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    {
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      "title": "怪盗ロワイヤルによる広告依存モデルからアイテム課金への転換",
      "subtitle": "広告に頼るモバゲーを、守安功氏はどうやって課金モデルへ作り替えたか",
      "status": "implemented",
      "status_label": "実施",
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          "name": "守安功",
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      "highlights": [
        {
          "label": "概要",
          "text": "2006年に無料の広告メディアとして始めたモバゲータウンの収益を、DeNAは2009年10月の内製ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」で、ゲーム内アイテム課金を柱とするモデルへ切り替えた。この転換を主導した守安功COOのもとで、連結売上高は2年で376億円から1,127億円へ伸びた。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "モバゲータウンは会員数が2008年4月に1,000万人を超えたが、無料の集客と広告収入では利用者の増加に見合う収益を確保しにくかった。携帯電話の高機能化と定額データ通信の普及でモバイル利用が拡大し、個人単位の少額課金が成立しやすくなるなかで、広告依存からの脱却が課題となっていた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "2008年4月にアイテム課金（モバコイン）を導入し、2009年10月7日に「怪盗ロワイヤル」を本格提供した。「盗む・盗まれる」を核にプレイヤー同士でアイテムが動く設計とし、基本無料で始めて優位の獲得に課金を促し、自社プラットフォーム上で決済まで完結させた。開始3週間で3億円規模の売上を記録した。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "怪盗ロワイヤルは単一タイトルの成果にとどまらず、利用者同士の競争と協力を課金の動機へ変える設計と、外部の決済に頼らない自社課金の体制を確立した。2010年のオープンプラットフォーム化で外部開発者にも供給を広げ、この事業を主導した守安功氏は2011年6月に代表取締役社長兼CEOへ就いた。"
        }
      ],
      "parties": [
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          "name": "DeNA",
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        "summary": "無料の集客と広告に依存したモバゲータウンの収益を、内製ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」のアイテム課金と自社プラットフォーム決済を軸とするモデルへ切り替え、連結売上高を2年で376億円から1,127億円へ伸ばした収益モデルの転換"
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          "title": "携帯電話向けSNS「モバゲータウン」を開始"
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          "title": "アイテム課金（モバコイン）を導入、会員数が1,000万人を突破"
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          "title": "内製ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」の本格提供を開始",
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          "title": "モバゲータウンをオープンプラットフォーム化"
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          "title": "「Mobage」へ改称、会員数2,714万人"
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        {
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          "title": "守安功氏が代表取締役社長兼CEOに就任（南場智子氏が退任）"
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      "snapshot": {
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              "sub_title": "無料の広告メディアとして設計されたモバゲータウン",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "DeNAは2006年2月、携帯電話向けのSNS「モバゲータウン」を始めた。無料で使えるアバターやゲームで会員を集め、ゲーム内通貨「モバゴールド」を軸に、集めた会員へ広告を届けて収益を得る無料メディアとして設計されていた。利用者はゲームで遊びながらモバゴールドをためて楽しみ、DeNAは膨らむ会員数を背景に広告枠を販売する。会員数は2008年4月に1,000万人を突破し、モバイル向けの集客基盤としては国内でも有数の規模に達していた。オークションのモバオクに続く柱として、モバゲータウンはDeNAの成長を支える存在に育っていた。",
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                  "text": "しかし、無料で集めた会員へ広告を当てるだけでは、利用者数の伸びに見合う収益を確保しにくかった。広告収入は景気や広告主の予算に左右されやすく、会員が増えても一人あたりの売上が伸びる仕組みは弱い。DeNAは2008年4月、ゲーム内で使うアイテムを有料で売る課金通貨「モバコイン」を導入し、スクウェア・エニックスなど外部7社を招いてゲームポータル化を進めた。無料の集客に課金を接ぎ木する試みであったが、収益の中心を広告から課金へ移す判断は、この時点ではまだ定まっていなかった。",
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                      "fact": "2008年4月にゲーム内アイテム課金（モバコイン）を導入し、スクウェア・エニックスなど外部7社とゲームポータル化を進めた",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（連結）",
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              "sub_title": "モバイル利用の拡大という追い風",
              "paragraphs": [
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                  "text": "収益モデルの見直しを迫ったのは、モバイル利用そのものの拡大であった。携帯電話の高機能化と定額データ通信の普及により、利用者がモバイルからインターネットに接する時間は増えていた。パソコン向けのサービスと比べて利用の頻度が高く、短い時間に繰り返し触れる特性は、個人単位の少額課金と相性がよかった。国内のソーシャルゲーム市場は2007年に約60億円だったものが、その後数年で数百億円規模へと膨らみ始め、モバゲータウンの会員数も2009年9月には1,500万人へ伸びた。DeNAには、広告収入への依存を薄め、利用者の支払いから直接に収益を得る仕組みを固める必要があった。",
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                      "fact": "モバゲータウンの会員数は2008年4月の1,000万人から2009年9月には1,500万人へ増加した",
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          "label": "決断",
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              "sub_title": "内製ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」への集中",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "DeNAが選んだのは、外部から集めたゲームに頼るのではなく、自社で開発したソーシャルゲームを収益の中心に据える道であった。その代表作が、2009年10月7日に本格提供を始めた「怪盗ロワイヤル」である。企画と開発を担った大塚剛司らは、プレイヤーが互いのアイテムを「盗む・盗まれる」仕組みを核に、他者との関係のなかで遊びが続く設計を採った。ゲーム専用機向けの作品のような作り込みよりも、短い時間に繰り返し遊べる手軽さと、利用者同士のやり取りが生む熱中を重んじた。",
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                      "fact": "2009年10月7日、DeNAは内製ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」を本格提供した。大塚剛司らが「盗む・盗まれる」を核にアイテムがプレイヤー間で動く仕組みを設計した",
                      "source": "4Gamer（2010年9月3日）「[CEDEC 2010]作りながら考える，走りながら変えていく。大ヒットソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』のできるまで」",
                      "url": "https://www.4gamer.net/games/104/G010481/20100903087/"
                    }
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                },
                {
                  "text": "開発の考え方は、完成品を届けてから手を離す従来の据置型ゲームとは異なっていた。運営しながら利用者の反応を見て、問題があればすぐに直し、遊びの中身を走りながら変えていく。担当した大塚剛司は、この作り方をソーシャルゲームの本質として語っている。基本は無料で始め、より有利に、より速く遊びたい利用者にアイテムの購入を促す。無料の入り口を広く保ったまま、遊び込む利用者から少額の課金を積み上げる設計が、怪盗ロワイヤルの収益を支えた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "怪盗ロワイヤルの企画・開発を担った大塚剛司は、運営しながら修正を重ねる作り方をソーシャルゲームの本質として語った",
                      "原文": "ソーシャルゲームは生き物。リリースして問題があったらいち早く修正しなくてはならない",
                      "source": "4Gamer（2010年9月3日）「[CEDEC 2010]作りながら考える，走りながら変えていく。大ヒットソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』のできるまで」",
                      "url": "https://www.4gamer.net/games/104/G010481/20100903087/"
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              "sub_title": "自社プラットフォームで決済を完結させる設計",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "怪盗ロワイヤルのもう一つの特徴は、課金の決済を自社のプラットフォーム上で完結させた点にある。利用者はモバゲータウンの中でアイテムを買い、DeNAは外部の決済事業者に多くの手数料を払うことなく売上を回収できた。無料の利用者を大量に集め、その一部が繰り返す少額課金で収益を生むのがソーシャルゲームであり、集客と課金と決済を一つの土台に束ねたことで、利用者一人あたりの売上を自ら高める余地が広がった。怪盗ロワイヤルは本格提供の開始から、わずか3週間で3億円規模の売上を記録した。",
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                      "fact": "怪盗ロワイヤルは自社プラットフォーム上で決済を完結させ、本格提供の開始から3週間で3億円規模の売上を記録した",
                      "source": "4Gamer（2010年9月3日）「[CEDEC 2010]作りながら考える，走りながら変えていく。大ヒットソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』のできるまで」",
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                {
                  "text": "DeNAは、この課金型ソーシャルゲームを自社の内製にとどめなかった。2009年12月にはmixiアプリモバイルへ怪盗ロワイヤルを提供し、2010年1月にはモバゲータウンを外部の開発者へ開くオープンプラットフォーム化に進んだ。自社が作るゲームと第三者が作るゲームの双方を、同じアイテム課金と決済の仕組みの上で走らせる構想で、開発者は集客と課金の基盤をDeNAに委ね、DeNAは供給されるタイトルの幅で利用者をつなぎ留める。無料メディアとして始めたモバゲータウンは、多くの開発者がゲームを供給し、利用者がアイテムに支払う場へと性格を変えていった。",
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        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
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              "sub_title": "売上急伸と課金モデルの確立",
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                {
                  "text": "アイテム課金の定着は、DeNAの業績を短い期間で押し上げた。連結売上高は2009年3月期の376億円から、2010年3月期に481億円、2011年3月期には1,127億円へと伸び、営業利益も158億円から561億円へ拡大した。2011年3月期は、2005年2月の株式上場以来7期連続の過去最高で、営業利益は前の期からおよそ163%増えた。無料の集客と広告に依存していた収益構造は、わずか2年でアイテム課金を主体とするものへ置き換わった。",
                  "evidences": [
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                      "fact": "連結売上高は2009年3月期376億円→2010年3月期481億円→2011年3月期1,127億円、営業利益は158億円→561億円へ拡大し、2011年3月期は2005年2月の上場以来7期連続の過去最高となった",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（連結）／gamebiz（2011年4月28日）「DeNA、2011年3月期は営業益163％増の560億円」",
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                    }
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                {
                  "text": "利用者と開発者の広がりも、これに歩調を合わせた。モバゲータウンは2011年3月にMobageへ改称し、会員数は同月末で2,714万人、ゲームを供給する登録デベロッパーは317社・869タイトルに達した。怪盗ロワイヤルも2011年6月に登録ユーザー1,000万人を超えた。この事業を主導した守安功氏は同じ2011年6月、夫の看病を理由に退いた創業者・南場智子氏に代わって代表取締役社長兼CEOに就き、フィーチャーフォン・PC・スマートフォンの3つのデバイス領域でMobageの首位を目指すと述べた。",
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                    {
                      "fact": "守安功氏は2011年6月に代表取締役社長兼CEOに就任し、フィーチャーフォン・PC・スマートフォンの3領域でMobageの首位を目指すと述べた",
                      "原文": "フィーチャーフォン、PC、スマートフォンの3つのデバイス領域において、Mobageをナンバーワンにすることを目指します",
                      "source": "ケータイ Watch（2011年7月4日）「南場智子氏の後を継ぐ、守安功新社長に直撃インタビュー」",
                      "url": "https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/interview/458162.html"
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                      "fact": "南場智子氏は夫の看病を理由に社長を退いた",
                      "原文": "夫の看病で（社長業に）全力を出せなくなり、退くことを決めた",
                      "source": "日本経済新聞（2011年5月25日）「ディーエヌエー、南場智子社長『夫の看病で社長退任を決断』」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXNMSGD2505VNV20C11A5000000/"
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                  "text": "この転換の核心は、単一タイトルの商業的な成功よりも、収益を生む仕組みそのものを作り替えた点にある。無料で会員を集めて広告を売るモデルは、利用者が増えても一人あたりの売上が伸びにくく、広告市場の変動に収益が縛られる。怪盗ロワイヤルでDeNAが確立したのは、利用者同士の競争と協力を課金の動機へ変える設計と、外部の決済に頼らず自社のプラットフォーム上で売上を回収する体制であった。集客と課金と決済を一つに束ねたこの仕組みは、単発のヒットに終わらず、以後のソーシャルゲーム事業を支える構造になった。"
                },
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                  "text": "一方で、この成功は収益の偏りという課題も残した。連結売上高が2年で3倍に伸びる急成長は、収益の多くをソーシャルゲームに集中させ、後年のスマートフォンへの移行や海外展開、多角化の必要につながった。広告に頼るモバゲータウンをアイテム課金のプラットフォームへ作り替えた選択は、DeNAに国内で有数の高収益をもたらす一方で、その成長モデルへの依存という次の課題を生んだ。無料の入り口と少額課金を束ねる設計は、その後のモバイルゲーム産業に広く受け継がれ、DeNAはその形を早くに築いた一社となった。"
                }
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          ]
        }
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      "references": [
        "4Gamer（2010年9月3日）「[CEDEC 2010]作りながら考える，走りながら変えていく。大ヒットソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』のできるまで」",
        "ケータイ Watch（2011年7月4日）「南場智子氏の後を継ぐ、守安功新社長に直撃インタビュー」",
        "日本経済新聞（2011年5月25日）「ディーエヌエー、南場智子社長『夫の看病で社長退任を決断』」",
        "gamebiz（2011年4月28日）「DeNA、2011年3月期は営業益163％増の560億円」",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2009年3月期）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2010年3月期）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2011年3月期）",
        "DeNA 沿革（モバゲータウン開始・アイテム課金導入・オープンプラットフォーム化・Mobageへの改称）"
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      "authored": "2026-07",
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          "text": "2010年10月12日、DeNAはngmoco社の買収を発表した。元エレクトロニック・アーツのNeil Youngが率いる開発力と、モバゲータウンで培ったコミュニティ運営・収益化のノウハウを組み合わせ、Mobageのグローバル・プラットフォーム化を加速する狙いだった。2011年3月には「モバゲータウン」を「Mobage」へ改称し、海外版を投入した。"
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          "text": "運営型の日本と、プロダクト志向の米国の開発文化の差は埋まらず、統合は難航した。海外向けMobageの収益貢献は限られ、クロスプラットフォーム開発エンジン「ngCore」は2013年12月にサポートを終了し、2016年にはDeNA Global・ngmoco等を解散した。後年のゲーム事業の減損にも連なった。"
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                  "text": "世界で戦うという方針は、買収より前から布石が打たれていた。DeNAは2008年1月に米国へDeNA Global, Inc.を設け、国内モバイルプラットフォームの海外投入をうかがう前線の拠点とした。しかし、自前で一から海外事業を立ち上げるには時間がかかり、スマートフォン向けゲームの開発力や現地の利用者基盤を、外から短期間で取り込む道が要ると見込んだ。南場智子社長は、世界での存在感を欠いてきた現状を変えるうえで、現地の有力企業をまるごと取り込む買収を、海外への参入を一気に進める手立てととらえた。",
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                      "source": "株式会社ディー・エヌ・エー（2010年10月12日）「米国ngmoco社の買収について～世界No.1のソーシャルゲームプラットフォームの構築を加速～」",
                      "url": "https://dena.com/jp/news/001925/"
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                      "原文": "DeNAは、これまでの取組みに加え、既にスマートフォン市場において強力な事業基盤を保有するngmocoとの一体運営を図ることにより、世界№1のソーシャルゲームプラットフォームの構築を加速させることが重要と判断",
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                      "url": "https://www.gamebusiness.jp/article/2013/10/17/8678.html"
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                {
                  "text": "海外事業そのものの見直しも避けられなかった。DeNAは2016年10月、米国子会社であるDeNA Global社と、その傘下で欧米事業の中核を担ってきたngmoco社などを解散・清算すると決めた。北米・西欧向けに絞った体制でゲーム開発を続けてきたものの、期待した成果には届かなかったと会社は説明した。買収から6年で、シリコンバレーの開発拠点を手放し、現地でゲームを作る路線から、外部の企業と組む形へと海外戦略を組み替えた。",
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                      "原文": "since the games did not meet expectations, DeNA has decided to dissolve and liquidate its West subsidiaries, including DeNA Global, Inc.",
                      "source": "Forbes（2016年10月19日）「DeNA Decides To Dissolve Its U.S. Subsidiary DeNA Global」",
                      "url": "https://www.forbes.com/sites/olliebarder/2016/10/19/dena-decides-to-dissolve-its-u-s-subsidiary-dena-global/"
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                  "text": "海外事業をめぐる判断の代償は、時間をおいて数字にも表れた。DeNAは2020年3月期に、ゲーム事業で511億円の減損損失を計上し、連結の最終損益は491億円の赤字に転じた。ただし、この511億円はゲーム事業のセグメント全体に対する減損であり、ngmoco一社の損失をそのまま示す金額ではない。それでも、海外を含むゲーム事業に積み上げてきた買収の対価が、当初に見込んだ収益に見合わなくなった現実を映していた。世界No.1をめざした海外への大型投資は、後年の損失処理に連なる一因として残った。",
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                      "fact": "DeNAは2020年3月期にゲーム事業で減損損失511億円を計上し、連結の親会社株主に帰属する当期純損益は491億円の赤字となった。511億円はゲーム事業セグメント全体の減損で、ngmoco単独の損失額ではない",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（連結・2020年3月期）",
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                  "text": "この判断の核心は、国内で作り上げた成功の型を、性格の異なる海外市場へそのまま移せるかという問いにあった。フィーチャーフォンの日本市場で、運営しながら数値を見て課金を最適化する手法は、高い収益を生んだ。だが、その手法が前提としたのは、日本に特有の端末・利用者・商習慣であり、スマートフォンが主役の海外で、同じ型がそのまま効くとは限らなかった。DeNAが現地の有力企業を丸ごと取り込んだのは、この移植の難しさを自力で学ぶより、出来上がった開発力と市場を買って飛び越えようとした選択だったとみることができる。"
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      "references": [
        "株式会社ディー・エヌ・エー（2010年10月12日）「米国ngmoco社の買収について～世界No.1のソーシャルゲームプラットフォームの構築を加速～」",
        "DeNA 有価証券報告書【沿革】",
        "GameBusiness（2013年10月17日）「DeNA、『ngCore』のサポートを年末で終了 Native SDKやUnity SDKに注力」",
        "Forbes（2016年10月19日）「DeNA Decides To Dissolve Its U.S. Subsidiary DeNA Global」",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2020年3月期）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2011年3月期）"
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      "title": "横浜ベイスターズの買収とプロ野球への参入",
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          "text": "2011年、モバイルゲーム「モバゲー」で急成長したDeNAが、東京放送ホールディングスから横浜ベイスターズの株式を議決権66.92%・65億円で取得し、プロ野球へ参入した経営判断。守安功社長は年間200億円弱の広告宣伝・販促の一部として球団取得を説明し、球団名を「横浜DeNAベイスターズ」とした。"
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          "text": "当時のDeNAはモバゲーの成長で事業規模を拡げた一方、会社名の知名度は規模ほど高くなく、採用や広告宣伝に多額の費用を投じていた。売却側のTBSホールディングスが抱える横浜ベイスターズは、年間売上高約50億円に対し20数億円の赤字を出す慢性的な不振で、横浜スタジアムの稼働率も5割程度にとどまっていた。"
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          "text": "2011年11月4日、DeNAは取締役会でプロ野球参入を決議し、TBSホールディングスから球団株式870,000株を65億円で取得する契約を結んだ。日本野球機構への預かり保証金など約30億円を含む総額は約95億円で、12月1日に加盟が承認され、翌2日に譲渡が実行された。池田純が球団社長に就任した。"
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                  "text": "2011年11月4日、DeNAは取締役会でプロ野球への参入を決議し、TBSホールディングスおよびBS-TBSから横浜ベイスターズの株式870,000株、議決権比率にして66.92%を65億円で取得する契約を結んだと発表した。取得価額の65億円に加え、日本野球機構への預かり保証金など約30億円を含めた総額は約95億円に上った。株式の取得だけでなく、新規参入に伴う制度上の負担までを引き受ける規模の投資であった。新しい球団名は「横浜DeNAベイスターズ」とし、横浜の地に根ざした球団を引き継ぐことが示された。",
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                      "fact": "守安功社長は2011年10月末の決算説明会で、広告宣伝や販促に年間200億円弱を使っていると述べ、プロ野球参入をこの投資の一環として説明した",
                      "原文": "広告宣伝や販促費で年間200億円弱使っている。参入すれば、知名度やブランドイメージ、販促に効果があると思う",
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                  "text": "DeNAの参入には、日本野球機構による加盟の承認という関門があった。2011年12月1日にオーナー会議で加盟が承認され、翌2日に株式譲渡が実行されて、球団はDeNAの傘下に入った。初代の球団社長には池田純が就き、赤字が続いてきた球団の経営再建を託された。買収の時点で観客動員は年間およそ110万人にとどまり、空席の目立つ本拠地をどう埋めるかが最初の課題であった。DeNAは、球団を単に保有するのではなく、興行として成り立たせ、収益の面でも自立させる立て直しに取り組む方針を掲げて、新体制を始動させた。",
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                  "text": "球団の立て直しは、集客の回復と経営基盤の整備という二つの面で進んだ。2015年には創業者の南場智子氏がプロ野球で初の女性オーナーに就き、球団経営への関与を強めた。同年11月、DeNAは横浜DeNAベイスターズを通じて本拠地・横浜スタジアムへの株式公開買付け（TOB）を決議し、2016年1月に議決権の76.87%まで買い進めた。買付総額は74億円に上った。球団と球場を同じ資本のもとに置くことで、入場料に加えて飲食や物販、広告といった球場側の収益までを一体で取り込む経営が可能になり、収益の裾野を広げた。",
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                  "text": "球団・球場の一体経営は、観客動員と稼働率の改善に表れた。観客動員は買収時の約110万人から、2015年に181万人、2016年に194万人へ増え、座席稼働率は買収時の約50%から2016年には93.3%へ高まった。球団単体の収支は、DeNAによる買収から5年目にあたる2016年に初めて黒字となる見通しとなり、慢性的な赤字を抱えてきた球団事業が興行として自立に向かった。横浜DeNAベイスターズの池田純社長は、横浜スタジアムのTOB成立を受けて、構造の大改革で野球事業の健全化に道筋がついたと述べた。",
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                  "text": "当初は広告宣伝費の一部と捉えられた球団取得は、時間をかけて性格を変えていった。DeNAは球場を含む一体経営を続け、2024年には観客動員が235万人と球団史上最多を更新し、チームは26年ぶりの日本一となった。全国的な注目を集める球団は、会社の知名度を高める広告としての役割を果たしつつ、それ自体が利益を生む事業へと育った。運営会社である株式会社横浜DeNAベイスターズの最終利益は、2024年12月期に34億円へ拡大している。赤字を前提に取得した球団が、知名度と利益の双方をもたらす資産へ変わっていった。",
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                  "text": "この判断の核心は、赤字の球団を損失の源泉としてではなく、会社の知名度とブランドを高める広告への出費として読み替えた点にある。赤字という言葉の後ろ向きな響きを、投資の語彙へ置き換えた発想であった。守安社長が年間200億円弱の広告販促費を引き合いに出したとおり、狙いは商品の宣伝そのものというより、事業の規模に見合わない知名度を補い、採用や利用者の獲得を有利に運ぶことにあった。全国のニュースで球団名が繰り返し報じられる効果を、通常の広告出稿と同じ物差しで測れば、年間20数億円の赤字は必ずしも高い買い物ではないという計算が働いていたとみられる。"
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                }
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            }
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        }
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      "references": [
        "日本経済新聞（2011年10月31日）「DeNA社長『球団運営の赤字は広告宣伝費』」",
        "DeNA プレスリリース（2011年11月4日）「プロ野球への参入について」",
        "日本経済新聞（2016年1月22日）「DeNA、球団黒字化へ道 『横浜スタジアム』TOB成立」",
        "横浜DeNAベイスターズ 公式サイト（2024年 観客動員235万人）",
        "株式会社横浜DeNAベイスターズ 決算（2024年12月期・最終利益34億円）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2011年3月期）"
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      "authored": "2026-07",
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      "title": "コンプガチャを消費者庁の規制に先んじて自主廃止し、課金上限を導入",
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          "text": "モバゲーのソーシャルゲームで高収益を上げていたDeNAにとって、特定アイテムを揃えると希少アイテムを得られるコンプガチャは課金を重ねやすい主力の手法だった。射幸性の高さと青少年の高額課金が社会問題となり、大型連休明けの5月7日にはDeNA株が500円安のストップ安に沈んだ。"
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          "text": "DeNAは5月9日の決算発表会で自社のコンプガチャを5月31日までに廃止すると表明し、消費者庁が5月18日に景品表示法の見解を公表するより前に動いた。さらにグリーなど6社で連絡協議会を組み、5月25日にガイドラインを定めて6月末までに全ゲームで廃止した。"
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          "text": "消費者庁の判断を待たず主力の課金手法を自ら手放したが、2013年3月期第1四半期は増収増益で、業績への打撃は限定的にとどまった。規制の到来を見越して確率表示や課金上限を自主規制として制度化し、行政処分の前に社会的批判へ応じた危機対応となった。"
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                {
                  "text": "DeNAはこのソーシャルゲーム事業で高い収益を上げていた。2012年3月期の連結売上高は1,465億円、営業利益は634億円に達し、売上高の4割を超える利益率を記録していた。収益の源泉が射幸性の高い課金にあることへの内外の懸念を受けて、DeNAは規制の議論が本格化する前の2012年4月、モバゲーで18歳未満の利用者に月額課金の上限を設けると発表した。上限は18歳未満を月1万円、15歳以下を月5,000円とし、青少年保護を先取りする内容であった。ただしコンプガチャそのものの扱いには、この時点でまだ踏み込んでいなかった。"
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                  "text": "潮目が動いたのは、大型連休が明けた2012年5月7日の株式市場であった。射幸性への規制が強まるとの観測が広がり、ソーシャルゲーム関連株が一斉に売られた。DeNA株は前営業日比500円安の1,990円、グリー株も500円安の1,651円をつけ、いずれも値幅制限いっぱいまで下げるストップ安となった。報道はこの急落を「コンプガチャ違法ショック」と呼び、コンプガチャが景品表示法に触れかねないとの見方が市場に一気に織り込まれた。主力の課金手法に規制が及べば収益基盤が揺らぐという投資家の警戒が、株価の下落として表面化した。",
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                {
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                      "原文": "「コンプガチャ」は、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法に該当し、懸賞景品制限告示第５項で禁止される景品類の提供行為に当たる場合があります。",
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                      "fact": "守安功社長は2012年6月23日の株主総会で、コンプガチャ廃止について業績への影響は限定的だと説明した",
                      "原文": "利用者に安心して使ってもらうために廃止した。業績に大きな影響は出ていない",
                      "source": "日本経済新聞（2012年6月23日）「DeNA株主総会、『コンプガチャ』に質問相次ぐ」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2300Z_T20C12A6TJC000/"
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                {
                  "text": "一連の対応を経て、射幸性の高い課金手法への規律づけは業界共通の制度へ広がった。2012年8月には日本オンラインゲーム協会が、ゲーム内アイテムの提供割合、すなわち入手確率の表示などを求めるガイドラインを定めた。同年11月には、DeNAを含む主要各社を中心に一般社団法人ソーシャルゲーム協会が設立され、利用者保護と適正な課金運用を継続的に監督する受け皿が整えられた。個社が個別に始めた自主規制は、確率表示や課金上限といった具体的な基準を伴う業界標準へと形を変え、単発の危機対応にとどまらない持続的な枠組みへ発展した。"
                }
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              "sub_title": "規制を待たずに主力を手放す判断が意味したもの",
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                  "text": "この決定の核心は、規制がまだ確定していない段階で、収益の一角を占める課金手法を自ら手放した判断の速さにある。5月7日の株価急落から5月9日の廃止表明まで、DeNAは数日のうちに方針を固めた。定例の決算発表の場を、そのまま危機対応を打ち出す場に転じさせた素早さであった。消費者庁が5月18日に見解を示す前に動いたことで、行政処分や不当な取引方法との認定を受けるより先に、自らの意思で問題の手法を取り下げる立ち位置を確保した。批判の高まりを、規制される対象としてではなく、規律を主導する側から受け止めようとしたところに、この危機対応の特徴がうかがえる。"
                },
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                  "text": "もっとも、規制に先んじた廃止が成り立った背景には、廃止しても業績が持ちこたえるだけの収益構造の厚みがあった。2013年3月期第1四半期が増収増益を保ったように、コンプガチャに代わる課金手法や協業タイトルが売上を支えられたからこそ、主力手法の取り下げは限定的な痛みで済んだ。射幸性への依存を自ら薄める判断が、結果として規制リスクを先に処理し、業界標準づくりを主導する足がかりにもなった。課金モデルが成熟し社会的な監視が強まるなかで、規制を待たずに自主規制へ踏み出すことが、事業の継続と両立し得ることを示した事例として読み取れる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "DeNA「コンプリートガチャの取り扱いに関するお知らせ」（2012年5月9日）",
        "ITmedia NEWS（2012年5月7日）「株式市場に“コンプガチャ違法ショック” グリー、DeNAがストップ安」",
        "消費者庁「オンラインゲームの『コンプガチャ』と景品表示法の景品規制について」（2012年5月18日）",
        "ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会「コンプガチャに関するガイドライン」（2012年5月25日）",
        "日本経済新聞（2012年6月23日）「DeNA株主総会、『コンプガチャ』に質問相次ぐ」",
        "東洋経済オンライン（2012年8月9日）（2013年3月期第1四半期業績）",
        "日本オンラインゲーム協会（JOGA）アイテム提供割合等表示ガイドライン（2012年8月）／一般社団法人ソーシャルゲーム協会（JASGA）設立（2012年11月）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2012年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-04"
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      "title": "任天堂と業務・資本提携を締結し、相互出資でスマートデバイス向けゲームを共同開発",
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          "text": "2015年、成長が鈍ったDeNAは任天堂と業務・資本提携を結び、相互に株式を持ち合った。任天堂の知的財産を活用したスマホ向けゲームアプリと、専用機・PC・スマホを統合する新会員サービスを共同開発し、資本では約220億円ずつを持ち合って任天堂がDeNAの第2位株主となった、守安功社長のもとでの経営判断。"
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          "label": "背景",
          "text": "DeNAのソーシャルゲーム事業は成熟し、売上収益は2013年3月期の約2,024億円をピークに減収へ向かっていた。任天堂はスマホ提供に慎重とみられてきたが、2014年1月に岩田聡社長がゲームを禁じ手にしないと表明し、世界的な知的財産とDeNAの運営経験を組み合わせる余地が生まれていた。"
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          "text": "2015年3月17日、両社は業務・資本提携で合意したと発表した。任天堂はDeNA株の10.00%を約220億円で第三者割当により取得し第2位株主に、DeNAも任天堂株1.24%を約220億円で取得して持ち合った。守安社長はノウハウの相互提供に必要な長期の信頼関係を理由に、株式の相互保有を選んだと説明した。"
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          "text": "業務提携に株式の持ち合いまで重ねたのは、互いのノウハウを預け合う関係を資本で担保するためであった。以降「ファイアーエムブレム ヒーローズ」などのヒットを生んだ一方、2022年にDeNAは保有株の半数を売却し、資本の結びつきは縮んだ。信頼の担保だった持ち合いが、事業の自走とともに一部を解かれた提携であった。"
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          "title": "共同開発の「スーパーマリオ ラン」を配信（1週間で全世界5,000万ダウンロード）"
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                  "text": "岩田聡氏と守安功氏が最初に会ったのは2010年6月で、話し合いはDeNAの側から始まった。モバゲーへ任天堂の知的財産を供給できないかという提案が入り口となり、以後も両者はおよそ5年にわたり断続的に対話を重ねた。任天堂はスマートデバイス向けのゲーム提供に慎重とみられてきたが、2014年1月の経営方針説明会で岩田は、スマートデバイスの活用にあたってゲームコンテンツを禁じ手にはしないと明言していた。据置機と携帯機を自社ハードで売り切ってきた任天堂が、他社の端末で動くゲームへ踏み込む余地を、任天堂の社長みずから公の場で開いていた。",
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                      "source": "任天堂・DeNA 業務・資本提携共同記者発表（質疑応答）2015年3月17日",
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                  "text": "DeNAのモバゲーを軸とするソーシャルゲーム事業は成熟していた。連結の売上収益は2013年3月期の約2,024億円をピークに、翌2014年3月期には約1,813億円へ減収し、利用者がフィーチャーフォンからスマートフォンへ、ブラウザからアプリへ移る過程で、適応に時間を要していた。自社プラットフォーム上で課金モデルを磨いてきた運営の経験は蓄積されていたものの、世界で通用する独自の知的財産をDeNAは持たなかった。世界的に支持される任天堂の知的財産と、DeNAが積み上げたモバイル向けサービスの構築・運営の経験には、たがいの欠を補い合う余地があった。",
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                  "text": "2015年3月17日、任天堂とDeNAは業務・資本提携で合意したと共同で記者発表した。業務提携は二本柱で、一つはグローバル市場を対象に、任天堂の知的財産を活用したスマートデバイス向けゲームアプリを共同で開発・運営すること、もう一つはゲーム専用機・パソコン・スマートデバイスを統合する新しい会員向けサービスを共同で開発することであった。後者はクラブニンテンドーに替わる会員基盤として任天堂が中心に運営し、2015年秋の開始が予定された。過去の専用機タイトルを単純に移植せず、スマートデバイスでは基本無料で始める方針も併せて示された。",
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                      "fact": "2015年3月17日、任天堂とDeNAは業務・資本提携で合意。業務提携は、グローバル市場向けの任天堂IPを活用したスマホゲームの共同開発・運営と、専用機・PC・スマートデバイスを統合する新会員サービスの共同開発の二本柱だった",
                      "source": "任天堂・DeNA 業務・資本提携共同記者発表（プレゼンテーション）2015年3月17日",
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                {
                  "text": "提携は任天堂の弱さの表れと受け取られやすかった。据置機Wii Uの販売が伸び悩み、スマートフォンにゲーム利用が移るなかでの発表だったためである。ゲーム機メーカーが自前のハードを離れて他社の端末にソフトを出す判断は当時なお異例で、市場はこれを守勢の一手と受け止めた。岩田はこれに対し、記者発表の質疑で明確に反論した。世の中が変化する以上それに対応しなければどんな企業も衰退するという危機感は持つが、追い込まれて消去法でこの提携を選んだという見方は誤解だと述べた。他社の端末へ踏み出す判断を、消極的な撤退ではなく能動的な選択として説明しようとした発言であった。",
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                      "fact": "岩田聡氏は、追い込まれて消去法でこの提携を選んだという見方を明確に否定した",
                      "原文": "いろいろなメディアに「任天堂は追い込まれている」などと書かれることが多いのですが、私は追い込まれているとは全く思っておりません。世の中がどんどん変化していくので、それに対応しなければどんな企業も必ず衰退していくという当然の危機感は持っておりますが、「こうしないと（世の中の変化に対応）できなくて、追い込まれたから消去法で選択した結果、このような提携をした」ということは全くの誤解であると申し上げたいと思います。",
                      "source": "任天堂・DeNA 業務・資本提携共同記者発表（質疑応答）2015年3月17日",
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                {
                  "text": "業務提携に加えて、両社は資本提携を相互の株式持ち合いで結んだ。任天堂はDeNAの自己株式15,081,000株、発行済株式の10.00%にあたる分を約220億円で第三者割当により取得し、DeNAの第2位株主となった。同時にDeNAは任天堂の自己株式1,759,400株、同1.24%を1株12,497円、総額約220億円で取得し、払込期日は2015年4月2日とされた。ほぼ同額を出し合って相互に株を持ち合い、出資の比重は釣り合っていた。守安氏は、両社が強みの源泉であるノウハウを相互に提供するため、長期的に強固な信頼関係を築く必要があり、相互に株式を保有することを決めたと説明した。",
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                      "fact": "任天堂はDeNA株15,081,000株（発行済の10.00%）を約220億円で第三者割当により取得し第2位株主に、DeNAは任天堂株1,759,400株（1.24%）を1株12,497円・総額約220億円で取得した（払込期日2015年4月2日）",
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                      "原文": "今回の提携では、両社が各々の強みの源泉であるノウハウを相互に提供することになります。そのため、長期的に強固な信頼関係を構築する必要があり、相互に株式を保有することを決めました。",
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                  "text": "提携発表から約4か月後の2015年7月11日、岩田聡氏が55歳で死去した。共同開発の枠組みは残された経営陣に引き継がれ、第1弾アプリ「Miitomo」は2016年3月、続く「スーパーマリオ ラン」は同年12月に配信され、1週間で全世界5,000万ダウンロードに達した。2017年2月の「ファイアーエムブレム ヒーローズ」はアイテム課金を採り入れ、任天堂のスマートフォン向けゲームで最も売上の大きいタイトルとなった。以後も「どうぶつの森 ポケットキャンプ」（2017年11月）、「マリオカート ツアー」（2019年9月）が配信され、任天堂の知的財産はスマートデバイス上で継続的に供給された。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "提携第1弾「Miitomo」（2016年3月）に続き「スーパーマリオ ラン」（2016年12月）は1週間で全世界5,000万ダウンロード、「ファイアーエムブレム ヒーローズ」（2017年2月）はアイテム課金を採り入れ任天堂のスマホゲームで最大の売上に。以後「どうぶつの森 ポケットキャンプ」「マリオカート ツアー」も配信された。岩田聡社長は提携の約4か月後の2015年7月11日に55歳で死去した",
                      "source": "任天堂 スマートデバイス向けアプリ 配信リリース（2016〜2019年）／任天堂 お知らせ（2015年7月11日）",
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                },
                {
                  "text": "資本の結びつきはその後縮小した。2022年5月11日、DeNAは保有する任天堂株式の半数にあたる879,700株を496億円で売却し、政策保有株式の見直しによるものと説明した。1株12,497円で得た株式は任天堂株の値上がりを受けて相当の含み益を抱えており、売却はその一部を実現するものでもあった。もっとも、売却後も業務・資本提携そのものは継続し、両社はなお相互に株式を持ち合ったまま、共同開発を中心とする関係へ移った。中長期の信頼を担保するために結んだ資本の紐帯は、事業が回り始めたのちには一部を解いても差し支えないものへ変わっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2022年5月11日、DeNAは保有する任天堂株式の半数にあたる879,700株を496億円で売却し、政策保有株式の見直しと説明した。業務・資本提携そのものは継続した",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（連結）／適時開示（2022年5月11日）",
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              "sub_title": "なぜ提携に、株の持ち合いまで重ねたのか",
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                {
                  "text": "この判断の核にあるのは、業務提携だけでは足りず、株式の持ち合いまで重ねた点にある。任天堂は世界で通用する知的財産を、DeNAはモバイル向けサービスの構築・運営の経験を、それぞれ相手に開いて見せる必要があった。互いの強みの源泉であるノウハウを預け合う関係は、契約書の条項だけでは守りにくい。守安氏が長期的に強固な信頼関係を築くためと述べたとおり、相互出資は、簡単には離れられないという担保を資本の形で用意したものと読める。ほぼ同額を出し合った釣り合いは、どちらかが優位に立つ支配ではなく、対等な協働を意図した設計であった。"
                },
                {
                  "text": "もっとも、資本の紐帯は永続を前提としていなかった。共同開発が実を結び、複数のヒットタイトルが生まれたのちの2022年、DeNAは持ち株の半数を売却し、政策保有株式の見直しという当時の市場の要請にも応じた。信頼を資本で担保する必要が最も高いのは関係の立ち上がりで、事業が自走し始めれば、その必要は薄れていく。相互出資が縮んでもなお提携が続いたことは、株の持ち合いが目的ではなく、協働を軌道に乗せるための手段であったことを裏づける。成長が鈍ったソーシャルゲーム会社が、外部の強力な知的財産と組んで次の成長を探るにあたり、資本をどう使い、いつ手放すかまでを含めて描いた提携であったとみられる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "任天堂・DeNA 業務・資本提携共同記者発表（プレゼンテーション）2015年3月17日",
        "任天堂・DeNA 業務・資本提携共同記者発表（質疑応答）2015年3月17日",
        "DeNA 適時開示「任天堂株式会社との業務・資本提携に関するお知らせ」2015年3月17日",
        "任天堂 経営方針説明会（2014年1月・岩田聡社長）",
        "任天堂 お知らせ（2015年7月11日、代表取締役社長 岩田聡 逝去）",
        "任天堂 スマートデバイス向けアプリ 配信リリース（Miitomo／スーパーマリオ ラン／ファイアーエムブレム ヒーローズ ほか）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2015年3月期）",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2022年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-14"
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    {
      "slug": "welq-2016",
      "url": "/tse/2432/decisions/welq-2016/",
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      "title": "キュレーション全10サイトを非公開にし、社外の第三者委員会に事実調査を委ねた危機対応",
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          "label": "概要",
          "text": "2016年、DeNAはWELQなどキュレーションの全10サイトの記事を非公開にし、社外の弁護士による第三者委員会に事実調査を委ねた危機対応。守安功社長は謝罪会見に立ち、翌2017年3月の調査報告書は著作権侵害や薬機法違反の可能性と組織風土の問題を指摘した。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "2014年にiemoとペロリを合算37億円で買収してキュレーション事業に参入した。検索からの流入を集めて記事を量産する運営モデルを、医療・健康という公共性の高い領域へ審査なく適用し、不正確な記事と著作権侵害が積み上がった。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "2016年11月末にWELQを非公開とし、12月7日までに全10サイトの記事を非公開にした。守安功社長と南場智子会長が謝罪会見に立ち、名取勝也弁護士を委員長とする4名の第三者委員会を設けて事実調査を委ねた。"
        },
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          "label": "含意",
          "text": "2017年3月13日の調査報告書は、10サイト37万件超の記事の一部に著作権侵害の可能性、「売上・利益至上」の組織風土と「永久ベンチャー」の免罪符化を指摘した。守安社長の報酬減額と村田マリ執行役員の辞任という経営責任が示された。"
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                  "text": "2014年9月、DeNAはキュレーションメディアへの参入のため、iemoとペロリの2社を合算37億円で買収した。ソーシャルゲームへ偏った収益を分散し、次の柱を育てる狙いだった。買収後にDeNAはWELQやMERYなど複数のサイトをそろえ、検索エンジンからの流入を集めて記事を量産する運営モデルを整えた。外部のライターに安い報酬で記事を数多く書かせ、検索で上位に出やすいよう最適化する手法は、少ない費用で大量の閲覧数を稼ぐ設計だった。",
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                {
                  "text": "この運営モデルの中心にあったWELQは、医療・健康・美容をあつかう情報サイトだった。人の健康や病気にかかわる情報は、正確さと専門的な裏づけが強く求められる領域である。しかしWELQでは、専門的な根拠の乏しい記事や、他サイトの文章・画像を無断で使った記事が量産された。検索対策を優先して記事の量と順位を追ったことで、医療情報としての正確さの確認が後回しになった。",
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              "sub_title": "医療情報の正確さへ向かった批判",
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                  "text": "2016年秋、WELQの記事の信頼性をめぐる批判が広がった。医学的な根拠のない記述や、断定を避けながら不安をあおる書き方が問題視され、他媒体からの無断転載の指摘も相次いだ。検索で上位を占めていたことが、不正確な医療情報の影響を広げていた。批判はWELQにとどまらず、同じ手法で運営されていた他のキュレーションサイトへも及び、DeNAは対応を迫られた。",
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                  "text": "DeNAはまず問題の中心にあったWELQを閉じた。2016年11月29日にWELQの全記事を非公開とし、続いて12月5日には、iemoやFind Travelなど非公開化済みの9媒体に加え、すべてのキュレーションサイトの記事を非公開にすると発表した。ペロリが運営するMERYも12月7日に非公開とし、全10サイトの記事をいったんすべて閉じた。問題の一部を手直しするのではなく、事業全体をとめる判断だった。",
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                      "原文": "全てのキュレーションプラットフォームサービスの記事の非公開化を行ないます",
                      "source": "株式会社ディー・エヌ・エー（2016年12月5日）「第三者調査委員会の設置および当社キュレーションプラットフォームサービス全記事非公開化に関するお知らせ」",
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                {
                  "text": "2016年12月7日、守安功社長と南場智子会長は記者会見を開き、利用者や権利者への謝罪を述べた。守安社長は、数字を追う経営が品質やガバナンスの確認を後回しにしたと認め、会社として生まれ変わる必要を語った。数字の追求だけでなく、社会的な意義とのつり合いを取る経営へ切り替えると表明し、事業の拡大を最優先してきた経営の見直しに着手した。",
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                      "原文": "会社として生まれ変わらないといけない。数字追求だけでなく社会的意義とバランスの取れた経営に転換する",
                      "source": "日経ビジネス（2016年12月）「DeNA守安社長、独自インタビューで胸中明かす」",
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              "sub_title": "社外の弁護士による第三者委員会",
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                  "text": "DeNAは自社内での調査にとどめず、社外の専門家に事実の解明を委ねた。2016年12月15日、名取勝也弁護士を委員長とし、西川元啓・岡村久道・沖田美恵子の各弁護士を加えた4名の第三者委員会を設けた。委員会には、著作権や薬機法など法令上の問題だけでなく、企業風土やガバナンスといった背景の要因まで踏み込んで原因を調べ、改善策を示すことを求めた。経営陣が身内で幕を引くのではなく、外部の視点で自社を解剖させる体制を整えた。",
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              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2017年3月13日、第三者委員会は調査報告書を公表した。全文は277頁、要約版は32頁におよぶ。報告書は10サイトの記事376,671件を調べ、著作権や翻案権を侵害している可能性がある記事を1.9〜5.6%、およそ7,516〜21,093件と推計した。記事に使われた画像約472万点のうち、747,643点に著作権侵害の可能性があるとした。外部から指摘されたWELQの19件では、薬機法に触れる可能性が8件、医師法と健康増進法にそれぞれ1件あるとした。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "報告書は10サイト376,671記事のうち著作権・翻案権侵害の可能性を1.9〜5.6%（約7,516〜21,093件）、画像約472万点中747,643点に侵害の可能性、WELQ19記事に薬機法8件・医師法1件・健康増進法1件の違反可能性を推計した",
                      "source": "株式会社ディー・エヌ・エー キュレーション事業に関する第三者委員会 調査報告書（2017年3月13日）",
                      "url": "https://dena.com/jp/press/003323"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "報告書は、これらの問題の根に組織の風土があるとみた。売上と利益を上げることが至上の目標となり、スピードを優先して慎重な検討をおろそかにした点を指摘した。DeNAが掲げてきた「永久ベンチャー」という言葉が、事業の拡大を急ぐことの免罪符として働いていたとも述べた。委員会は、自社の経済的な利益だけを見るのではなく、さまざまな関係者への配慮を欠かさない稼ぎ方への修正を求めた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "委員会は「永久ベンチャー」が免罪符ではないとし、数値偏重を改めて株主・利用者など関係者への配慮を伴う稼ぎ方への修正を求めた",
                      "原文": "数値偏重から公正な稼ぎ方への修正です。もっぱら自社の経済的利益のみに着目するのでなく、さまざまなステークホルダーへの十分な配慮を行っていくべき",
                      "source": "logmi Biz（2017年3月13日）「【全文】『永久ベンチャーは免罪符ではない』 DeNAキュレーション事業問題で、第三者委が調査結果を報告」",
                      "url": "https://logmi.jp/business/articles/193846"
                    }
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                },
                {
                  "text": "報告書を受けて、DeNAは経営責任を明らかにした。守安功社長は月額報酬の50%を6ヶ月間減給とした。メディア事業を統括した執行役員の村田マリは、執行役員と子会社iemo・Find Travelの代表取締役を辞任する意向を表明した。MERYを運営したペロリの中川綾太郎も辞任し、役職員27名も就業規則にもとづく処分を受けた。DeNAは代表取締役を2名体制に改め、業務執行と独立したコンプライアンス・リスク管理の最高責任者を新たに置いた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "守安功社長は月額報酬の50%を6ヶ月間減給、村田マリ執行役員は執行役員および子会社iemo・Find Travelの代表取締役を辞任する意向を表明した",
                      "原文": "3月12日に当社執行役員並びに子会社iemo株式会社の取締役（代表取締役）及び株式会社Find Travelの取締役（代表取締役）を辞任する意向を表明しております。",
                      "source": "株式会社ディー・エヌ・エー（2017年3月13日）「第三者委員会調査報告書の受領及び今後の対応方針について」",
                      "url": "https://dena.com/jp/press/003323"
                    },
                    {
                      "fact": "MERYを運営したペロリの中川綾太郎も辞任し、ほか役職員も処分を受け、DeNAは代表取締役を2名体制に改めた",
                      "source": "ITmedia NEWS（2017年3月13日）「DeNA、キュレーション問題で関係者処分 『iemo』村田マリ氏・『MERY』中川綾太郎氏辞任」",
                      "url": "https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1703/13/news082.html"
                    }
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                }
              ]
            },
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              "sub_title": "スピードを公共領域へ持ち込むということ",
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                {
                  "text": "この危機対応の核心は、財務の損失そのものよりも、事業のやり方が招いた信頼の毀損にどう向き合うかにあった。DeNAは検索で閲覧数を集め、速さと量で事業を広げる流儀を、モバイルゲームで築いてきた。その流儀を、医療や健康という正確さが命にかかわる領域へ、審査の仕組みを整えないまま持ち込んだところに、この問題の根があった。守安社長が全サイトを閉じ、社外の委員会に自社の解剖を委ね、報酬を減額して責任を引き受けた一連の対応には、経営のやり方そのものへの反省が込められていた。"
                },
                {
                  "text": "もっとも、この問題が投げかけた問いは、DeNA一社にとどまらない。検索からの流入で規模を追うメディアが、そこに載る情報の正確さや、他者の権利にどこまで責任を負うのか。速さと実験を尊ぶベンチャーの気風は、新しい事業を生む力である一方、人の健康や安全にかかわる領域では、確認の手間を省く言い訳にもなりうる。「永久ベンチャー」という言葉が拡大の免罪符になっていたという指摘は、成長を急ぐ企業が公共的な責任とどう折り合いをつけるかという、今日にも続く問いとして残る。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "株式会社ディー・エヌ・エー キュレーション事業に関する第三者委員会 調査報告書（2017年3月13日）",
        "株式会社ディー・エヌ・エー（2017年3月13日）「第三者委員会調査報告書の受領及び今後の対応方針について」",
        "株式会社ディー・エヌ・エー（2016年12月5日）「第三者調査委員会の設置および当社キュレーションプラットフォームサービス全記事非公開化に関するお知らせ」",
        "株式会社ディー・エヌ・エー（2016年12月15日）「第三者委員会の設置に関するお知らせ」",
        "日経ビジネス（2016年12月）「DeNA守安社長、独自インタビューで胸中明かす」",
        "ITmedia NEWS（2017年3月13日）「DeNA、キュレーション問題で関係者処分 『iemo』村田マリ氏・『MERY』中川綾太郎氏辞任」",
        "logmi Biz（2017年3月13日）「【全文】『永久ベンチャーは免罪符ではない』 DeNAキュレーション事業問題で、第三者委が調査結果を報告」",
        "DeNA 有価証券報告書（連結・2015年3月期／2017年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-05"
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      "title": "配車アプリ事業「MOV」を日本交通のJapanTaxiと統合し連結から外した選択と集中",
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          "text": "2020年2月4日、DeNAは配車アプリ「MOV」を中心とするオートモーティブ事業を、日本交通ホールディングス傘下のJapanTaxiと統合すると発表した。新会社Mobility TechnologiesへのDeNAの出資比率は38%とし、赤字が続いた配車事業を連結から外した経営判断。翌5日には主力のゲーム事業などで493億円の減損を計上し、上場後初の通期赤字となった。"
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          "text": "DeNAは2019年度初頭に、複数の新規事業をゲーム事業に並ぶ収益柱へ育て、全社の営業利益を1000億円にする長期目標を掲げていた。その中核が配車アプリMOVを軸とするオートモーティブ事業だったが、事業別損益を開示した2017年度以降の累計赤字は100億円を超え、参入時より競合環境が厳しくなっていた。ゲーム事業自体も収益性が悪化し、減損の判定対象となっていた。"
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          "label": "内容",
          "text": "2020年2月4日、DeNAはMOVや関連事業を日本交通系のJapanTaxiと統合すると発表した。新会社への出資比率を38%とし、20年度に置いた収益目標の「チェックポイント」を前に事業を分割した。守安功社長はシェア争いで投資がかさんだ経緯を挙げ、会社全体の損益を意識した動きであることを認めた。2020年4月に配車アプリ等の事業はMobility Technologies（現GO株式会社）へ承継された。"
        },
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          "text": "育てた事業を連結から外して損益改善を優先し、資源をゲームとライブ配信・ヘルスケアへ集中させる選択と集中であった。統合で生まれたGOは配車アプリで先頭を走り、2023年11月に累計1800万ダウンロードを突破し全国展開へ広げた。DeNAは自ら育てた市場の主導権を持分法の距離から見守る立場となった。"
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                  "text": "2020年2月5日、DeNAは2019年4〜12月期に主力のゲーム事業を中心に493億円の減損損失を計上し、同期間の営業損益が441億円の赤字に転落したと発表した。前年同期は85億円の黒字であり、通期でも赤字となれば2005年2月の上場以降で初めてとなる。減損の大半はゲーム事業で、内訳は2010年に買収した米ngmoco社ののれん約400億円、残る約80億円がソフトウェア資産であった。守安功社長と創業者の南場智子会長は3カ月間の役員報酬の50%を自主返納した。",
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                      "fact": "2019年4〜12月期に493億円の減損を計上し営業損益は441億円の赤字に転落、通期赤字なら上場後初となる",
                      "原文": "ＤｅＮＡが２月５日に発表した２０１９年４〜１２月期決算は、主力のゲーム事業を中心に４９３億円の減損損失を計上し、同期間の営業損益が４４１億円の赤字に転落した（前年同期は８５億円の黒字）。（中略）赤字となれば０５年２月の上場以降初めてとなる。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月22日号「DeNAが巨額赤字に転落 見えてこない反転戦略」",
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                {
                  "text": "通期の連結決算でも赤字は避けられなかった。2020年3月期の売上高は1213億円、営業損益は457億円の赤字、親会社株主に帰属する当期純損益は491億円の赤字となった。ゲーム事業は売上高・利益ともに減少が続き、株式会社ポケモンと共同開発し2019年8月に配信した『ポケモンマスターズ』は運営面のトラブルが相次いでセールスが振るわず、反転の足がかりにならなかった。稼ぐ力の低下が、次の柱を欠いた台所事情を映していた。",
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                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月22日号「DeNAが巨額赤字に転落 見えてこない反転戦略」",
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              "sub_title": "JapanTaxiとの統合と連結除外",
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                {
                  "text": "減損の発表前日にあたる2020年2月4日、DeNAはMOVや関連事業を、日本交通ホールディングス傘下のJapanTaxiと統合すると発表した。新会社Mobility TechnologiesへのDeNAの出資比率は38%となり、20年度に置いた収益目標のチェックポイントを前にして、育てた配車事業を分割した。オートモーティブを含む新規事業は2019年度に100億円規模の赤字を出しており、MOVなどが連結から外れる20年度は「損益影響は大幅に改善」と決算資料で示された。",
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                      "fact": "決算発表の前日にMOVや関連事業をJapanTaxiと統合すると発表し、新会社へのDeNA出資比率は38%となった",
                      "原文": "決算発表の前日、ＭＯＶや関連事業を日本交通ホールディングス傘下のＪａｐａｎＴａｘｉと統合することを発表。新会社へのＤｅＮＡの出資比率は３８％となり、２０年度のチェックポイントを前にして事業を分割することとなった。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月22日号「DeNAが巨額赤字に転落 見えてこない反転戦略」",
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                  "text": "統合を発表した記者会見で、オートモーティブ事業本部長の中島宏常務は「配車アプリサービスを発展させるのに最適なスキームを考えた結果だ」と述べ、完全連結ではなく持分法適用としたことを事業発展の観点から説明した。守安功社長の説明はやや異なり、参入時より競合環境が厳しくなりシェア争いで投資がかさんだ経緯を挙げ、「会社全体の損益を意識しての動きかと言われれば、その要素もゼロではない」と語った。収益の見通しが立たない事業でこれ以上の損失は出せないという判断がにじんでいた。",
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                      "fact": "守安社長は競合環境の激化とシェア争いによる投資増を挙げ、会社全体の損益を意識した動きであることを認めた",
                      "原文": "守安社長の説明は少々異なる。「競合環境は参入時よりも厳しくなり、シェア争いで投資がかさんだ。会社全体の損益を意識しての動きかと言われれば、その要素もゼロではない」。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月22日号「DeNAが巨額赤字に転落 見えてこない反転戦略」",
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                {
                  "text": "統合の実行は決算期を越えて進んだ。DeNAは2020年4月、タクシー配車アプリ等に関する事業を株式会社Mobility Technologiesへ承継し、出資比率38%の持分法適用会社としてグループの連結の範囲から外した。同社はのちにGO株式会社へ社名を変えた。自社で育てた事業を子会社の位置から外へ押し出す形で、ゲームと新規事業への資源集中に舵を切っていた。",
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                      "fact": "2020年4月にタクシー配車アプリ等の事業を株式会社Mobility Technologies（現GO株式会社）へ承継した",
                      "原文": "2020年4月、タクシー配車アプリ等に関する事業を株式会社Mobility Technologies（現GO株式会社）に承継。",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（2021年3月期・連結）",
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              "sub_title": "統合会社GOが配車アプリで先頭へ",
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                  "text": "DeNAが手放したMOVは、統合相手のJapanTaxiと一つになって配車アプリ「GO」となった。GOは2023年11月に累計1800万ダウンロード突破を発表し、2024年1月時点で45都道府県を対応エリアとする全国展開を進め、DiDiやUber、S.RIDEとの覇権争いで先頭を走った。運営会社の会長には日本交通の創業家出身で全国ハイヤー・タクシー連合会会長も務める川鍋一朗氏が就き、2024年1月には運営会社が上場準備開始を発表した。",
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                      "fact": "MOVとJapanTaxiの統合で生まれたGOは配車アプリで先頭を走り、2023年11月に累計1800万ダウンロードを突破した",
                      "原文": "最も先行するのは、２０２３年１１月に累計１８００万ダウンロード突破を発表した、「ＧＯ」だろう。（中略）もともとＧＯは、日本交通系の「ＪａｐａｎＴａｘｉ」と、ＤｅＮＡ系の「ＭＯＶ」が統合して生まれた。",
                      "source": "週刊東洋経済 2024年3月2日号「GOがリード、都内に強いS.RIDE 配車アプリ、覇権争いを制すのは」",
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              "sub_title": "連結の身軽さとゲーム・新規事業への集中",
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                  "text": "配車事業を持分法の距離に移したDeNAは、赤字の重石をひとつ下ろした。2020年3月期に営業損益457億円・当期純損益491億円の赤字を計上した会社にとって、これ以上の投資負担を連結の内側に抱え続ける余地は乏しかった。守安功社長が成長事業と強調したのはライブ配信の「Pococha」と健康増進アプリを軸とするヘルスケア事業で、資源はゲームとこれらへ振り向けられた。翌2021年には南場智子会長のもとで社長が交代し、固定費を切り詰める経営の作り替えへ進んだ。",
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                      "fact": "守安社長は成長事業としてライブ配信「Pococha」とヘルスケア事業を強調した",
                      "原文": "守安社長が成長事業と強調したのが、ライブ配信プラットフォームの「Ｐｏｃｏｃｈａ（ポコチャ）」と、健康増進アプリの「ｋｅｎｃｏｍ（ケンコム）」を展開するヘルスケア事業だ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2020年2月22日号「DeNAが巨額赤字に転落 見えてこない反転戦略」",
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                  "text": "この判断は、育てた事業を勝たせることと、会社の損益を守ることのどちらを優先するかという問いに、後者で答えたものだったとみることができる。MOVは巨額の投資で市場に食い込みつつあったが、シェア争いの消耗戦は連結の体力を削っていた。競合のJapanTaxiと一つになり、主導権を38%の距離から見守る形へ退いたことは、配車アプリという市場そのものを諦めない一方で、自社が主役を張り続ける重荷は下ろすという、痛みを伴う整理であったといえる。"
                },
                {
                  "text": "統合会社GOが配車アプリの先頭に立った事実は、DeNAが去った市場が伸びたことを示している。手放した事業が外で花開く姿は、選択と集中の成否をひと言で断じにくくする。損益を優先した判断が正しかったのか、それとも育て切る前に手放したのか。持分法投資として残した38%の値打ちが、その答えの一端を静かに測り続けているとみられる。"
                }
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            }
          ]
        }
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      "references": [
        "週刊東洋経済 2020年2月22日号「DeNAが巨額赤字に転落 見えてこない反転戦略」",
        "週刊東洋経済 2024年3月2日号「GOがリード、都内に強いS.RIDE 配車アプリ、覇権争いを制すのは」",
        "DeNA 有価証券報告書（2020年3月期・連結）",
        "DeNA 有価証券報告書（2021年3月期・連結）"
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      "authored": "2026-07",
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          "text": "2021年、上場来初の最終赤字を受け、DeNAは10年務めた守安功氏が社長兼CEOを退き、取締役兼COOの岡村信悟氏が昇格した10年ぶりの社長交代と、全社的な固定費削減に踏み切った判断。創業者の南場智子氏は会長にとどまり、新体制は固定費の圧縮とゲーム事業の再強化、新規事業投資の絞り込みを重点に置いた。"
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          "text": "モバゲーの成功で急成長したDeNAは、スマートフォンへの移行後に大型のヒットを欠き、2020年3月期にゲーム事業で511億円の減損を計上して営業・最終ともに赤字へ転落した。2005年の上場以来初めての最終赤字であり、成長を前提に膨らんだ組織と費用構造が、伸び悩む収益から離れつつあった。"
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          "label": "内容",
          "text": "2021年2月9日の取締役会で代表取締役の異動を決議し、4月1日付で守安氏が代表権のない取締役へ退き（同年6月の株主総会で取締役も退任）、総務省出身でベイスターズ社長やCOOを務めた岡村が社長兼CEOに就いた。守安氏が退任前から唱えていた全社的な固定費の見直しを、新CEOのもとで実際の削減へ移した。"
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          "label": "含意",
          "text": "交代と固定費削減は、ベンチャー的な意思決定と成長期の費用構造を保ったまま新たな収益の柱を築けずにいた現実に向き合う判断であった。翌2021年3月期は黒字へ転換したが、2024年3月期に再び最終赤字へ沈み、単一タイトルに業績が左右される脆さと、成熟企業としての経営規律の定着が課題として残った。"
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                  "text": "守安功氏が代表取締役社長兼CEOを務めた2011年からの約10年間、DeNAはフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行のなかで、モバゲーが担ってきたプラットフォームとしての優位を保てなかった。ゲーム事業では他社に伍する大型のヒットに恵まれず、収益の柱がしだいに細っていった。売上収益はスマートフォン向けアプリへの適応に時間を要して伸び悩み、横浜DeNAベイスターズの取得や任天堂との業務・資本提携で事業の幅は広げたものの、会社の稼ぎは依然としてゲーム事業に偏ったままであった。この偏りが、次の10年で経営体制の見直しを迫る伏線となっていた。",
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                  "text": "停滞は数字となって表れた。2020年3月期には、ゲーム事業でのれんやソフトウエアの減損損失511億円を計上し、連結の営業損益は457億円の赤字、最終損益は492億円の赤字に沈んだ。減損の多くはゲーム事業に紐づき、大型タイトルの不振と、買収して抱えた事業の価値の目減りが重なった結果であった。2005年のマザーズ上場から数えて、DeNAが最終赤字を記録したのはこれが初めてであった。単年の減損という一過性の要因だけでなく、成長を織り込んで組み上げた費用が実際の収益を上回るという構造の問題が、その赤字の底に横たわっていた。守安CEO自身も、業績の悪化を単発の失敗ではなく費用の重さの問題として受け止めていた。",
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                      "source": "ITmedia NEWS 2020年5月14日「DeNA、20年3月期は492億円の最終赤字に転落」",
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                  "text": "売上収益が伸び悩む一方で、組織の規模や人件費、開発投資といった費用は、成長を続けることを前提とした水準のまま置かれていた。2018年に投資枠を80億円へ広げたライブ配信・オートモーティブ・ヘルスケアの新規事業は、いずれも収益化に時間を要し、投じた費用に見合う稼ぎを生むには至っていなかった。事業ごとの収益性と費用配分の開きが広がるなかで、DeNAは戦略の巧拙より前に、費用の総量を収益の実力に合わせて縮める必要に直面していた。守安CEOは2020年3月期第3四半期の決算説明会で、コーポレートや共通部門を含めた全社的な固定費の見直しに踏み込むと述べていた。",
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                      "原文": "コーポレートや共通部分を含めた全社的な固定費の見直しを行っていきます",
                      "source": "ログミーFinance「DeNA、2020年3月期第3四半期決算説明会」（2020年2月5日）",
                      "url": "https://finance.logmi.jp/articles/372160"
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                  "text": "2021年2月9日、DeNAは取締役会で代表取締役の異動を決議した。4月1日付で、10年にわたり社長を務めた守安功氏が代表取締役社長兼CEOを退いて代表権のない取締役となり、同年6月の定時株主総会の終結をもって取締役からも退いた。後任には取締役兼COOの岡村信悟氏が代表取締役社長兼CEOに就いた。創業者の南場智子氏は代表取締役会長にとどまり、CEOには就いていない。社長の交代は、南場氏から守安氏への2011年の交代以来、およそ10年ぶりであった。異動は守安氏と岡村の二人にとどまらず、代表取締役の顔ぶれ全体の再編を伴い、南場氏が会長、岡村が社長を分けもつ体制へと整えられた。守安氏が広げた事業を引き継ぐ人事であると同時に、費用の見直しに手をつけるための体制の刷新でもあった。",
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                      "fact": "2021年2月9日、DeNAは代表取締役の異動を決議し、4月1日付で守安功氏が代表取締役社長兼CEOを退いて取締役となり（6月の株主総会で取締役も退任）、岡村信悟氏が代表取締役社長兼CEOに就任。南場智子氏は代表取締役会長にとどまった",
                      "source": "DeNA 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」2021年2月9日",
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                {
                  "text": "新社長の岡村信悟氏は、総務省の出身で、2016年にDeNAへ移ったのち横浜DeNAベイスターズの社長を務め、2019年に取締役兼COOへ進んでいた。ゲームやインターネットの現場を長く歩んできた技術者ではなく、行政と球団経営を経てきた経歴の人物が、DeNAの経営全体を預かる立場に就いた。就任が内定した時点で岡村は、人工知能などを活用してユニークな事業を展開すると述べ、既存のゲーム事業に依存しない収益源の育成に意欲を示した。守安氏が退任前から固定費の見直しを唱えていたことと合わせ、新体制は費用の抑制と事業の選別を同時に進める布陣として整えられた。",
                  "evidences": [
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                      "fact": "岡村信悟氏は総務省出身で横浜DeNAベイスターズ社長を経て2019年にCOOに就いており、社長就任の内定時にAIを活用したユニークな事業展開に言及した",
                      "原文": "人工知能（AI）などを活用し、ユニークな事業を展開する",
                      "source": "ニュースイッチ（日刊工業新聞社）2021年2月「専門は中国古代史で総務省出身。DeNAが10年ぶりに社長交代」",
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                {
                  "text": "新体制が最初に据えた課題は、個別の事業を立て直すことよりも、経営全体の前提を収益の実力に合わせて組み替えることにあった。重点は三つに絞られた。第一にゲーム事業の再強化であり、既存タイトルの運営と新作の投入で稼ぐ力を取り戻すこと。第二に新規事業投資の絞り込みで、80億円規模まで広げた多角化のうち勝機の乏しい領域から資源を引き上げること。そして第三が固定費の削減で、守安体制の末期に言及された全社的な費用の見直しを、新CEOのもとで実際の削減へ移すことであった。成長を追う経営から、収益の質を管理する経営への切り替えが、この三点に込められていた。",
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                  "text": "新体制の初年度となった2021年3月期は、連結売上収益が1,369億円、営業利益が225億円、最終利益が256億円と、前期の赤字から黒字へ転換した。固定費の削減が費用面を軽くする一方、収益面ではライブ配信が伸びを牽引した。Pocochaを中心とするライブストリーミング事業は、売上が前年比164.9%増の242億円へ拡大して黒字化し、ゲーム事業に偏っていた収益の構成に厚みが加わった。赤字から黒字への振れ幅は、費用を削った効果と、新規事業のうち伸びる領域へ資源を寄せた効果の双方によるものであった。2022年4月には、東京証券取引所の市場再編に合わせてプライム市場へ移った。費用と事業の両面を締め直した最初の一年は、数字のうえで応えを返した。",
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                      "fact": "2021年3月期は連結売上収益1,369億円・営業利益225億円・最終利益256億円と黒字転換し、Pococha中心のライブストリーミング事業は売上が前年比164.9%増の242億円で黒字化した",
                      "source": "gamebiz 2021年5月「DeNA、21年3月期は売上高12％増、大幅黒字転換を達成」",
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                {
                  "text": "もっとも、収益の基盤はなお不安定なままであった。2024年3月期は、ゲームタイトルやライブストリーミング事業IRIAMなどで減損損失を計上し、連結の営業損益は283億円の赤字、最終損益は287億円の赤字と、再び赤字へ落ち込んだ。転機は外から訪れた。2024年10月に配信を始めたスマートフォン向け『Pokémon Trading Card Game Pocket（ポケポケ）』が世界規模のヒットとなり、2025年3月期はゲーム事業の売上が781億円へ膨らみ、連結でも売上収益1,639億円、営業利益290億円と大幅な黒字に戻した。固定費を締めた経営の土台の上でも、単一タイトルの当たり外れが業績を左右する脆さは、2021年の交代を経てなお残った。",
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                      "fact": "2024年3月期はIRIAM等の減損で連結営業損益283億円の赤字・最終損益287億円の赤字となったが、2024年10月配信の『ポケポケ』が世界的ヒットとなり、2025年3月期はゲーム事業売上781億円、連結売上収益1,639億円・営業利益290億円へ回復した",
                      "source": "ITmedia NEWS 2025年5月9日「DeNAの『ポケポケ』大ヒット」",
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                {
                  "text": "2021年の社長交代の核心は、業績不振の責めを一人の経営者に負わせることよりも、成長を続ける前提で膨らんだ経営そのものを、稼ぎの実力に合わせて縮める点にあったとみられる。モバゲーの成功がDeNAにもたらした急成長は、裏を返せば、拡大が続くことを見込んだ組織規模と費用を会社に根づかせていた。守安氏が10年をかけて広げた事業の幅は、ゲームへの収益依存という課題を残したまま、スマートフォンへの移行という環境の変化に直面していた。上場来初の最終赤字と、それに先立つ固定費見直しの表明は、その課題の先送りが限界に届いたことを示していた。"
                },
                {
                  "text": "総務省出身の岡村を社長に迎え、南場氏が会長として支える新体制は、固定費の抑制から手をつけて翌年度の黒字転換にこぎ着けた。だが2024年3月期に再び最終赤字へ沈んだことは、収益の基盤に不安定さがなお残っていたことを物語る。『ポケポケ』の世界的なヒットが2025年3月期の大幅黒字を生んだとはいえ、単一タイトルの成否で業績が振れる収益構造は、モバゲー以来の課題と地続きにある。固定費を削って費用の重さを解いた経営が次に問われるのは、当たりに頼らずとも利益を積める収益の質をどう作るかであろう。ベンチャーとして走り続けた会社が成熟企業の規律をどこで身につけるかという問いは、2021年の交代を経てもなお開かれたままである。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "DeNA 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」2021年2月9日",
        "ログミーFinance「DeNA、2020年3月期第3四半期決算説明会」（2020年2月5日）",
        "ニュースイッチ（日刊工業新聞社）2021年2月「専門は中国古代史で総務省出身。DeNAが10年ぶりに社長交代」",
        "ITmedia NEWS 2020年5月14日「DeNA、20年3月期は492億円の最終赤字に転落」",
        "gamebiz 2021年5月「DeNA、21年3月期は売上高12％増、大幅黒字転換を達成」",
        "ITmedia NEWS 2025年5月9日「DeNAの『ポケポケ』大ヒット」",
        "DeNA 有価証券報告書（連結）",
        "DeNA 有価証券報告書（第23期・2021年3月期／連結IFRS）"
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                  "text": "岡村信悟氏が社長兼CEOを務めた2021年からの体制は、成長を前提に膨らんだ固定費を削り、ゲーム事業の再強化と新規事業の選別で収益の質を立て直す道を選んだ。転機は2024年10月に配信した『ポケポケ』の世界的なヒットである。ゲーム事業の売上が伸び、2025年3月期は連結売上収益が1,639億円、営業利益290億円、最終利益241億円と大幅な黒字に戻した。固定費を締めた土台の上に、久しぶりの大型ヒットが重なった一年であった。",
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                {
                  "text": "もっとも、単一タイトルに寄りかかった収益は振れやすかった。2026年3月期は『ポケポケ』の配信当初の勢いが一巡した反動で、連結売上収益が1,477億円へ減り、営業利益は187億円、最終利益は190億円へと減収減益に転じた。ゲーム事業の売上が644億円へ落ち込む一方、ライブストリーミング事業は黒字へ転じ、スポーツ・スマートシティ事業は増収を保った。当たりの有無で全体が揺れる収益の姿は、2021年の社長交代を経てなお残っていた。",
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                      "source": "日本経済新聞（2026年5月12日）「DeNAの純利益2割減 26年3月期、「ポケポケ」ヒットの反動で」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB126UL0S6A510C2000000/"
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              "sub_title": "新規事業の誤算と市場の低い評価",
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                  "text": "ゲーム以外の柱を育てる試みは、買収と減損の繰り返しに終始した。2021年8月にライブ配信のIRIAM社を89億円で、2022年10月にヘルスケアのアルム社を247億円で子会社化したが、いずれも業績不振で減損損失を計上し、2024年3月期には連結最終損益が286億円の赤字へ沈んだ。中期経営計画で資本効率の目標を掲げても株価は伸びず、南場氏自身が、資本市場から成長企業と見られていないことへの悔しさを繰り返し口にした。市場の低い評価は、岡村体制が残した課題であった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "IRIAM社（2021年8月・89億円）とアルム社（2022年10月・247億円）の買収はいずれも減損に至り、2024年3月期は連結最終損益286億円の赤字となった",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（連結）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "南場氏は復帰にあたり、市場の低い評価からの決別と、三年での「AI全振り」の組織改革を掲げた",
                      "原文": "DeNA南場会長、背水の社長復帰　3年で挑む“AI全振り”と「市場の低評価」からの決別",
                      "source": "ITmedia ビジネスオンライン（2026年5月12日）「DeNA南場会長、背水の社長復帰 3年で挑む“AI全振り”と「市場の低評価」からの決別」",
                      "url": "https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2605/12/news145.html"
                    }
                  ]
                }
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "取締役会による代表取締役の役割変更",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2026年5月12日、DeNAの取締役会は代表取締役2名の役割を変更する異動を決議した。6月27日付で、代表取締役会長であった南場智子氏（64）が代表取締役社長兼CEOへ戻り、社長兼CEOであった岡村信悟氏（56）が代表権を残したまま会長へ回る。異動は6月27日の第28回定時株主総会を経て正式に決まった。会社は、創業者の南場氏自らがCEOとして変革を率い、岡村氏が政府や自治体、業界団体との渉外を担う体制が最適だと判断したと説明した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2026年5月12日、DeNAは代表取締役の役割変更を決議し、6月27日付で南場智子氏が代表取締役会長から社長兼CEOへ、岡村信悟氏が社長兼CEOから代表権のある会長へ移ると発表した",
                      "原文": "ファウンダーである南場智子自らがCEOとして変革をリードするとともに、岡村信悟が政府、地方公共団体、業界団体等を含む各種のステークホルダーとの渉外をはじめ、当社の取り組みを一層推し進める役割を担っていくことが最適な経営トップの体制と判断し、上記の代表取締役２名の役割の変更を行うものであります。",
                      "source": "DeNA 適時開示（2026年5月12日）「役員人事に関するお知らせ」",
                      "url": "https://dena.com/jp/news/5386/"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "南場氏が社長を退いたのは2011年6月で、創業来の社員だった守安功氏に経営を託し、自らは会長へ退いていた。家族の看病を理由に第一線を離れて以来、およそ15年ぶりの社長復帰にあたる。守安氏の後を継いだ岡村氏は、旧郵政省から2016年にDeNAへ移り、横浜スタジアム社長やCOOを経て2021年に社長へ就いた人物である。その岡村氏を会長に据え、創業者が再び社長として経営の先頭に戻る人事は、平時の世代交代とは異なる意味を帯びた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "南場氏は2011年に守安功氏へ社長を譲って会長へ退いており、今回の復帰は15年ぶりで、事業モデルの変革に向けてCEOを兼ねる",
                      "原文": "DeNA、南場智子会長が15年ぶり社長復帰　事業モデル変革へCEO兼任",
                      "source": "日本経済新聞（2026年5月12日）「DeNA、南場智子会長が15年ぶり社長復帰 事業モデル変革へCEO兼任」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC128MC0S6A510C2000000/"
                    },
                    {
                      "fact": "岡村信悟氏は旧郵政省出身で、2016年にDeNAへ入社して横浜スタジアム社長やCOOを経て2021年に社長兼CEOに就いた",
                      "source": "DeNA 有価証券報告書（連結）【役員の状況】",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "15年ぶりの社長復帰の背景には、岡村体制下での新事業育成における複数の誤算があった",
                      "原文": "DeNA南場氏｢15年ぶり社長電撃復帰｣に至った必然",
                      "source": "東洋経済オンライン（2026年5月25日）「DeNA南場氏「15年ぶり社長電撃復帰」に至った必然」",
                      "url": "https://toyokeizai.net/articles/-/945255"
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "時間を区切った創業者の再登板と「AI全振り」",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "南場氏が示したのは、期限を区切って創業者が先頭に立つという体制である。経営のスピードを上げてAIへ資源を寄せ、新事業へ人材を移し、三年で組織を組み替える方針を掲げた。改革をやり遂げたのちはピラミッド型でないCEO組織も検討すると述べ、早期に第一線を退く含みも残した。会見では、世の中の会社が挑戦していないことをやる組織へつくり替えると語り、そのために創業者が戻り、時間を区切って取り組むと決めた経緯を明かした。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "南場氏は、AIへ全面的に資源を振り向け、新事業へ人材を移し、三年で組織改革をやり遂げると表明した",
                      "原文": "DeNA社長復帰の南場智子氏、「AI全振り」の覚悟　新事業に人材移動",
                      "source": "日本経済新聞（2026年5月）「DeNA社長復帰の南場智子氏、「AI全振り」の覚悟 新事業に人材移動」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD310FG0R30C26A5000000/"
                    }
                  ]
                }
              ]
            }
          ]
        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "復帰直後の方針と、未確定の成果",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "本稿を書いている2026年7月の時点で、南場氏の復帰から日は浅く、方針の成果はまだ数字に表れていない。会社はAIを使ったコスト構造の見直しで生産性を高め、浮いた人手を新事業へ振り向けると掲げる。2026年3月期はライブストリーミング事業が黒字へ転じ、ヘルスケア・メディカル領域とあわせて、次の成長投資へ回す原資を確保する構えを示した。三年での組織改革と、市場の低い評価からの決別を果たせるかどうかは、これから配信するゲームや新事業の育ち方に懸かっている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2026年3月期はライブストリーミング事業が黒字転換し、AI活用によるコスト構造改革を通じて次の成長投資を続ける方針が示された",
                      "source": "DeNA 決算短信（2026年3月期）",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "第二の創業という賭け",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "創業者を再び社長に戻すという選択の含意は、業績の責任を問う交代ではなく、大幅な黒字を挟んだうえで自ら火中に戻る決断だった点にある。南場氏は2011年に経営を守安氏へ、2021年には岡村氏へと託し、二度にわたり世代交代を進めてきた。その流れをいったん逆に振り、期限を区切って創業者が先頭に立つ体制へ戻したのは、意思決定の速さと、市場の低い評価をはね返す求心力を、いま自分の手で取り戻す必要があると見たためであろう。第二の創業と呼ぶにふさわしい賭けである。"
                },
                {
                  "text": "賭けの成否は、AIへ資源を寄せる方針が、効率化にとどまらず新しい事業を生むところまで届くかにかかる。DeNAは『永久ベンチャー』を掲げながら、WELQの信頼失墜や2021年の社長交代など、成長を急ぐ文化のひずみと向き合ってきた。今回の再登板も、単一タイトルに揺れる収益と、育ちきらない新規事業という、同じ課題の延長にある。時間を区切って創業者が変革を率いるやり方で、成熟した会社に速さと挑戦を同時に取り戻せるのか。ピラミッド型でない組織への移行を含め、答えは本稿の時点でまだ出ていない。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "DeNA 適時開示（2026年5月12日）「役員人事に関するお知らせ」",
        "日本経済新聞（2026年5月12日）「DeNA、南場智子会長が15年ぶり社長復帰 事業モデル変革へCEO兼任」",
        "日本経済新聞（2026年5月12日）「DeNAの純利益2割減 26年3月期、「ポケポケ」ヒットの反動で」",
        "日本経済新聞（2026年5月）「DeNA社長復帰の南場智子氏、「AI全振り」の覚悟 新事業に人材移動」",
        "ITmedia ビジネスオンライン（2026年5月12日）「DeNA南場会長、背水の社長復帰 3年で挑む“AI全振り”と「市場の低評価」からの決別」",
        "東洋経済オンライン（2026年5月25日）「DeNA南場氏「15年ぶり社長電撃復帰」に至った必然」",
        "DeNA 決算短信（2026年3月期）"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-05"
    }
  ]
}
