エムスリー の歴史

ソネット・エムスリー 設立(2000年) | 谷村格(エムスリー創業者)

設立

2000

ソネット・エムスリー 設立

事業内容 (セグメント)エムスリー

2019年3月期[連結]

エムスリー - 有価証券報告書


歴史と沿革

谷村格(エムスリー創業者)

谷村格(エムスリー創業者)

沿革 - エムスリー

  • 1987年 谷村格が国際基督教大学を卒業
  • 1987年 谷村格がマッキンゼーに入社
  • 2000年 谷村格がマッキンゼーを退社(当時35歳)
  • 2000年 谷村格がソネット・エムスリーを設立
  • 2000年 MR君の提供開始
  • 2003年 m3.comの運用開始
  • 2003年 MR君の医師会員7万人(シェア約20%)
  • 2003年 米国に現地法人「M3 USA」設立
  • 2004年 東証マザーズに株式上場
  • 2007年 東証第一部に市場変更
  • 2009年 MR君の医師会員17万人(シェア約50%)
  • 2009年 メビックス買収(臨床研究)
  • 2009年 エムスリーキャリアを設立
  • 2010年 英EMSを6.6億円で買収
  • 2016年 MR君医師会員26万人(シェア約80%)
  • 2016年 Vidal Groupを144億円で買収
  • 2019年 時価総額2.7兆円を記録
  • 谷村格(エムスリー創業者)

    証券会社で松井証券がネット活用で成功したように、薬の営業でも同様の取り組みが出てくる

    2002/9/18日経産業新聞「ソネット・エムスリー社長谷村格氏」

    【創業】コンサルタントが起業

    エムスリーの歴史は、インターネットバブルの崩壊直後の2000年9月に、マッキンゼーのパートナー(共同役員)だった谷村格(当時35歳)が、ソニーからの出資を受けて「ソネット・エムスリー」を設立したことに始まる。谷村社長は松井証券がインターネットを活用したことで成功したことを受けて、医薬品の営業で似たことができないかを考え、インターネットで医薬品営業を行える「MR君」というプラットフォームを開発する。すでに、谷村社長はマッキンゼー時代に大手医薬品メーカーとの太いパイプを構築しており、設立2年目にして黒字経営を達成する。医薬品メーカーにとって「MR君」は、高給なMRを病院営業させるよりもコストを抑えることできるメリットがあり、医師にとっては「ワンストップで最新情報を獲得できるため、時間の節約につながる」というメリットが双方にあり、エムスリーの利用料は多少高額でも許容される形となった。2000年代を通じてエムスリーの「MR君」は、日本人の医師31万人に対して、設立9年目の2009年時点で17万人(シェア約50%)を確保した。早期に黒字経営を実現したことにより、2004年9月にエムスリーは東証マザーズへの株式上場を果たしている(上場時の従業員数は25名)。

    【転換】事業会社から投資会社(PE)に転身

    2000年代前半のエムスリーは「MR君」によって業容を拡大するが、2000年代後半に突入すると日本国内の医師に「MR君」が行き渡ったことにより成長が鈍化した。このため、エムスリリーは自社内での新規事業の立ち上げや、企業買収によって「医療」に軸足を置いて事業ポートフォリオを充実させる道を選択した。2010年にエムスリーは「プライベートエクイティ」として会社を発展させる方向を明言し、「MR君」によって獲得した利益(自己資金)を買収の原資とした。2010年にはイギリスのEMS社を6.6億円で買収することで、買収を通じた海外進出を本格化させ、国内のMR君に依存しない事業構成を創り上げることを目論んだ。2010年代を通じて医療企業の買収を継続し、2016年にエムスリーは144億円を通じてフランスの医療情報企業・Vadial Groupを買収するなど、世界各地で(ニッチな領域で)競争力のある会社を次々と買収している。なお、2016年の時点でエムスリーの社内には10名ほどのM&A部隊が存在しており、モルガン・スタンレーや産業革新機構といった、M&Aに精通したプロフェッショナルチームが買収案件を手がけており、エムスリー の買収戦略を影で支えている。ただし、積極的な買収により、2020年3月末時点でエムスリーは約700億円の無形資産(のれんを含む)を計上しており、買収先企業の業績不振による減損リスクを抱えている。

    売上高

    1309 億円

    2019年3月期[連結]

    売上高 (億円) - エムスリー

    3月期決算[連結優先]

    エムスリー - 有価証券報告書


    経営戦略

    2000年 MR君のサービス開始

    谷村格

    製薬企業がMR君を利用して一件の情報を医師に伝えた場合の経費は平均約五百円、安い場合は三百円だ。サービスを始めた当時は平均で約七百円だった。来年には平均三百〜四百円に下がるだろう。MRが医師を直接訪問して説明すれば、一回の情報提供につき一万〜一万五千円の経費がかかるといわれている

    2004/4/20日経産業新聞「ソネット・エムスリー社長谷村格氏」

    【解説】接待営業の撤廃が追い風となる

    1990年代までの医薬品メーカーにとって、自社の医薬品の売上高を拡大するためには、医師に対するパイプが極めて重要であったため、MR (医薬情報担当者)を各病院に派遣して医師との接点を作ることが最重要課題とされた。しかし、2000年代にMRと医師との癒着が社会問題となり、MRによる医師に対する接待が実質的に禁止されたため、それまでの義理人情の営業は徐々に影を潜めていった。このため、接待営業の禁止が追い風となり、エムスリーの開発した「MR君」は、医師に対して迅速に医療情報を提供するツールとして急速に普及していった。医薬品メーカーの観点からすると、2000年代以降は営業ではなく「創薬」が企業利益を生む源泉となったため、自社のMRのコスト削減に取り組み始めた。このため、エムスリーは医薬品メーカーに対しては「医師=顧客獲得のコストを下げるツール」としてMR君を売り込むことで、支持を取り付けることに成功している。この結果、エムスリーは2000年代以降の医薬品業界を襲った「接待営業の禁止」「創薬重視」という追い風を受けて急成長を遂げる。

    調査中

    n/a

    純利益率

    18.4 %

    2019年3月期[連結]

    利益率推移 (%)エムスリー

    3月期決算[連結優先]

    エムスリー - 有価証券報告書


    経営課題

    2020年 のれん511億円

    調査中

    n/a

    【解説】減損リスクあり(のれん511億円)

    2010年代を通じてエムスリーは企業買収を積極化させたため、BSに多額の無形資産とのれんが計上される形となっている。加えてエムスリーは会計基準としてIFRSを採用していることから、買収企業が業績不振に陥った場合は、多額の減損損失を短期間のうちに計上するリスクを背負っている。2020年3月末時点で、エムスリーは無形資産を201億円、のれんを511億円、それぞれ非流動資産として抱えている。ただし、エムスリーの借金は少なく(有利子負債約46億円)、換金可能性の高い流動資産1215億円(うち現金および現金同等物は479億円)保持していることから、仮に巨額減損を計上しても、エムスリーの財務状況が危機的な状況に陥る確率は極めて低い。