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  "decisions": [
    {
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      "year": 1972,
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      "decision_id": "2222-regional-subsidiary-model-1972",
      "type": "new_business",
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      "title": "地域別子会社による分散立地——観光地ごとに別法人で地元銘菓を持つ稼ぎ方の原型",
      "subtitle": "鳥取の飴菓子メーカーは、なぜ統一ブランドの全国出荷ではなく、各地に別会社を並べる道を選んだか",
      "status": "implemented",
      "status_label": "実施",
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      "issue": "新規事業・多角化と全国市場への展開",
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      "highlights": [
        {
          "label": "概要",
          "text": "1972年の北陸寿設立を皮切りに、寿製菓（現・寿スピリッツ）は各地の観光地ごとに別法人を立て、その土地の銘菓を製造販売する分散立地を全国へ広げた。売られる場所の側に会社を分けて置くこの構造が、のちのケイシイシイやシュクレイの土台となり、寿スピリッツ固有の稼ぎ方の原型となった。1970〜90年代を通じて固まった面的な戦略である。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "1952年に鳥取県米子市で飴菓子の家業として創業。山陰地方の土産菓子から出発したが地元市場は狭く、創業期から出荷先を県外の観光地に求める必要を抱えた。本社工場から統一ブランドを全国へ送り出す通例とは逆に、土産が買われる売場の側へ近づいていった。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "1972年の北陸寿を皮切りに、宮崎・神戸・下呂・鳥羽・但馬・倉敷・奈良・名古屋・京都と、80年代後半から90年代初頭にかけて温泉地・観光地ごとに地域子会社をほぼ毎年のように設立した。2006年には純粋持株会社へ移り、会社はこの体制を「地域事業会社の連合体」と自ら位置づけた。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "観光地の売場を地元法人で押さえる型は、北海道のケイシイシイ、首都圏のシュクレイへと延び、コロナ後に営業利益率24%超の高収益へ結実した。地元市場の狭さを逆手に取った分散が、全国最大規模の土産菓子グループの背骨となったとみることができる。"
        }
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      "parties": [
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          "stock_code": "2222",
          "name": "寿スピリッツ",
          "role": "当事者",
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            "note": "鳥取・米子発の観光土産菓子メーカー（当時は寿製菓）。地元市場の狭さから県外の観光地へ出荷先を求め、地域別子会社を各地に立てる分散立地を型とした"
          }
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      "dates": {
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        "summary": "地元市場の狭い鳥取から出発し、統一ブランドの全国出荷ではなく、観光地ごとに別法人で地元銘菓を持つ分散立地を1972年以降全国へ広げた面的戦略。売場を握る構造がグループの稼ぎ方の原型となった"
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      "timeline": [
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          "year": 1952,
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          "title": "鳥取県米子市に寿製菓を設立し飴菓子の製造を開始。山陰地方の土産菓子から出発する"
        },
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          "title": "石川県加賀市に北陸寿を設立。観光地ごとに別法人で地元銘菓を持つ分散立地が始まる",
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        },
        {
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          "title": "兵庫・但馬、岡山・倉敷など、80年代後半から観光地ごとに地域子会社をほぼ毎年設立"
        },
        {
          "year": 1996,
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          "title": "北海道千歳にケイシイシイを設立し、分散立地の型を遠隔地・洋菓子へ広げる"
        },
        {
          "year": 2006,
          "month": 10,
          "title": "純粋持株会社へ移行し寿スピリッツへ改称。会社は自らを「地域事業会社の連合体」と位置づける"
        },
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          "title": "東京都港区にシュクレイを設立し、分散立地の型を首都圏の人流拠点へ集中する"
        }
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      "snapshot": {
        "fiscal_year": "2025年3月期（面的戦略が結実した到達点）",
        "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（2025年3月期・連結）",
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            "name": "寿スピリッツ",
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            "president": "河越誠剛",
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              "sub_title": "狭い地元市場と、観光地の売場という着眼",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "寿製菓は1952年4月、鳥取県米子市で飴菓子の製造として始まった。当初は山陰地方の土産用菓子を卸に納める家業で、地元だけを相手にする限り伸び代は乏しかった。1959年には観光土産菓子部門へ進み、1968年に銘菓「因幡の白うさぎ」を出して観光土産の高級化に取り組んだ。地元の卸に納めるだけでなく、旅行者が土産として買う菓子へ主力を移していった。",
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                    {
                      "fact": "寿製菓は1952年に米子で飴菓子製造として創業し、1959年に観光土産菓子部門へ進出、1968年に銘菓「因幡の白うさぎ」を発売して観光土産の高級化に取り組んだ",
                      "原文": "1952年4月 鳥取県米子市角盤町に寿製菓株式会社を設立し、飴菓子等の製造を開始。／1959年4月 観光土産菓子部門に進出。／1968年11月 銘菓\"因幡の白うさぎ\"を発売し、観光土産用菓子の高級化に取組む。",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
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                      "fact": "寿スピリッツは1952年設立で、当初は山陰地方の土産用菓子を製造・卸販売していた",
                      "原文": "設立は1952年。当初は山陰地方の土産用菓子を製造・卸販売。",
                      "source": "日本経済新聞（2016年10月12日）「全国の土産菓子 仕掛けたのは鳥取企業」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXMZO08222250R11C16A0X13000/"
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                },
                {
                  "text": "出荷先を県外へ広げる必要は、創業期から構造的にあった。1975年、寿製菓はそれまで社内に置いていた鳥取・松江・米子の営業拠点を別法人の寿販売として切り出し、同年に山口へコトブキ屋を設立して山陰から山口へ販路を伸ばした。全国の菓子メーカーの通例が本社工場から統一ブランドを全国へ出荷する形であるのに対し、寿製菓は土産が売られる観光地の売場の側に立ち、そこへ会社を近づけていく道を選んだ。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1975年、寿製菓は鳥取・松江・米子の営業拠点を別法人化して寿販売を設立し、同年に山口県長門市へコトブキ屋を設立した",
                      "原文": "1975年4月、鳥取支店、松江営業所、米子営業所を別法人とし、寿販売株式会社（鳥取県米子市）を設立。1975年10月、山口県長門市に株式会社コトブキ屋（現　株式会社寿堂）を設立。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
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              "sub_title": "1972年北陸寿から始まった連鎖",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "分散立地が始まったのは、1972年4月の北陸寿であった。寿製菓は石川県加賀市に株式会社コトブキ（旧・北陸寿）を設立し、加賀温泉の土産菓子需要を地元法人で取りにいった。本社から製品を送り込むのではなく、その土地に会社を構えて地域の銘菓を製造販売する流儀が、ここから型として定着していく。以後は西日本を中心に販売子会社を順次立て、全国へ販売網を広げていった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1972年4月、石川県加賀市に株式会社コトブキ（旧・北陸寿）を設立した",
                      "原文": "1972年4月、石川県加賀市に株式会社コトブキ（旧　株式会社北陸寿）を設立。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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                    {
                      "fact": "1972年のコトブキ設立の後、西日本を中心に販売子会社を順次設立して全国に販売網を広げた",
                      "原文": "1972年4月 石川県加賀市に株式会社コトブキを設立。その後西日本を中心に販売子会社を順次設立し全国に販売網を広げる。",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
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                {
                  "text": "1980年代に入ると、地域子会社の設立は加速した。1980年に宮崎と神戸、1982年に岐阜・下呂と三重・鳥羽、1987年に兵庫・但馬と岡山・倉敷、1988年に奈良、1989年に名古屋、1990年に京都と、温泉地や観光地ごとに製造販売の地域子会社をほぼ毎年のように並べた。各社はその土地の銘菓ブランドを掲げ、観光地の土産物店・駅・空港の売場という最終接点に地元法人で入り込む布陣を、十数年かけて全国へ敷いていった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1980年代後半から90年代初頭にかけて、宮崎・神戸・下呂・鳥羽・但馬・倉敷・奈良・名古屋・京都と観光地ごとに地域子会社をほぼ毎年設立した",
                      "原文": "1980年4月 宮崎県宮崎市に宮崎県土産株式会社（現　南寿製菓）を設立。1980年8月 神戸市北区に株式会社コトブキ香寿庵（現　寿香寿庵）を設立。1982年3月 岐阜県下呂市に飛騨コトブキ製菓株式会社（現　株式会社ひだ寿庵）を設立。1982年8月 三重県鳥羽市に株式会社三重コトブキ製菓（現　株式会社三重寿庵）を設立。1987年3月 兵庫県美方郡新温泉町に株式会社但馬寿を設立。1987年10月 岡山県倉敷市に株式会社瀬戸内コトブキ（現　株式会社せとうち寿）を設立。1988年3月 奈良県大和郡山市に株式会社奈良コトブキ（現　株式会社なら寿庵）を設立。1989年3月 名古屋市中村区に株式会社東海コトブキ（現　株式会社東海寿）を設立。1990年4月 京都市山科区に株式会社京都コトブキ（現　株式会社寿庵）を設立。",
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              "sub_title": "地域事業会社の連合体という構造",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "この組み立ては、一般的な菓子メーカーとは逆であった。本社工場で統一ブランドを量産して全国へ配るのではなく、各地の銘菓を土地ごとの別会社で持つ。消費者の最終接点である売場の側に会社を分けて置く構造は、80年代の段階で持株会社的な体制へ接近していた。1993年には米子の淀江工場に和風城郭を模した『お菓子の壽城』を併設し、作る場所を見せて売る直販も型に加えた。",
                  "evidences": [
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                      "fact": "1993年4月、鳥取県米子市の淀江工場に和風城郭を模した観光施設『お菓子の壽城』を設置し、生産と観光集客を一体化した",
                      "原文": "1993年4月、鳥取県米子市に淀江工場（『お菓子の壽城』）を設置。",
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                {
                  "text": "別会社で束ねる集団の実態は、2006年に制度として整った。同年10月、寿製菓は純粋持株会社へ移り商号を寿スピリッツに改め、地域ごとの銘菓ブランドを傘下に並べる立ち位置へ切り替えた。会社自身はこの体制を「地域事業会社の連合体」と呼び、北海道から沖縄に至る全国を網羅した販売と製造の一貫体制と説明する。地元法人を足し合わせて全国の土産市場をすくう構造が、法人格の上でも明確になった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2006年10月、寿製菓は純粋持株会社体制へ移行して商号を寿スピリッツに改称し、新設分割により寿製菓を設立して営業を承継した",
                      "原文": "2006年10月、純粋持株会社体制への移行に伴い、商号を寿スピリッツ株式会社に改称、新設分割により寿製菓株式会社を設立し営業の全てを承継。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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                    {
                      "fact": "寿スピリッツは事業セグメントを地域事業会社を基礎に区分し、自らを「地域事業会社の連合体」と位置づけ、北海道から沖縄に至る全国を網羅した販売・製造の一貫体制と説明している",
                      "原文": "当社グループは、当社（純粋持株会社）・子会社17社で構成。事業セグメントは、地域事業会社を基礎に区分。（地域事業会社の連合体）北海道から沖縄に至る全国を網羅した販売プラットホームと製造拠点の強みを活かし、企画・製造・販売までの一貫したサービスを提供。",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
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        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "型の延長——北海道、そして首都圏へ",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "分散立地は近隣の観光地にとどまらなかった。1996年、寿製菓は陸路で結ばれない北海道へ跳び、千歳にケイシイシイ（旧・コトブキチョコレートカンパニー）を設立し、1998年には小樽の運河沿いに洋菓子の直営店ルタオを構えた。地域別に別法人を立てる型に、遠隔地と洋菓子・直営観光店舗という新領域を接いだ動きで、のちにルタオは主力ブランドの一角へ育った。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "1996年4月に北海道千歳市へコトブキチョコレートカンパニー（現・ケイシイシイ）を設立し、1998年6月に小樽へ洋菓子直営店ルタオを設置した",
                      "原文": "1996年4月、北海道千歳市に株式会社コトブキチョコレートカンパニー（現　株式会社ケイシイシイ）を設立。1998年6月、北海道小樽市に小樽洋菓子舗ルタオを設置。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "2011年には、この型を地縁のない最大市場である首都圏へ持ち込んだ。東京都港区に別会社シュクレイを立て、東京駅や空港の売場ごとに限定ブランドを並べる手土産事業を築く。売場の側から会社を分けるという1972年以来の流儀を、人流の集まる一等地で徹底させた展開である。地域子会社の連鎖として始まった構造が、遠隔地と大都市へ延び広がっていった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2011年12月、東京都港区に別会社シュクレイを設立し、分散立地の型を首都圏へ広げた",
                      "原文": "2011年12月、東京都港区に株式会社シュクレイを設立。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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              "sub_title": "高収益の土台として",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "売場の側に会社を並べた構造は、観光需要が戻ると厚い収益に変わった。コロナ前の2020年3月期に売上451.8億円・営業利益64.5億円だった連結業績は、インバウンドと国内旅行の回復を受けて2025年3月期に売上723.5億円・営業利益176.1億円へ伸び、営業利益率は14.3%から24.3%へ上がった。全国の観光動線に売場を握る事業構造が、回復後にむしろ高い利益を生むことを示している。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "連結業績は2020年3月期の売上451.8億円・営業利益64.5億円から2025年3月期に売上723.5億円・営業利益176.1億円へ拡大し、営業利益率は14.3%から24.3%へ上がった",
                      "原文": "2020年3月期 売上高451.8億円・営業利益64.5億円（営業利益率14.3%）。2025年3月期 売上高723.5億円・営業利益176.1億円（営業利益率24.3%）。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結）",
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                },
                {
                  "text": "連合体の稼ぎ頭も、この半世紀で移った。地域別セグメントの売上構成は、2015年3月期に北海道のケイシイシイが32%、創業地の寿製菓・但馬寿が23%を占めていたのに対し、2025年3月期には首都圏のシュクレイが41%で最大となり、ケイシイシイ29%、寿製菓・但馬寿14%と続く。2016年の時点で寿スピリッツは製造子会社6社・販売子会社11社を全国に抱えており、鳥取の一工場から県外へ会社を分けて始めた稼ぎ方が、各地の売場を押さえる連合体として全国最大規模の土産菓子グループを形づくった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "地域別セグメントの売上構成は、2015年3月期のケイシイシイ32%・寿製菓・但馬寿23%・シュクレイ12%から、2025年3月期にはシュクレイ41%・ケイシイシイ29%・寿製菓・但馬寿14%へと重心が移った",
                      "原文": "セグメント売上構成比：2015年3月期 ケイシイシイ32%・寿製菓・但馬寿23%・販売子会社19%・九十九島グループ13%・シュクレイ12%。2025年3月期 シュクレイ41%・ケイシイシイ29%・寿製菓・但馬寿14%・販売子会社10%・九十九島グループ6%。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・セグメント情報）",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "2016年時点で寿スピリッツは全国に製造子会社6社・販売子会社11社を抱え、ルタオ（北海道）・九十九島せんぺい（長崎）・フランセ（横浜）などのブランドを持っていた",
                      "原文": "全国各地に製造子会社6社と販売子会社11社を抱える。主要ブランドはルタオ（北海道）、九十九島せんぺい（長崎）、フランセ（横浜）。",
                      "source": "日本経済新聞（2016年10月12日）「全国の土産菓子 仕掛けたのは鳥取企業」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXMZO08222250R11C16A0X13000/"
                    }
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            },
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              "sub_title": "売場の側に会社を分けるという選択",
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                {
                  "text": "この判断の核にあるのは、統一ブランドを全国に配るのではなく、売られる場所の側に会社を分けて置く、という選び方であった。地元市場の狭さから県外へ出荷先を求めた地方メーカーが、観光地・駅・空港という最終接点ごとに地元法人を並べ、その土地の銘菓を掲げていく。効率だけを見れば重複の多い分散だが、売場を握ることを最優先した構えが、観光需要の追い風のなかで固有の強さに転じたとみることができる。"
                },
                {
                  "text": "もっとも、売場に寄り添う構造は、人が動かなければ回らない弱さと表裏でもある。コロナ下で全セグメントが沈んだのは、観光動線に売場を集めていたがゆえであり、回復後に最も高く伸びたのも同じ理由による。1972年に始まった分散立地は、北海道へ、首都圏へと場所を替えながら半世紀を生き延びた。地元の狭さから生まれた型が次の人流の変化にどこまで耐えるかは、この先も問われていくとみられる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（2025年3月期）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・セグメント情報）",
        "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
        "日本経済新聞（2016年10月12日）「全国の土産菓子 仕掛けたのは鳥取企業」"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-12"
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    {
      "slug": "shukurei-tokyo-gift-2011",
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      "year": 2011,
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      "title": "シュクレイによる首都圏プチ・ギフト戦略——別会社で東京駅・空港の手土産市場を握る",
      "subtitle": "鳥取の地方銘菓メーカーは、本社ブランドと切り離した別会社で、東京の人流拠点の売場をどう埋めたか",
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        "role": "寿スピリッツ 社長",
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          "label": "概要",
          "text": "2011年12月、寿スピリッツは東京都港区に別会社・株式会社シュクレイを設立し、東京駅・羽田空港・百貨店といった首都圏の人流拠点に、本社ブランドとは切り離した限定ブランドを売場ごとに立てる手土産事業を築いた。河越誠剛社長のもとで数年かけて固めた面的な戦略で、シュクレイはのちにグループ最大の利益主柱へ育った。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "寿スピリッツは1972年以降、各地の観光地ごとに別法人で地元銘菓を持つ分散立地の型を全国へ広げてきたが、日本最大の人流が集まる首都圏だけは空白のまま残っていた。1998年設立のつきじちとせは2012年に解散し、東京での足場づくりは十年以上停滞していた。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "2011年設立のシュクレイは、「ザ・メープルマニア」「東京ミルクチーズ工場」「バターバトラー」「COCORIS」など、売場ごとに別建てのブランドを首都圏限定で立てた。看板商品を置く店を一つに絞り、その場でしか買えない希少性で回転を上げる設計を取り、2016年にはフランセ買収でM&A型のブランド取り込みも重ねた。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "シュクレイはコロナ下の落ち込みを経てグループ最大のセグメントへ育ち、2025年3月期にセグメント売上291.7億円・営業利益63.1億円へ達した。地方の観光動線で磨いた分散立地の型を、地縁のない最大市場へそのまま持ち込んだ稼ぎ方が、寿スピリッツの高収益の中心線である。"
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          "title": "石川県加賀市に北陸寿を設立。以後、各地の観光地へ地域別子会社を広げる分散立地の型が固まる"
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          "title": "東京都中央区につきじちとせを設立し首都圏へ足場づくりを試みる（2012年1月解散）"
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          "title": "純粋持株会社へ移行し寿スピリッツへ改称。ブランドを別会社で束ねる体制が整う"
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          "title": "東京都港区に株式会社シュクレイを設立し、首都圏プチ・ギフト戦略を本格化",
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          "title": "フランセを連結子会社化（2017年4月にシュクレイが吸収合併）し、M&A型のブランド取り込みを接合"
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          "month": 10,
          "title": "シュクレイが横浜・浜松に続く3拠点目の富士山静岡工場を設置し供給力を増強"
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      "snapshot": {
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        "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（2025年3月期・連結）",
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              "sub_title": "分散立地という型と、届かなかった首都圏",
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                  "text": "寿スピリッツの前身である寿製菓は、1972年の北陸寿を皮切りに、各地の温泉地や観光地ごとに別法人を立て、その土地の銘菓を製造販売する分散立地の型を全国へ広げてきた。空港の売店、駅の構内、観光地の土産物店という最終接点ごとに、地元ブランドを別会社で持つ構造である。本社工場から統一ブランドを全国へ送り出すのではなく、売場の側に立って地域ごとに会社を分ける稼ぎ方が、グループの原型となっていた。",
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                      "fact": "寿製菓は1972年の北陸寿を起点に、各地の観光地へ地域別子会社を設立して分散立地の型を広げた",
                      "原文": "1972年4月、石川県加賀市に株式会社北陸寿を設立。以後、宮崎・神戸・下呂・鳥羽・但馬・倉敷・奈良・名古屋・京都と、各地の観光地ごとに地域別子会社を設けていった。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "この型が唯一届いていなかったのが、日本最大の人流が集まる首都圏であった。1998年6月、寿製菓は東京都中央区に株式会社つきじちとせを設立して東京に足場を築こうとしたが、この会社は2012年1月に解散し、同年6月に清算結了となった。同じ1998年に軌道へ乗せた北海道・小樽の直営店ルタオとは対照的に、東京での足場づくりは十年以上を空費し、首都圏はグループの地図に残る空白であり続けた。",
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                      "fact": "1998年に設立したつきじちとせは2012年に解散・清算結了となり、首都圏進出は2011年のシュクレイ設立まで遅れた",
                      "原文": "同月、東京都中央区にも株式会社つきじちとせを設立して首都圏に拠点を置く動きを示したが、つきじちとせは2012年1月に解散・同年6月清算結了となり、首都圏進出は2011年のシュクレイ設立まで本格化が遅れた。",
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              "sub_title": "持株会社体制と、東京駅・空港の手土産市場",
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                  "text": "首都圏へ再挑戦する条件は、2006年に整った。同年10月、寿製菓は純粋持株会社へ移行して商号を寿スピリッツに改め、各地の銘菓ブランドを別会社で束ねる立ち位置へ切り替えた。単一の銘菓メーカーという体裁から、ブランドごとに会社を増やせる集団経営へ移ったことで、首都圏専用の新会社を立ち上げる下地ができていた。",
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                      "fact": "2006年10月、寿製菓は純粋持株会社体制へ移行して商号を寿スピリッツに改称し、事業を別会社で束ねる体制へ移った",
                      "原文": "2006年9月、株式会社ケーエスケーを株式交換により完全子会社化。2006年10月、純粋持株会社体制へ移行し、商号を寿スピリッツ株式会社に変更、新設分割により寿製菓株式会社を設立して営業を承継した。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
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                  ]
                },
                {
                  "text": "狙う先の東京駅と羽田空港は、出張客と観光客が日々行き交う結節点で、手土産の需要が一点に集中する売場であった。ここでは全国どこでも買える定番菓子より、その場でしか手に入らない限定品が選ばれやすい。鳥取発の地方メーカーには縁の薄い市場だが、押さえれば地域子会社では届かない規模の売上が見込めた。のちに寿スピリッツはこの領域で時価総額3000億円を超えるプレミアムギフトスイーツの最大手と評されるが、2011年の時点では、東京の一等地に売場を持たない地方企業にすぎなかった。",
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                      "fact": "寿スピリッツは鳥取の観光土産菓子メーカーから、時価総額3000億円超のプレミアムギフトスイーツ最大手へと評されるようになった",
                      "原文": "寿スピリッツは、もともと鳥取県の観光土産菓子メーカーだったが、今や時価総額3000億円を超えるプレミアムギフトスイーツの最大手となった。",
                      "source": "プレジデントオンライン（2024年2月6日）「『東京駅で売れるスイーツ』を次々と生み出す…菓子メーカー『寿スピリッツ』の知られざる経営戦略」",
                      "url": "https://president.jp/articles/-/78279"
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
          "subsections": [
            {
              "sub_title": "2011年、東京都港区に別会社シュクレイを設立",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2011年12月、寿スピリッツは東京都港区に株式会社シュクレイを設立した。1998年のつきじちとせが結実しなかった首都圏進出を、新会社で再起動する判断である。シュクレイは羽田空港・東京駅・新宿などの交通拠点と百貨店内の売場を主戦場に、鳥取本社や既存の地域子会社とは独立したブランド体系を組み、旅客が手土産として買う小箱の高回転モデルを設計した。地方の観光地で別法人を立ててきた型を、地縁のない最大市場へそのまま応用する構えであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2011年12月、東京都港区に株式会社シュクレイを設立し、本社や地域子会社とは独立したブランド体系で首都圏限定流通のモデルを設計した",
                      "原文": "2011年12月、東京都港区に株式会社シュクレイを設立した。シュクレイは羽田空港・東京駅・新宿等の交通拠点と百貨店内売場を主戦場に、鳥取本社のブランドや既存の地域子会社のブランドとは独立したブランド体系で、東京の観光客と出張客が手土産として購入する小箱SKUの高回転モデルを設計した。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
                      "url": null
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "シュクレイは売場ごとに別建てのブランドを次々と立てた。「ザ・メープルマニア」「東京ミルクチーズ工場」「バターバトラー」「COCORIS」などを首都圏限定で展開し、東京駅のグランスタ東京と八重洲北口の東京ギフトパレットだけで合わせて14店舗に及んだ。しかも各店のブランドはすべて異なり、東京駅の一店にしか置かないブランドも複数あった。多くの人が通る一等地を、一つの看板で塗るのではなく、売場ごとに別の顔を並べて埋めていく組み立てであった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "寿スピリッツグループは東京駅のグランスタ東京と東京ギフトパレットで計14店舗を展開し、ブランドはすべて異なり東京駅のみの限定ブランドもあった",
                      "原文": "寿スピリッツは東京駅のグランスタ東京と同駅八重洲北口の「東京ギフトパレット」で合わせて14店舗を展開している。ブランドはすべて異なり、東京駅にある1店舗だけのブランドが、ココリスの他にも4店ある。",
                      "source": "プレジデントオンライン（2024年2月6日）「『東京駅で売れるスイーツ』を次々と生み出す…菓子メーカー『寿スピリッツ』の知られざる経営戦略」",
                      "url": "https://president.jp/articles/-/78279"
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "その場でしか買えない、という設計とM&Aの接合",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "看板商品を置く店を一つに絞る売り方には、河越誠剛社長の明快な理屈があった。同社長は、常設店を東京駅の一店に限る理由を、客はその場でなければ買えないものを求めているのであって、どこでも売っていれば、そこで買う必然が失われる、と説く。希少性を保つために出店をあえて抑える設計で、駅という一点の来客を高い回転へ変える。売場の性格を読み、ブランドを分けて限定する組み立てが、シュクレイの手土産事業の核に据えられていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "河越誠剛社長は、COCORISの常設店を東京駅の一店に限る理由を「その場所でなければ買えないものを客が求めている」と説明した",
                      "原文": "お客様はその場所でなければ買えないものを求めている。どこでも売っていたら、そこで買う必要がなくなってしまう。",
                      "source": "日経ビジネス電子版（2025年3月13日）「東京駅手土産の巨人は鳥取企業 寿スピリッツ、超現場主義でヒット連発」",
                      "url": "https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00337/030400147/"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "首都圏の売場を広げる途上で、シュクレイは自前でブランドを立てるだけでなく、他社ブランドの取り込みも重ねた。2016年1月、寿スピリッツは明治ホールディングス傘下で赤字だった洋菓子製造のフランセを株式取得で子会社化し、運営体制を刷新したうえで、2017年4月にシュクレイへ吸収合併した。関東圏の伝統ブランド「フランセ ミルフィユ」を既存の首都圏販売網へ組み込む動きで、自前設立の分散立地に、M&Aでブランドを取り込む型が加わった。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2016年1月にフランセを子会社化して運営体制を刷新し、2017年3月期に売上高を前期比12%増の約300億円へ引き上げる目標を掲げた",
                      "原文": "寿スピリッツは、2016年1月に子会社化した洋菓子製造のフランセ（横浜市）の運営体制を刷新し、グループ会社の新型店の出店も強化する。2017年3月期の売上高を前期比12%増の約300億円まで引き上げる。",
                      "source": "日本経済新聞（2016年5月7日）「寿スピリッツ、首都圏『菓子店』戦略再構築 M&A生かす」",
                      "url": "https://www.nikkei.com/article/DGXLZO02003100W6A500C1LC0000/"
                    }
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        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
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              "sub_title": "グループ最大の利益主柱への成長",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "シュクレイは設立初年度こそ小さかった。セグメントとして開示が始まったFY11（2012年3月期）は売上8.6億円・営業損失0.2億円にとどまる。そこから首都圏の出店とブランド育成が積み上がり、コロナ前のFY19（2020年3月期）には売上158.8億円・営業利益20.6億円へ拡大した。さらにFY24（2025年3月期）は売上291.7億円・営業利益63.1億円に達し、グループ売上の約4割を占める最大セグメントとなった。地縁のない首都圏で、地域子会社の総和を超える稼ぎ頭が育っていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "シュクレイのセグメント売上・営業利益は、FY11の8.6億円・営業損失0.2億円からFY19に158.8億円・20.6億円、FY24に291.7億円・63.1億円へ拡大した",
                      "原文": "シュクレイセグメントの売上高と営業利益は、FY11（2012年3月期）860百万円・営業損失20百万円、FY19（2020年3月期）15,880百万円・2,058百万円、FY24（2025年3月期）29,174百万円・6,314百万円と推移した。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・セグメント情報）",
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                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "もっとも、観光動線に売場を集めた構造は、人流が止まると弱さも見せた。新型コロナで首都圏の売場を直撃されたFY20（2021年3月期）、シュクレイは売上74.6億円・営業損失9.3億円へ急落し、前年から売上は半分以下、利益は約30億円のスイングとなった。ただ寿スピリッツはブランドと売場を畳まずに保ち、人流の回復とともに増産・増販へ転じた。インバウンドと国内旅行の戻りを受けて、FY24にはFY19を売上で約1.8倍・営業利益で約3倍上回る過去最高へ届いた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "シュクレイはコロナ下のFY20（2021年3月期）に売上74.6億円・営業損失9.3億円へ落ち込んだ後、FY24に売上291.7億円・営業利益63.1億円の過去最高へ回復した",
                      "原文": "シュクレイセグメントの売上高と営業利益は、FY19（2020年3月期）15,880百万円・2,058百万円、FY20（2021年3月期）7,457百万円・営業損失929百万円、FY24（2025年3月期）29,174百万円・6,314百万円と推移した。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・セグメント情報）",
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                    }
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                }
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            {
              "sub_title": "東京駅エリアの面的支配と供給力の増強",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "首都圏戦略の到達点は、東京駅という一点に凝縮して現れた。グループの東京駅エリアの常設店舗数は、2020年3月期の3店舗から14店舗へ拡大し、売場ごとに別ブランドを並べる面的な布陣が敷かれた。看板の一つ、COCORISのサンドクッキー「ヘーゼルナッツと木苺」は、2020年から2024年まで東京駅スイーツ売上ランキングで5年連続1位を続け、「ザ・メープルマニア」もこれに次ぐ位置につけた。その場でしか買えない設計が、駅の来客を反復購入と行列へ変えていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "東京駅エリアのグループ常設店舗数は2020年3月期の3店舗から14店舗へ拡大した",
                      "原文": "東京駅エリアのグループ常設店舗数は、20/3期の3店舗から14店舗に拡大。",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "COCORISの看板商品「ヘーゼルナッツと木苺」は2020〜24年に東京駅スイーツ売上ランキングで5年連続1位、ザ・メープルマニアが次点となった",
                      "原文": "看板商品「ヘーゼルナッツと木苺」は2020〜24年で売上ランキング5年連続1位。ザ・メープルマニアは24年ランキング2位。",
                      "source": "日経ビジネス電子版（2025年3月13日）「東京駅手土産の巨人は鳥取企業 寿スピリッツ、超現場主義でヒット連発」",
                      "url": "https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00337/030400147/"
                    }
                  ]
                },
                {
                  "text": "需要の戻りに応えるため、寿スピリッツは供給力の増強にも動いた。シュクレイは2024年、横浜工場・浜松工場に続く3拠点目として富士山静岡工場を設置し、首都圏向けの生産能力を上積みした。回復した観光動線へ商品を切らさず届ける体制づくりで、売場を握る戦略を工場側から支える一手であった。首都圏の売場と生産の両面へ投資を厚くする方針は、直近の決算説明会でも繰り返し語られている。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "シュクレイは2024年に横浜工場・浜松工場に続く3拠点目の富士山静岡工場を設置し、供給力を増強した",
                      "原文": "シュクレイが横浜工場、浜松工場に続いて3拠点目となる富士山静岡工場を設置しました。",
                      "source": "寿スピリッツ 2025年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "地方の型を、地縁なき最大市場へ持ち込む",
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              "paragraphs": [
                {
                  "text": "この戦略の芯にあるのは、地方の観光地で磨いた稼ぎ方を、縁もゆかりもない東京の一等地でそのまま通せるか、という問いであった。売場の側に立って会社を分け、その土地でしか買えないものを置く——温泉地や小樽で機能した型を、寿スピリッツは別会社シュクレイに載せて首都圏へ持ち込み、東京駅の売場を売場ごとの別ブランドで埋めていった。地縁を欠く市場でこそ、あえて売る場所を絞り希少性を保つ設計が効いた点に、この判断の面白さがうかがえる。"
                },
                {
                  "text": "ただ、観光動線に売場を寄せた構造は、人流の増減をそのまま業績に映す。コロナ下でシュクレイが最も深く沈んだのは、首都圏に集中していたがゆえであり、回復のなかで最も高く伸びたのも同じ理由による。売場と生産へ投資を厚くするほど、次に人の流れが止まったときの振れ幅も広がる。地方の型を最大市場へ集中させた強さと、需要変動への感度の高さは表裏であり、その均衡をどう保つかが、次に人流が動くときに問われていくとみられる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "寿スピリッツ 有価証券報告書【沿革】",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（2025年3月期）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・セグメント情報）",
        "プレジデントオンライン（2024年2月6日）「『東京駅で売れるスイーツ』を次々と生み出す…菓子メーカー『寿スピリッツ』の知られざる経営戦略」",
        "日経ビジネス電子版（2025年3月13日）「東京駅手土産の巨人は鳥取企業 寿スピリッツ、超現場主義でヒット連発」",
        "日本経済新聞（2016年5月7日）「寿スピリッツ、首都圏『菓子店』戦略再構築 M&A生かす」",
        "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
        "寿スピリッツ 2025年3月期 決算説明会 質疑応答"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-12"
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    {
      "slug": "covid-recovery-high-margin-2022",
      "url": "/tse/2222/decisions/covid-recovery-high-margin-2022/",
      "year": 2022,
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        "tr-crisis"
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      "title": "コロナ禍のV字回復と営業利益率24%——観光動線を削らず保った高収益体質の確立",
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      "issue": "危機下の事業構造の保全と高収益体質の確立",
      "decider": {
        "name": "河越誠剛",
        "role": "寿スピリッツ 社長",
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      "highlights": [
        {
          "label": "概要",
          "text": "2020年、新型コロナが空港・駅・観光地の人流を断ち、寿スピリッツは売上を前年のほぼ半分へ落として営業赤字へ転じた。同社はブランド・売場・正社員を削らずに保ち、河越誠剛社長のもとで需要の戻りに賭けた。2022年3月期に黒字へ戻し、2023年3月期には売上・利益ともコロナ前のピークを上回る過去最高を更新、2025年3月期には営業利益率24％台へ達した面的な経営判断である。"
        },
        {
          "label": "背景",
          "text": "寿スピリッツは空港・駅・観光地の売場に商品を集中させる観光動線モデルを収益の柱としてきた。2020年3月期は売上451億円・営業利益64億円と過去最高であったが、翌2021年3月期にコロナが人流を断ち、売上は232億円へ半減、全セグメントが赤字に沈んだ。"
        },
        {
          "label": "内容",
          "text": "品揃えの大幅縮小や大量閉店・人員削減に走らず、ブランドと売場、正社員を保った。派遣・期間従業員を絞り、雇用調整助成金を活用しながら固定的な人員を守り、2022年10月の入国制限緩和に合わせて国際線ターミナルの販売体制を早期に整えた。少数精鋭の人員配置で部門採算を高める運営へ切り替えた。"
        },
        {
          "label": "含意",
          "text": "観光動線に売場を集めた構造は、人流が止まると最も深く沈むが、戻ると最も高く伸びる。営業利益率はコロナ前の14％台から24％台へ上がり、会社は中期計画で経常利益率30％を掲げた。売場を握るモデルが、回復後にむしろ高い収益を生むことを示している。"
        }
      ],
      "parties": [
        {
          "stock_code": "2222",
          "name": "寿スピリッツ",
          "role": "当事者",
          "at_deal": {
            "note": "鳥取・米子発の観光土産菓子グループ。空港・駅・観光地の売場に集約した観光動線モデルがコロナで直撃を受けた"
          }
        }
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      "dates": {
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        "summary": "観光動線に売場を集約した事業構造がコロナで直撃を受けたなか、ブランド・売場・人員を削らずに保ち、人流とインバウンドの回復に合わせて増産・増販へ転じることで、コロナ前を上回る高収益体質を確立した面的な判断"
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          "year": 2025,
          "month": 3,
          "title": "2025年3月期に売上723億円・営業利益176億円、営業利益率24.3％、インバウンド売上100億円突破"
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      "snapshot": {
        "fiscal_year": "2025年3月期（高収益体質が定着した代表年）",
        "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（2025年3月期・連結）",
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              "sub_title": "観光動線に集約した事業構造と、コロナ前のピーク",
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                {
                  "text": "寿スピリッツの稼ぎ方は、空港の売店、駅の構内、観光地の土産物店という人の流れが集まる売場に、商品を集中させるところにあった。地域別子会社による分散立地も、首都圏のシュクレイも、北海道のルタオも、いずれも観光と出張の動線に売場を置き、その土地でしか買えない菓子を高い回転で売る構えである。人流の量がそのまま売上を左右する事業構造で、成長も収益も観光の勢いに乗って積み上がってきた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "寿スピリッツの主要セグメントはいずれも空港・駅・観光地の売場に依存する観光土産菓子事業である",
                      "原文": "国内卸売は、主に小売店向け卸（駅、空港、SAなど）、代理店卸、OEMなど／国内小売は、主に直営店舗、催事など。",
                      "source": "寿スピリッツ 2025年3月期 決算説明会 質疑応答",
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                },
                {
                  "text": "コロナ直前の2020年3月期、寿スピリッツは連結売上451億円・営業利益64億円と過去最高を更新し、営業利益率は14.3％へ届いていた。売上は2015年3月期の229億円から5年で約2倍に伸び、訪日客の増加と国内旅行の活況を追い風に、観光動線モデルは右肩上がりの成長を続けていた。この高成長が積み上げた財務の余力が、直後の急落に耐える体力にもなっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2020年3月期は連結売上451億円・営業利益64億円と過去最高を更新し、営業利益率は14.3％であった",
                      "原文": "2020年3月期の連結売上高451億円、営業利益64億円は過去最高。売上高は2015年3月期229億円から約2倍に拡大し、営業利益率は14.3％であった。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（2020年3月期）",
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            },
            {
              "sub_title": "人流の消失と、全セグメントの赤字",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "2020年春以降のコロナは、その動線を一度に断った。渡航制限で訪日客が消え、緊急事態宣言で国内の移動も止まると、空港・駅・観光地の売場は客足を失った。2021年3月期の連結売上は232億円と前年の約半分へ落ち込み、営業損益は28億円の赤字へ転じた。首都圏のシュクレイから北海道のルタオ、地域子会社まで、観光動線に依存する全セグメントがそろって赤字に沈んだ。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2021年3月期は連結売上232億円・営業損失28億円で、観光動線に依存する全セグメントが赤字に転落した",
                      "原文": "2021年3月期の連結売上高は232億円（前期比約48％減）、営業損益は28億円の営業損失。各報告セグメントはいずれも営業損失を計上した。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（2021年3月期）",
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                },
                {
                  "text": "もっとも、赤字は営業段階にとどまった。同期は営業外収益に雇用調整助成金などを含む25億円が立ち、経常損益は3億円の赤字へ収まっている。人員を削って固定費を切り下げるよりも、助成制度を使って雇用を抱えたまま持ちこたえる形が、この一期の損益にあらわれていた。需要が戻る前提に立てるかどうかが、その後の分かれ目になっていく。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2021年3月期は営業外収益に雇用調整助成金などを含む25億円を計上し、経常損失は3億円にとどまった",
                      "原文": "2021年3月期の営業外収益25.8億円には雇用調整助成金等が含まれ、経常損益は3.2億円の経常損失にとどまった。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（2021年3月期）",
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        {
          "section": "origin",
          "label": "決断",
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              "sub_title": "削らず保つ——ブランド・売場・人員の温存",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "このとき寿スピリッツが選んだのは、品揃えの大幅縮小や大量閉店、人員削減で身軽になる道ではなかった。ブランドと売場を畳まず、正社員を保ったまま需要の回復を待つ構えである。連結の就業人員は2020年3月期の1,520名から2021年3月期には1,583名へむしろ増え、2022年3月期も1,507名とほぼ横ばいで推移した。売上が半減した一期を、正社員をほとんど減らさずに越えていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "連結就業人員は2020年3月期1,520名、2021年3月期1,583名、2022年3月期1,507名と、売上半減下でもほぼ維持された",
                      "原文": "連結従業員数（就業人員）は2020年3月期1,520名、2021年3月期1,583名、2022年3月期1,507名。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・従業員の状況）",
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                {
                  "text": "調整の矛先は、変動費の側に置かれた。派遣・期間従業員は2020年3月期の1,247名から2021年3月期886名、2022年3月期778名へ絞られ、固定的に抱える正社員とは対照的に減っている。雇用調整助成金で人件費の負担を和らげつつ、戻れば即戦力となる中核の人員は手放さない配分であった。河越誠剛社長は危機を前に「何があってもツイている」と語り、悲観による縮小へは傾かなかった。",
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                    {
                      "fact": "臨時従業員は2020年3月期の1,247名から2022年3月期778名へ絞られ、正社員の維持と対照的に変動費側で調整された",
                      "原文": "臨時従業員数は2020年3月期1,247名、2021年3月期886名、2022年3月期778名。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・従業員の状況）",
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                      "fact": "河越誠剛社長は「何があってもツイている」と語る前向きな姿勢を示していた",
                      "原文": "私は元々ツイている思想の持ち主です。何があってもツイているんですよ。",
                      "source": "プレジデントオンライン（2024年2月6日）「『東京駅で売れるスイーツ』を次々と生み出す…菓子メーカー『寿スピリッツ』の知られざる経営戦略」",
                      "url": "https://president.jp/articles/-/78279"
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              "sub_title": "回復への備えと、少数精鋭への切り替え",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "需要が戻る糸口は、2022年10月に見えた。入国制限が緩和され、主要国際線ターミナルの売店が段階的に再開すると、寿スピリッツは早期に人員体制を整えて国際線ターミナルでの展開強化に動いた。売場と人員を保ってきたからこそ、制限緩和の号砲に合わせて増販へ即座に転じられる。温存してきた体制が、インバウンドの復調をそのまま取りにいく構えへ切り替わっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2022年10月の入国制限緩和で主要国際線ターミナルの売店が段階的に再開し、同社は早期に人員体制を整えて展開を強化した",
                      "原文": "2022年10月から、入国制限が緩和され、主要国際線ターミナルの売店が段階的に再開。／インバウンド対策では、早期に人員体制を整え、主要国際線ターミナルでの展開強化などに取り組みました。",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 決算説明会 質疑応答",
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                },
                {
                  "text": "回復に転じる過程で、同社は稼ぎ方そのものにも手を入れた。商品価格の改定を進めて売上総利益率を押し上げる一方、部門ごとに少数精鋭の人員配置へ切り替え、採算をより高める運営を掲げた。落ち込みを耐える守りから、戻る需要を高い利幅で受けとめる攻めへ、コスト構造の側から組み替えていた。この切り替えが、のちの利益率の跳ね上がりを支える下地になっていく。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "価格改定で売上総利益率を高めつつ、少数精鋭による人員配置の最適化で部門採算の高利益化を図った",
                      "原文": "少数精鋭による人員配置の最適化により、部門採算の更なる高利益化を目指す！",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 決算説明会 質疑応答",
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        },
        {
          "section": "outcome",
          "label": "結果",
          "subsections": [
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              "sub_title": "V字回復と、コロナ前を超える過去最高",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "回復は速かった。2022年3月期に連結売上321億円・営業利益14億円で黒字へ戻すと、2023年3月期には売上501億円・営業利益99億円へ跳ね、経常利益は100億円を超えた。売上・営業利益ともコロナ前のピークだった2020年3月期を上回り、過去最高を更新している。会社は自ら、売上500億円と経常利益率20％の突破を節目として掲げた。落ち込みからわずか2期での完全な回復であった。",
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                    {
                      "fact": "連結売上・営業利益は2022年3月期321億円・14億円、2023年3月期501億円・99億円と回復し、コロナ前ピークを上回って過去最高を更新した",
                      "原文": "連結売上高・営業利益は2022年3月期321億円・14億円、2023年3月期501億円・99億円、経常利益は2023年3月期103億円。2020年3月期（売上451億円・営業利益64億円）を上回り過去最高を更新した。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・各期）",
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                    {
                      "fact": "会社は2023年3月期に売上高500億円・経常利益100億円・経常利益率20％の突破を業績の節目として掲げた",
                      "原文": "2023年3月期 売上高500億円、売上総利益率60％突破／2023.3期 経常利益100億円 経常利益率20％突破。",
                      "source": "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
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                },
                {
                  "text": "伸びを牽引したのは、温存してきた売場へ戻ってきた訪日客であった。国際線ターミナルでのインバウンド売上は、2024年3月期に71億円、2025年3月期には初めて100億円を突破し、前期比40.6％増となった。地元紙の山陰中央新報も、2025年3月期決算で純利益・売上・経常利益が最高を更新し、インバウンド消費の増大がこれを押し上げたと報じている。人流の戻りが、そのまま高い売上へ跳ね返っていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "国際線ターミナルでのインバウンド売上は2025年3月期に初めて100億円を突破し、前期比40.6％増となった",
                      "原文": "2025年3月期のインバウンド売上高は、初めて１００億円を突破！／インバウンド売上高（国際線ターミナル売上高）は、10,022百万円（前期比40.6％増）。",
                      "source": "寿スピリッツ 2025年3月期 決算説明会 質疑応答",
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                    {
                      "fact": "山陰中央新報は、2025年3月期に純利益・売上・経常利益が最高を更新し、インバウンド消費の増大が寄与したと報じた",
                      "原文": "寿スピリッツが純利益の最高更新　売上高と経常利益も　インバウンド消費増大　２５年３月期決算。",
                      "source": "山陰中央新報デジタル（2025年5月14日）「寿スピリッツが純利益の最高更新　売上高と経常利益も　インバウンド消費増大　２５年３月期決算」",
                      "url": "https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/780093"
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                }
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            {
              "sub_title": "営業利益率24％という高収益体質",
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "回復は、規模だけでなく利幅の質にもあらわれた。営業利益率はコロナ前の14.3％から、2024年3月期24.6％、2025年3月期24.3％へと上がり、2025年3月期は売上723億円・営業利益176億円に達した。コロナ前ピークと比べて売上は約1.6倍、営業利益は約2.7倍で、利益の伸びが売上の伸びを上回っている。価格改定と少数精鋭の運営で、戻った需要を以前より高い利幅で受けとめる体質へ変わっていた。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "営業利益率はコロナ前の14.3％から2024年3月期24.6％・2025年3月期24.3％へ上がり、コロナ前比で売上約1.6倍・営業利益約2.7倍となった",
                      "原文": "営業利益率は2020年3月期14.3％、2024年3月期24.6％、2025年3月期24.3％。2025年3月期は売上723億円・営業利益176億円で、2020年3月期比で売上約1.6倍・営業利益約2.7倍。",
                      "source": "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・各期）",
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                },
                {
                  "text": "この高収益は、市場からも観光回復の象徴として読まれた。2023年8月、中国政府が日本への団体旅行を解禁すると、四季報はインバウンド関連の代表として「観光土産菓子の大手」寿スピリッツを挙げ、同社株は前日比5.5％高をつけたと伝えている。会社は中期計画「Value Up 2030」で経常利益率30％・経常利益350億円を2030年3月期の目標に据え、観光動線を握るモデルを高収益の柱として押し進める構えを示した。",
                  "evidences": [
                    {
                      "fact": "2023年8月の中国の団体旅行解禁を受け、四季報はインバウンド関連の代表として寿スピリッツを挙げ、同社株は前日比5.5％高をつけた",
                      "原文": "観光土産菓子の大手、寿スピリッツの株価は前日比５．５％高。／８月１０日、インバウンド関連銘柄の株価が急上昇した。中国政府が日本への団体旅行を解禁すると発表したからだ。",
                      "source": "週刊東洋経済 2023年8月26日号「沸騰するインバウンド、復活するナイトタイム」",
                      "url": null
                    },
                    {
                      "fact": "会社は中期計画「Value Up 2030」で経常利益率30％・経常利益350億円を2030年3月期の目標に掲げた",
                      "原文": "経常利益率 30％（2030年3月期）／経常利益 350億円（2030年3月期）。",
                      "source": "寿スピリッツ 2025年3月期 決算説明会 質疑応答",
                      "url": null
                    }
                  ]
                }
              ]
            },
            {
              "sub_title": "削らなかったことが生んだ高収益",
              "editorial": true,
              "paragraphs": [
                {
                  "text": "この判断の芯にあるのは、危機に際して事業を縮めなかったことが、回復の速さと利幅の厚さの両方を生んだ、という逆説である。観光動線に売場を寄せた構造は、人流が消えたときに最も深く沈み、全セグメントを一度に赤字へ落とした。だが売場とブランド、そして中核の人員を保ったまま持ちこたえたからこそ、制限緩和の号砲に合わせて誰よりも早く増販へ転じられた。守りの時期に削らなかった資産が、攻めの時期の高収益へ直結した点に、この面的な判断の含みがうかがえる。"
                },
                {
                  "text": "もっとも、営業利益率24％という水準は、観光の追い風とインバウンドの急回復に多くを負っている。人流の増減をそのまま業績へ映す構造は変わっておらず、原材料や人件費の上昇、次に人の流れが細ったときの振れ幅も、高収益の裏側に控えている。削らずに保つ選択が効いたのは、需要が戻るという読みが当たったからでもある。会社が掲げる経常利益率30％の先で、この高い利幅をどこまで平時の体質として保てるかが、次に人流が動くときに問われていくとみられる。"
                }
              ]
            }
          ]
        }
      ],
      "references": [
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（2020年3月期）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（2021年3月期）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（2025年3月期）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・各期）",
        "寿スピリッツ 有価証券報告書（連結・従業員の状況）",
        "寿スピリッツ 2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答",
        "寿スピリッツ 2024年3月期 決算説明会 質疑応答",
        "寿スピリッツ 2025年3月期 決算説明会 質疑応答",
        "プレジデントオンライン（2024年2月6日）「『東京駅で売れるスイーツ』を次々と生み出す…菓子メーカー『寿スピリッツ』の知られざる経営戦略」",
        "山陰中央新報デジタル（2025年5月14日）「寿スピリッツが純利益の最高更新　売上高と経常利益も　インバウンド消費増大　２５年３月期決算」",
        "週刊東洋経済 2023年8月26日号「沸騰するインバウンド、復活するナイトタイム」"
      ],
      "authored": "2026-07",
      "last_updated": "2026-07-12"
    }
  ]
}
