{
  "title": "キオクシアホールディングスの歴史概略",
  "sections": [
    {
      "start_year": 1951,
      "end_year": 1999,
      "main_title": "トランジスタからDRAM首位へ、そしてNAND型フラッシュメモリの発明",
      "subsections": [
        {
          "title": "トランジスタ試作からDRAM製造で世界首位に立った東芝の半導体",
          "text": "キオクシアの源流は、母体である東芝（東京芝浦電気）の半導体事業にさかのぼる。東京芝浦電気は1951年1月、川崎市の小向工場でトランジスタを試作し、日本でも早い時期に固体素子へ踏み込んだ。1956年ごろまでには東京通信工業（後のソニー）や日立製作所などとともに、米ベル研究所・ウェスタン・エレクトリックからトランジスタ技術のライセンスを受けた最初期の日本企業の一社となった。真空管に代わる電子デバイスの国産化に早くから加わり、半導体の量産技術を社内に育てたことが、のちのメモリ事業の技術的な土台になった。\n\n東芝は集積回路の時代に入るとメモリで存在感を高めた。1980年代のDRAM開発では、微細化の難しい立体構造ではなく平面セルと低消費電力のCMOSを採り、量産のしやすさで先行した。1MビットDRAMでは消費電力を従来の半分以下に抑えて歩留まりを高め、1986年には月産100万個の体制を築いてこの製品分野で世界の首位に立った。同じ1986年には日本勢が半導体全体の世界シェアで米国を抜き、東芝もNEC・日立とともに上位を占めた。この急伸は日米半導体摩擦を招き、1986年9月には日米半導体協定が結ばれてダンピング規制と外国製品のシェア拡大が求められた。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "東京芝浦電気が1951年1月に川崎市の小向工場でトランジスタを試作した",
                "source": "東芝トランジスタ発祥の地 記念碑（1960年建立）",
                "url": "https://840.gnpp.jp/toshiba-transistor/",
                "genbun": "東京芝浦電気は1951年1月、川崎市の小向工場でトランジスタを試作し"
              },
              {
                "fact": "東京芝浦電気は1956年ごろまでにベル研究所・ウェスタン・エレクトリックのトランジスタ技術ライセンシー最初期5社の一社となった",
                "source": "半導体歴史館（SHMJ）",
                "url": "https://www.shmj.or.jp/english/discretescdvc/dsd50s.html",
                "genbun": "米ベル研究所・ウェスタン・エレクトリックからトランジスタ技術のライセンスを受けた最初期の日本企業の一社"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "東芝は1MビットDRAMで平面セルとCMOSを採り、1986年に月産100万個の体制を築いてこの製品分野で世界首位となった",
                "source": "半導体歴史館（志村幸雄「日本半導体興亡史」）",
                "url": "https://www.shmj.or.jp/shimura/shimura_E/ssis_shimura2_14E.html",
                "genbun": "1986年には月産100万個の体制を築いてこの製品分野で世界の首位に立った"
              },
              {
                "fact": "1986年に日本の半導体世界シェアが米国を抜き、東芝もNEC・日立とともに上位を占めた",
                "source": "半導体歴史館",
                "url": "http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi065.htm",
                "genbun": "1986年には日本勢が半導体全体の世界シェアで米国を抜き"
              },
              {
                "fact": "1986年9月に日米半導体協定が結ばれた",
                "source": "半導体歴史館 ／ 日米半導体協定本文（1986-09-02）",
                "url": "http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi074.htm",
                "genbun": "1986年9月には日米半導体協定が結ばれて"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "舛岡富士雄が発明し、東芝が名付けた「フラッシュメモリ」",
          "text": "キオクシアの主力製品であるフラッシュメモリは、東芝の技術者の発明だった。舛岡富士雄氏は1980年ごろから川崎の研究拠点で不揮発性メモリの開発を進め、1984年に電子デバイスの国際会議IEDMで、一つのトランジスタで記憶する小型のフラッシュメモリ（後のNOR型）を発表した。さらに1987年のIEDMでは、素子をまとめて配線し面積あたりの記憶容量を高めたNAND型フラッシュメモリを世界で初めて発表した。一括して素早く消せる様子がカメラのフラッシュを思わせることから、同僚の有泉章二氏が「フラッシュ」と名付けたとされる。名前も技術も東芝から生まれた。\n\n東芝は1991年に世界で初めて4MビットのNAND型フラッシュメモリを製品化し、1992年には三重県に四日市工場を設けて量産の基盤を築いた。ただし東芝は同じ1992年、NAND技術を韓国のサムスン電子へライセンス供与した。サムスンはこれを足がかりに巨額を投じてNANDを量産し、のちに世界最大のメモリメーカーへ成長する。発明した当の東芝が、事業化の速度と投資の規模でサムスンに市場の先行を許したという評価は、この分野を語る際にしばしば指摘される。発明者の舛岡富士雄氏は処遇への不満から1994年に東芝を離れて東北大学教授へ転じ、後年は発明対価をめぐって東芝を提訴し、2006年に和解した。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "舛岡富士雄が1984年のIEDMでNOR型、1987年のIEDMで世界初のNAND型フラッシュメモリを発表した",
                "source": "IEEE Spectrum「Chip Hall of Fame: Toshiba NAND Flash Memory」",
                "url": "https://spectrum.ieee.org/chip-hall-of-fame-toshiba-nand-flash-memory",
                "genbun": "1987年のIEDMでは、素子をまとめて配線し面積あたりの記憶容量を高めたNAND型フラッシュメモリを世界で初めて発表した"
              },
              {
                "fact": "「フラッシュ」の名称は東芝の有泉章二が提案したとされる",
                "source": "キオクシア「History of our memory」（2019-10）",
                "url": "https://www.kioxia.com/en-jp/insights/history-of-our-memory-201910.html",
                "genbun": "同僚の有泉章二氏が「フラッシュ」と名付けたとされる"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "東芝は1991年に世界初の4MビットNAND型フラッシュメモリを製品化した",
                "source": "キオクシア「History of our memory」（2019-10）",
                "url": "https://www.kioxia.com/en-jp/insights/history-of-our-memory-201910.html",
                "genbun": "東芝は1991年に世界で初めて4MビットのNAND型フラッシュメモリを製品化し"
              },
              {
                "fact": "東芝は1992年に四日市工場を設け、同年NAND技術をサムスン電子へライセンス供与した",
                "source": "キオクシア「History of our memory」（2019-10） ／ IEEE Spectrum",
                "url": "https://spectrum.ieee.org/chip-hall-of-fame-toshiba-nand-flash-memory",
                "genbun": "1992年には三重県に四日市工場を設けて量産の基盤を築いた。ただし東芝は同じ1992年、NAND技術を韓国のサムスン電子へライセンス供与した"
              },
              {
                "fact": "舛岡富士雄は1994年に東芝を退職して東北大学教授となり、発明対価をめぐる訴訟は2006年に和解した",
                "source": "IEEE Spectrum「Chip Hall of Fame: Toshiba NAND Flash Memory」",
                "url": "https://spectrum.ieee.org/chip-hall-of-fame-toshiba-nand-flash-memory",
                "genbun": "発明者の舛岡富士雄氏は処遇への不満から1994年に東芝を離れて東北大学教授へ転じ、後年は発明対価をめぐって東芝を提訴し、2006年に和解した"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2000,
      "end_year": 2016,
      "main_title": "汎用DRAMからの撤退とSanDisk合弁によるNAND専業化、そして3次元への転換",
      "subsections": [
        {
          "title": "サンディスクとの合弁と汎用DRAM撤退が決めたNAND一本化",
          "text": "2000年、東芝は米サンディスクとフラッシュメモリで協業を始め、四日市での生産に向けて折半出資の合弁を設けた。翌2001年12月には汎用DRAM事業からの撤退を決め、米バージニア州の工場をマイクロン・テクノロジーへ売却した。価格競争の激しい汎用DRAMを手放し、発明したNAND型フラッシュへ経営資源を集中する選択である。以後、東芝のメモリ事業はNANDとその応用製品を軸に据え、四日市を中核の生産拠点として設備を積み増していく。総合電機である東芝のなかで、メモリは独自の投資サイクルを持つ事業へと性格を変えた。\n\n四日市工場はサンディスクとの合弁を器にして拡張を続けた。両社は工場を東芝が所有・運営し、生産設備への投資と産出ウエハを折半で分け合う枠組みを重ね、フラッシュパートナーズ、フラッシュアライアンス、フラッシュフォワードといった合弁会社を通じて製造棟を増やした。300ミリウエハに対応した製造棟を相次いで立ち上げ、微細化の世代交代で記憶容量あたりの単価を下げていく。サムスン電子やSKハイニックスとの間で微細化と増産の競争が続くなか、東芝とサンディスクの連合は世界のNAND市場で有数の供給者としての地位を保った。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2000年に東芝は米サンディスクとフラッシュメモリで協業を開始し、折半出資の合弁を設けた",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": "2000年、東芝は米サンディスクとフラッシュメモリで協業を始め、四日市での生産に向けて折半出資の合弁を設けた"
              },
              {
                "fact": "2001年12月に東芝は汎用DRAM事業からの撤退を決め、バージニア州の工場をマイクロンへ売却した",
                "source": "EE Times「Toshiba exits DRAM market, sells fab to Micron」",
                "url": "https://www.eetimes.com/toshiba-exits-dram-market-sells-fab-to-micron/",
                "genbun": "翌2001年12月には汎用DRAM事業からの撤退を決め、米バージニア州の工場をマイクロン・テクノロジーへ売却した"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "東芝とサンディスクはフラッシュパートナーズ・フラッシュアライアンス・フラッシュフォワードなどの合弁を通じて四日市の製造棟を増設した",
                "source": "有価証券報告書【沿革】 ／ キオクシア「四日市工場の軌跡」",
                "url": "https://www.kioxia.com/ja-jp/about/yokkaichi/history.html",
                "genbun": "フラッシュパートナーズ、フラッシュアライアンス、フラッシュフォワードといった合弁会社を通じて製造棟を増やした"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "3次元へ転じたBiCS FLASHと東芝の収益基盤への成長",
          "text": "微細化が物理的な限界に近づくと、東芝は記憶素子を垂直に積み上げる3次元化へ進んだ。2007年に3次元フラッシュメモリ技術を開発し、後にこれをBiCS FLASHと名付けて実用化を目指した。2011年には東芝の社内カンパニーとしてセミコンダクター＆ストレージ社を置き、メモリとSSDを担う組織を明確にした。スマートフォンやデータセンターの普及で大容量メモリの需要が伸び、メモリは総合電機である東芝のなかで最も多くの利益を生む事業へと育っていく。原子力や社会インフラと並ぶ収益基盤でありながら、必要な投資の規模と市況の振れは他の事業とは際立って異なっていた。\n\n2015年には48層を積み上げたBiCS FLASHのサンプル出荷を始め、3次元NANDの量産へと向かった。設備投資の負担は年々重くなり、合弁相手のサンディスクは2016年5月に米ウエスタンデジタルへ買収された。これにより四日市の合弁事業の相手は、ハードディスク大手のウエスタンデジタルへと引き継がれる。世代を追うごとに巨額の投資を要するNANDの拡張競争のなかで、東芝メモリ事業の資金需要は膨らみ続けた。この投資負担の重さが、まもなく訪れる東芝本体の経営危機のなかで、メモリ事業の帰趨を左右する要因の一つになる。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "東芝は2007年に3次元フラッシュメモリ技術を開発し、2011年に社内カンパニーのセミコンダクター＆ストレージ社を設置した",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": "2007年に3次元フラッシュメモリ技術を開発し、後にこれをBiCS FLASHと名付けて実用化を目指した。2011年には東芝の社内カンパニーとしてセミコンダクター＆ストレージ社を置き"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2015年に48層のBiCS FLASHのサンプル出荷を始めた",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": "2015年には48層を積み上げたBiCS FLASHのサンプル出荷を始め"
              },
              {
                "fact": "合弁相手のサンディスクは2016年5月に米ウエスタンデジタルへ買収された",
                "source": "Data Center Knowledge「Western Digital Acquires SanDisk for $19B」",
                "url": "https://www.datacenterknowledge.com/investing/western-digital-acquires-sandisk-for-19b",
                "genbun": "合弁相手のサンディスクは2016年5月に米ウエスタンデジタルへ買収された"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2017,
      "end_year": 2019,
      "main_title": "東芝の経営危機による分社・売却と、ベイン連合の下でのキオクシア誕生",
      "subsections": [
        {
          "title": "会計不正とウェスチングハウス破綻が迫った虎の子の売却",
          "text": "メモリ事業が東芝の手を離れる引き金は、本体の経営危機だった。2015年、第三者委員会は東芝が2008年度以降に営業利益を計約1,518億円過大に計上していたと認定し、田中久雄社長ら経営陣が引責辞任した。追い打ちをかけたのが米原子力子会社ウェスチングハウスである。建設コストの膨張で巨額ののれん減損を迫られ、2017年3月にはウェスチングハウスが米連邦破産法第11章の適用を申請した。東芝は多額の損失で債務超過に陥る恐れに直面し、二期連続なら上場廃止となる瀬戸際に立たされた。手元でもっとも高く売れる資産が、成長を続けるメモリ事業だった。\n\n東芝は2017年、メモリ事業を切り出す準備に入った。2月に承継の受け皿として旧東芝メモリ株式会社を設立し、4月にはメモリとSSDの事業を会社分割によってこの新会社へ移した。総合電機の一部門だったメモリが、独立した会社として単体で評価される体制になった。分社したうえで株式を外部へ売る枠組みは、債務超過を短期間で解消するための資金づくりであると同時に、投資負担の重いメモリ事業を東芝本体の信用力から切り離す意味も持っていた。ここから、世界の半導体大手や投資ファンドを巻き込む争奪戦が始まる。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2015年に第三者委員会が東芝の営業利益 約1,518億円の過大計上を認定し、田中久雄社長らが辞任した",
                "source": "Bloomberg「Toshiba Executives Resign Over $1.2 Billion Accounting Scandal」（2015-07-21）",
                "url": "https://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-21/toshiba-executives-resign-over-1-2-billion-accounting-scandal",
                "genbun": "東芝が2008年度以降に営業利益を計約1,518億円過大に計上していたと認定し、田中久雄社長ら経営陣が引責辞任した"
              },
              {
                "fact": "2017年3月に米ウェスチングハウスが米連邦破産法第11章の適用を申請した",
                "source": "東芝「Notice on Chapter 11 Filing」（2017-03-29）",
                "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20170329_1.pdf",
                "genbun": "2017年3月にはウェスチングハウスが米連邦破産法第11章の適用を申請した"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2017年2月に旧東芝メモリ株式会社を設立し、4月にメモリ・SSD事業を会社分割で承継した",
                "source": "有価証券報告書【沿革】 ／ 東芝「Notice Regarding Closing」（2018-06-01）",
                "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20180601_1.pdf",
                "genbun": "2月に承継の受け皿として旧東芝メモリ株式会社を設立し、4月にはメモリとSSDの事業を会社分割によってこの新会社へ移した"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "入札合戦とウエスタンデジタルとの紛争を経た約2兆円での取得",
          "text": "東芝メモリの売却には、ブロードコム連合、鴻海（フォックスコン）、SKハイニックス、ウエスタンデジタルなどが名乗りを上げ、提示額は2兆円を超える水準まで競り上がった。2017年6月に東芝は産業革新機構・日本政策投資銀行・ベインキャピタル・SKハイニックスからなる日米韓連合を優先交渉先に選び、9月にベインキャピタルが主導する買収目的会社Pangeaと株式譲渡契約を結んだ。一方で合弁相手のウエスタンデジタルは、東芝が持分を第三者へ移すには自社の同意が要ると主張して国際仲裁を申し立て、売却の差し止めを求めた。この紛争は同年12月、合弁を延長・強化する条件で包括的に和解した。\n\n最後の関門だった中国の独占禁止当局の承認を経て、売却は2018年6月1日に完了した。買収額は約2兆円で、当時の日本では最大級の企業売却である。受け皿のPangeaの議決権は、ベインキャピタルが49.9%、再出資した東芝が40.2%、光学部品大手のHOYAが9.9%という構成で、日本勢が合わせて過半を握る設計だった。東芝は普通株と優先株を合わせ総額3,505億円を出し直して大株主として残り、SKハイニックスは将来株式へ転換できる社債で参加した。アップルやデルなど連合に名を連ねた米企業は議決権を持たない形で資金を出した。日本に技術と生産を残す配慮と、外資ファンドが主導する資本の論理とが同居する器だった。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2017年6月に東芝は産業革新機構・日本政策投資銀行・ベインキャピタル・SKハイニックスの日米韓連合を優先交渉先に選び、9月にベイン主導のPangeaと株式譲渡契約を結んだ",
                "source": "CNBC「Toshiba selects consortium for memory business sale」（2017-06-20） ／ Bain Capital プレス（2017-09-28）",
                "url": "https://www.baincapital.com/news/bain-capital-led-consortium-enters-definitive-agreement-toshiba-corporation",
                "genbun": "2017年6月に東芝は産業革新機構・日本政策投資銀行・ベインキャピタル・SKハイニックスからなる日米韓連合を優先交渉先に選び、9月にベインキャピタルが主導する買収目的会社Pangeaと株式譲渡契約を結んだ"
              },
              {
                "fact": "ウエスタンデジタルは2017年5月に売却をめぐり国際仲裁を申し立て、同年12月に合弁延長を条件に包括和解した",
                "source": "キオクシア／ベイン 包括和解プレス（2017-12-13）",
                "url": "https://apac.kioxia.com/en-apac/about/news/2017/20171213-1.html",
                "genbun": "東芝が持分を第三者へ移すには自社の同意が要ると主張して国際仲裁を申し立て、売却の差し止めを求めた。この紛争は同年12月、合弁を延長・強化する条件で包括的に和解した"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "東芝メモリの売却は2018年6月1日に完了し、買収額は約2兆円だった",
                "source": "東芝「Notice Regarding Closing」（2018-06-01）",
                "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20180601_1.pdf",
                "genbun": "売却は2018年6月1日に完了した。買収額は約2兆円で"
              },
              {
                "fact": "Pangeaの議決権はベイン49.9%・東芝40.2%・HOYA9.9%で、東芝は総額3,505億円を再出資した",
                "source": "東芝「Notice Regarding Closing」（2018-06-01）",
                "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20180601_1.pdf",
                "genbun": "ベインキャピタルが49.9%、再出資した東芝が40.2%、光学部品大手のHOYAが9.9%という構成で、日本勢が合わせて過半を握る設計だった。東芝は普通株と優先株を合わせ総額3,505億円を出し直して"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "東芝メモリからキオクシアへ──記憶に価値を与える社名",
          "text": "ベインキャピタル連合の傘下に入った後、会社は持株会社体制と新しい社名を整えた。2019年3月、株式移転によって持株会社の東芝メモリホールディングス株式会社を設け、事業会社を傘下に置いた。同年10月には、グループの社名を一斉にキオクシアへ改めた。キオクシアは日本語の「記憶」とギリシャ語で価値を意味する「アクシア」を組み合わせた造語で、社内公募から選ばれた。東芝の名を外したことは、旧親会社からの独立と、メモリ専業メーカーとして世界で戦う決意を表すものだった。発明から30年余りを経て、東芝が生んだフラッシュメモリの事業は、独自の名を持つ会社として歩み始めた。\n\n独立した専業メーカーとなったキオクシアは、四日市や北上で続く巨額の設備投資を、旧親会社の信用に頼らず自らの手で賄う必要に迫られた。2019年6月には日本政策投資銀行を引受先とする優先株の発行と、金融機関からのシンジケートローンによって資金を調達した。メモリ市況の波に耐えながら、数千億円規模の世代交代投資を毎年続けるには、より厚い資本基盤が要る。ベインキャピタル連合の出資を入り口としたこの会社にとって、自ら株式市場から広く資金を集める上場は、独立を確かなものにするための次の目標となった。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2019年3月に持株会社の東芝メモリホールディングスを設立し、同年10月にグループ社名をキオクシアへ改めた",
                "source": "キオクシア 改称プレス（2019-07-18） ／ 有価証券報告書【沿革】",
                "url": "https://www.kioxia-holdings.com/en-jp/news/2019/20190718-1.html",
                "genbun": "2019年3月、株式移転によって持株会社の東芝メモリホールディングス株式会社を設け、事業会社を傘下に置いた。同年10月には、グループの社名を一斉にキオクシアへ改めた"
              },
              {
                "fact": "キオクシアは日本語の「記憶」とギリシャ語で価値を意味する「アクシア」を組み合わせた造語である",
                "source": "キオクシア 改称プレス（2019-07-18）",
                "url": "https://www.kioxia-holdings.com/en-jp/news/2019/20190718-1.html",
                "genbun": "キオクシアは日本語の「記憶」とギリシャ語で価値を意味する「アクシア」を組み合わせた造語で、社内公募から選ばれた"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2019年6月に日本政策投資銀行を引受先とする優先株の発行とシンジケートローンで資金を調達した",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": "2019年6月には日本政策投資銀行を引受先とする優先株の発行と、金融機関からのシンジケートローンによって資金を調達した"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2020,
      "end_year": 2026,
      "main_title": "ウエスタンデジタルとの統合破談を越えた上場と、過去最高益への到達",
      "subsections": [
        {
          "title": "上場の延期とウエスタンデジタルとの経営統合交渉の破談",
          "text": "キオクシアは独立後まもなく上場を目指したが、環境は味方しなかった。2020年9月、米中対立と対ファーウェイ輸出規制、新型コロナ下の市況軟化を理由に、予定していた東証への上場を延期した。前後してウエスタンデジタルとの経営統合が模索され、2021年には株式交換による統合案が浮上した。四日市と岩手の工場を折半で運営する両社が一つになれば、サムスン電子に並ぶ規模のNANDメーカーが生まれるはずだった。統合は日本に本社を置く新会社の形で2023年に交渉が再燃したが、詰めの段階で行き詰まる。\n\n統合交渉は2023年10月に破談した。決め手となったのは、株主であるSKハイニックスの同意が得られなかったことである。SKハイニックスは2018年の買収連合に社債で参加し、キオクシアの企業価値に大きな利害を持っていた。競合であるウエスタンデジタルとの統合は自らの投資価値を損ないかねないとして反対し、Pangeaを組成したベインとの条件も折り合わなかった。発明者どうしが一つになる構想は、複雑な資本の連立に阻まれて実を結ばなかった。破談の後、ウエスタンデジタルは自社のフラッシュ事業を分離する方針へ転じた。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "キオクシアは2020年9月に米中対立や対ファーウェイ輸出規制を理由に東証への上場を延期した",
                "source": "Nikkei Asia「Japanese chipmaker Kioxia delays IPO」（2020-09）",
                "url": "https://asia.nikkei.com/politics/international-relations/us-china-tensions/japanese-chipmaker-kioxia-delays-ipo",
                "genbun": "2020年9月、米中対立と対ファーウェイ輸出規制、新型コロナ下の市況軟化を理由に、予定していた東証への上場を延期した"
              },
              {
                "fact": "2021年にウエスタンデジタルとの株式交換による経営統合案が浮上し、2023年に交渉が再燃した",
                "source": "CNBC「Western Digital to split flash memory business after Kioxia merger talks stall」（2023-10-30）",
                "url": "https://www.cnbc.com/2023/10/30/western-digital-to-split-flash-memory-business-after-kioxia-merger-talks-stall.html",
                "genbun": "2021年には株式交換による統合案が浮上した。"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "ウエスタンデジタルとの統合交渉は2023年10月にSKハイニックスの同意が得られず破談した",
                "source": "Nikkei Asia「Western Digital-Kioxia merger sunk by failed consensus-building」（2023-10） ／ Bloomberg（2023-10-26）",
                "url": "https://asia.nikkei.com/business/tech/semiconductors/western-digital-kioxia-merger-sunk-by-failed-consensus-building",
                "genbun": "統合交渉は2023年10月に破談した。決め手となったのは、株主であるSKハイニックスの同意が得られなかったことである"
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "4年越しの東証上場と、メモリ市況の谷を越えた過去最高益",
          "text": "キオクシアは2024年12月18日、東京証券取引所プライム市場に上場した。証券コードは285Aで、公開価格は1,455円、初日の終値は1,601円だった。2020年に見送ってから4年越しの上場である。上場に至る道のりは、メモリ市況の激しい波と重なっていた。2024年3月期は市況の悪化で売上高1兆766億円にとどまり、営業損益は2,527億円、純損益は2,437億円の赤字に沈んでいた。専業メーカーであるキオクシアの業績は、NANDの需給と単価にそのまま連動する構造を持つ。上場は、その振れの大きい事業を株式市場の評価にさらす節目でもあった。\n\n上場の後、業績は急回復した。2025年3月期は生成AIとデータセンター向けのSSD需要を追い風に、売上高1兆7,064億円、純利益2,723億円で黒字へ転じた。続く2026年3月期には、売上高2兆3,376億円、営業利益8,704億円、純利益5,545億円といずれも過去最高を更新した。営業利益は東芝メモリ時代の水準を上回り、専業メーカーとしての稼ぐ力を示した。半面、赤字と最高益がわずか数年で入れ替わるこの振れ幅は、単一の製品に依存するNAND専業という事業構造の裏返しでもある。市況の谷で耐え、山で稼ぐ資本の厚みが、上場後の経営課題として残った。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "キオクシアは2024年12月18日に東証プライム市場へ上場し、公開価格1,455円・初日終値1,601円だった",
                "source": "日本経済新聞「キオクシアが上場、初値1440円」（2024-12） ／ EE Times Japan（2024-12-18）",
                "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC081I30Y4A201C2000000/",
                "genbun": "2024年12月18日、東京証券取引所プライム市場に上場した。証券コードは285Aで、公開価格は1,455円、初日の終値は1,601円だった"
              }
            ],
            []
          ]
        },
        {
          "title": "ベインの撤退と東芝の実質筆頭株主化、そして東芝育ちの技術者社長",
          "text": "上場は、キオクシアを支えてきた資本の顔ぶれを塗り替えていった。筆頭株主だったベインキャピアルは保有株を段階的に売り出し、2026年7月に最後の持分を手放して8年で完全に撤退した。旧親会社の東芝も持分を落とし、2026年3月末の保有比率は17.59%となったが、分散した株主構成のなかで実質的な筆頭株主の位置に残った。かつて買収連合を組んだ資本が退き、発明の母体である東芝が最大の株主として残ったことは、この会社の来歴を映す構図といえる。合弁相手のウエスタンデジタルはフラッシュ事業をサンディスクとして分離し、四日市・北上の共同生産は新会社との間で続いている。\n\n経営の中枢は、資本の主が外資ファンドであった時期を通じて、一貫して東芝育ちの技術者が担った。初代社長の成毛康雄氏、上場を実現した早坂伸夫前社長、そして2026年に社長へ就いた太田裕雄氏は、いずれも東芝でメモリの開発や事業に携わった技術畑の出身である。早坂伸夫前社長は2020年から2026年まで社長を務め、市況の底からの回復と2024年の上場を主導したのち、太田裕雄社長へ経営を引き継いだ。取締役会には元インテルや元アプライドマテリアルズの半導体業界の重鎮も加わる。所有が外資から市場へ移るなかで、東芝が生んだ技術と、それを受け継ぐ人が事業の連続性を担ってきた会社である。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "ベインキャピタルは2026年7月に最後の持分を売却して完全撤退し、東芝は2026年3月末に17.59%で実質的な筆頭株主となった",
                "source": "Nikkei Asia「Bain sells $3.5bn in shares of Japan memory maker Kioxia」",
                "url": "https://asia.nikkei.com/business/finance/bain-sells-3.5bn-in-shares-of-japan-memory-maker-kioxia",
                "genbun": "ベインキャピアルは保有株を段階的に売り出し、2026年7月に最後の持分を手放して8年で完全に撤退した。旧親会社の東芝も持分を落とし、2026年3月末の保有比率は17.59%となった"
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "初代社長の成毛康雄、上場を実現した早坂伸夫、2026年就任の太田裕雄はいずれも東芝出身の技術者で、早坂は2020年から2026年まで社長を務めた",
                "source": "キオクシア 社長交代のお知らせ（2026-01-30） ／ 有価証券報告書【役員の状況】",
                "url": "https://www.kioxia-holdings.com/ja-jp/news/2026/20260130-1.html",
                "genbun": "初代社長の成毛康雄氏、上場を実現した早坂伸夫前社長、そして2026年に社長へ就いた太田裕雄氏は、いずれも東芝でメモリの開発や事業に携わった技術畑の出身である。早坂伸夫前社長は2020年から2026年まで社長を務め"
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    }
  ],
  "summary": {
    "title": "サマリー",
    "text": "### 創業\n\nキオクシアの源流は、母体である東芝が1951年のトランジスタ試作以来育てた半導体事業にさかのぼる。東芝は1980年代に1MビットDRAMで製造優位を握り、その技術者だった舛岡富士雄氏は1984年にNOR型、1987年には世界で初めてNAND型フラッシュメモリを国際会議IEDMで発表した。一括して素早く消せる様子から同僚が「フラッシュ」と名付けたこの記憶素子が、のちにキオクシアの主力製品となる。もっとも会社としてのキオクシアが生まれるのは、この発明から30年を経た後である。2015年以降の会計不正とウェスチングハウスの破綻で経営危機に陥った東芝が、稼ぎ頭のメモリ事業を切り出したためだった。2017年に東芝メモリへ会社分割し、2019年10月、日本語の記憶とギリシャ語で価値を意味するアクシアを掛け合わせたキオクシアへ改称する。発明の母体から切り離され、専業メーカーとして独り立ちした会社である。\n\n### 決断\n\nこの会社の性格を決めたのは、母体を離れる際の資本の設計である。二期連続の債務超過による上場廃止の瀬戸際に立った東芝は、2017年、もっとも高く売れる資産だったメモリ事業の売却へ動いた。米ブロードコム連合や鴻海、SKハイニックス、ウエスタンデジタルが競った入札で提示額は2兆円を超え、東芝はベインキャピタルが主導する日米韓連合を優先交渉先に選ぶ。合弁相手ウエスタンデジタルとの国際仲裁を和解で越え、2018年6月1日、買収目的会社パンゲアが約2兆円で取得した。議決権はベインが49.9%、再出資した東芝が40.2%、HOYAが9.9%で、日本勢が過半を握る設計とされた。プライベート・エクイティがオーナーとなり、東芝が大株主として残るこの器のもとで、キオクシアは巨額投資を要するNAND専業メーカーとして歩むことになる。",
    "sections": [
      {
        "label": "創業",
        "body": "キオクシアの源流は、母体である東芝が1951年のトランジスタ試作以来育てた半導体事業にさかのぼる。東芝は1980年代に1MビットDRAMで製造優位を握り、その技術者だった舛岡富士雄氏は1984年にNOR型、1987年には世界で初めてNAND型フラッシュメモリを国際会議IEDMで発表した。一括して素早く消せる様子から同僚が「フラッシュ」と名付けたこの記憶素子が、のちにキオクシアの主力製品となる。もっとも会社としてのキオクシアが生まれるのは、この発明から30年を経た後である。2015年以降の会計不正とウェスチングハウスの破綻で経営危機に陥った東芝が、稼ぎ頭のメモリ事業を切り出したためだった。2017年に東芝メモリへ会社分割し、2019年10月、日本語の記憶とギリシャ語で価値を意味するアクシアを掛け合わせたキオクシアへ改称する。発明の母体から切り離され、専業メーカーとして独り立ちした会社である。",
        "tags": {
          "primary": {
            "id": "F2",
            "label": "親会社スピンオフ",
            "group": "出自・後ろ盾"
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              "group": "起点の事業モデル"
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      {
        "label": "決断",
        "body": "この会社の性格を決めたのは、母体を離れる際の資本の設計である。二期連続の債務超過による上場廃止の瀬戸際に立った東芝は、2017年、もっとも高く売れる資産だったメモリ事業の売却へ動いた。米ブロードコム連合や鴻海、SKハイニックス、ウエスタンデジタルが競った入札で提示額は2兆円を超え、東芝はベインキャピタルが主導する日米韓連合を優先交渉先に選ぶ。合弁相手ウエスタンデジタルとの国際仲裁を和解で越え、2018年6月1日、買収目的会社パンゲアが約2兆円で取得した。議決権はベインが49.9%、再出資した東芝が40.2%、HOYAが9.9%で、日本勢が過半を握る設計とされた。プライベート・エクイティがオーナーとなり、東芝が大株主として残るこの器のもとで、キオクシアは巨額投資を要するNAND専業メーカーとして歩むことになる。",
        "tags": {
          "primary": {
            "id": "D5",
            "label": "大型M&A・経営統合",
            "group": "成長の手段"
          },
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              "label": "危機・外圧が引き金",
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              "group": "資本・統治・組織"
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          ]
        }
      }
    ],
    "qa": [
      {
        "q": "なぜ東芝はメモリ事業を手放したのか",
        "a": "東芝本体の経営危機のためである。2015年7月に第三者委員会が営業利益の過大計上（約1,518億円）を認定して経営陣が退き、追って2017年3月には米原子力子会社ウェスチングハウスが連邦破産法第11章を申請、東芝は巨額損失で債務超過に陥り、二期連続なら上場廃止という瀬戸際に立った。手元でもっとも高く売れる資産が、成長を続けるメモリ事業だった。東芝は2017年にメモリ事業を分社し、外部への売却で短期に自己資本を回復させる道を選んだ。虎の子を手放したのは、成長性を見限ったからではなく、本体を延命させる資金を他に確保できなかったからである。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "2015年7月に第三者委員会が東芝の営業利益 約1,518億円の過大計上を認定し田中久雄社長らが辞任した",
            "source": "Bloomberg「Toshiba Executives Resign Over $1.2 Billion Accounting Scandal」（2015-07-21）",
            "url": "https://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-21/toshiba-executives-resign-over-1-2-billion-accounting-scandal",
            "genbun": "2015年7月に第三者委員会が営業利益の過大計上（約1,518億円）を認定して経営陣が退き"
          },
          {
            "fact": "2017年3月に米ウェスチングハウスが連邦破産法第11章を申請し、東芝は債務超過に陥る恐れに直面した",
            "source": "東芝「Notice on Chapter 11 Filing」（2017-03-29）",
            "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20170329_1.pdf",
            "genbun": "追って2017年3月には米原子力子会社ウェスチングハウスが連邦破産法第11章を申請、東芝は巨額損失で債務超過に陥り、二期連続なら上場廃止という瀬戸際に立った。"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜベインキャピタル連合が買い手になったのか",
        "a": "技術と生産を日本に残しつつ、外資の資金力で巨額の取引を成立させる折衷が必要だったためである。入札には米ブロードコム連合や鴻海、SKハイニックス、ウエスタンデジタルが名乗りを上げ、提示額は2兆円を超えたが、機微な技術の海外流出を警戒する声もあり、東芝は2017年6月、ベインキャピタルが主導する日米韓連合を優先交渉先に選んだ。決め手となったのは議決権の設計で、ベインが49.9%を握る一方、再出資した東芝が40.2%、HOYAが9.9%で日本勢が過半を占め、SKハイニックスは当面議決権を持たない転換社債で加わった。外資の資本力と、主導権を日本に残す体裁とを両立させた連合が、最後に残った。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "2017年6月に東芝は産業革新機構・日本政策投資銀行・ベインキャピタル・SKハイニックスの日米韓連合を優先交渉先に選定した",
            "source": "CNBC「Toshiba selects consortium for memory business sale」（2017-06-20）",
            "url": "https://www.cnbc.com/2017/06/20/toshiba-selects-consortium-for-memory-business-sale.html",
            "genbun": "東芝は2017年6月、ベインキャピタルが主導する日米韓連合を優先交渉先に選んだ。"
          },
          {
            "fact": "買収目的会社パンゲアの議決権はベイン49.9%・東芝40.2%・HOYA9.9%で日本勢が過半を占め、SKハイニックスは転換社債で参加した",
            "source": "東芝「Notice Regarding Closing」（2018-06-01）",
            "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20180601_1.pdf",
            "genbun": "ベインが49.9%を握る一方、再出資した東芝が40.2%、HOYAが9.9%で日本勢が過半を占め、SKハイニックスは当面議決権を持たない転換社債で加わった。"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜウエスタンデジタルとの経営統合は破談したのか",
        "a": "株主であるSKハイニックスの同意が得られなかったためである。四日市と北上の工場を折半で運営する両社が一つになれば、首位サムスン電子に迫る規模のNANDメーカーが生まれるはずで、2021年の株式交換案を経て2023年に交渉が再燃した。しかし2018年の買収連合に転換社債で参加し、キオクシアの企業価値に大きな利害を持つSKハイニックスは、競合との統合が自らの投資価値を損なうとして反対し、パンゲアを組成したベインとの条件も折り合わなかった。発明の系譜を分け合う両社を一つにする構想は、複雑な資本の連立に阻まれ、2023年10月に破談した。その後ウエスタンデジタルは、フラッシュ事業をサンディスクとして切り離す道へ転じた。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "ウエスタンデジタルとの経営統合交渉は2023年10月にSKハイニックスの同意が得られず破談した",
            "source": "Nikkei Asia「Western Digital-Kioxia merger sunk by failed consensus-building」（2023-10）",
            "url": "https://asia.nikkei.com/business/tech/semiconductors/western-digital-kioxia-merger-sunk-by-failed-consensus-building",
            "genbun": "発明の系譜を分け合う両社を一つにする構想は、複雑な資本の連立に阻まれ、2023年10月に破談した。"
          },
          {
            "fact": "SKハイニックスは2018年の買収連合に転換社債で参加しており、競合ウエスタンデジタルとの統合に反対した",
            "source": "TechCrunch「SK Hynix opposes Kioxia-Western Digital merger」（2023-10-26）",
            "url": "https://techcrunch.com/2023/10/26/memory-chip-maker-sk-hynix-a-shareholder-of-kioxia-opposes-a-merger-with-western-digital/",
            "genbun": "しかし2018年の買収連合に転換社債で参加し、キオクシアの企業価値に大きな利害を持つSKハイニックスは、競合との統合が自らの投資価値を損なうとして反対し"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜ上場は4年遅れたのか",
        "a": "独立直後に狙った上場が、地政学と市況の逆風で二度にわたり見送られたためである。キオクシアは2020年10月の東証上場を目指したが、米中対立と対ファーウェイ輸出規制、新型コロナ下の市況軟化を理由に、同年9月に延期した。主力顧客だったファーウェイへの米国の制裁が、メモリ販売の先行きを曇らせていた。2023年にはウエスタンデジタルとの統合交渉が破談し、上場の前提が揺らぐ。2024年も9月に、想定した企業価値の下振れと市況の回復遅れから10月上場を見送った。結局、生成AIによるメモリ需要がはっきりした2024年12月18日に、公開価格1,455円で4年越しの上場を果たした。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "キオクシアは2020年9月に米中対立・対ファーウェイ輸出規制・市況軟化を理由に東証上場を延期した",
            "source": "Nikkei Asia「Japanese chipmaker Kioxia delays IPO」（2020-09）",
            "url": "https://asia.nikkei.com/politics/international-relations/us-china-tensions/japanese-chipmaker-kioxia-delays-ipo",
            "genbun": "キオクシアは2020年10月の東証上場を目指したが、米中対立と対ファーウェイ輸出規制、新型コロナ下の市況軟化を理由に、同年9月に延期した。"
          },
          {
            "fact": "キオクシアは2024年12月18日に東証プライム市場へ上場し、公開価格は1,455円だった",
            "source": "日本経済新聞「キオクシアが東証プライムに上場」（2024-12）",
            "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC081I30Y4A201C2000000/",
            "genbun": "生成AIによるメモリ需要がはっきりした2024年12月18日に、公開価格1,455円で4年越しの上場を果たした。"
          }
        ]
      }
    ],
    "overview": {
      "text": "キオクシアの源流は、母体である東芝が1951年に川崎の小向工場でトランジスタを試作して始めた半導体事業にさかのぼる。1980年代には低消費電力のCMOSを採った1MビットDRAMで量産の先頭に立ち、1986年に日本が半導体の世界シェアで米国を抜く一翼を担った。同社の技術者・舛岡富士雄氏は1984年にNOR型、1987年にNAND型フラッシュメモリを世界で初めて発表し、「フラッシュ」の名も東芝から生まれた。東芝は1991年に世界初の4MビットNANDを製品化して1992年に四日市工場を設けたが、同年サムスン電子へ技術を供与し、事業化の速さと投資規模で市場の先行を許した。\n\n2000年、東芝は米サンディスクとフラッシュメモリの合弁を組み、2001年には価格競争の激しい汎用DRAMから撤退して工場をマイクロンへ売却し、発明したNAND型フラッシュへ事業を絞った。四日市工場はサンディスクとの合弁を器に製造棟を増やし、300ミリウエハと微細化の世代交代で記憶容量あたりの単価を下げていった。平面での微細化が限界に近づくと、2007年に記憶素子を垂直に積むBiCS FLASHの技術を開発し、2015年には48層品のサンプル出荷へ進む。2011年に社内カンパニーへ括られたメモリは、総合電機である東芝のなかで最も多くの利益を生む収益基盤へ育っていった。\n\n2015年に発覚した会計不正と、2017年3月の米ウェスチングハウスの経営破綻で債務超過の危機に立った東芝は、稼ぎ頭のメモリ事業の売却へ動いた。2017年4月にメモリ事業を東芝メモリ株式会社へ分社し、9月にベインキャピタル主導の買収目的会社Pangeaと株式譲渡契約を結ぶ。合弁相手ウエスタンデジタルの仲裁や中国の独占禁止審査を越え、2018年6月1日に約2兆円で売却が完了した。議決権はベインが49.9%、東芝が40.2%、HOYAが9.9%で、東芝は総額3,505億円を再出資して残った。2019年10月、東芝メモリはキオクシアへ社名を改め、東芝の名を離れて独立の道を歩み始めた。\n\n独立したキオクシアは上場を目指したが、2020年は米中対立と対ファーウェイ規制で延期し、2021年から模索したウエスタンデジタルとの経営統合も、株主SKハイニックスの同意を得られず2023年10月に破談した。単独路線のまま2024年12月18日、公開価格1,455円で東証プライムに上場する。メモリ市況は激しく振れ、2024年3月期の純損失2,437億円から、生成AIとデータセンター需要で2026年3月期には売上高2兆3,376億円・純利益5,545億円と過去最高へ回復した。上場後、東芝は保有を17.59%へ落として実質的な筆頭株主となり、ベインは2026年7月に完全撤退する。経営は成毛康雄氏・早坂伸夫氏・太田裕雄氏と、東芝育ちの技術者が受け継いだ。",
      "factBasis": [
        [
          {
            "fact": "東芝は1951年に川崎の小向工場でトランジスタを試作して半導体事業を始めた",
            "source": "東芝トランジスタ発祥の地 記念碑（1960年建立）",
            "url": "https://840.gnpp.jp/toshiba-transistor/",
            "genbun": "キオクシアの源流は、母体である東芝が1951年に川崎の小向工場でトランジスタを試作して始めた半導体事業にさかのぼる。"
          },
          {
            "fact": "東芝の舛岡富士雄が1984年にNOR型、1987年にNAND型フラッシュメモリを世界で初めて発表した",
            "source": "IEEE Spectrum「Chip Hall of Fame: Toshiba NAND Flash Memory」",
            "url": "https://spectrum.ieee.org/chip-hall-of-fame-toshiba-nand-flash-memory",
            "genbun": "同社の技術者・舛岡富士雄氏は1984年にNOR型、1987年にNAND型フラッシュメモリを世界で初めて発表し、「フラッシュ」の名も東芝から生まれた。"
          },
          {
            "fact": "東芝は1991年に世界初の4MビットNANDを製品化し1992年に四日市工場を設けたが、同年サムスンへ技術を供与した",
            "source": "キオクシア「History of our memory」（2019-10）",
            "url": "https://www.kioxia.com/en-jp/insights/history-of-our-memory-201910.html",
            "genbun": "東芝は1991年に世界初の4MビットNANDを製品化して1992年に四日市工場を設けたが、同年サムスン電子へ技術を供与し、事業化の速さと投資規模で市場の先行を許した。"
          }
        ],
        [
          {
            "fact": "2000年に東芝は米サンディスクとフラッシュメモリの合弁を組んだ",
            "source": "EE Times「Toshiba exits DRAM market, sells fab to Micron」",
            "url": "https://www.eetimes.com/toshiba-exits-dram-market-sells-fab-to-micron/",
            "genbun": "2000年、東芝は米サンディスクとフラッシュメモリの合弁を組み、2001年には価格競争の激しい汎用DRAMから撤退して工場をマイクロンへ売却し、発明したNAND型フラッシュへ事業を絞った。"
          },
          {
            "fact": "東芝は2007年に3次元のBiCS FLASH技術を開発し、2015年に48層品のサンプル出荷へ進んだ",
            "source": "キオクシア 有価証券報告書【沿革】",
            "url": null,
            "genbun": "平面での微細化が限界に近づくと、2007年に記憶素子を垂直に積むBiCS FLASHの技術を開発し、2015年には48層品のサンプル出荷へ進む。"
          },
          {
            "fact": "2011年に社内カンパニーへ括られたメモリは、東芝のなかで最も多くの利益を生む事業に育った",
            "source": "キオクシア 有価証券報告書【沿革】",
            "url": null,
            "genbun": "2011年に社内カンパニーへ括られたメモリは、総合電機である東芝のなかで最も多くの利益を生む収益基盤へ育っていった。"
          }
        ],
        [
          {
            "fact": "2017年3月に米ウェスチングハウスが経営破綻し、東芝は債務超過の危機に立った",
            "source": "東芝「Notice on Chapter 11 Filing」（2017-03-29）",
            "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20170329_1.pdf",
            "genbun": "2015年に発覚した会計不正と、2017年3月の米ウェスチングハウスの経営破綻で債務超過の危機に立った東芝は、稼ぎ頭のメモリ事業の売却へ動いた。"
          },
          {
            "fact": "2018年6月1日に約2兆円で売却が完了し、議決権はベイン49.9%・東芝40.2%・HOYA9.9%、東芝は3,505億円を再出資した",
            "source": "東芝「Notice Regarding Closing」（2018-06-01）",
            "url": "https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/irAssets/about/ir/en/news/20180601_1.pdf",
            "genbun": "合弁相手ウエスタンデジタルの仲裁や中国の独占禁止審査を越え、2018年6月1日に約2兆円で売却が完了した。議決権はベインが49.9%、東芝が40.2%、HOYAが9.9%で、東芝は総額3,505億円を再出資して残った。"
          },
          {
            "fact": "2019年10月に東芝メモリはキオクシアへ社名を改めた",
            "source": "キオクシア 改称プレス（2019-07-18）",
            "url": "https://www.kioxia-holdings.com/en-jp/news/2019/20190718-1.html",
            "genbun": "2019年10月、東芝メモリはキオクシアへ社名を改め、東芝の名を離れて独立の道を歩み始めた。"
          }
        ],
        [
          {
            "fact": "ウエスタンデジタルとの経営統合はSKハイニックスの同意を得られず2023年10月に破談した",
            "source": "Nikkei Asia「Western Digital-Kioxia merger sunk by failed consensus-building」（2023-10）",
            "url": "https://asia.nikkei.com/business/tech/semiconductors/western-digital-kioxia-merger-sunk-by-failed-consensus-building",
            "genbun": "独立したキオクシアは上場を目指したが、2020年は米中対立と対ファーウェイ規制で延期し、2021年から模索したウエスタンデジタルとの経営統合も、株主SKハイニックスの同意を得られず2023年10月に破談した。"
          },
          {
            "fact": "キオクシアは2024年12月18日に公開価格1,455円で東証プライムに上場した",
            "source": "日本経済新聞「キオクシアが上場、初値1440円」（2024-12）",
            "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC081I30Y4A201C2000000/",
            "genbun": "単独路線のまま2024年12月18日、公開価格1,455円で東証プライムに上場する。"
          },
          {
            "fact": "上場後に東芝は17.59%へ持分を落として実質筆頭株主となり、ベインは2026年7月に完全撤退した",
            "source": "Nikkei Asia「Bain sells $3.5bn in shares of Japan memory maker Kioxia」",
            "url": "https://asia.nikkei.com/business/finance/bain-sells-3.5bn-in-shares-of-japan-memory-maker-kioxia",
            "genbun": "上場後、東芝は保有を17.59%へ落として実質的な筆頭株主となり、ベインは2026年7月に完全撤退する。"
          }
        ]
      ],
      "tags": [
        "発明",
        "集中",
        "分社",
        "上場"
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      "eraNames": [
        "東芝",
        "東芝",
        "東芝メモリ",
        "キオクシアホールディングス"
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  "reference_sources": [
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      "name": "有価証券報告書（2025年3月期）",
      "date": "2025-06-26",
      "date_fy": "FY24",
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      "name": "キオクシア「メモリの歴史（History of our memory）」",
      "date": "2019-10",
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      "url": "https://spectrum.ieee.org/chip-hall-of-fame-toshiba-nand-flash-memory",
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    {
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      "name": "キオクシア「社名変更（キオクシアへの改称）プレスリリース」",
      "date": "2019-07-18",
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      "url": "https://www.kioxia-holdings.com/en-jp/news/2019/20190718-1.html",
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      "name": "Nikkei Asia「Western Digital-Kioxia merger sunk by failed consensus-building」",
      "date": "2023-10",
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      "name": "日本経済新聞「キオクシアが上場、初値1440円」",
      "date": "2024-12",
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    {
      "name": "EE Times Japan「キオクシアが東証プライム市場に上場」",
      "date": "2024-12-18",
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      "name": "キオクシア「社長交代に関するお知らせ（太田裕雄）」",
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      "name": "キオクシアホールディングス 会社概要",
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    {
      "name": "Nikkei Asia「Bain sells $3.5bn in shares of Japan memory maker Kioxia」",
      "date": "2026",
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