成長と、非ＭＭＡ系分野での新たな基幹事業育成。",
                      "source": "週刊東洋経済 2006年9月2日号「［トップの履歴書］三菱レイヨン社長 鎌原正直 スピード経営目指す初の非繊維出身社長」",
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            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "数字に出た主力の入れ替え",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "就任1年目の2007年3月期、連結売上高は4,170億円で前期比19.5%増、経常利益は585億円、当期純利益は313億円となった。事業別では化成品・樹脂事業が売上高2,196億円・営業利益415億円と利益を51.1%伸ばし、繊維事業は売上高859億円・営業利益19億円にとどまる。3事業の営業利益を合わせた596億円のうち、繊維の取り分は3%あまりであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2007年3月期の連結売上高は4,170億円（前期比19.5%増）、経常利益585億円、当期純利益313億円",
                      "原文": "当連結会計年度の営業成績は、売上高417,027百万円(前連結会計年度比19.5％増)、営業利益59,665百万円(前連結会計年度比53.9％増)、経常利益58,471百万円(前連結会計年度比50.4％増)、当期純利益31,273百万円(前連結会計年度比28.0％増)となった。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期・連結）【業績等の概要】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2007年3月期の事業別営業利益は化成品・樹脂事業415億円（前期比51.1%増）、繊維事業19億円、炭素繊維・複合材料、機能膜事業その他161億円",
                      "原文": "この結果、化成品・樹脂事業の売上高は219,622百万円(前連結会計年度比28.4％増)、営業利益は41,516百万円(前連結会計年度比51.1％増)となった。／この結果、繊維事業の売上高は85,882百万円(前連結会計年度比1.2％増)、営業利益は1,922百万円(前連結会計年度比37.7％増)となった。／この結果、炭素繊維・複合材料、機能膜事業その他の売上高は111,522百万円(前連結会計年度比19.7％増)、営業利益は16,126百万円(前連結会計年度比65.2％増)となった。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期・連結）【業績等の概要】",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "営業利益の53.9%増という伸びは、額面どおりには受け取れない。この期の営業利益597億円には、退職給付の数理計算上の差異償却額142億円の益が含まれている。同社自身が有価証券報告書で断っており、これを除いた営業利益は455億円、増益率は14.4%にとどまる。最高益の内実には会計処理の変更が効いており、事業そのものの伸びを示すのは化成品・樹脂の51.1%増のほうである。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2007年3月期の営業利益597億円には退職給付の数理計算上の差異償却額142億円の益が含まれ、これを除くと営業利益455億円・前期比14.4%増となる",
                      "原文": "なお、前連結会計年度より退職給付会計における数理計算上の差異の処理方法を、発生の翌連結会計年度に営業費用として一括償却する方法に変更しており、数理計算上の差異償却額(前連結会計年度は933百万円の損、当連結会計年度は14,209百万円の益)を除いた当連結会計年度の営業利益は45,455百万円(前連結会計年度比14.4％増)、経常利益は44,261百万円(前連結会計年度比11.2％増)となる。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期・連結）【業績等の概要】",
                      "url": null
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                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "繊維という区分を解く",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2007年4月、鎌原社長は「事業部門」等を廃止して組織の階層を減らし、事業経営の自律性と迅速性を高める組織改正を実施した。あわせてセグメントの区切りも改まる。繊維事業という括りは解かれ、アクリル繊維はANモノマーから炭素繊維に至る事業チェーンの一部として括り直された。アクリル繊維事業には、炭素繊維用プレカーサーへの転換によるダウンサイジングが課題として置かれている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2007年4月に「事業部門」等を廃止して組織をフラット化する改正を実施し、アクリル繊維はANモノマーから炭素繊維に至る事業チェーンの一部とされ、炭素繊維用プレカーサーへの転換によるダウンサイジングが課題に据えられた",
                      "原文": "平成19年４月に、①「事業部門」等を廃止し組織をフラット化することにより、組織を活性化させ、事業経営の自律性、迅速性を高める、②事業チェーンを明確にし、チェーン展開を強化する、ことを主な目的とした組織改正を実施しており（中略）ＡＮ系事業は、ＡＮモノマーから炭素繊維用プレカーサー、炭素繊維・複合材料に至る事業チェーンとして成長を目指します。（中略）アクリル繊維事業においては、炭素繊維用プレカーサーへの転換によるダウンサイジングを進めるなど事業構造改革を推進し、収益力の回復を図ります。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2008年3月期）【対処すべき課題】",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "稼ぎ手を入れ替えても、素材産業の市況からは逃れられなかった。2008年3月期は原燃料価格の高騰と期後半の急激な円高が響き、連結営業利益は375億円と37.1%減っている。それでも同社は第6次中期経営計画「グローバルUS→2010」で10年後の1兆円企業を目標に据え、MMA系ではさらなる成長と拡大を追う大型投資計画を継続して検討すると記した。海外売上高比率は2007年3月期の44.9%から翌期には47.3%へ上がっている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2008年3月期は原燃料価格の高騰と期後半の急激な円高により連結営業利益375億円（前期比37.1%減）、当期純利益142億円（54.3%減）となった",
                      "原文": "しかしながら、高騰を続ける原燃料価格、期後半での急激な円高等の影響が極めて大きかったことから、当連結会計年度の売上高は418,529百万円(前連結会計年度比0.3％増)、営業利益は37,508百万円(前連結会計年度比37.1％減)、経常利益は33,968百万円(前連結会計年度比41.9％減)、当期純利益は14,274百万円(前連結会計年度比54.3％減)となりました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2008年3月期・連結）【業績等の概要】",
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                    },
                    {
                      "fact": "第6次中期経営計画「グローバルUS→2010」は10年後の1兆円企業を目標に掲げ、MMA系ではさらなる成長・拡大追求のための大型投資計画を継続検討するとした",
                      "原文": "「成長へのニューデザイン」を基本コンセプトとする平成20年度から平成22年度までの第６次中期経営計画「グローバルＵＳ→２０１０」を策定しました。第６次中計は、現下の厳しい経営環境に対してまず足下を固めつつ、10年後において当社グループが目標とする姿である１兆円企業を目指すフェーズⅠの計画として位置付けています。（中略）韓国、タイの新増設計画の実行に続き、さらなる成長・拡大追求のための大型投資計画を継続検討するとともに（後略）",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2008年3月期）【対処すべき課題】",
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              "sub_title": "社名に残った祖業",
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              "paragraphs": [
                {
                  "text": "社名にレイヨンを残したまま、この会社は繊維を知らない社員を社長に据えた。鎌原正直社長が1965年に配属された樹脂課は、合繊全盛の当時、新規事業にすぎない。その樹脂・化成品が40年後には事業別営業利益の7割を稼ぎ、祖業の繊維は3%あまりに縮んでいた。皇芳之社長が進めたアクリルへの集中を、集中された側の当事者に引き継がせた人事であり、路線を変えるためではなく、決めた路線を速く回すための交代であった。"
                },
                {
                  "text": "ただ、繊維から離れても素材産業の周期からは離れられない。就任2年目の2008年3月期は原燃料高と円高で営業利益が37.1%減り、繊維に代わる稼ぎ頭も市況に揺れる事業である事実が早々に出た。世界で圧倒的なMMAチェーンという目標は、市況が反転すれば同じ設備がそのまま重荷に変わる裏返しを持つ。鎌原社長がMMAの世界首位と並べて非MMA系での新たな基幹事業育成を掲げたのは、集中の細さを承知していたからかもしれない。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "週刊東洋経済 2006年9月2日号「［トップの履歴書］三菱レイヨン社長 鎌原正直 スピード経営目指す初の非繊維出身社長」",
        "証券アナリストジャーナル 1982年20巻4号「三菱レイヨン ハイテクノロジーを基礎に高付加価値事業展開——収益第一主義を徹底」（金澤脩三 三菱レイヨン社長 講演要旨）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2006年3月期・第81期）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2007年3月期・第82期）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2008年3月期・第83期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-30"
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    {
      "slug": "lucite-acquisition-2008",
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      "year": 2008,
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      "title": "英ルーサイト・インターナショナルの買収とＭＭＡ世界首位への浮上",
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      "scheme": "英国子会社 MRC Group Holdings (UK) Limited を通じた現金対価の株式取得（発行済株式の100％）。買収資金の総額は約16億米ドルで、被買収会社の既存外部借入金の引受け・返済資金を含む",
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      "issue": "ＭＭＡ事業への集中と財務負担",
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          "label": "概要",
          "text": "2008年11月11日、三菱レイヨンがＭＭＡ（メタクリル酸メチル）モノマーで生産能力世界首位の英 Lucite International Group Limited の発行済株式すべてを取得する契約を結び、2009年5月28日に約16億米ドルで買収を完了した経営判断。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "第6次中期経営計画でＭＭＡ系事業に「規模、収益力において世界Ｎｏ.１」を掲げながら、生産能力では世界4位にとどまっていた。首位のルーサイトは世界の23％を握り、英投資会社の運用ファンドの保有下にあった。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "発行済株式9,556千株の100％を取得。取得原価は1,895百万円にとどまる一方、企業結合日に引き受けた負債は1,978億円に及んだ。三菱東京ＵＦＪ銀行から日本円873億円ほかを借り入れて既存借入金を返済し、のれん323億円を20年の均等償却とした。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "ＭＭＡ生産シェアは35％となり、海外売上高比率は43.0％から56.1％へ上がった。総資産は1,585億円増え、自己資本比率は44.2％から26.4％へ低下。2011年3月期に経常利益410億円まで回復したが、2013年3月期には76億円へ戻った。"
        }
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            "note": "ＭＭＡモノマーからアクリル樹脂・成形材料までを手がける化学メーカー。生産能力では世界4位で、日本・タイ・中国に一貫生産体制を持っていた"
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            "note": "英ＩＣＩと米デュポンのＭＭＡ事業を受け継いだ英国の専業メーカー。ＭＭＡモノマーの生産能力で世界首位。2008年12月期の連結売上高は8億8,500万英ポンド"
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          "title": "第6次中期経営計画「グローバルＵＳ→２０１０」開始、ＭＭＡ系で世界Ｎｏ.１を目標に掲げる"
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          "title": "Lucite International Group Limited の発行済全株式を取得する株式売買契約を締結",
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          "title": "各国独占禁止法当局の認可を経て買収手続きが完了、ルーサイト社ほか44社が連結範囲に加わる"
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        {
          "year": 2009,
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          "title": "中期経営計画を見直し「Ｎｅｗ Ｄｅｓｉｇｎ ＭＲＣ」を策定、ＳＡＢＩＣとアルファ法で業務提携に合意"
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          "title": "三菱ケミカルホールディングスによる公開買付が成立（同年10月に株式交換で完全子会社化）"
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          "year": 2011,
          "month": 3,
          "title": "ルーサイトの通年寄与で連結売上高4,784億円・経常利益410億円へ回復"
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      "snapshot": {
        "fiscal_year": "2009年3月期",
        "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）",
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            "president": "鎌原正直",
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              "sub_title": "ＭＭＡに絞り込んだ会社と、届かない首位",
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                {
                  "text": "2008年度に始めた第6次中期経営計画「グローバルＵＳ→２０１０」で、三菱レイヨンはＭＭＡ（メタクリル酸メチル）系事業に「規模、収益力において世界Ｎｏ.１」という目標を置いた。日本・タイ・中国ではモノマーからポリマーまでの一貫体制をすでに築き、韓国ではモノマーとポリマーの新プラント建設、タイではモノマー増設とアクリル樹脂板工場の建設に着手していた。2008年3月期の化成品・樹脂事業は売上1,869億円・営業利益223億円を稼ぎ、全社を支えていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "第6次中期経営計画でＭＭＡ系事業に「規模、収益力において世界Ｎｏ.１」を掲げ、韓国・タイで新増設に着手していた",
                      "原文": "ＭＭＡ(メタクリル酸メチル)系事業については、「規模、収益力において世界Ｎｏ.１」を目標に、韓国でのＭＭＡモノマー及びポリマーの新プラント建設を進め、さらに、Thai MMA Co.,Ltd.におけるＭＭＡモノマープラントの増設とアクリル樹脂板プラントの建設に着手しました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）",
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                    {
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                      "原文": "2008年3月期の事業の種類別セグメント「化成品・樹脂事業」の売上高は186,968百万円、営業利益は22,313百万円であった。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2008年3月期・連結）",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "それでも生産能力の順位は世界4位にとどまった。ＭＭＡモノマーは液晶テレビの導光板や自動車の前照灯カバーに使うアクリル樹脂の原料で、用途は広がっていた。首位は英ルーサイト・インターナショナルで、世界の23％を握る。英ＩＣＩと米デュポンのＭＭＡ事業を引き継いだ専業メーカーであり、2008年12月期の連結売上高は8億8,500万英ポンド、連結総資産は9億3,100万英ポンド。株式は英投資会社チャーターハウス・キャピタル・パートナーズの運用ファンドなどが握っていた。",
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                    {
                      "fact": "三菱レイヨンは生産能力で業界4位、首位のルーサイトは23％のシェアを持っていた",
                      "原文": "三菱レイヨンは生産能力で業界４位、買収後のシェアは３５％に。ルーサイトは業界トップで２３％のシェアを保有。",
                      "source": "ダイヤモンド・オンライン（2008年11月18日）「円高で三菱レイヨンが大勝負　小が大をのみ込む買収を決断」",
                      "url": "https://diamond.jp/articles/-/2502"
                    },
                    {
                      "fact": "ルーサイトの2008年12月期の連結売上高は885百万英ポンド、連結総資産は931百万英ポンド。株式の売り手は Charterhouse Capital Partners LLP 運用ファンド他",
                      "原文": "(2) 株式取得の相手会社の名称　Funds managed by Charterhouse Capital Partners LLP 他／③規模　連結売上高　885百万英ポンド(平成20年12月期)　連結総資産　931百万英ポンド(平成20年12月期)",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）【重要な後発事象】",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "金融危機の直撃と、対価を軽くした円高",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2008年秋の金融危機は、この会社を直撃した。2009年3月期の連結売上高は3,450億円と前期比17.5％減り、営業損失76億円・経常損失38億円を計上した。アクリル繊維事業の構造改革と株式相場の下落による投資有価証券評価損が重なり、当期純損失は290億円、1株当たり50円58銭の赤字に達した。自己資本比率は前期の44.2％から36.1％へ下がっている。大型買収を抱えて越すには、重い決算であった。",
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                    {
                      "fact": "2009年3月期は売上高345,048百万円（17.5％減）、営業損失7,612百万円、経常損失3,758百万円、当期純損失28,950百万円",
                      "原文": "売上高は345,048百万円(前連結会計年度比17.5％減)と減収を余儀なくされるとともに、7,612百万円の営業損失(前連結会計年度は37,508百万円の営業利益)、3,758百万円の経常損失(前連結会計年度は33,968百万円の経常利益)、さらに28,950百万円の多額の当期純損失(前連結会計年度は14,274百万円の当期純利益)を計上するに至りました。",
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                    {
                      "fact": "自己資本比率は2008年3月期44.2％から2009年3月期36.1％へ低下、1株当たり当期純損失は50円58銭",
                      "原文": "自己資本比率(％)　第83期(平成20年3月)44.2／第84期(平成21年3月)36.1。１株当たり当期純利益又は当期純損失(△)(円)　△50.58。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）",
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                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "一方で、同じ危機がもたらした円高は買収の対価を軽くした。ダイヤモンド・オンラインは2008年11月18日に「小が大をのみ込む買収」と伝え、能力4位が首位を取り込む構図を示している。鎌原正直社長は「ルーサイトを他社に取られずにほっとしている」と語った。売り手が投資ファンドである以上、次に市場へ出る保証はない。決算の底と、相手が売り物になる時期とが同じ年に重なった。",
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                      "fact": "円高を追い風に、能力4位の三菱レイヨンが首位を買収。鎌原社長は「ルーサイトを他社に取られずにほっとしている」と述べた",
                      "原文": "円高で三菱レイヨンが大勝負　小が大をのみ込む買収を決断／鎌原正直社長は「ルーサイトを他社に取られずにほっとしている」とコメントしている。",
                      "source": "ダイヤモンド・オンライン（2008年11月18日）「円高で三菱レイヨンが大勝負　小が大をのみ込む買収を決断」",
                      "url": "https://diamond.jp/articles/-/2502"
                    }
                  ]
                }
              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "2008年11月11日の株式売買契約",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2008年11月11日、三菱レイヨンは英国の子会社 MRC Group Holdings (UK) Limited を通じ、ルーサイトの発行済株式9,556千株のすべてを取得する株式売買契約を結んだ。取得後の持分比率は100％、買収資金の総額は約16億米ドルとされた。鎌原社長は買収でＭＭＡ生産シェアが35％になるとしたうえで、「原料から樹脂まで一貫生産するＭＭＡチェーン戦略に弾みがつく」と述べている。能力4位の会社が、世界の四分の一を握る首位を丸ごと引き受ける取引である。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2008年11月11日に発行済全株式を取得する株式売買契約を締結、取得株式数9,556千株・持分比率100％・買収資金総額約16億米ドル",
                      "原文": "当社グループは、平成20年11月11日にLucite International Group Limitedの発行済全株式を取得し連結子会社化する株式売買契約を締結し、株式買取りに係る事務手続き等を進めています。／①取得株式数　9,556千株　②取得後の持分比率　100％　③買収資金総額　約16億米ドル",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）【重要な後発事象】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "鎌原社長は買収でＭＭＡ生産シェアが35％になるとし、ＭＭＡチェーン戦略の加速を挙げた",
                      "原文": "当社のＭＭＡ生産シェアは35％となった。原料から樹脂まで一貫生産するＭＭＡチェーン戦略に弾みがつく",
                      "source": "ダイヤモンド・オンライン（2008年11月18日）「円高で三菱レイヨンが大勝負　小が大をのみ込む買収を決断」",
                      "url": "https://diamond.jp/articles/-/2502"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "関係各国の独占禁止法当局から認可を得て、2009年5月28日に株式買取りの手続きが完了した。会社は完了を伝える文書で「世界のＭＭＡ市場におけるリーディング企業の地位を獲得」したとし、ルーサイトを「ＭＭＡの主要3製法を保有する世界唯一且つ最大のモノマーメーカー」と説明した。連結の範囲にはルーサイト社ほか44社が加わり、常務執行役員にはルーサイト社長の Ian R Lambert 氏が就いて、鎌原社長は同社の取締役会長を兼ねた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "各国独禁当局の認可を経て2009年5月28日に株式買取りの最終手続きを完了した",
                      "原文": "なお、本買収に関わる関係各国において独占禁止法当局の認可取得を全て完了し、平成21年５月28日に株式買取りに関わる最終事務手続き等を全て完了しました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "会社は買収完了により「世界のＭＭＡ市場におけるリーディング企業の地位を獲得」したとし、ルーサイトを主要3製法を持つ世界唯一最大のモノマーメーカーと説明した",
                      "原文": "世界のＭＭＡ市場におけるリーディング企業の地位を獲得／ＭＭＡの主要3製法を保有する世界唯一且つ最大のモノマーメーカー／米欧アジアでバランスのとれた三極生産体制",
                      "source": "三菱レイヨン「ルーサイト社（英国）買収手続きの完了について」（2009年5月29日）",
                      "url": "https://www.m-chemical.co.jp/news/mrc/p09/090529.html"
                    },
                    {
                      "fact": "常務執行役員 Ian R Lambert 氏がルーサイトブロック担当役員兼ルーサイト社社長（CEO）、社長執行役員の鎌原正直氏がルーサイト社取締役会長を務めた",
                      "原文": "常務執行役員　Ian R Lambert　ルーサイトブロック担当役員 兼 Lucite International Group Limited　取締役社長(CEO)／社長執行役員　鎌　原　正　直　監査室担当役員　Lucite International Group Limited　取締役会長",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）【役員の状況】",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "取得原価1,895百万円と、買収資金16億米ドル",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "取得原価は18億9,500万円である。うち株式そのものの対価は1,000万円で、残る18億8,500万円は取得に直接要した支出が占める。企業結合日に受け入れた資産は2,020億円、引き受けた負債は1,978億円。会社が買収資金を「約16億米ドル（既存外部借入金の引受けを含む）」と書いたとおり、支払いの実体は株式代金ではなく、相手が抱えた借金の肩代わりであった。差額はのれん323億円となり、20年間の均等償却に置かれた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "取得原価1,895百万円の内訳は株式10百万円とその他取得に直接要した支出1,885百万円。企業結合日に受け入れた資産202,055百万円、引き受けた負債197,897百万円。のれん32,369百万円を20年均等償却",
                      "原文": "Lucite International Group Limitedの株式　10百万円／その他取得に直接要した支出　1,885〃／取得原価　1,895百万円。(1) のれんの金額　32,369百万円　(3) 償却の方法及び償却期間　20年間にわたる均等償却。資産の部　202,055百万円（流動資産49,150／固定資産152,905）、負債の部　197,897百万円（流動負債175,319／固定負債22,577）。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）【企業結合等関係】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "会社は買収金額を「約16億米ドル（既存外部借入金の引受けを含む）」と説明した",
                      "原文": "約16億米ドル（既存外部借入金の引受けを含む）",
                      "source": "三菱レイヨン「ルーサイト社（英国）買収手続きの完了について」（2009年5月29日）",
                      "url": "https://www.m-chemical.co.jp/news/mrc/p09/090529.html"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "その負債を返す金は借入で用意した。2009年5月27日、三菱東京ＵＦＪ銀行から日本円873億円・3億8,500万米ドル・2億9,000万ユーロを、返済期限1年で借り入れている。財務制限条項には「連結経常損益が、２連結会計年度連続して損失とならないこと」が入った。前期に経常損失を出したばかりの会社が、翌期の黒字を条件に資金を引いた形になる。2010年3月期には子会社借入金の返済に1,531億円が出て、長期借入れで1,463億円が入った。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "買収資金として三菱東京ＵＦＪ銀行から日本円87,300百万円・385百万米ドル・290百万ユーロを借入（実行日2009年5月27日・返済期限2010年5月27日）、財務制限条項に連結経常損益の2期連続赤字回避が入った",
                      "原文": "買収資金（被買収会社の既存借入金の返済資金を含む）として、以下のとおり借入契約を締結し、実行しています。借入先　㈱三菱東京ＵＦＪ銀行／借入金額　日本円:87,300百万円　米ドル:385百万米ドル　ユーロ:290百万ユーロ／借入実行日　平成21年５月27日／返済期限　平成22年５月27日／財務制限条項　③連結経常損益が、２連結会計年度連続して損失とならないこと。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）【重要な後発事象】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2010年3月期は企業の買収に伴う子会社借入金の返済に153,187百万円を支出し、長期借入れで146,333百万円を調達した",
                      "原文": "企業の買収に伴う子会社借入金の返済による支出153,187百万円及び有形固定資産の取得による支出36,356百万円等があり、175,457百万円の支出となりました。／長期借入による収入146,333百万円及び企業の買収に伴うデリバティブ取引による収入5,091百万円等があり、105,187百万円の収入となりました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "膨らんだ貸借対照表と、自らが買われた春",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "買収は貸借対照表の姿を変えた。2010年3月期末の総資産は5,674億円と前期末から1,585億円増え、固定資産は1,507億円増の3,919億円となった。固定負債は長期借入金を中心に1,515億円増えて2,640億円、無形固定資産ののれんは13億円から308億円へ膨らんだ。海外売上高比率は43.0％から56.1％へ上がり、自己資本比率は26.4％まで下がった。2008年3月期の44.2％から2年で18ポイント落ちた計算になる。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2010年3月期末の総資産は567,454百万円（前期末比158,520百万円増）、固定資産391,968百万円、固定負債264,003百万円（151,558百万円増）、自己資本比率26.4％",
                      "原文": "当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて158,520百万円増の567,454百万円となりました。／固定資産については、機械装置及び運搬具やLucite International Group Limited買収に伴いのれんが増加したことなどにより、前連結会計年度末と比べ150,771百万円増の391,968百万円となりました。／固定負債は、社債が減少した一方で、長期借入金や退職給付引当金が増加したことなどにより、前連結会計年度末と比べ151,558百万円増の264,003百万円となりました。／また自己資本比率は26.4％となりました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "海外売上高比率は2009年3月期の約43.0％から2010年3月期に56.1％へ上昇した",
                      "原文": "また、海外売上高比率は56.1％(平成22年３月期)であり、日本を含む世界の景気動向の影響を受けます。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "2010年3月期の業績はまだ底にあった。売上高は3,650億円へ戻し、営業利益54億円を確保したものの、急激な為替変動による差損と在外子会社の固定資産減損で経常損失61億円・当期純損失50億円を計上した。そして同じ2010年3月末、三菱ケミカルホールディングスによる公開買付が成立し、同年10月の株式交換で三菱レイヨンは完全子会社となった。ＭＭＡで世界首位に立った10カ月後に、会社そのものが買われた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2010年3月期は売上高365,047百万円、営業利益5,433百万円、経常損失6,135百万円、当期純損失5,013百万円",
                      "原文": "その結果、売上高は365,047百万円(前連結会計年度比5.7％増)、営業利益は5,433百万円(前連結会計年度は7,612百万円の営業損失)、経常損失は6,135百万円(前連結会計年度は3,758百万円の経常損失)、当期純損失は5,013百万円(前連結会計年度は28,950百万円の当期純損失)となりました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2010年3月に三菱ケミカルホールディングスとの経営統合に伴う株式公開買付手続きが完了し、同年10月に株式交換で完全統合の手続きを終えた",
                      "原文": "さらに、昨年11月には三菱ケミカルホールディングスグループとの経営統合に合意し、本年３月には株式公開買付手続きが完了、同グループの主力事業会社の１つとなりました。／まず、当社株式と株式会社三菱ケミカルホールディングス株式の株式交換をスケジュールどおり実施し、本年10月に完全統合の手続きを完了させます。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "通年寄与の一年と、その後の反落",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "ルーサイトが通年で寄与した2011年3月期は、数字が一変した。連結売上高は4,784億円と31.0％増え、営業利益は54億円から410億円へ、当期純利益は229億円となった。化成品・樹脂事業は売上3,066億円・セグメント利益446億円で、買収前の2009年3月期に売上1,568億円・営業利益6億円だった同じ事業とは、規模も収益力も別のものになった。ＭＭＡモノマーは各拠点がフル生産で応じるほど需給が締まっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2011年3月期は売上高478,401百万円（31.0％増）、営業利益41,037百万円、経常利益40,955百万円、当期純利益22,880百万円",
                      "原文": "売上高は478,401百万円(前連結会計年度比31.0％増)、営業利益は41,037百万円(前連結会計年度比655.2％増)、経常利益は40,955百万円(前連結会計年度は6,135百万円の経常損失)、当期純利益は22,880百万円(前連結会計年度は5,013百万円の当期純損失)となりました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2011年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "化成品・樹脂事業の売上高は2009年3月期156,835百万円・営業利益626百万円から、2011年3月期306,563百万円・セグメント利益44,560百万円へ拡大した",
                      "原文": "この結果、化成品・樹脂事業の売上高は306,563百万円(前連結会計年度比41.7％増)、セグメント利益は44,560百万円(前連結会計年度比178.3％増)となりました。／2009年3月期の化成品・樹脂事業の売上高は156,835百万円、営業利益は626百万円であった。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2011年3月期・連結／2009年3月期・連結）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "高い水準は続かなかった。2013年3月期の連結売上高は4,569億円、営業利益68億円、経常利益76億円、当期純利益12億円まで落ち、化成品・樹脂事業のセグメント利益も123億円にとどまった。中国での需要低迷が響き、ＭＭＡモノマーの価格是正が進まなかった。会社は2009年8月に中期計画を見直して「Ｎｅｗ Ｄｅｓｉｇｎ ＭＲＣ」を掲げ、2018年近傍に売上高1兆円・営業利益1,000億円を置いたが、その規模には遠かった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2013年3月期は売上高456,908百万円、営業利益6,817百万円、経常利益7,565百万円、当期純利益1,228百万円。化成品・樹脂事業のセグメント利益は12,323百万円",
                      "原文": "売上高は456,908百万円(前連結会計年度比3.6％減)、営業利益は6,817百万円(前連結会計年度比77.4％減)、経常利益は7,565百万円(前連結会計年度比76.3％減)、当期純利益は1,228百万円(前連結会計年度比89.5％減)となりました。／この結果、化成品・樹脂事業の売上高は285,842百万円(前連結会計年度比4.2％減)、セグメント利益は12,323百万円(前連結会計年度比60.2％減)となりました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2013年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "「Ｎｅｗ Ｄｅｓｉｇｎ ＭＲＣ」はＭＭＡ系で世界首位を不動にし、2018年近傍に売上高1兆円・営業利益1,000億円を目指すものであった",
                      "原文": "「Ｎｅｗ Ｄｅｓｉｇｎ ＭＲＣ」は、ＭＭＡ系事業においてグローバル市場で圧倒的なナンバー・ワンの地位を不動のものとし、次のコア事業として炭素繊維・複合材料事業と水環境事業を成長させ、数値目標としては平成30年(2018年)近傍において売上高１兆円、営業利益1,000億円を目指すものです。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "買った資産をどう使うかは、その後の課題として残った。会社はルーサイトとの一体化について、北米事業とポリマー事業の再構築、事業運営の一体化、拠点の相互活用と技術交流、そして新エチレン法（アルファ法）による成長戦略の具体化を挙げている。エチレンからＭＭＡをつくるアルファ法はルーサイトが持ち込んだ製法で、2009年8月にはその競争力を高める狙いでサウジアラビアの化学大手ＳＡＢＩＣと業務提携に合意した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "ルーサイトとの一体化の課題として北米事業・ポリマー事業の再構築、拠点の相互活用、技術交流、新エチレン法（アルファ法）による成長戦略の具体化を挙げた",
                      "原文": "北米事業、ポリマー事業の再構築を進めるとともに、事業運営の一体化、拠点の相互活用、技術交流を進めてシナジーを実現させ、同時に、新エチレン法(アルファ法)による成長戦略の具体化を推進します。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2009年8月に新エチレン法（アルファ法）の競争力最大化を目的として Saudi Basic Industries Corporation と業務提携に合意した",
                      "原文": "昨年８月にはＭＭＡモノマーの新製法である新エチレン法(アルファ法)の競争力最大化を目的として、Saudi Basic Industries Corporationとの業務提携に合意しました。",
                      "source": "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "三菱レイヨンはＭＭＡで規模・収益ともに世界1位の目標を掲げ、2009年8月にサウジアラビアの化学大手と合弁工場の建設を決めた",
                      "原文": "同原料で規模、収益ともに世界１位の目標を掲げ、今年８月にもサウジアラビア化学大手とアクリル樹脂原料の合弁工場建設を決めた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2009年8月29日号「ＮＥＷＳ ＴＯＰ４　０４　化学大型買収へ虎視眈々　三菱ケミカルの選択眼」",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "首位を取ることと、首位で稼ぎ続けること",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "株式そのものに払った対価は1,000万円であった。取得原価18億9,500万円のほとんどは取得に直接要した支出で、実際に引き受けたのは2,020億円の資産と1,978億円の負債である。世界の四分の一を握る首位を、生産能力4位の会社が借金ごと抱え込み、ＭＭＡ生産シェアを35％まで引き上げた。当期純損失290億円を出した年に踏み切れたのは、ＭＭＡ一品目への集中を長く続けてきたことと、金融危機がもたらした円高とが重なったからである。"
                },
                {
                  "text": "引き受けた負債は、そのまま会社の身軽さを削った。自己資本比率は2008年3月期の44.2％から2010年3月期に26.4％へ下がり、返済期限1年の借入と20年償却ののれん323億円が残った。買収完了の10カ月後には三菱ケミカルホールディングスの公開買付が成立し、世界首位に立った会社そのものが買われている。2011年3月期に410億円まで戻った経常利益は、2013年3月期に76億円へ落ちた。首位を取ることと、首位でいる間に稼ぎ続けることとは、別の課題として残った。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2008年3月期・連結）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2009年3月期・連結）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2010年3月期・連結）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2011年3月期・連結）",
        "三菱レイヨン 有価証券報告書（2013年3月期・連結）",
        "三菱レイヨン「ルーサイト社（英国）買収手続きの完了について」（2009年5月29日）",
        "ダイヤモンド・オンライン（2008年11月18日）「円高で三菱レイヨンが大勝負　小が大をのみ込む買収を決断」",
        "週刊東洋経済 2009年8月29日号「ＮＥＷＳ ＴＯＰ４　０４　化学大型買収へ虎視眈々　三菱ケミカルの選択眼」"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-30"
    }
  ]
}
